Appleが、Apple TV+の事業で甚大な損失を出していると報じられた。費用のかかる映画やテレビ番組を制作した結果だという。

The Informationの有料記事によると、Apple TV+はオリジナル番組に予算を使い過ぎているために、年間で10億ドル(約1500億円)以上の損失を出しているという。2024年、同社はコスト削減に動き、2019年にApple TV+のサービスが開始されて以来年間50億ドル(約7500億円)だった支出が45億ドル(約6700億円)となった。
Apple TV+のオリジナル番組は批評家からも視聴者からも高く評価されている。『セヴェランス』や『サイロ』、『ファウンデーション』といった大ヒットドラマの完成度は抜群で、安っぽさを感じさせる部分はまったくない。
こうした考え方は、批評家からの評価につながるものだ。シーズン2の最終話配信に続いてシーズン3への更新が決定したばかりの『セヴェランス』は、Rotten Tomatoesにおける批評家からの肯定的な評価が96%にもおよび、『サイロ』は92%となっている。また、新作としてセス・ローゲン主演のメタコメディドラマ『ザ・スタジオ』が配信を控えている(先日のSXSWでお披露目された)。こちらもRotten Tomatoesでのスコアは97%と非常に好評だ。このほかにも、Apple TV+は『ザ・モーニングショー』、『テッド・ラッソ:破天荒コーチがゆく』、『シュリンキング:悩めるセラピスト』などのヒット作を配信している。
Apple TV+は先月、『セヴェランス』が定期配信されるなかで200万人の新規加入者を獲得したとDeadlineで報じられているため、Appleの戦略はいずれ実を結ぶかもしれない。なお、Appleは2024年度に3910億ドル(約58兆円)の年間売上を記録しているため、しばらくはこの流れが続くことは間違いない。