作家の武田綾乃さんの小説『愛されなくても別に』の実写映画化が発表された。公開日は7月4日(金)。
新宿ピカデリーほか、全国の劇場で上映される。
原作となる『愛されなくても別に』は第42回吉川英治文学新人賞を受賞。『響け!ユーフォニアム』シリーズ等で知られる武田綾乃さんの作品の中で、初の実写化となる。
傍若無人な同級生との出会いで変化する大学生活──シスターフッド『愛されなくても別に』
『愛されなくても別に』の主人公は、“フツー”とはかけ離れた大学生活を送る宮田陽彩。彼女は学校に通いながら朝から晩まで寝る間もなくアルバイトや家事に追われ、母親に金を渡し、世話をする。
母親から暴力も暴言もないが、ただ「愛している」と言う言葉で縛られ、緩やかな絶望と人生に対する期待のなさの中で生きている。
そんな彼女がある日、同じバイト先の傍若無人な同級生、江永雅と出会い、人生が大きく変わっていくシスターフッド作品だ。
「さまざまな感情が渦巻いている主人公を、言葉少なくとも繊細に表現」
監督/脚本をつとめたは、2016年公開の短編映画『溶ける』で日本人最年少での第70回カンヌ国際映画祭シネフォンダシオン部門の正式出品を果たした井樫彩さん。
主人公・宮田陽彩には、三島有紀子監督の映画『幼な子われらに生まれ』でデビューした女優でモデルの南沙良さんが抜擢された。
南沙良さん
井樫彩さんは「南さんとご一緒するのはABEMA短編映画『恋と知った日』以来、2度目でした」とコメント。
南沙良さんの魅力について「その1つは内に秘めた感情を実感を伴って表面に出すことができること。陽彩という心の中でさまざまな感情が渦巻いている主人公を、言葉少なくとも繊細に表現してくれました」と語り、信頼関係をのぞかせている。
プロデューサーは映画『NO CALL NO LIFE』などの佐藤慎太朗さんがつとめた。

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