
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の高橋治之元理事(78)の現金受領疑惑を巡る東京地検特捜部の強制捜査は、札幌市による2030年冬季五輪・パラリンピック招致活動への影響が避けられそうにない。関係者は「疑惑が芋づる式に出たら、札幌は終わる」と危機感をあらわにした。
特捜部の係官が家宅捜索に入った26日、時をほぼ同じくして札幌市では、機運醸成のために政財界やスポーツ関係者らで構成された「プロモーション委員会」が開かれていた。ある委員は「これから騒ぎになる。表向きには、だからこそクリーンに招致をやるということになると思うが……」と深刻そうに話した。27日は、札幌商工会議所が旗振り役を務める招致期成会が総決起集会を開く。別の関係者は「最悪のタイミング。ダメージが大きい」と頭を抱えた。
近年の五輪招致では、買収疑惑が頻発した。02年ソルトレークシティー冬季五輪では、親族への奨学金供与疑惑を皮切りに金銭や便宜供与、高額な贈り物などが次々と発覚し、国際オリンピック委員会(IOC)委員6人が除名された。これを機に、IOCは五輪開催に関わるあらゆる報酬や利益などを要求や受領することを禁じ、委員による立候補都市訪問も禁止した。それでも不正は収まらず、16年リオデジャネイロ五輪では、組織委…
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