
『沖縄狂想曲』2024年 太田隆文監督
劇場公開日:2024年2月3日
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ドキュメンタリー映画『沖縄狂想曲』で扱われる主なテーマ・問題群をできるだけ網羅する。
① 歴史的背景
沖縄戦の惨禍(住民犠牲、「捨て石」政策)
1955年・由美子ちゃん事件(米兵による幼女暴行殺害)
1970年・コザ騒動(コザ蜂起)(米軍支配と差別に対する住民蜂起)
② 米軍基地・軍事問題
辺野古新基地建設問題
普天間基地の危険性(「世界一危険な基地」と呼ばれる立地)
オスプレイ配備問題(墜落事故・騒音・欠陥機体)
米軍ヘリ墜落事故(沖縄国際大学など)
日米地位協定の不平等性(米兵犯罪の裁判権問題、環境規制の及ばなさ)
制空権の喪失(沖縄上空の航空管制権が米軍に握られ続けている現実)
③ 政治・経済構造
セメント利権(基地建設や公共事業に絡むゼネコン・政治家の利権構造)
建設業界と中央政界の癒着(国会議員・県内政治家の実名証言を含む)
「沖縄振興予算」と基地政策の取引関係
「基地が経済を支えている」という言説の実態検証
④ 社会問題・人権
米兵による事件・事故と住民被害
沖縄に対する差別的言説・構造(「沖縄は甘えている」論など)
住民の生活・教育・安全への影響
⑤ メディアと情報統制
大手マスメディアの沈黙・矮小化(基地問題・利権構造を十分に伝えない)
情報の偏り(政府・防衛省の主張が優位に流布され、住民の声が隠される)
記者クラブ制度と権力との癒着
⑥ 政治家・言論人の発言
大田昌秀・元知事の証言
鳩山由紀夫・元首相「最低でも県外」発言の真意
山本太郎(れいわ)の国会追及シーン
沖縄県庁元幹部・元市長・学者らの証言
⑦ 国際的文脈
米国の対外政策における沖縄の「軍事拠点」化
在日米軍の構造的差別性(日本本土と沖縄の負担格差)
中国・台湾情勢を口実にした米軍再編と沖縄基地強化
つまり、この映画が掘り下げているのは「沖縄の過去と現在の基地問題」だけではなく、
制空権の支配(主権問題)
セメント・建設利権(経済構造)
マスメディアの沈黙(情報統制)
といった“構造的に沖縄を縛っている仕組み全体”だと言える。
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