「思い入れがある」本因坊戦で初の7大タイトル獲得を目指した余八段の悲願達成は、お預けとなった。
2013年、第69期本因坊戦で初めてリーグ入り。各棋戦で活躍してきたが、優勝やタイトル獲得にはあと一歩届かず、今回が6回目の7大タイトル挑戦だった。関西棋院所属の棋士として62期ぶりの本因坊戦の番勝負への登場で、棋院の期待も背負う形になった。
深い読みの力に裏付けられた積極的な仕掛けを身上とする余八段は、3局とも粘り強い打ち回しも見せ、「今、日本で一番強い棋士」と認める相手を苦境に追い込む場面をつくった。ただ、高いレベルでの読み比べの中、勝負どころの一着でやや正確性を欠いた。
残り142文字(全文431文字)