平素よりLIFULLグループの企業活動に格別のご理解、ご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
【2022年9月期の振り返りと今後の成長戦略】
2022年9月期は、新型コロナウイルス感染症拡大影響から緩やかな経済活動の再開が見られたものの、円安の進行に加え、原材料やエネルギー価格の高騰等による物価上昇傾向から、期初想定より経済の回復は停滞し、当社の主力領域である建設・不動産業界においても着工件数等の完全な回復には至りませんでした。
足元の業績推移を鑑み、期中に、国内・海外において主力事業の収益力の強化に向けた選択と集中を行うことを決定し、LIFULL Marketing Partners社、海外のFASHIOLAの売却等を行い、売上収益は357億円(前期比▲0.4%)の減収となったものの、営業利益は16億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は11億円と増益になりました。
国内のLIFULLHOME’Sでは、さらにユーザーと事業者に寄り添い、住まい探しの各段階の効率を改善する「SUPER HYPER ASSISTANT構想」に向けた積極的な投資を行っています。第4四半期にはこれまでより来店意欲の強いユーザーからの問合せが増える等の効果が出始めており、引き続き積極的な投資による収益力の強化と更なる事業成長を目指します。
海外では、アグリゲーションでAdSense等の第三者広告商品による売上の減少が続く一方で、自社広告商品のプレミアム広告単価は過去最高となっており、引き続き双方で回復と向上を目指します。また、ポータルでは、ラテンアメリカ地域の事業拡大のため、ProperatiとWasiのM&Aを行い、これらとLIFULL CONNECTが既に持つ巨大なネットワークをかけ合わせることで、提供価値の向上による更なる顧客基盤と売上収益の拡大を目指します。
【2025年9月期までの中期経営計画の変更】
足元で主力事業に対する成長投資の効果が出ているものの、当初想定より売上収益成長が遅れていたことや、選択と集中のための一部の事業売却やその他の領域での投資計画を変更したため、2025年9月期までの中期経営計画を変更することを決定いたしました。2023年9月期の業績予想で3.6%としている売上収益成長率を毎年2%程度改善させ、2025年9月期までには、当社グループの過去最高益である50億円超の営業利益の達成を目指します。
【ステークホルダーへの還元】
新中期経営計画の達成に向けて、株主の皆さまとの目線を合わせるべく、株式会社LIFULL単体の社内役員と正社員に対して、計画達成を行使条件とした有償ストック・オプションの発行を発表いたしました。あわせて、株主還元の充実と、適正な株主価値の実現を図ること等を目的として、自己株式の取得を行いました。
【最後に】
当社グループは、創業より社是「利他主義」のもと、事業を通じて社会課題を解決し、あらゆる人々が安心と喜びに満ちた自分らしい暮らしを享受できる世界を実現することを目指して事業活動を行っております。2022年には、事業を始めとした企業活動全般において持続可能な成長を目指したサステナビリティ課題を設定し、これらに関する情報開示も順次拡充しております。
めまぐるしく社会情勢が変化する中でも、地域社会と共にあらゆる人の人生を豊かにすることを目指す姿勢を変えず、トータルシェアホルダーリターンの向上等も考慮しながら、2025年9月期の中期経営計画の実現と持続的な成長向けて、グループ一丸となって邁進して参ります。
株主の皆さまにおかれましては、今後ともより一層のご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
2022年11月