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「運動神経が抜群で、家族思いで、自慢の孫だった」。大阪・ミナミの道頓堀で少年3人が刃物で刺されて死傷した事件で、死亡した少年(17)の祖父母が16日、毎日新聞の取材に応じた。高校中退後、新たな就職先で懸命に働いていた。週末は祖父母が経営する農場を手伝い、将来は後を継いでもらおうと期待していた矢先の

翌日からの3連休に向け、2人の友達に聞いた。 「あしたは何するの?」 2人は町外に出かけると声を弾ませた。 2人とは将来にわたって、町を盛り上げていくと信じていた。 それが、会話から24時間もたたないうちに事故に巻き込まれ、17歳で亡くなってしまうとは夢にも思わなかった。 北海道古平町のすし店「新

2024年8~11月に首都圏であった連続強盗事件は、指示役とされる4人の逮捕から2カ月がたった。 時に住人の命さえ奪われる凄惨(せいさん)な事件が繰り返された頃、「誰よりも金回りが良かった」(捜査関係者)と言われる人物がいる。 福地紘人容疑者(26)。 4人の指示役の一人とされ、東京・赤坂の高級マ

弁護士会から危うさを指摘されながら、「適正業務」を掲げ続けてきた。 だが、現役社員ら複数の関係者は「社長や幹部たちは、一部の業務が違法だと分かりながらやっていたはず」と明かす。 「退職代行モームリ」を運営するアルバトロス(横浜市中区)の社長らが3日、警視庁に逮捕された。報酬と引き換えに依頼人を弁護

東京・歌舞伎町で2025年10月、ユナ(仮名)という14歳の少女がビルから飛び降り、亡くなった。 翌週、警察官に案内され、現場で涙をこぼす男性がいた。ユナの父親だった。 「お父さんは、ユナちゃんを何とか歌舞伎町から離そうとしていた。うまくいかなくても、決してあきらめようとしなかった」と、一家を知る

秋が深まった2025年10月の夕刻、東京・歌舞伎町で1人の少女がビルから落ち、亡くなった。14歳だった。 「心中デートしまーす」 亡くなる数時間前、少女はインスタグラムにそう書いた。 歌舞伎町は、「死」につながりかねない危険が日常と隣り合わせにある街だ。少女にとっては、そうだった。 彼女を知る人を

民主主義への信頼を揺るがす行為が昨夏、また起きた。 2025年の参院選、東京都大田区の開票作業で、無効票が勝手に2500票も水増しされる不正があった。 「開票作業を早く終わらせるためだったのでは」 区幹部は不正を公表した記者会見で、背景事情をそう推し量った。候補者や政党の得票に影響はなかった。 だ

2025年の夏、参院選で不正があった。 それは政治家によるものではなく、開票を担った自治体の職員による投票結果の改ざんだった。「あってはいけないこと」。トップは頭を下げ、唇をかんだ。 それから半年――。 1月中旬、不正を起こした東京都大田区は、さらに過去の選挙でも票数を操作した疑いがあると明らかに

東京大大学院の教授らと共同研究相手との間で接待が繰り返されていたとして、警視庁が、皮膚科の権威として知られる教授(62)を収賄容疑で逮捕した。 癒着の舞台になったのは、大学院医学系研究科。そして大学と民間事業者による「産学連携」の取り組みだ。 産学連携の共同研究はここ20年余り、国から国立大学への

「捜査4課はどんな相手にも負けたらあかん」――。 揺るがぬ正義感が、前代未聞とも言える組織の暴走を招いた。 家宅捜索中に捜査対象の男性らを暴行したとして、大阪府警の警察官が相次いで逮捕、書類送検された。 警察官による集団暴行はなぜ起きたのか。当事者らが裁判で語った内容から、その動機と一部始終が見え

「仮想通貨でお金を溶かしてしまったので、売るそうです」「他にも買いたい人はいますよ」―― 2025年4月。大阪市中央区の司法書士事務所に複数の不動産業者が集まった。 この日、業者らは売買情報が流れていた物件の説明を受けるため、窓口になっていた司法書士を訪ねていた。 売りに出されていたのは、大阪・中

熱狂に包まれた島はいま、工事車両の重低音が響きわたっている。 大阪・関西万博が閉幕して3カ月。会場となった大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)では、大屋根リングやパビリオンの解体工事が続く。 2557万人が来場し、大団円で幕を閉じた万博。 「私の中では、まだ終わっていないんです……」 実は、裏で苦しみ

2025年10月、一人の俳優が車にはねられて亡くなった。 「作品の一部になりたい」と望み、間近に迫った舞台の練習を終えて家に帰る途中だった。 自転車に乗っているところをワゴン車に追突され、車はそのまま走り去った。ひき逃げだった。 運転手は1日もたたずに捕まり、警察にこう言った。 「居眠りしていた。

性的な写真をばらまかれたくなければ、金を送れ。さもないと人生を破壊する――。交流サイト(SNS)で知り合った相手に性的な画像や動画を送信させ、「拡散する」と脅して金銭を要求することを「金銭セクストーション(性的脅迫)」という。大阪府在住の20代男性が毎日新聞の取材に応じ、赤裸々に被害実態を打ち明け

事件が発覚し、110番が入った時刻の3分前のことだった。 2000年12月31日午前10時53分、住宅街にあるセブン―イレブンの前を、1人の男性が駆けていった。 一家4人が殺害された東京都世田谷区上祖師谷3の宮沢みきおさん(当時44歳)宅から数百メートル。京王線仙川駅の方へ向かう姿は今も1枚の写真

その1年が終わりかけた師走の夜、仲むつまじい4人家族は何者かに殺された。父親は階段の下で、母親は小さな娘を守ろうとした末に亡くなった。 宮沢みきおさん(当時44歳)一家4人が犠牲になった「世田谷一家殺害事件」は、2000年12月30日の発生から、まもなく25年を迎える。 犯人が残した衣類や血痕、D

大阪府内の介護施設で、認知症の女性を次々に襲って性的暴行を加えたとして、不同意性交等などの罪に問われた元介護士の男性(55)=控訴中=に拘禁刑7年の実刑判決が言い渡された。 男性は入所する70~80代の女性4人が認知症で意思表示できないことに乗じて、下半身を触るなどの性的暴行を加えたとして計12の

「影」は真夜中にやってきた――。 大阪府内の介護施設で、認知症の高齢女性が相次いで性的暴行を受ける事件が起きた。 「認知症だからすぐ忘れる。ばれないと思った」 逮捕された介護士の男性は、卑劣な動機を口にした。 声を上げられない被害者に忍び寄る介護士。事件の真相を明らかにしたのは、4000時間にもの

その「刑事」だけが味方になってくれると感じた。逮捕される不安で涙した自分を励ましてくれた。 だから信じて、大金を預けた。自撮り写真を送り続けた。捕まりたくない一心だったが、相手は実は詐欺犯だった。 若い世代が偽の警察官に現金をだまし取られる事件が急増している。 電話で詐欺被害に遭うのは、高齢者だけ

地区一番の献金者――。すぐにうわさは広まった。奈良市内の教会に通っていた信者の女性は「勝利者」とたたえられ、誇らしげだった。 およそ30年後の2022年7月8日。奈良市の近鉄大和西大寺駅前で安倍晋三元首相が銃撃され、死亡した。 関西在住の70代女性は、容疑者として逮捕された山上徹也被告(45)の名