
物価の高騰が続く中で2023年春闘が始まり、賃上げの動きがどこまで広がるか注目されている。経団連の大橋徹二副会長(コマツ会長)に組合側との交渉のポイントを聞いた。
――今春闘をどう位置づけますか。
◆30年ぶりの物価上昇の中での労使交渉になる。賃金上昇のモメンタム(勢い)の維持、強化がとても大事だ。物価が賃金決定の重要な要素だと考えてほしい。ただし、今回はこれを機に長く続いたデフレマインド(物価は上がらないという心理)からの脱却も大事だ。人への投資を含め、企業が行動を変える良いきっかけにしてほしい。消費者が値上げをある程度容認する雰囲気を作り、(値上げ分を価格に転嫁した)適正な取引をしていくことが必要だ。
――同一労働同一賃金を進めても、非正規労働者の賃上げはなかなか進みません。
◆不本意な形で有期雇用になっている約1割の方にはフルタイム勤務になれる機会を作り続けなければならない。残る約9割は子育てや介護、自分の生活に合わせて有期雇用を自ら選んでいるが、社会保障に絡む「年収130万円」などの壁がなければもっと働きたいという声が多い。こうした雇用調整(就労抑制)について政府は対応を考えると言っており、歓迎したい。賞与や手当などの考え方も議論の俎上(そじょう)に上がる可能性がある。有期雇用でも働きたい人が存分に働ける体制や社会、仕組み作りが大切だ。
――30年間、実質賃金は低迷したままです。反省点はありますか。
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