
連載
「終わり」が意識される時代に「はじまり」へのヒントを見つけたいと願いつつ――。佐藤千矢子論説委員のコラムです。
衆院選では、自民党が316議席を獲得する歴史的勝利をあげ、中道改革連合は49議席の壊滅的敗北に終わった。中道では幹部らの落選が相次ぎ、その衝撃はいまだ冷めやらない。 普段は気軽に取材に応じてくれる中道の前議員が、選挙戦終盤、電話に出なくなった。代わりに、日刊スポーツが6日に配信した記事を携帯電話の
個人的な投票体験だが、大事なことなので書いておきたい。 衆院選の投票所入場券が、私の住む地域では公示から2日後に届いた。さっそく週末に期日前投票に向かった。 小選挙区、比例代表と順に投票を終えると、あっという間に出口に着いた。「あれっ、なんかおかしい」。最高裁判所裁判官の国民審査の投票をしていない
自民党と日本維新の会が連立政権発足で合意した昨年10月、永田町では「これで消費減税はなくなった」という反応が多かった。 連立政権の合意書に、2年間限定の飲食料品の消費減税について、次のように盛り込まれたからだ。「視野に、法制化につき検討を行う」。慎重な書きぶりに「やらないという意味だね」と多くの人
読売新聞の電子版が通常国会冒頭での衆院解散・総選挙を報じてから10日後の今月19日、高市早苗首相がようやく記者会見をした。 来年度予算案の成立を遅らせる日程での解散に疑問の声があがる中、どんな大義が語られるのか興味津々で聞いた。首相は、情熱を演出するような赤いカーテンをバックに「なぜ今なのか。高市
「何のために解散するんでしょうかね。私たちは客観的にただ受け入れるだけの立場ですが、なんでかなあって思うんですよね」 新年の集まりで、さまざまな業界の人と話す機会がある。「最近の高市早苗政権をどう思いますか」と聞くと、ある自民党の地方議員からこんな答えが返ってきた。静かに自問するように語っていたか
「日本は核保有すべきだ」。首相官邸の安全保障担当者が昨年12月18日、記者団に語った。個人的な見解と断っており、現実には非核三原則を見直すつもりはないとも語っているが、不用意で看過できない発言だ。 ところが「核保有」という内容以上に、この発言をメディアが報じたことについて「オフレコ破りだ」と批判が
DOGE(ドージ)は、トランプ米政権で実業家イーロン・マスク氏が率いた政府効率化省の略称だ。日本でも政府予算の無駄を見直そうと、日本版DOGEが発足した。「租税特別措置・補助金見直し担当室」という。 とはいえ米国とは性格も規模も異なる地味な組織だ。「担当室」だが、部屋はない。関係省庁の官僚約30人
台湾有事を巡り、集団的自衛権を行使できる「存立危機事態になり得る」と高市早苗首相が発言して、1カ月以上がたった。 中国軍機による自衛隊機へのレーダー照射など、中国側の対応には許されないものがある。その上で、日本側の動きで興味深く感じた三つのことに触れたい。 一つは先月の高市氏と立憲民主党の野田佳彦
アイスランドは男女平等が最も進んだ国として知られる。ジェンダー平等度を比較した国際的な指数では、16年連続で世界一だ。だが昔からそうだったわけではない。その謎を知りたくて、映画「女性の休日」を見に行った。 内容は2日の小国綾子記者のコラムでも書かれていたので恐縮だが、今から50年前の1975年10
台湾有事を語るとき、細心の注意を払うのは外交・安全保障の常識だ。だが、すべてを「あいまい戦略」という風呂敷に包み、何が問題か国民にわからないのも困ったことだと思う。 11月7日の衆院予算委員会で、高市早苗首相が、台湾有事は日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態になり得る」と答弁してから3週間
高市早苗首相が高い内閣支持率を頼りに、早期の衆院解散・総選挙に踏み切るのではないかという観測がまた出ている。 具体的な動きは実はほとんどない。それがわかっていながら解散論が消えないのは「いろいろ考えると解散するのは今しかないはずだ。そうしなければ高市政権は早晩、立ち行かなくなるのではないか」(閣僚

高市早苗首相の午前3時出勤が話題だ。就任後初の衆院予算委員会に入念に準備して臨むためだったのだろう。この先は常識的な対応をお願いしたいし、国会改革にもつなげてほしい。それはそれとして、より深刻な問題だと思うのは、新政権が労働時間の規制緩和を検討していることだ。 規制緩和を求める動きは、昨年秋ごろか
立憲民主党の最高顧問、枝野幸男氏の発言が波紋を広げている。 集団的自衛権の行使容認を盛り込んだ安全保障法制について「10年たって違憲の部分はない。だから変えなくていい」と語った。 2015年に制定された安保法制は、立憲にとって立党の経緯に関わるテーマだ。立憲は選挙公約で「安保法制の『違憲部分』を廃
高市早苗政権が発足し、自民党の中堅議員と話していたら、次のような感想を語っていた。「自民党内には不満のマグマがたまっている。今のところ静観しているのは、二つの理由があるからだ」 一つは公明党との関係という。 高市自民党総裁の誕生を機に、公明は26年間続いた自民との連立政権から離脱し、一時は党内に動
高市早苗政権の発足に先立ち、先週、日本外国特派員協会で記者会見をする機会があった。講演や記者会見でいつも楽しみなのは、質疑応答を通じて人々がどんな関心を持っているかをじかに感じられることだ。「日本で女性初の首相の誕生」に関する質問が複数出て、印象に残った。 米ブルームバーグ通信の記者からは「高市さ
石破茂首相が「戦後80年に寄せて」とする所感を出した。 談話を出す、出さないの大騒ぎの中、終戦記念日の8月15日も、日本が降伏文書に調印した9月2日も発表を見送った首相が、退陣間近に意地を見せた形だ。 興味津々で読んだが、評価の難しい文章だ。言っていることは、もっともだ。だが、本来、言いたかったこ
自民党総裁となった高市早苗氏は、近く女性初の首相に就任する見通しだ。そこでふと月刊誌「中央公論」(2024年7月号)の「女性総理という選択」という特集で、読売、日経の政治記者と鼎談(ていだん)をしたことを思い出した。 当時の上川陽子外相や高市氏らの首相就任の可能性や力量を論じた。鼎談記事は、読売の
内向き姿勢に終始した自民党総裁選の結果が間もなく出る。これほど低調な論戦になろうとは思わなかったが、嫌な予感はあった。 参院選で歴史的な大敗を喫した自民党が9月2日にまとめた総括報告書。自民党離れを招いた九つの要因を挙げ「解党的出直し」を掲げた。けれども改善策には、ぱっとしないメニューが並び「あれ
自民党総裁選での高市早苗候補の話には驚いた。といっても、所見発表演説会で「奈良の女です」と切り出し、万葉集の歌を詠みながら、奈良公園の鹿を外国人観光客から守れと語ったことではない。 それに先立つ出馬表明の記者会見で、冒頭から約50分間、政策の説明をしたことが話題になった。冗長に感じる部分もあったが
二度あることは三度あるということなのか。自民党総裁選とその後の首相指名選挙で、新総裁が次の首相に就いたら、早めに衆院を解散して国民に信を問うのでは、という観測が出ている。 岸田文雄政権、石破茂政権は、いずれも新政権発足から最速ペースで衆院を解散した。表向きの理由はともかく、総裁選の勢いを衆院選につ