セガが近年発売したゲームの中には販売実績が期待に届かなかったものもあったが、その要因として、同社は「時間をおいて完全版が販売されることに対する懸念が買い控えを招いている可能性がある」との考えを示した。
GameBizが報じたように、「ソニック」シリーズや「ペルソナ」シリーズで知られるセガは、投資家向けに行われた2026年3月期第2四半期決算説明会の質疑応答にて、「近年発売されたフルゲーム新作の多くは高く評価されている一方で、販売実績は期待に届かないことが多いが、要因をどのように考えているか」との質問を受けた。
それに対し、セガは、「ジャンル競合タイトルの存在や発売時点の価格設定とともに、時間をおいていわゆる完全版が販売されることに対する懸念が買い控えを招いている可能性があると考えている」と回答した。
完全版は通常、比較的軽微なビジュアル面のアップグレードや追加コンテンツを備えた再リリースで、ここ10年ほどで販売元が頻繁に活用するようになった戦略だ。セガもこうした戦略を展開しており、特に「ペルソナ」や「真・女神転生」シリーズを開発するアトラスではよく見られる。
アトラスはゲームの再リリースを推進してきた。例えば『ペルソナ4』や『ペルソナ5』では、当初の発売から数年後に新たな要素を追加した『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』、『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』をそれぞれ発売している。2021年に初代Nintendo Switchで発売された『真・女神転生V』は、2024年に対応プラットフォームが拡大して初代Switch/PS5/PS4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC向けに『真・女神転生V Vengeance』が発売された。アトラスの最新作『メタファー:リファンタジオ』は2024年10月にPC/PS4/PS5/Xbox Series X|Sで発売されている。
セガは、完全版に関する見解の中で具体的なゲームやシリーズの名前を挙げなかった。また、今のところ特定の要素を原因だとすることには慎重になっているようだ。
「(販売実績が期待に届かない)明確な原因は特定できていないが、ユーザーにゲームの魅力が十分に伝えられないといった、マーケティングにおける課題もあると考えており、現在分析を進めている」と質疑応答で述べている。
今後、『メタファー:リファンタジオ』やその他のセガのシリーズに完全版やそれに相当するものが登場するかどうかはわからない。現在、ファンは『ペルソナ6』に関する情報が発表されるのを心待ちにしている。昨年2月には『ペルソナ3』のリメイク作『ペルソナ3 リロード』が発売され、「4」もリメイク版の『ペルソナ4 リバイバル』が発売予定だ。また、9月に発売された『ソニックレーシング クロスワールド』では、新たなコンテンツの展開が継続されている。

