平和のことばかり考えて戦争のことを知らない私たち

今日は太平洋戦争の沖縄戦が終了した日です。 テレビでは沖縄戦の特集が放送されています。 私たちは、平和のことは考えれるのに、戦争を語ることができません。 以前参加した、仙台市で開かれている「てつがくカフェ」。 そこでは、「どうすればウクライナ…

戦争への準備は始まっている──葬祭業界と自衛隊の協定が示す「戦争する国」への一歩

２日前にXで流れてきた“しんぶん赤旗”の記事。 “多数の戦死者想定か 陸自 葬祭業界団体と協定 進む戦争する国づくり” www.jcp.or.jp 日本共産党は嫌いですが、赤旗はたまにとんでもないスクープをすっぱ抜くので目が離せません。 記事の一部を抜粋しますと、…

バンカ島虐殺事件｜戦争の闇に消えた看護師たち

先週、ジャーナリストの清水潔さんがXでのポストした記事。 まったくひどい話だが、そもそも女性看護師を銃殺してるんだよな。1942年に日本兵、豪の看護師21人を銃殺する前に何を 真実追求の動き - BBCニュース https://t.co/tTofM89gQ1 — 清水 潔 (@NOSUKE0…

【731部隊】なぜ私たちは“清算”しきれなかったのか

前回の続きです kumashine369.hatenablog.com 731部隊が行った行為がどれほど非人道的だったか、そしてその思想が戦後にも姿を変えて残っていたことは、証言や資料をもとにすでに多くの研究者によって明らかにされています。にもかかわらず、私たちはなぜそ…

現代の医療・科学に残る“731的な構造”

私たちはしばしば、「あれは戦時下の異常な時代の出来事だった」として、731部隊を過去の狂気として片づけようとします。しかし、本当にそうでしょうか？ kumashine369.hatenablog.com あの時代に存在していた「命より目的が優先される構造」は、形を変えて…

戦後731部隊の思想は本当に断ち切られたのか？

前回は、731部隊に流れる根底の思想について解説しました。 kumashine369.hatenablog.com 731部隊が行っていた非人道的な人体実験は、第二次世界大戦の終結とともに終わりを迎えたはずでした。少なくとも、そう私たちは教えられてきました。しかし、本当にそ…

731部隊が体現した“思想”とは何だったのか

前回は、731部隊と石井四郎について解説してきました。 kumashine369.hatenablog.com 731部隊がなぜあのような狂気の道へ進んでいったのか。今回は、彼らの根底にあった思想について迫ります。 731部隊は、日本陸軍が満州（現在の中国東北部）に設置した秘密…

731部隊と石井四郎の“遺産”──ミドリ十字へ受け継がれた闇の系譜

昨日は“731部隊”について解説しました。 kumashine369.hatenablog.com 731部隊という名で知られる陸軍の秘密機関の存在は、長らく語られることなく封印されてきました。そして、その部隊を創設し、指揮した人物こそが石井四郎でした。 石井四郎は1892年、千…

【映画『731』公開】中国の反戦映画と日本SNSの反応──私たちは過去とどう向き合うべきか？

最近、X（旧Twitter）上で賛否両論が渦巻いている中国映画『731』の予告編。 www.youtube.com この作品は、旧日本軍の731部隊による人体実験や細菌兵器開発を描いたもの。中国国内では「反戦の記憶を風化させないための映画」として歓迎される一方、日本では…

シベリアに連行された民間人たち──知られざる戦後の悲劇

私の祖父はシベリアへ抑留されたと何度もこのブログで紹介しました。 kumashine369.hatenablog.com 祖父は軍人として抑留されました。 シベリアといえば、軍人たちに起きたことと思う方もいるかもしれませんが、実は違います。 抑留された人々の中には、民間…

山下奉文と岩淵三次──マニラ大虐殺を生んだ「2人の指揮官」の決断

昨日はマニラ大虐殺を引き起こして海軍の少将・岩淵三次について解説しました。今回はマニラ市に駐屯していた陸軍の大将・山下奉文との比較をしていきたいと思います。 「同じ日本軍」だったのに、なぜ判断がここまで違ったのか？ 山下奉文とは？｜“撤退”と…

岩淵三次少将とは何者だったのか？マニラ大虐殺の“責任者”とされる海軍指揮官の素顔

今回も前回に引き続き、旧日本軍がフィリピンで起こした「マニラ大虐殺」について解説していきます。 今回は、この事件を引き起こした海軍の岩淵三次少尉についてです。 「最後まで戦え」と命じた男 1945年、フィリピン・マニラ市。日本軍による民間人大量虐…

なぜ海軍は撤退しなかったのか？マニラ大虐殺の背景にあった“陸海軍の対立”

昨日はマニラ大虐殺について解説しました。 kumashine369.hatenablog.com なぜあのような凄惨な事件に発展してしまったのでしょうか？その原因の一つは、「陸軍と海軍の確執」です。 今回はここにポイントをあて解説していきます。 以下はChatGPTでまとめた…

マニラ大虐殺とは？太平洋戦争末期に起きた10万人の市民が犠牲となった悲劇

去年の11月、フィリピンで開催された「アジアのノーベル賞」マグサイサイ賞を受賞した宮﨑駿氏。彼は受賞の際に、「日本人は戦時中、ひどいことを散々したんです。民間人をたくさん殺しました。日本人はこのことを忘れてはいけません」とメッセージを送りま…

レイテ島から帰還した親戚のおじいさんの記憶──「なんであんな馬鹿なことをしたんだろう」

2015年7月。ぼくの親戚であるおじいさんが、91歳で亡くなりました。 彼は祖母の姉の旦那さんであり、太平洋戦争末期のフィリピン・レイテ島での戦火を生き抜いた、数少ない日本兵のひとりでした。 「戦争の話」をしてくれたのは亡くなる1年前 晩年、おじいさ…

ウクライナ戦争と“第2のCIA”との関係：ウクライナは本当に被害者なのか？

このブログでは、CIAと戦後の日本との関係や、“第2のCIA”と呼ばれる組織「NED」とネット右翼について解説してきました。 kumashine369.hatenablog.com kumashine369.hatenablog.com では、2022年から始まったウクライナ戦争との関係はどうなのでしょうか？ …

ウクライナの社会保障を支えている日本

みなさんは、日本からウクライナへの支援金がいくらで、どのように使われているかご存知ですか？ ウクライナ戦争が始まってからの3年間で、総額約120億ドル（約1兆8,000億円）を日本はウクライナへ提供しています。この額がいかに多いかというと、2025年度の…

仙台市戦災復興記念館へ行ってきました

昨日、用事があって仙台市に行ってきました。ちょうど時間が空いたので、以前から気になっていたもののなかなか行けなかった「戦災復興記念館」に足を運んでみました。 www.hm-sendai.jp 場所は仙台駅からかなり歩くうえに、地下鉄の駅からも微妙に距離があ…

日本に集結する世界の軍需企業【徴兵制度が復活する日】

昨日は、日本で徴兵制が復活する可能性についてお話ししました。 kumashine369.hatenablog.com ただ、それだけではまだ「単なる妄想」と受け取る人も多いかもしれません。 しかし、その未来を示唆するような動きが、今まさに日本国内で静かに進行しています…

スマホに召集令状が届く日：徴兵制度復活の覚悟はできているか

先月から、Amazonのおすすめに繰り返し表示されるようになった本があります。秋嶋亮さんの著書『スマホに召集令状が届く日──ようこそ！戦争と独裁の未来へ』です。 スマホに召集令状が届く日―ようこそ！戦争と独裁の未来へ― 作者:秋嶋亮 白馬社 Amazon なん…

満蒙開拓移民に長野県民が多い理由

満州国への移民についてChatGPTを使って解説してきました。 kumashine369.hatenablog.com kumashine369.hatenablog.com 満州国への移民は「満蒙開拓移民」と呼ばれていました。「満蒙（まんもう）」とは当時の「満州」と「内モンゴル」の呼び名です。 その満…

東京大空襲と満州移民

満州国を調べているときに、「東京大空襲で家を失った人々が満州国へ送られた」という記事を発見しました。 しかしもう一度調べようと検索したのですが、その記事は見つかりません。 なので、この出来事が事実なのかChatGPTに聞いてみました。 背景 東京大空…

来民開拓団：満州国へ送られた被差別民たち

満州国を調べていると、「来民開拓団（くたみかいたくだん）」という満州移民に辿り着きました。 ネットで情報収集してみると、もともとは熊本県来民村で暮らしていた被差別民が、国策によって満州に集団移住をしたというのです。しかし、終戦前後に現地人と…

【レーザー兵器】指向性エネルギー兵器(DEW)は陰謀論ではないからね！

昨日、大船渡市の山火事が鎮圧したとニュースがありました。 news.yahoo.co.jp 私はこの山火事がレーザー兵器によるものではないかと推測しました。 kumashine369.hatenablog.com kumashine369.hatenablog.com ではこのレーザー兵器ですが、本当に存在するの…

戦時中の三井物産と三菱商事によるアヘン輸入

財閥とアヘン利権 三井物産と三菱商事のアヘン輸入 莫大な利益 戦争と財閥の闇 財閥とアヘン利権 前回の記事で紹介したように、東條英機率いる北支那方面軍は、中国北部を占領し、アヘンの栽培を推進しました。そして、関東軍と満州国政府がこのアヘン利権を…

東條英機と「黒い金」：満州国とアヘン

東條英機と「黒い金」 アヘンを通じた資金ルート 東條英機の巨額の資産 東條は「黒い金」を何に使ったのか？ 東條英機と「黒い金」 東條英機といえば、太平洋戦争開戦時の首相であり、戦後、A級戦犯として処刑された人物です。しかし、彼が首相に就任したの…

日本の官僚支配は戦前から続いている

前回、日本の司法制度の不条理を描いた映画『それでもボクはやってない』を紹介しました。 kumashine369.hatenablog.com しかし、日本の腐敗は今に始まったことではありません。 これは明治時代から続く、日本の根深い構造なのです。 私は大日本帝国の軍隊に…

戦時中の福島県石川町で進められた「原爆開発計画」

福島県と聞くと、多くの人が「原発事故」を思い浮かべるでしょう。それは悲しいことですが、避けられない現実でもあります。しかし、福島県にはもうひとつの「原子力」に関する歴史があります。それが、戦時中に石川町で進められた「原爆開発計画」です。 ww…

『ONODA 一万夜を越えて』陸軍中野学校の卒業生・小野田寛郎の半生

1974年、フィリピン・ルバン島で一人の日本兵が発見されました。彼の名は 小野田寛郎。 彼は1944年から 30年間、終戦を知らずに島で潜伏を続けていました。しかも、単に隠れていたわけではありません。島の通信機器を破壊し、 30人以上の民間人を殺害 してい…

中国大陸と関東軍のアヘン利権：欲望と快楽の坩堝

大日本帝国軍は、なぜ中国大陸への侵略を進めたのでしょうか？ 表向きの大義名分は、共産圏からの防衛戦でした。しかし本音は、中国大陸の「アヘン利権」を独占することにありました。 アヘンとは、ケシの実から採取した果汁を乾燥・黒化させたものです。そ…