電子書籍『毒ガス攻撃とバックドロップ――小山田圭吾で文藝春秋は二度死ぬ』の中から、「小山田圭吾との連絡を仲介した音楽関係者とは誰か」を公開します。興味を持たれた方は、是非一読してみてください。また、追加取材もやってますので、事情をご存じの方のタレコミも歓迎します。
中原一歩が「週刊文春電子版」に掲載した「検証ルポ#2」によれば、取材依頼について、「ある仲介者を通じて、私は小山田氏本人にコンタクトをとることにした」と書いてある。
そして、「検証ルポ「#3」では、「なぜ他のメディアが会えないのに、私は会えたのか。仲介してくれた人物が、私と小山田氏両方と仕事をしたことがあったからだ。」とも書いている。
それが中原本になると、「旧知の音楽関係者を通じて、小山田に手紙を送り、コンタクトを試みた」(20頁)となる。情報を統合すると、中原一歩には旧知の音楽関係者がいて、それが小山田圭吾とも仕事をしたことがあり、会うための仲介をしてくれた、となる。
その音楽関係者とは、誰なのだろうか。なぜ名前を隠すのか。
名前を出されてはまずいことがあるのだろう。
中原一歩は、「検証ルポ#3」において、「無論、相手の言い分をそのまま掲載するようなことはない。取材者として難しいのは、『利用される』というリスクもあるということだ。」とわざわざ断っている。
しかし、これも猿芝居に見える。炎上の渦中にあった小山田圭吾の側から考えると、利用できない相手と会うメリットはない。まして、自分の言い分をそのまま掲載してくれないフリーライターと会ってどうするのだ。
中原一歩の感覚は、常識からずれている。ますます嘘っぽい。
ようするにその仲介者は小山田圭吾を助けたいと思って、そのために中原一歩が使えると思ったのだ。利用できると思ったのだ。だから両者を引き合わせた。私にはそうとしか考えられない。
その音楽関係者とは誰か。名前を出せ。
中原一歩はなぜその仲介者の実名を隠すのか。それは都合が悪いからである。また、小山田圭吾を取材した場所が弁護士事務所となっており、小山田側には代理人弁護士が同席していたとも書いている。
事実を重んじるノンフィクションなら、その弁護士事務所の名前や弁護士の氏名も明かして当然だろう。それなのに匿名である。これも実名を明かすと都合が悪いのだ。想定していたシナリオが崩れるのだ。
ようするに、中原一歩には強力なコネがあった。だから小山田圭吾の取材ができたと私は思っている。いや、私でなくてもそう思うはずだ。
そのコネとは、左翼人脈である。
中原一歩が仲介者や弁護士の氏名を秘匿しているのは、実名を書けばそのコネクションがあきらかになってしまうのを恐れたからである。
CLP問題がきっかけとなって表沙汰になったのが、立憲民主党の資金運用の不透明さである。
立憲民主党から資金が流れていたのはCLPだけではない。
『日本会議の研究』で知られる菅野完が経営する株式会社コーポレーションには、立憲民主党から動画制作費などの名目で、令和2年度から令和5年度までに約9256万円が支払われている。また、立憲民主党のマドンナこと石垣のりこ議員の所属する同党の宮崎県支部からは広告宣伝戦略代の名目で、令和元年度と令和2年度に約730万円が支出されている。
菅野完の(株)コーポレーションの顧問弁護士をしていたのが五十嵐えりである。
五十嵐えりは中学で不登校になり、トラック運転手などのアルバイトを経て30歳で司法試験に合格、立憲民主党の小西ひろゆき参院議員の政策秘書となる。現在は立憲民主党の衆議院議員である。
(立憲民主党と、株式会社「コーポレーション」(菅野完代表))
togetter.com
(総務省「政治資金収支報告書及び政党交付金使途等報告書」)
www.soumu.go.jp
(三稔尚平 @naohei_mitsu 2024年10月30日午前1:25)
https://x.com/naohei_mitsu/status/1851299372732133460
(大森木「石垣のりこ議員の政治資金の不透明な流れについて」)
https://note.com/atachiyama/n/nf761f0fc43a2
また、文藝春秋の顧問弁護士の喜田村洋一は「文春の守護神」と呼ばれていて、松本人志が「週刊文春」を訴えた裁判でも文春側の代理人となっていたが、一方で、立憲民主党の法律顧問も務めている。
立憲民主党は、平成31年度から令和5年度までに、喜田村洋一弁護士に対して、法律顧問料、及び委員活動報酬として、553万116円を支払っている。
(三稔尚平 @naohei_mitsu 2024年11月25日 午後7:22)
https://x.com/naohei_mitsu/status/1860992539396108547
さらにもっと大きな問題として、その前身である民進党からブルージャパン株式会社という謎の会社に2017年から4年間で約9億円もの支払いが行われていた。
ブルージャパンの登記上の住所は、早稲田リーガルコモンズ法律事務所と同じである。そして、早稲田リーガルコモンズ法律事務所所属の弁護士である竹内彰志が、ブルージャパンの代表取締役である。
竹内彰志は、立憲民主党の実質的な顧問弁護士で、立憲民主党の小西洋之、杉尾秀哉両参院議員がツイッターの匿名アカウント「Dappi」を名誉毀損で訴えた訴訟の担当弁護士でもある。また、2018年11月30日公表(2017年分 定期公表)の政治資金収支報告書によれば、早稲田リーガルコモンズ所属(当時)の、佐藤亮・森山裕紀子・松本武之弁護士に、立憲民主党政党本部から弁護士報酬等の支払いが記載されている。
したがって、この弁護士事務所と立憲民主党は親密な関係にある。
また、竹内彰志弁護士は、大島新監督のドキュメンタリー映画『香川1区』の法律監修をしている。
これは大島新監督が小川淳也(立憲民主党)の地元「香川1区」での選挙戦を追ったドキュメンタリー映画であるが、小川淳也の政治団体「東京小川淳也後援会」の収支報告書(令和2年度)によると、この映画のチケットが「政治活動費」の名目で購入されている。その額は合計で48万7千5百円。
(参照:「立民・小川淳也氏 政治資金で自身のドキュメンタリー映画券を大量購入」NEWSポストセブン 2021年12月1日)
www.news-postseven.com
大島新監督は前作でも小川淳也を主役として『なぜ君は総理大臣になれないのか』というドキュメンタリー映画を撮り、これがヒットして小川淳也の当選を後押しした。それで「小川淳也のPR映画じゃないか」と言われて怒っていたが、『香川1区』では立憲民主党の顧問弁護士に法律監修を依頼して、小川淳也の後援会がチケットを大量購入しているのだから、PR映画と言われるだけの理由がある。
立憲民主党の前身である民進党時代には、まったく同じ住所で別の名前の組織があった。それが、一般社団法人ReDEMOS(以下「リデモス」)である。代表理事は、奥田愛基。理事には中野晃一(上智大学教授)。そして清算人は竹内彰志弁護士。
奥田愛基は「自由と民主主義のために学生緊急行動」(SEALDs、以下「シールズ」」の創設メンバーで、「安倍は辞めろ」の国会前デモで勇名をはせた。
2015年12月1日に、奥田愛基は政党への政策提言などを行う一般社団法人「ReDEMOS(リデモス)-市民のためのシンクタンク-」を設立し、代表理事に就任した。シールズは2016年8月15日に解散し、リデモスがそのメンバーの受け皿となった。そして、民進党が立憲民主党に変わった際に、後継団体として作られたのが、ブルージャパンだということらしい。
(参照:山岡鉄秀「立憲民主党と謎の会社『ブルージャパン』の危険な関係」月刊Hanadaプラス)
hanada-plus.jp
中野晃一(上智大学教授)はシールズの後ろ盾のような存在であり、野党共闘を目指す政治団体「市民連合」の中心人物である。メディアにも積極的に出演し、立憲民主党が資金提供していたCLP(Choose Life Project)が制作する番組の常連出演者であった。
また、中野晃一の妻は三浦まりで、同じく政治学者で上智大学教授である。『さらば、男性政治』 (岩波新書)で知られるフェミニストで、千田有紀(武蔵大学教授)らと共に「公的発言におけるジェンダー差別を許さない会」の呼びかけ人であり、NPO法人「ウィメンズアクションネットワーク」(理事長:上野千鶴子)の理事である。
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