21日に閣議決定された経済対策の予算規模について、財政規律を求める一部の自民党議員から異論が出ている。党内や日本維新の会などからの追加要望で、規模が20兆円を超えるほどに膨張したためだ。
河野太郎元デジタル相は18日の党政調全体会議で「こんな自民党になって悲しい」と述べ、公然と批判した。予算の追加要望ばかりだった会場は一瞬、凍りついたが、賛同する意見は続かなかった。
Advertisement河野氏はその後、自身のX(ツイッター)で、新型コロナウイルス禍以前に補正予算が10兆円を超えたのはリーマン・ショックや東日本大震災の時に限られ、「危機という状況でもないのに昨年の補正予算額を超えろという声が大きい」と指摘した。一定の財源の中で予算配分してきた党の姿勢が失われつつある現状を嘆いた。
出席したベテラン議員は「まさに正論。心の中でうなずいた人は少なくない」と理解を示したが、今の党内では大勢ではない。
18日の東京市場では、日経平均株価が約3週間ぶりに5万円を下回り、円安・株安・債券安がそろう「トリプル安」の様相をみせた。21日も株価が大幅下落した。高市政権が掲げる「責任ある積極財政」の下で初となる予算編成に与党内は沸き立つ一方、市場の視線は厳しさを増している。【東久保逸夫】


















