「国体」とは何かとchatGPTに聞いた 昭和天皇が終戦受諾の際に強くこだわった「国体(こくたい)」とは、 **「天皇を中心とした国家秩序・統治の根本原理」**のことです。 しかし、ここで重要なのは、昭和天皇が言う「国体」は、 「軍国主義」や「神がかった…
原武史、菅孝行、磯前順一、島薗進、大澤真幸、片山杜秀『これからの天皇制』(春秋社)を読む。本書は法華コモンズ仏教学林が主催した特別講座の内容を書籍化したもの。 原武史は大正天皇や昭和天皇、皇后を論じた著書がある政治思想史学者だ。 菅孝行は過…
奥泉光・原武史『天皇問答』(河出新書)を読む。小説家の奥泉と日本政治思想史学者の原が天皇制を巡って対談している。原には『大正天皇』や『昭和天皇』、『象徴天皇の実像』などの著書がある。 明治新政府を作った元勲たちは天皇を「玉」であると考えてい…
北野隆一『側近が見た昭和天皇』(幻冬舎新書)を読む。副題が「天皇の証言でたどる昭和史」。北野隆一は朝日新聞記者、戦後、宮内庁の初代長官を務めた田島道治が書いていた日記、そして戦前から戦中にかけて侍従長を務めた百武三郎の日記、それらが公開さ…
原武史『日本政治思想史』(新潮選書)を読む。本書は放送大学の教科書を加筆改訂したもの。そのためか丁寧にやさしく書かれている。でありながら、丸山眞男の『日本政治思想史研究』に対して強く批判するなど、安易な啓蒙書とは全く違う。とくに西武線沿線…
暗殺されたジョン・F・ケネディ―についてはなぜか褒めたたえる声しか聞かなかった。優れたどんな業績があるのかも知らなかった。今度初めて蓮見重彦が厳しい評価をしているのを読んだ。「“大統領”というものが、時代や国籍を問わず、好きになれない」より(…
えきたゆきこ『マコの宝物』(現代企画室)を読む。マコという小学生を主人公にした児童文学書。作者について、「著者略歴」から、 本名浴田由紀子。1950年山口県長門市に生まれる。北里大学卒業。臨床検査技師となる。74年、東アジア反日武装戦線大地の牙に…
原武史『象徴天皇の実像』(岩波新書)を読む。副題が、「『昭和天皇拝謁記』を読む」というもの。政治学者の原武史が、田島道治がまとめた昭和天皇とのやりとりを記した『拝謁記』を分析したもの。田島は戦後の2代宮内府長官、次いで初代宮内庁長官を務め…
飯山陽『イスラムの論理』(新潮新書)を読む。袖の惹句より、 神の啓示の言葉を集めたコーランによれば、異教徒は抹殺すべき対象である。彼らを奴隷化することも間違っていない。ジハードは最高の倫理的振る舞いである。(……)気鋭のイスラム思想研究者が、…
小野寺拓也・田野大輔『検証 ナチスは「良いこと」もしたのか?』(岩波ブックレット)を読む。「はじめに」で、「ナチスは良いこともした」という議論が、定期的に繰り返されていると書き、それが本当かを丁寧に反証している。 ヒトラーは選挙で勝ったから…
宇野重規 著、若林恵(聞き手)『実験の民主主義』(中公新書9を読む。副題が「トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ」とうもの。編集者の若林が政治学者の宇野に質問して宇野が語るという形式をとっている。全6回の対話を基に本書が正立した。 宇…
池上彰/パトリック・ハーラン『世界を動かした名演説』(ちくま新書)を読む。池上彰とパトリック・ハーラン(以下パックン)が対談で、名演説を紹介し、その名演説であるポイントを紹介する。特にパックンは英語原文のレトリックの面白さやリズムの良さ(…
小林吉弥『田中角栄名語録 普及版』(プレジデント社)を読む。本来手に取る種類の本ではないが、コロナで入院していた折り、友人が差し入れしてくれた。ほかに活字がなかったので読んでみた。それがとても面白かった。田中角栄の政治思想や功績を取り上げて…
白井聡『長期腐敗体制』(角川新書)を読む。これが実に面白かった。袖の惹句から、 なぜ、この国ではいつも頭(トップ)から腐っていくのか? そして、不正で、無能で、腐敗した政権が続いてしまっているのか? 実は、第二次安倍政権以降の状況は「体制」と…
姫岡とし子『ローザ・ルクセンブルク』(山川出版社:世界史リブレット)を読む。副題が「闘い抜いたドイツの革命家」。リブレット=小冊子だから100ページちょっとの簡単な伝記。私はローザについてはほとんど知らなかった。先に読んだ池上彰・佐藤優『激動…
池上彰・佐藤優『漂流 日本左翼史』(講談社現代新書)を読む。『日本左翼史』シリーズの3冊目で最終巻。副題が「理想なき左派の混迷 1972―2022」、最初の『真説 日本左翼史』の副題が「戦後左派の源流 1945-1960」と15年間を扱い、次の『激動 日本左翼史』…
池上彰・佐藤優『激動 日本左翼史』(講談社現代新書)を読む。副題が「学生運動と過激派 1960-1972」、先に発行された『真説 日本左翼史 戦後左派の源流 1945-1960』の続編。池上と佐藤の対談で構成されている。 「はじめに」で佐藤優が書いている。「本書…
田原総一朗+藤井聡『こうすれば絶対よくなる! 日本経済』(アスコム)を読む。雑誌『ちくま』に斎藤美奈子が紹介していた(2021年12月号)。しかし、藤井は安倍政権の元内閣官房参与、MMT(Modern Monetary Theory=現代貨幣理論)を信奉している。MMTでは…
斎藤幸平『人新生の「資本論」』(集英社新書)を読む。私が3月に購入した本は20万部突破と帯にうたっていたけれど、最近書店で見たものには39万部となっていた。こんな難しい本がベストセラーじゃん! 「人新生」とは、人類が地球を破壊しつくす時代と、こ…
池上彰・佐藤優『真説 日本左翼史』(講談社現代新書)を読む。副題が「戦後左派の源流 1945-1960」というもの。池上と佐藤が対談して、戦後から60年安保までの日本の左翼の動きを概括している。これがとてもよく整理されていて、教えられることが多々ある…
加藤典洋『戦後入門』(ちくま新書)を読む。カバーの袖の惹句から、 日本ばかりが、いまだ「戦後」を終わらせられないのはなぜか。この国を呪縛する「対米従属」や「ねじれ」の問題は、どこに起源があり、どうすれば解消できるのか――。世界大戦の意味を喝破…
高橋源一郎『たのしい知識』(朝日新書)を読む。副題が「ぼくらの天皇(憲法)・汝の隣人・コロナの時代」となっている。本書はこの3つのテーマを独立に論じたもの。雑誌『小説トリッパー』に連載した。 地味なタイトルだがとても面白かった。高橋は教科書…
蔭山宏『カール・シュミット』(中公新書)を読む。副題が「ナチスと例外状況の政治学」というもの。ナチスの独裁思想を擁護したワイマール期の最右翼の政治学者。ナチの御用学者。その独裁の政治思想ってどんなものなのだろう? シュミットは例外状態を重視…
筑摩書房のPR誌『ちくま』10月号に斎藤美奈子の連載エッセイ「世の中ラボ」の126回目が掲載されている。タイトルが「「安倍辞任」でも気分が晴れない理由(わけ)」、その一部を紹介する。 まず安倍政権とは何だったのか思い出してみよう。 適菜収『国賊論』…
井上ひさし『二つの憲法』(岩波ブックレット)を読む。二つの憲法とは、明治22年に発布された大日本帝国憲法と、昭和21年に公布された日本国憲法だ。井上はこの二つの憲法を比べている。 大日本帝国憲法について、井上が解説する。天皇は帝国議会を開会した…
手嶋龍一『汝の名はスパイ、裏切り者、あるいは詐欺師』(マガジンカウス)を読む。著者の手嶋はもとNHKワシントン支局長、テレビニュースで何度も見かけていた。そんな経歴から国際政治の裏面に通じているようで、対テロ戦争を描いたノンフィクションやイン…
片山杜秀『国の死に方』(新潮社新書)を読む。これがおもしろかった。片山は音楽評論の世界でも高い評価を受けていて、音楽に関する著書も多いが、もともとの専門は政治思想史の研究者なのだ。音楽評論では吉田秀和賞とサントリー学芸賞を受賞している。 本…
岩下明裕『北方領土・竹島・尖閣、これが解決策』(朝日新書)を読む。2013年7月に発行されたが、その10月6日に朝日新聞の読書欄に萱野稔人が書評を寄せていた。その書評で萱野が高く評価しているのを読んですぐに購入した。しかしそのまま本棚に差して2年…
エズラ・F・ヴォーゲル/聞き手=橋爪大三郎『トウ小平』(講談社現代新書)を読む。3年ほど前、エズラ・F・ヴォーゲル『トウ小平』(日本経済新聞社)が刊行された。今回聞き手を勤めた橋爪は、それが極めて優れたトウ小平論でありながら、日本語版で上下2…
以前、佐高信と早野透の対談『丸山眞男と田中角栄』(集英社新書)を紹介したが、なかで特に印象に残った言葉があった。 佐高信 中曽根が国鉄民営化をやる。小泉が郵政民営化をやる。しかしそれは民営ではなく、会社にしたということに過ぎません。そう私は…
Modesty M. Polo、略してM.M.Polo ほぼ毎日コラムを書いている。左の絵は山本弘が描いた19歳の私。
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