藤津亮太『富野由悠季論』書影/画像はAmazonより
アニメ評論家・藤津亮太さんの評論本『富野由悠季論』が、3月21日(金)に筑摩書房から刊行される。
『機動戦士ガンダム』『伝説巨神イデオン』『Gのレコンギスタ』など数々の作品を手がけてきた富野由悠季さんについて、60年に及ぶキャリアの軌跡と全監督作品を徹底解説。
富野由悠季さんがどんなアニメーション監督なのか、「演出の技」と「戯作者としての姿勢」という二つの切り口から迫る一冊だ。
アニメ現場を取材してきた評論家の『富野由悠季論』
著者である藤津亮太さんは1968年生まれのアニメ評論家。
新聞記者、週刊誌編集を経て、2000年よりアニメ関連の原稿を本格的に書きはじめ、現在は雑誌、パンフレット、Webなどで執筆を手がけるほか、ラジオやTVにも出演する。
主な著書に『増補改訂版 「アニメ評論家」宣言』『ぼくらがアニメを見る理由』『アニメと戦争』『アニメの輪郭』などを持つ、アニメ業界を代表する評論家の一人だ。
そのほか『アニメ音響の魔法』(企画・取材)、『ガンダムの現場から 富野由悠季発言集』(共編著)にも携わっている。
「webちくま」での人気連載が大幅増補し単行本化
今回刊行される『富野由悠季論』は、筑摩書房のWebメディア「webちくま」で計20回にわたって連載された内容をまとめた一冊。
2月7日の最終回掲載にあわせて、Web連載版に大幅増補しての単行本化が発表された。
『富野由悠季論』では富野由悠季さんの長年のキャリアと全監督作品を徹底解説。膨大な映像と制作資料に基づいてその思想を汲み取り、新たな富野由悠季像を浮かび上がらせるという。
帯コメントは、『∀ガンダム』や『OVERMANキングゲイナー』など富野由悠季監督作品に参加してきた脚本家・大河内一楼さんが担当。
「そういうことだったのか! 富野アニメを見ていた少年期の自分が膝を打ち、富野アニメを書いていた脚本家の自分が納得する富野監督解体新書でした」とコメントしている。
藤津亮太『富野由悠季論』目次
【目次】
はじめに 「アニメーション監督」としての富野由悠季を語りたい
第1章 富野由悠季概論――「アニメーション監督」とは何か
第2章 演出家・富野由悠季の誕生――出発点としての『鉄腕アトム』
COLUMN 富野監督作品全解説1 1968〜1979
第3章 確立されていく語り口――『無敵超人ザンボット3』まで
第4章 一つの到達点――『機動戦士ガンダム』第1話
第5章 ニュータイプとは何か――戯作としての『機動戦士ガンダム』
COLUMN 富野監督作品全解説2 1980〜1988
第6章 科学技術と人間と世界――『伝説巨神イデオン』で獲得したテーマ
第7章 変奏される主題――『聖戦士ダンバイン』から『機動戦士Zガンダム』へ
第8章 演出と戯作の融合――詳解『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』
COLUMN 富野監督作品全解説3 1991〜2022
第9章 運動と人間性――『機動戦士ガンダムF91』以降の演出術
第10章 失われる言葉と繫ぎとめる身体――『海のトリトン』から『新訳Zガンダム』へ
第11章 大転換、大地へ――『Gのレコンギスタ』への道のり
おわりに
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