
名古屋出入国在留管理局(名古屋市)で収容中だったスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が3月に死亡した問題で、毎日新聞は7月6日にオンラインイベント「ウィシュマさんの命が問うもの~『入管収容死』はなぜ続くのか~」を開いた。ウィシュマさんの死は外国人の在留管理を厳格化する入管法改正案の国会審議にも大きな影響を与え、法案が事実上廃案となるきっかけになった。当日は外国人の人権に詳しい弁護士や毎日新聞「入管・難民問題取材班」の記者らが一連の問題を議論し、300人余りの参加者が視聴した。
イベントには、ウィシュマさんの遺族代理人を務める指宿昭一弁護士のほか、取材班の和田浩明、上東麻子の両記者、国会審議を取材した政治部の宮原健太記者が登壇。入管問題を精力的に取材しているフォトジャーナリストの安田菜津紀さんが司会を務めた。
ウィシュマさんは2017年6月に来日。千葉県の日本語学校に通ったが次第に休むようになり、学校が18年6月に受け入れを終了した。20年8月、同居男性から家を追い出され、当時住んでいた静岡県内の交番に助けを求めたところ、オーバーステイで名古屋入管に収容された。出入国在留管理庁がまとめた中間報告書などによると、今年1月中旬から嘔吐(おうと)や食欲不振、体重減少などを訴え、一時的に収容を解く「仮放免」や外部病院での点滴などを求めていた。だが要望は認められず、3月6日に搬送先の病院で死亡した。収容前、同居男性から暴力を受けていたと訴えていた。
ウィシュマさんの死について、…
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