ACE COOLはなぜアニメ映画の主演を務めたのか?「無名の人生」監督が語った“孤高”の魅力
ラッパーの
5月16日より新宿武蔵野館ほか全国で順次公開される「無名の人生」は、短編「MAHOROBA」でPFFアワード2022の審査員特別賞を受賞した
出演者であり、インスピレーション源
舞台挨拶には監督の鈴木と主演のACE COOLが登場。鈴木は、ACE COOLへのオファーの経緯について「冒険したキャスト候補を挙げていた中でもACE COOLさんは特別というか。実家でアニメを作っているときに『虚無主義』という曲に出会って『明暗』というアルバムをずっと聴いて、カラオケしながら作ってるような感じだった」と振り返り、「ほかの人と違って、敵と戦っているのではなくて、自分と戦っているイメージを感じて、その孤高感がこの映画の主人公にハマるんじゃないかと思った」「出演者でありつつ、インスピレーション源でもあるという感じです」と語った。
一方、ACE COOLはオファーを引き受けた理由について、本作のプロデューサーを務める岩井澤の「音楽」を観ていたことを挙げつつ、鈴木から長文のDMが届いたことを述懐。鈴木はACE COOLのオフィシャルサイトから依頼したあと、いても立ってもいられず、直接DMを送ったとのことで、ACE COOLは「こんなに熱い方なんだと。1人で作ったという熱量にもやられたし、僕の曲もすごく聴いてくれてるということだったので、腑に落ちて受けようということになりました」と述べた。
北野武映画の雰囲気
本作は脚本が準備されなかったそうで、鈴木はその理由について「物語をアドリブで作っていけば想像しないものが出てくると思ったし、お客さんにもハラハラしてほしいというか。ぶっ飛んでる部分もあるけど、エンターテインメントとしていろんな演出をしていきたいと思って作っていきました」と説明。完成した映画を鑑賞したACE COOLは「自分の声がキャラクターになっているというか、『声優できてるな』と思った」と声優初挑戦の手応えを語りつつ、「すごく独特な作品なので、どう観ればいいかわからなくて咀嚼しきれない余韻がすごかった。でも、そういうのって大事じゃないですか。『こう進むんだろうな』という予想からどんどん違うところに飛んでいくのが面白くて。観ている人も読めないと思うんですよ」と映画の感想を言葉にした。
またACE COOLは「絵作りというか冒頭の車のシーンが、北野武映画の雰囲気を感じて自分は好きでしたね」とコメント。鈴木はACE COOLと北野武の映画の話で盛り上がったことを明かし、自身も「(北野武の)影響を受けているかもしれない」と語った。
サプライズで誕生日プレゼント
最後にACE COOLは「この映画に関われたことをうれしく思いますし、これだけの人が観に来てくれてうれしいです。末長く愛してもらえたら自分もうれしいし、多くの人に観てもらいたいです」とコメント。鈴木は、ACE COOLが先日行ったワンマンライブに足を運んだこともあって緊張していると述べつつ、「宣伝が難しい作品ですし、大炎上の可能性も秘めている内容ですが、大事になってもいいやと思って作りました。観た人の感想はみんな違うし、うちのお母さんは3回観ても理解できないと言っていたので、皆さん絶妙に周りの方に宣伝してもらえたらと思います。宣伝めちゃくちゃがんばるので今日が伝説の日みたいになればいいなと思ってます」と語った。
そして鈴木は昨日3月17日に誕生日を迎えたACE COOLに彼のイラストをサプライズでプレゼント。鈴木は「今回本当に受けていただけてありがたくて、これから1ファンとしても見ていくのでよろしくお願いします」と思いを伝え、イラストを受け取ったACE COOLは「家に飾ります」と喜んだ。