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「介護の現場と私の思考」記録

自宅介護、施設介護、訪問介護の経験からの記録

介護福祉士が90歳入居女性を殴りけがさせ後死亡した事件の感想

こんにちは。

 

この事件は繰り返し報道されていたので気になり

ブログで取り上げました。

 

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今月4日、千葉県成田市特別養護老人ホームで入居者の90歳の女性に暴行を加えけがをさせたとして、介護福祉士の男が逮捕されました。

女性はその後、死亡しました。

成田市特別養護老人ホーム「有楽苑」の介護福祉士・鹿俣欽市容疑者(48)は、

今月4日未明、施設の部屋で入居者の椿とみさん(90)の顔を複数回殴るなどの

暴行を加え、けがをさせた疑いがもたれています。

椿さんは事件の4日後に救急搬送され、その翌日に死亡が確認されました。

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現在特別養護老人ホームに勤務しているわたしは、

特養の忙しさと入居者の状態がおおまかに想像できます。

特養(特別養護老人ホームの略称)の1日の流れを書きます。

8時30分~出勤
約40名の入居者の口腔ケア(歯磨き)をする。

この時に「入れ歯を外してもらい」洗ってまた装着する。
これを30分くらいで終了させる。

この時の職員は夜勤者2名 日勤者3名ほど計5名ほどで支援します。

9時~9時50分
排泄介助 ベッドで寝ている人は1人で交換 自力で排泄できる人は2人で介助。
自力でできる人はトイレに座ってもらいますが、足に力が入らない人や車いすの人は

職員が「抱えて」便座に座ってもらいます。
パット、リハパン交換及び陰部洗浄、お尻拭き 抱えてリハパンをはいてもらうために再度抱え、もう一人の職員がパンツを上げズボンをあげてサポートする。

10時前後

水分補給するためにお茶や飲み物の準備をする。
それぞれで飲みこみの状態が違い、それを覚えて飲み物にトロミをつけたりして提供する。デイルームにいる人に提供し、お部屋で生活している人には持っていき飲んでいただく。

 

10時45分 

ベッドで寝ている方を起こす。1人でできない方は2人で介助をする。
おおよそ30分以内で全員起こします。

(体格、体重などそれぞれ違い、とんでもなく重い人もいます)

残りのお茶処分し、昼食で必要なものを準備

 

11時15分 

昼食を取りに行きます。
配膳し11時40分くらいまでには全員が食べていただくようにする。
この時もただ配るのではなく、トロミを付けたりおかゆだったり刻んだおかずだったりとオーダーがすべて違うので決まりに従って配膳を完了させる。

食事がひとりでできない人は食事介助を介護士が行う。
この時1対1ではなく、1対2が通常のスタイル。

12時20分くらいまでに食事を済ませ、2回目の口腔ケアを行う。
入れ歯外す。舌磨きなどそれぞれの計画に沿って行う。

13時から 

2回目の排泄介助


14時までに終わらせる。

14時10分くらいに2度目の水分補給

15時くらいまでには終了。

15時から床掃除、ショートステイの部屋作り、机拭き、記録など事務処理や雑務を行う。

15時45分 ベッドの方をデイルームにおつれするために起こしに入る。

 

16時ころ夜勤者と合流する。


16時20分くらいまでに完了させる。

16時30分 

夕食の準備 食事を取りに行く

16時50頃までに配食する。食介を始める。
食べた方の片付けも同時に行う。

17時15分頃 

3回目の口腔ケア

17時30分業務終了。

残りは夜勤の方が行い、今後は就寝介助に入る。

 

という流れで、次から次へと仕事が押し寄せて来ます。

介護の現場は認知症の方がほとんどです。
そのなかには

〇指示が通らない人がいる(こちらのいうことが理解できない)

〇場所が分からずあちこちで排便や排尿をする
〇介護者に暴言や暴力を行うものがいる
〇1日中、大声で自分のことを話す人がいる。
〇夜眠らず、歩き回っている人がいる。
〇急な病変が起こる

など自宅で介護できない状態のかたが多く集まっているので普通の状態ではありません。


上記の成田市の事件は

事件を起こした人はもちろんいけませんが、

その背景が一体何だったのかが明らかになっていません。

その介護福祉士の心の闇が引き起こしたのかもしれませんし、利用者自体がかなり悪態をつく人なのかもしれません。

拒否が強い人は家族泣かせ、介護士泣かせです。

何が背景にあったのか明らかにあることがこの事件の全容をしる鍵になるのではないかと感じました。

ちなみに今日、利用者に噛まれました。

 

「人殺し―」といいながら人を噛みます。

オムツ変えていただですが
これが**特養で働く私たちの『日常』**です。

この日常の負荷こそが、

今回の事件の背景にある、

最も深刻な社会問題だと私は考えています。

 

 

 

 

 

 

 

小嶋勝利さんの書籍です。この方は実践を通して書いておられるので特養が

どんなところなのかがよくわかる本です。

 

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