「ポケモン」シリーズの起源──『ポケットモンスター 赤・緑』が発売された1996年2月27日。
この記念すべきポケモンはじまりの日である2月27日に「Pokémon Day」が2025年もやってきました! 毎年「ポケモン」の最新情報が多数解禁されます。
すでに新作アニメ『カイリューとゆうびんやさん』が公開されています。
本作を視聴して、初代アニメ『ポケットモンスター』の劇場版『ミュウツーの逆襲』に登場した郵便屋さんのカイリューを思い出した人も多いのでは!?
そして、初代アニポケ、久しぶりに観たいな……! と思った方もいるはず(いますよね?)。
でもアニメを観る時間ない! と嘆く同志のために、アニポケで大事なことのすべてを教わった筆者が、全276話ある初代アニメ『ポケモン』から厳選した11つのエピソードを紹介します。
※『ポケットモンスター』『ポケットモンスター オレンジ諸島編』『ポケットモンスター 金銀編』から選んでいます。
目次
- 1. 1話「ポケモン! きみにきめた!」
- 2. 11話「はぐれポケモン ヒトカゲ」
- 3. 14話「でんげきたいけつ! クチバジム」
- 4. 21話「バイバイバタフリー」
- 5. 71話「ニャースのあいうえお」
- 6. 80話「セキエイスタジアム! VSヒロシ!」
- 7. オレンジ諸島編 1話「マサラタウン! あらたなるたびだち」
- 8. 金銀編18話「リザードンのたに! またあうひまで!!」
- 9. 特別編「ミュウツー! 我ハココニ在リ」(全3話)
- 10. 金銀編154話「ライバルたいけつ! カメックスVSリザードン!!」
- 11. 金銀編157話「サヨナラ…そして、たびだち!」
- 12. 終わりに──「ダイマックス」の発想はここから? オリジナル設定が興味深い73話
1話「ポケモン! きみにきめた!」
まずは何と言っても第1話「ポケモン! きみにきめた!」です。主人公・サトシと相棒・ピカチュウの出会いと旅立ちのお話です。
ピカチュウが心を許してくれず、困り果てるサトシ。最悪のムードで迎えたマサラタウンからの旅立ち。追い打ちをかけるオニスズメの大群に追われる大ピンチ、そして苦難を乗り越え固い絆で結ばれるサトシとピカチュウ……。身を投げ出して互いを助けようとするサトシとピカチュウの姿が感動的。
本筋を邪魔しないようにさり気なくポケモンの世界観を開示しつつ、強烈な電撃を繰り出すピカチュウの高いポテンシャルを示唆しているのも注目ポイント。
さらに、後に旅の仲間になるカスミの初登場シーンや、当時謎に包まれていたポケモン・ホウオウも登場するおまけ付きです(以降、ホウオウはサトシの旅立ちの日によく登場します)。
これほど多くの要素を20数分の映像にぎゅっと凝縮して鮮やかに描く、見事しか言いようのないストーリーテリングにも唸ります。伝説のはじまりにして原点です!
11話「はぐれポケモン ヒトカゲ」
トレーナー・ダイスケの「いつか迎えに来るという」という嘘に騙されて、忠犬ハチ公よろしく、健気に森の中で迎えを待ち続けたヒトカゲと、サトシ一行の出会いを描くエピソードです。
風雨の中、尻尾の炎も消えかけて死にかけのヒトカゲを救うためにサトシたちが奮闘します。特に世界一のブリーダーを目指すサトシの仲間・タケシのポケモンへの慈しみ、優しい心が強調されていました。
ダイスケと揉めそうになったサトシたちに、ジョーイさんがかけた「ポケモンはケンカの道具じゃない」という諫言も心に響きます。
最後にはロケット団の落とし穴にハマってピンチに陥ったサトシたちを助けたヒトカゲが、ダイスケを見限り(ポケモンが人に使われる存在ではない、意思のある個として描かれる)、サトシの手持ちポケモンになります。
後述しますが、後々の劇的な別れも踏まえると、全編で感動して泣けます。
14話「でんげきたいけつ! クチバジム」
クチバシティのジムリーダー・マチスにコケにされたサトシとピカチュウ。
勇んでバトルに臨むもライチュウに完敗。マチスのポケモンマスターを目指すならポケモンは早く進化させるべきだと言う主張を前に、サトシは悩むことになります。
ライチュウのパワフルな電撃にピカチュウが敗れた姿を見て、進化も一つの手だと考えるサトシですが、戦うためだけにポケモンを育てることを良しとはしません。自分の勝手な都合で進化させるのは違うと考え、決断はピカチュウに任せます。
サトシは全シリーズでポケモンと対等のパートナーとして接しており、それがよく現れた内容になっています。
結果、ピカチュウは進化を拒否。サトシはピカチュウの意志を尊重し、マチスとの再戦に挑み、見事勝利を収めるのでした。再戦の前にはロケット団が不器用な応援で2人を励ましていて、彼らがただの悪役ではなく、ラブリーチャーミーな敵役であることがこの頃から明らかになります。
マチス戦以降、速さで相手を翻弄するピカチュウの戦法が定着しはじめます。ライチュウの強烈な電撃を尻尾を地面に突き刺して受け流す(尻尾をアースに見立てる)など、臨機応変に戦うサトシの常識にとらわれない戦い方の萌芽も見られます。

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執筆
ライター/編集者。1993年生まれ、福岡県出身。大学卒業後、フリーランスのライターとして活動開始。並行して私立大学の広報担当としてPR業務に従事。その後、サッカー専門誌の編集者として、小学生年代のチームからプロチームまで幅広く取材。現在はKAI-YOU、KAI-YOU Premium、NEUT Magazine、SHUKYU Magazineなど、Web・紙と媒体を問わず様々なメディアで取材・執筆・編集を担当している。
愛機はiPhone SE(第1世代)。年に数百冊の漫画を読む。ポップな漫画を追い求めて、今日も寝落ちするまでページを捲っている。