米Red Hatは5月7日(米国時間)、Red Hat Enterprise Linuxの最新メジャーリリース版となる「Red Hat Enterprise Linux 8」のGA(一般公開)を発表した。
Red Hat Enterprise Linux(RHEL) 8は、2014年にリリースしたRHEL 7に続く最新版。Linuxカーネル4.18とFedora 28をベースとし、デスクトップにはGNOME 3.28を採用した。
RHEL 8は「Red Hat OpenShift 4」や、今後公開予定の「Red Hat OpenStack Platform 15」、OpenShift実装向けに設計した「Red Hat Enterprise Linux CoreOS」などの土台となり、ハイブリッドクラウド実装向けに一貫性のある土台を提供すると位置付けている。ゲストOSとしては、Red Hat OpenShift 4、Red Hat OpenStack Platform 15、Red Hat Virtualization 4.3などの上で動くという。
同時にGAとなったRed Hat認定Linuxコンテナ構築のためのユーザースペースイメージ「Red Hat Universal Base Image」を利用して、どこでも動くアプリを構築できる。Universal Base ImageはRHELサブスクリプションに関係なく利用でき、信頼性と安全性のあるコンテナアプリケーションの土台になるとしている。
開発者向け新機能としては「Application Streams」を導入した。土台のOSとアプリケーションを分離することで、アプリケーションのアップデートが可能となり、開発者は最新の機能や安定性の強化を高速に加えることができるという。
ファイルシステムではLUKS1フォーマットに代わってLUKS2をサポート、dm-cryptサブシステムとcryptsetupツールでLUKS2がデフォルトのフォーマットとなった。セキュリティではOpenSSL 1.1.1、TLS 1.3をサポートした。
NvidiaのGDX-1/GDX-2サーバーの認定、GPUで高速化されたNGCコンテナのOpenShiftへの実装・管理などAI向けのコンテナ技術も強化した。TensorFlow、Caffe2、PyTorch、MXNetなどの機械学習フレームワークを実行するためのソフトウェアスタックとドライバーを提供するという。
開発ツールとしてはGCC 8.2、OpenJDK 11/8などがサポートされる。PythonはPython 3.6がデフォルトとなり、Python 2.7のサポートは限定的となっている。このほか、Node.jsのサポートや、PHP 7.2、Ruby 2.5、、Perl 5.26などが提供される。データベースはMariaDB 10.3、MySQL 8.0、PostgreSQL 10/9.6、redis 5が提供されるが、ライセンスの問題からMongoDBは提供されなくなっている。Webサーバーでは、Apache HTTP 2.4に加えてnginx 1.14が加わった。
アーキテクチャはAMDおよびIntel 64ビット、ARMの64ビット、IBM Power Systems, Little Endian、IBM Zをサポートする。パブリッククラウドは、Alibaba Cloud、Amazon Web Services、Google Cloud、IBM Cloud、Microsoft Azureで利用できる。
Red Hat Enterprise Linux 8
https://www.redhat.com/en/enterprise-linux-8