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人はいつも誰かを裁きながら生きている。
僕らが誰かを裁いているから、僕らが誰かに裁かれることは避けられない。
ネットがなかった時代。
著名人でない僕らは、僕らの知らないところで裁かれていた。
飲み会の席で裁かれ、人事部に裁かれ、親に裁かれ、友人に裁かれていた。
いまもそうして裁かれている。
だが、それをいつも聞く必要はなかった。
たまに苦言を呈してくれる部下がいたり、人事考課で厳しい結果を突きつけられたり、友人が去っていったりして、自分が裁かれていることに気づく。
そして、心の準備ができたら、それを真摯に聞こうと努力する。受け入れることもあれば、受け入れがたいこともあり、反省することもあれば、反発したい時もあった。
なんの準備もなく不意にそんな状況に出くわしたら、たいてい、僕らは耳を塞いだ。
便所の個室にいて、同僚が自分のうわさ話を始めたら、さっさと出ていくか、咳払いをして自分がそこにいることを知らせた。
だが、飲み屋で同僚が上司や部下の噂をして、誰かを裁きだしたら、興味深々で話に加わり、どんな上司でも欠点をあげて裁いた。
ネットに文章を書けば、誰かに裁かれる。
ちょうど僕らが、現実の世界で、誰かを裁いているように。
現実の世界と異なっているのは、そのことが簡単に可視化されるということだ。
それは書き手の目の触れるところに置かれることが多いし、そうでなくても、気になって覗いて見れば、ありとあらゆるコメントを見ることが出来てしまう。
良いコメントばかり見ることはできない。
あなたが会社員で起業を夢見て実行に移せないなら、年商1億円の起業家から、勇気がないと裁かれるだろう。
あなたが年商1億円の起業家なら、年商100億円の起業家から、戦略がないと裁かれるだろう。
あなたが年商100億円の起業家なら、年商1兆円の起業家から、先見性がないと裁かれるだろう。
あなたが年商1兆円の起業家なら、起業を夢見ている会社員に、多くの社員を使い捨てにしたからだと裁かれるだろう。
ネットに文章をかけば、誰かに裁かれる。
そして、それがすべて自分の耳に届く、今まで経験したことがないような世界だ。
コメント欄を設けないとか、ブックマークのコメントを見ない、非表示にするなどして、現実社会並に、そういうものを遠ざけて耳を塞ぐという手もある。
しかし、現実の世界に加えて、ネットでも裁かれる機会が大きく増えるということは動かせない。
現実の社会に加えて、ネットでも裁かれるのが嫌なら、書くのをやめるしかない。
それでも、ある種の人たちはネットで語るのをやめない。
裁かれるにしても、どうしても言いたくて仕方がないことがあるからだ。
それを書かざるを得ない燃えるような動機があるからだ。
僕もときどき、ネットに文章を書くことをやめてしまいたくなる。
2年半ほど続いたその動機が、いつか燃え尽きてしまうのかどうか、僕にはまだわからない。
だが、はっきりしている。
僕らは毎日誰かを裁いている。
だからこそ、その矢は自分にも襲い掛かってくるのだ。
書き続けたければ、そういうことに慣れるしかない。
PS 僕が満点と思っているいくつかの本のレビューを貼りつけた。それぞれの著者が渾身のチカラを込めて書いた本。僕には『星5つ』以外に考えられない名著ばかりだ。しかし、どの本にも、数%の著しく不満足な読者がいる。どれほど素晴らしい考えを文章にして世の中に出しても、数%の批判は免れない。


(星2つ+星1つ)10=2.4%

(星2つ+星1つ)8=11.8%

百年の孤独 (Obra de Garc〓a M〓rquez (1967))

(星2つ+星1つ)5=8.9%

(星2つ+星1つ)16=7.0%
photo fromJay Mantri
id:yumejitsugen1京大卒の古着屋★ハフィントン・ポスト転載いただいていましたが、現在はブログはほとんど休止中。会社の告知や週一回短編小説を公開中★コメントは読ませていただきますが返信はしておりません。ご連絡は info@ichiroya.com まで

僕が四十二歳で脱サラして、妻と始めた小さな起業の物語 (自分のビジネスを始めたい人に贈る二〇のエピソード)
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