
今回は昔話に少しお付き合い願いたい。日本航空(JAL)の破綻と再生の話だ。2010年1月19日、日航は会社更生法の適用を申請した。負債総額は約2兆3000億円。世間一般で言う「倒産」だ。「日航はもう終わりだ」と言われ、「腐った翼」「堕(お)ちた翼」「再生の嘘(うそ)」と題した本が書店に並んだ。
私を含めた再建チーム(管財人団)は、債権者や社員にとって非常に厳しい更生計画を策定し、実行した。銀行に多額の債権放棄を了承してもらい、従業員の約3分の1に去っていただき、給与も大幅にカットした。その後、経営環境が好転したこともあり、業績は急回復し、12年9月に再上場を果たした。
再生が鮮やかだったこともあり、当時関係した役人や銀行員と会うと、「会社更生法を適用して、あれほど厳しくリストラをする必要はなかったのでは?」と今でも言われる。「もう少し緩い再建策でよかったのでは?」と批判されることもある。当時、再建がうまくいかず経営が再び悪化すれば「2次破綻(破産)の恐れがある」と騒がれていたことは、もう忘れ去られている。
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