両者の好プレーの応酬に控室の検討も熱くなってきた。ここで本局の関係棋士たちを紹介しておこう。立会・張栩九段、新聞解説・河野臨九段、記録係・青木裕孝三段、竹下凌矢二段、大盤解説・鶴山淳志八段、聞き手・星合志保三段、ネット解説・鈴木伸二八段という陣容である。この他に見学に来た棋士たちも加わってにぎやかになった。
単なる利かしかと思われた白68のツケを、河野九段は「予定どおりだったのでしょう。神経が行き届いた手です」と絶賛した。もしこの手で参考図、白1から5と上辺に回れば、黒6のツケが痛打となる。白aと受ければ黒12で、次に黒bの切りと8からの突き出しが見合いだ。黒6に白7のハネ出しなら黒8のワリコミがうまく、黒12まで白の連絡を断たれてしまう。
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