
2024年11月下旬、京都・大山崎町、天王山の中腹にある宝積寺を訪ねました。
秀吉が明智光秀と戦った山崎の戦いの際は、
秀吉の本陣が置かれていたという寺で通称「宝寺」。
今年は紅葉の見頃が例年より遅かったためか
石段の脇にある大木の紅葉がちょうど見頃でした。

「宝寺の隣に住んで桜哉」
宝積寺の隣にある大山崎山荘を訪れた夏目漱石が、
当時、山荘にあった見事な枝ぶりの「憩いの桜」を詠んだ一句です。
「憩いの桜」とはどんな桜だったんでしょうね。
漱石が詠んだほどですから、それはもう美しい桜だったはず。
現在、大山崎山荘は美術館として公開されていますが、
その庭でシダレ桜、ソメイヨシノ、八重桜などを見ることができます。
枝ぶりが美しい桜といえばやはりシダレ桜。
「憩いの桜」はシダレ桜の大木だったのかもしれません。

澄み渡る秋空を背にした三重塔は重要文化財。
この塔は、山崎合戦でなくなった人を弔うため
秀吉が一夜で建立したと伝えられています。
いくら秀吉でもこんなに立派な塔を一夜で建てるのは無理ですが、
一夜城で有名な秀吉らしさが感じられる逸話です。

宝積寺は、多種多様な文化財を所蔵するお寺。
門の両脇で参拝者を睨みつける金剛力士立像は、
鎌倉前期に建造された重要文化財です。
そして本堂には、洪水で流出した橋を神通力で
復元したという伝説が残る
金色の十一面観音が祀られています。
さらに閻魔大王坐像や、金剛力士像、毘沙門天立像など貴重な仏像群が鎮座。
拝観料をおさめれば、本堂と閻魔堂に祀られた仏像を拝むことができます。
(2024年11月撮影 機材:CANON EOS RP)
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