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特集

戦争とトラウマ

アルコール依存や家庭内暴力……。戦地での過酷な体験から、旧日本兵や家族の苦しみは戦後、長く続いています。

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「おやじもそうだったのか?」 戦争トラウマを世に問うた家族の語り

毎日新聞2024/8/16 05:01(最終更新 8/14 20:55)有料記事English version1407文字
証言集会で父慶次郎さんの写真を手に語る黒井秋夫さん=東京都武蔵村山市で2022年8月7日、幾島健太郎撮影
証言集会で父慶次郎さんの写真を手に語る黒井秋夫さん=東京都武蔵村山市で2022年8月7日、幾島健太郎撮影

 父の家庭内暴力やアルコール依存に苦しみ、うまく親子関係を築けなかった――。戦後を生きた子どもたちが長年抱え込んでいた悩み。もとをたどると、79年前に終わった戦争での過酷な経験が背景にある可能性が見えてきた。家族への影響も含めた戦争トラウマの実態について、国も調査に乗り出した。

 <関連記事> 
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 戦争トラウマについて問い直す家族グループの中心的存在は、東京都武蔵村山市の黒井秋夫さん(75)。父慶次郎さんは約7年間、中国の戦地にいた。戦後に生まれた黒井さんと父は、日常会話がほとんどなかった。

 父は人との関わりを拒み、地区の行事や集会には母や兄が代わりに参加した。定職にもつかず、工事作業員などの仕事を転々とし、「ダメな大人」という黒井さんの評価は、77歳で父が亡くなるまで変わらなかった。

父の心を壊した最大の原因とは…

 だが2015年末、ベトナム戦争のドキュメンタリー映像を見て変わった。復員後にPTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しむ米兵の姿は父と重なった。「おやじもそうだったのか」

 小学生のころ、戦前の父について「勉強ができて、貧乏でなければ進学できるほど優秀だった」と親…

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