以下に池田先生の指導を引用する。
『池田大作全集』第68巻
(1986年11月29日<昭和61年>東京、神奈川の記念合同本部長研修会・49頁)
「私は『人の”自尊心”を大切に」と強調しておきたい。だれ人にも尊い一個の人格がある。その”自尊心”を絶対に傷つけてはならない。これは社会や地域においても、また広布の組織においても銘記すべき一点である。」
以下は、上記の指導を踏まえた、私自身の受け止めである。
自尊心というワードをみて、真っ先に思い浮かべたことがある。
それは青年部だった頃に、当時の私の部長だったTさんが、ある幹部に言われていた言葉。
「君は字が汚いね!」
それも私含め、メンバーの面前でだ。
「みんなも見てくれよ。字汚いでしょ」
とさらに畳みかけてきた。
その光景をみて、誰もが苦笑いした。
これは、自尊心を傷つける行為であり、幹部の横柄な振る舞いそのものではないか。
部長の面子を潰し、恥をかかせることを厭わない人間性。
本人は軽い気持ちで発言しているのだろうが、仏法は振る舞い・人間性に顕れる。
極めて悪質であると言わざるを得ない出来事だった。
この出来事は、私自身にとっても決して他人事ではなかった。
その場で私は、何も言えなかった。
止めることも、抗議することもできず、ただ苦笑いの輪の中に身を置いてしまった。
今思えば、それもまた、自尊心が静かに踏みにじられていく一場面だったのだと思う。
自尊心を守るとは、相手を甘やかすことでも、迎合することでもない。
「この人は尊い存在なのだ」という前提を、言葉と態度の両方で示し続けること。
それこそが、仏法者の振る舞いであり、組織が信頼されるか否かの分かれ目ではないだろうか。
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