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The Beatles 改めて

The Beatles について、改めて解説していく

イエロー・サブマリン

イエロー・サブマリン

イエロー・サブマリン https://aboutthebeatles.com/yellow-submarine-lp より

「イエロー・サブマリン」は、ビートルズの 10枚目のアルバムとして、1969年1月17日に発売された。

 

解散の年の阪神淡路大震災と同じ日。

 

因縁。

 

珍しいことに、「イエロー・サブマリン」リリース前にはシングルは発売されていない。

 

「イエロー・サブマリン」は、ホワイト・アルバムの二ヶ月足らず後に発売された。

 

ビートルズはこのアルバム制作にもテレビアニメ映画にも意欲を持っておらず、A面のみビートルで、B面は全曲ジョージ・マーティン作曲のオーケストラ。

 

私は人生で一度だけ、初回のみ、B面を聴いた。

 

A面も、ビートルズのアルバムの中では断トツで一番聴いていない。

 

「イエロー・サブマリン」A面の収録曲とリードボーカルは下記。

 

A面:
1.    "Yellow Submarine" リンゴ
2.    "Only a Northern Song" ジョージ
3.    "All Together Now" ポール
4.    "Hey Bulldog" ジョン
5.    "It's All Too Much" ジョージ
6.    "All You Need Is Love" ジョン

 

"Hey Bulldog" は好きだが、私もこのアルバムの各曲の説明をするのには意欲を持っていないので各曲説明は今回割愛する。

 

"All You Need Is Love" については単独記事で説明する予定だし。

 

この辺りからビートルズの不仲がドンドン浮彫りになってくる。

 

ディスり合いが始まる。

 

ディスる場面に名前が出てこないのは

 

そう

 

大谷翔平

ホワイト・アルバム2枚目

ホワイト・アルバム

ホワイト・アルバム Wikipedia より

ホワイト・アルバム2枚目の収録曲とリードボーカルは下記。

 

A面:

1.    "Birthday" ポール
2.    "Yer Blues" ジョン
3.    "Mother Nature's Son" ポール
4.    "Everybody's Got Something to Hide Except Me and My Monkey" ジョン
5.    "Sexy Sadie" ジョン
6.    "Helter Skelter" ポール
7.    "Long, Long, Long" ジョージ

 

B面:
1.    "Revolution 1" ジョン
2.    "Honey Pie" ポール
3.    "Savoy Truffle" ジョージ
4.    "Cry Baby Cry" ジョン
5.    "Revolution 9" 無し(ノイズ)
6.    "Good Night" リンゴ

 

"Birthday" はポール、改めて聴くと、メチャカッコいい。

 

実は私は20代、ホワイト・アルバムを聴く際、A面もB面も二曲目から聴くことが多かった。

 

"Back in the U.S.S.R." と "Birthday" はスキップしていた。

 

嫌いでは決してないのだが、私が聴きたいホワイト・アルバムではないから。

 

"Birthday" は、"Back in the U.S.S.R." と異なり、他の曲同様、生音を基本に構成されてはいるが、生音で限りなく "Back in the U.S.S.R." に近付けるような節がある。

 

ポールの他の曲を含む、私は上記2曲以外のホワイト・アルバム寄り。

 

チルな感じのホワイト・アルバムが、私は好き。

 

"Yer Blues" はジョン、バチ糞カッコ良い。

 

ポールの "Why Don't We Do It in the Road?" より更にハードロック化している。

 

渋い。

 

エンディングではマイクから遠く離れた声でジョンが歌っている。

 

どこまでも実験的。

 

"Mother Nature's Son" はポール、いつもの、素敵なポール。

 

 "Rocky Raccoon" とこの曲で、ギターを弾いているのはポール。

 

だって上手だもん。

 

音楽の申し子。

 

"Everybody's Got Something to Hide Except Me and My Monkey" ジョン、独特なロックでカッコエェ~。

 

無敵。

 

"Yer Blues" にも似た、ジョンの新たなロックミュージック。

 

やり放題。

 

天才集団。

 

この曲は、ホワイト・アルバム発売の一週間後に、ジョン・レノン&ヨーコ・オノ名義で発表されたアルバム「未完成作品第1番 トゥー・ヴァージンズ ("Unfinished Music No. 1: Two Virgins")」に大きく関係している。

"Unfinished Music No. 1: Two Virgins"

"Unfinished Music No. 1: Two Virgins" https://www.allmusic.com/album/unfinished-music-no-1-two-virgins-mw0000019765 より

当アルバムは、ジョンとヨーコが全裸で映っている写真がジャケットカバーを飾っており、ジョンとヨーコの顔だけを切り抜いた茶色紙袋のアウターに包まれ、アクターを外せば全て丸見え。

 

もちのろんの勿論、物議をかました。

 

つまりこの歌のモンキー、猿はヨーコのことで、白人社会のヨーコ・オノへの人種差別的偏見に乗っかって、自分の妻を猿に例えている。

 

"Sexy Sadie" はジョン、ジョン、ジョン。

 

もう何も云えない。

 

大好き。

 

芸術。

 

インド修行中、グルのマハリシが同伴金髪女性に抱きついた疑惑があり、マハリシに対する叱咤を歌に込めまくってる。

 

「全世界が観ているのに」と、かなり露骨。

 

"Helter Skelter" はポール、かなり、かなりハードロックしてる。

 

ヘビメタバンドもカバーするこの曲は、文句なくハード。

 

この辺りポールは、狂人レベルで自分のアイデンティティを潰しにかかる。

 

完成品をぶっ壊し、新たな不良人像を作り上げるかの如く。

 

実際、ヒッピーのコミューンの指導者チャールズ・マンソンはこの曲に感化され、自身が預言する最終戦争をこの曲名で呼び、無残にも、大量殺人事件を巻き起こしている。

 

ポールに非は無いとはいえ、"Sexy Sadie" でジョンが云った「全世界が観ているのに」はポールにも当てはまる。

 

実験するのは自由だが、それが世界に与える影響も、もう少し考えてほしいと私は個人的に想っている。

 

ビートルズの最終アルバム「アビイ・ロード」に収録されている "Maxwell's Silver Hammer" にも、"Helter Skelter" 以上に同じことが云える。

 

"Long, Long, Long" はジョージ、おとなしいがカッコいい。

 

"Blue Jay Way" の延長だが、より洗練されている。

 

チル。

 

"Revolution 1" はジョン、これもチルなロック。

 

この曲は、タイトル観てわかるように、ホワイト・アルバムの前にリリースされたシングル "Revolution" のチルバージョン。

 

これはこれで良い。

 

"Honey Pie" はポール、安定のポール。

 

イントロのピアノはポール。

 

申し子。

 

ホワイト・アルバムの曲はライブでそのまま演奏される想定が多く、この曲ではポールがピアノを弾くので、ベースにジョージが入っている。

 

"Savoy Truffle" はジョージ、ぶちカッケ。

 

ジョージ楽曲のトップクラスには確実に入る、私的に。

 

この曲の出だしは、様々なスイーツの名前だけで歌詞を繋げてる。

 

その発想がスゴ。

 

"Cry Baby Cry" はジョン、何とも云えない新しいジャンル。

 

何と云うか、アプローチが新しい。

 

ロックをソフトに歌っている感じが。

 

名付ければ、「ソフト・シング・ロック」。

 

"Savoy Truffle" も単独的ジャンルに想える。

 

名付ければ、「ソウル・スイング・ブリティッシュ・ロック」。

 

"Cry Baby Cry" の最後で、ポールが美しいメロディーの全く異なる歌を短い時間歌ってフェードアウトするが、単体では曲名が割り振られておらず、"Cry Baby Cry" の一部とされている。

 

"Revolution 9" はジョンと云っていいのかな、ノイズなので歌無し。

 

作曲とも云い難い。

 

8分と長く、なんじゃこれと若き自分も最初想ったが、聴くにつれて耳に馴染んでくる。

 

ノイズでサイケデリアを表現している。

 

メンバー全員の声も入っているが、ヨーコの声もそこに含まれている。

 

因みにノイズは意外と歴史が古く、1913年発表のルイジ・ルッソロの「未来派芸術宣言:騒音の芸術 (Luigi Russolo "Risveglio di una Città")」を元祖とする、ダダイズムの一環。

 

"Good Night" はジョン、意外にも、ジョン。

 

いかにもポールっぽいメロディー。

 

決してポールを真似している感じではなく、ジョンが愛する息子ジュリアン・レノンへの子守唄として描いた。

 

リードボーカルがリンゴなので、私もずっとポールの歌と思い込んでいた。


"Back in the U.S.S.R." と "Birthday" と同様にホワイト・アルバムのコンセプトやカラーにやや異なるというか、バックがオーケストラなんやけど。

 

"Revolution 9" の後に聴かされたら不思議とアルバムに馴染む。

 

このような並びにすることで「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」での最後から二曲目、"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band" (reprise) のように、意図的にアルバムの終了を告げている。

 

珍しく今回は大谷翔平の名前が挙がらんかったな。

 

挙がった

ホワイト・アルバム1枚目

ホワイト・アルバム

ホワイト・アルバム Wikipedia より

ザ・ビートルズ」は、ビートルズの 9枚目のアルバムとして、1968年11月22日に発売された。

 

真っ白。

 

上記の通り、「ザ・ビートルズ」が正式名称だが、バンド名と重なるので、便宜上「ホワイト・アルバム」と呼ばせていただく。

 

正式名称ではないので括弧無し。

 

ホワイト・アルバムはダブルアルバム。

 

世界初ではない。

 

ダブルアルバムなので、1枚目と2枚目にわけて記事にする。

 

アルバム名がバンド名も世界初ではない。

 

この頃はビートルズが着火したヒッピー・ムーブメントも最高潮に盛り上がっており、1960年代におけるサイケデリック・ロックの時代は正に繚乱していた。

 

The Doors, Led Zepplin,Bob Dylan,the Rolling Stones,the Byrds,Jimi Hendrix,Janis Joplin, Santana, Creedence Clearwater Revival,Grateful Dead, Traffic,Neil Young,The Who, Jefferson Airplane, Joe Cocker, Cream,Pink Floyd,the Velvet Underground,Carole King,Sly and the Family Stone,the Yardbirds.

 

それぞれが、それぞれ独特の存在感を放つ伝説的存在。

 

ラブ&ピース、フラワーチルドレン満開期。

 

当時ハーバード大学教授だったティモシー・リアリーは、若者達に、私のブログではハードドラッグと定義しているLSD の摂取を推奨することを広く公言した。

 

"Turn on, tune in,drop out"、ニュアンスで訳すと「自分のスイッチをオンにし(LSD を摂取し)、チューニングを合わせ(サイケデリック世界を体験し)、ドロップアウト、退学しろ」。

 

そんな時代。

 

商業的に大規模にリリースされたアルバムのカバーとして、意図的に真っ白にデザインされたのは、世界初。

 

「ホワイト・アルバム」リリース前には 2枚のシングルも発売されている。

 

A面:"LadyMadonna" B面:"The Inner Light" 1968年3月15日発売

Lady Madonna

LadyMadonna https://aboutthebeatles.com/lady-madonna-single より

A面:"Hey Jude" B面:"Revolution" 1968年8月30日発売

Hey Jude

Hey Jude https://aboutthebeatles.com/hey-jude-single より

シングルについてはまたの機会に。

 

ジョンは、1966年11月にヨーコ・オノと出会い、1968年初頭には親密な関係へと発展していた。

ジョン・レノンとヨーコ・オノ

ジョン・レノンとヨーコ・オノ https://theconversation.com/yoko-ono-the-first-female-punk-rocker-is-an-artist-of-benevolent-magic-250521 より

1968年5月30日、ジョンはヨーコをビートルズのレコーディングセッションに連れてきた。

 

セッション中ずっと滞在。

 

女人禁制とまでは云わないが、ビートルズはこれまで、当事者のみでレコーディングを行うことが暗黙の慣例となっていた。

 

ジョンは突如、金髪白人女性と既婚中の身にも関わらず、新しいパートナー、しかも黒髪のアジア人女性を彼らの神聖なるスタジオに連れてきたのである。

 

幸いにもジョンは、ヨーコとの出会い以降、音楽の観点から観ると調子を取り戻している。

 

しかし、スタジオまで連れてきたことによって、これまでのビートルズの空気は一変し、結果的にバンド解散へと発展していく。

 

その為、欧州・欧米では、人種差別的な意味合いも含めて、ヨーコ・オノに対する風当たりはかなり厳しかった。

 

ジョンもそのことは歌にしている。

 

事実がどうであれ、一人の日本人女性がビートルズの運命を変えてしまったことは揺るぎのない事実と云える。

 

また、1968年2月にビートルズメンバー全員とその妻3名(ポール以外)、複数の著名人、少数のスタッフでインド入りし、当時超越瞑想の精神指導者・グルとして名の知られたマハリシ・ヨーギーの元、複数日修行している。

ビートルズ、その妻、プルーデンス・ファローとマハリシ

ビートルズ、その妻、プルーデンス・ファローとマハリシ https://www.reddit.com/r/beatles/comments/6rmbu9/the_beatles_in_india_1968/?tl=es-419 より

日数はメンバーによって異なるが、リンゴが一番短く、次にポール、ジョンとジョージは一番長く滞在。

 

予想通り。

 

インドでの経験はホワイト・アルバムの楽曲に大きな影響を与える。

 

ホワイト・アルバムは私の大好きなビートルズアルバムの一つ。

 

私はこのアルバムを説明するにあたって、「全ての曲が別ジャンル」という表現を用いることが多い。

 

もう一度云う、ダブルアルバム。

 

音楽評論家達は当時、ホワイト・アルバムは各曲がバラバラで纏まりのないアルバムと酷評した。

 

私は、ここまで音色の違う曲をよくぞここまでシームレスに繋げた、と寧ろ大絶賛している。

 

ホワイト・アルバム1枚目の収録曲とリードボーカルは下記。

 

A面:

1.    "Back in the U.S.S.R." ポール
2.    "Dear Prudence" ジョン
3.    "Glass Onion" ジョン
4.    "Ob-La-Di, Ob-La-Da" ポール
5.    "Wild Honey Pie" ポール
6.    "The Continuing Story of Bungalow Bill" ジョン
7.    "While My Guitar Gently Weeps" ジョージ
8.    "Happiness Is a Warm Gun" ジョン

 

B面:
1.    "Martha My Dear" ポール
2.    "I'm So Tired" ジョン
3.    "Blackbird" ポール
4.    "Piggies" ジョージ
5.    "Rocky Raccoon" ポール
6.    "Don't Pass Me By" リンゴ
7.    "Why Don't We Do It in the Road?" ポール
8.    "I Will" ポール
9.    "Julia" ジョン

 

"Back in the U.S.S.R." はポール、航空機の効果音から始まり、航空機の効果音で終わる。

 

相変わらずの完璧なポールだが、彼が「ソ連連邦に戻ってきた」と、アメリカでの長期任務を終えてソビエト連邦に帰国したロシア人スパイの視点を歌っているのと同様に、ポールもまた、ビートルズを別の惑星へと独走状態にしていた立役者から、地球に戻ってきた感を私は些か感じている。

 

邁進を繰り返してきたポールがここでやっと、若干後退したような側面を感じている。

 

ほんの若干。

 

無論ポールはこの後も名曲を数々と世に出していくのだが、何か象徴的な意味合いを私はこの歌から感じる。

 

間違ってもポールは不調では決してない。

 

"Dear Prudence" はジョン、対照的に、ジョンは盛り返している。

 

まるで "Back in the U.S.S.R." から "Dear Prudence" へと、バトンが受け継がれたように。

 

オーバードーズ状態から自分を取り戻し、今迄に無かった、新しいジョン・レノンとして、再び萌芽する、その象徴的な曲。

 

何も云えない、ただただ、名曲、思い切って攻めてはいないが、目立たず穏やかに、名曲。

 

ジョン・レノンの、新しい領域。

 

"Glass Onion" はジョン、ジョ、ジョン!?

 

ひさしぶりの連曲、一体何年ぶり???

 

しかもメチャカッコいい。

 

自分の過去の曲について歌詞の中で触れたり、「ポール死亡説」をそこにかけ合わせたり。

 

絶好調。

 

恋人の存在って、デカいんやね、いつの時代も。

 

ホワイト・アルバムの楽曲はその殆ど全てが、ここまでのビートルズの派手さから一歩身を引くと同時に、生の音で表現することに拘っている節を感じる。

 

"Back in the U.S.S.R." 以外。

 

私は "Back in the U.S.S.R." のみ、このアルバムで異色感を感じている。

 

"Ob-La-Di, Ob-La-Da" はポール、やっぱり、名曲。

 

未だに耳にする程、この世から無くならない。

 

それでも寧ろ、ポールは意図的になのかもしれないが、地球に戻ってきている。

 

地球凱旋。

 

大谷翔平が故郷岩手に戻り、地元の人々とPR動画を撮っているような感じ。

 

アフリカの諺、「早く行きたければ一人で行け、遠くに行きたければ皆んなで行け」を実践しているかの如く。

 

"Wild Honey Pie" はポール、何とも、云えない。

 

意味不明だが、曲として纏まっており、存在感はある。

 

1分にも満たない短い曲で、意図が全くわからないが、こういうのを平気でぶっこんでくるポールも、ハードドラッグ・ジョンからすれば侮れない。

 

ジョンとジョージの変人志向に感化されたのかポールも。

 

とはいえ、決して不調なわけではない。

 

ポールのベースと同じように、控える時は控える、力を抜く時は抜く。

 

そんな曲。

 

"The Continuing Story of Bungalow Bill" はジョン、ジョン、再び。

 

しかもヨーコにも歌わせている。

 

ジョン、もう止めれない、誰にも。

 

地味に良い曲。

 

ジョン、完全復活。

 

"While My Guitar Gently Weeps" はジョージ、私も大好きな、ジョージの名曲の一つ。

 

ジョージらしく、そしてカッコ良く、完璧で、兎に角、ここまでのジョージの曲では頭一つ抜けている。

 

音の構成が、メチャメチャカッコ良いし絶妙。

 

"Happiness Is a Warm Gun" はジョン、ジョン、絶好調。

 

この曲も私は大好き。

 

独特。

 

完全にジョン・レノンの世界が新たに造られている。

 

今迄に無い、ジョン・レノンの世界。

 

やはりジョンは、天才。

 

"Martha My Dear" はポール、地球に凱旋したポールの、良曲。

 

完璧さは相変わらずだが、力を抜いている。

 

"I'm So Tired" はジョン、ジョン、調子良い。

 

リボルバー」に収録された "I'm Only Sleeping" と同様にやる気のなさを歌っているが、その光景を完璧なまでに仕上げている。

 

"Blackbird" はポール、天才、ポール。

 

未だにこの曲は多くのミュージシャンがカバーしている。

 

ビートルズの名曲の中では目立たないのに。

 

ギターが途轍もなく美しい。

 

"Piggies" はジョージ、これも地味に良曲。

 

目立たないジョージが目立たずしてちゃんと纏め上げた良曲。

 

"Rocky Raccoon" はポール、ポール、天才。

 

アメリカ英語風に歌い、アメリカのとある男が、妻を盗んだ男に復讐を試み、失敗し、再び挑むことを誓う、という展開。

 

どこまでもストイックで研究熱心。

 

今迄には無いビートルズの音色。

 

天才だ、天才だ、天才だ、兎に角、ポールは天才。

 

"Don't Pass Me By" はリンゴ、しかもリンゴ作曲。

 

やるじゃん。

 

地味だが、やはり、ビートルズ畑には良い作物が育つ。

 

"Why Don't We Do It in the Road?" はポール、天才、ポール。

 

ちょっとワイルドでワルい奴を演出している。

 

私から観て、ジョンへの憧れの現れにも感じる。

 

このコンテキストでの "It" は、SEX を指していて、運転しながら SEX しようぜ、と暗に歌っている。

 

カッコいい。

 

"I Will" はポール、ポール、ポール、ポール、ポール。

 

天才。

 

"I Will" は私にとっても音楽史上最も美しいメロディー曲の一つ。

 

音楽史上最も美しいメロディー曲と云っても、その多くはポール。

 

兎にも角にも美しい。

 

美しい以外に何も云えない。

 

美しい。

 

"Julia" はジョン、ジョンはジョンで、ここに来て安定している。

 

地味ながらも素敵。

 

"Julia" はジョンの母の名前で、"Ocean child"、つまり「洋子」、ヨーコのことを母に報告している歌。

 

泣かすね。

 

 

ホワイト・アルバム2枚目

マジカル・ミステリー・ツアー

マジカル・ミステリー・ツアー

マジカル・ミステリー・ツアー https://aboutthebeatles.com/magical-mystery-tour-lp より

「マジカル・ミステリー・ツアー」は、ビートルズの 9枚目のアルバムとして、1967年12月8日に発売された。

 

リリース前には 2枚のシングルも発売されている。


A面:"All You Need Is Love" B面:"Baby, You’re a Rich Man" 1967年7月7日発売

All You Need Is Love

All You Need Is Love https://aboutthebeatles.com/all-you-need-is-love-single より

A面:"Hello, Goodbye" B面:"I Am the Walrus" 1967年11月24日発売

Hello, Goodbye

Hello, Goodbye https://aboutthebeatles.com/hello-goodbye-single より

シングルについては別途話そう、長くなる。

 

「マジカル・ミステリー・ツアー」は、ビートルズの黄金期ど真ん中。

 

残り枚数少ないが、それらのクオリティー、重みは、ここまでを下手したら超える。

 

大谷翔平が屡、「ショーヘーはもはや、別の次元、別の惑星を生きている」と云われるが、ビートルズのこの頃が正にその真っ只中。

 

この頃のビートルズは、音楽という側面で、世界で最も注目され、世界で最も最先端を突っ走り、誰も予測出来ない風貌、ファッション、音を未だに色褪せない形で世に排出していた。

 

音楽という側面では、世界を支配していた。

 

クラシカル音楽も完全に巻き込んでおり、プロの奏者の一人は、「ビートルズの収録が人生で一番緊張した」と云う程、彼らすら完全に支配していた。

 

ビートルズの音楽自体はスタンダードジャズのカラーが薄いが、著名ジャズ奏者も収録に参加したり、ビートルズをカバーする著名ジャズ奏者もビートルズ現役の頃からいて、現役のポップ・ロックバンドとしては異例のジャズ・スタンダード化の速さだった。


ビートルズは、全世界の音楽マニアを魅了していた。

 

これには再び、ジョージ・マーティンの名を出さねば纏まらない。

 

ジョージ・マーティンは以前にも話したように、クラシカル音楽、及びその音楽理論に精通していたが、同様にジャズの理論にも明るかった。

 

ジャズはアメリカの黒人による発祥で、その音色も、その理論も、アフリカをルーツとしている。

 

ジャズの特徴の一つは、正確さは不要という考え。

 

例えば世界的有名な日本人ジャズピアニストの山下洋輔は、両肘などでグシャグシャに鍵盤叩いたりする。

 

私が大好きなセロニアス・モンクも音を外しまくるが、その外し方が絶妙に良い。

 

私は畑をしており、「自然農」という概念で作物を育てているが、自然農とも共通するのが、「ルールは無い」ということ。

 

ビートルズにもルールが無いが、ビートルズはイギリスから発祥しているのでその文化を背景にその音質を持つ。

 

ジャズはその一つの分野、ジャンルであり、クラシカル音楽も一つの分野、ジャンル、ビートルズも一つの分野、ジャンル。

 

ビートルズのみが、音楽史において、ビートルズのみが、単体で一つの分野、ジャンルと位置付けれる。

 

私的には。

 

「マジカル・ミステリー・ツアー」に話を戻すが、これは前回の記事でも述べたように、EP。

 

私の認識する EP は、シングルのレコード盤よりややサイズが大きく、各面 2、3曲ずつ。

 

イギリスで当初リリースされた「マジカル・ミステリー・ツアー」は、シングル盤と同じサイズな為、私の所有する EP の A面B面それぞれが、シングル盤サイズの A面B面に収録され、シングル盤サイズ2枚組のセットとしてリリースされている。

 

何か新しいことをやらないと気が済まない。

 

大谷翔平の如く。

 

サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」と同様、この EP でもジョンは裏部屋で何やってんだかで出番が少なく、楽曲数はジョージのそれに近く、この頃のビートルズは完全にポールが支えていたと云える。

 

それでも、ジョンはジョンで決して侮れないし、ポールも当然そこはわかっている。

 

というより、ジョンはポールにとってすら、カリスマなのだ。

 

「マジカル・ミステリー・ツアー」の収録曲とリードボーカルは下記。


1枚目A面:
1.    "Magical Mystery Tour" ポール・ジョン
2.    "Your Mother Should Know" ポール

 

1枚目B面:
1.    "I Am the Walrus" ジョン


2枚目A面:
1.    "The Fool on the Hill" ポール
2.    "Flying" 無し(インストロメンタル)

 

2枚目B面:
1.    "Blue Jay Way" ジョージ

 

"Magical Mystery Tour" はポール、一部ジョン。

 

EP のタイトル曲にして、同タイトルのビートルズ制作・主演テレビ映画のテーマ曲。

 

この曲はコーラスが半分以上を占めており、リードボーカルが短い。

 

基本的にポールの曲だが、一部ジョンのところは原曲にジョンの助言で加えられ、その更に一部はジョン作詞という経緯で、加えられた部分の作曲がどちらかは不明。

 

ビートルズの楽曲に不要な部分は一切無いと云える程、加えられた部分は曲全体の構成に完全にマッチしている。

 

ポールもまたジョンにある種を羨望を持ち、ハードドラッグ漬けのジョンの "Being for the Benefit of Mr. Kite!" のような、サーカス物語にサイケデリックを盛り込んだ曲の展開をここに取り入れている。

 

マジカル・ミステリー・ツアーという架空のサイケデリックツアーに行くのが歌詞の内容で、当然音もサイケデリック

 

別の惑星から、「完璧な曲」という神による賜物を地球に送られてきたような、世界を魅了する芸術性の高さ。

 

クラシカル音楽の楽器もロック調に多用している。

 

クラシカル音楽奏者達を、完全に操っている。

 

どこまでも、大谷翔平の如く。

 

"Your Mother Should Know" はポール、も、ポール。

 

このタイトルは二つの受け止め方が出来る。

 

一つは「あなたのお母さんなら知っている」、もう一つが「あなたのお母さんは知っておくべき」。

 

普通にその前のバースから聴いたら前者なのだが、"She's Leaving Home" から続く残像が、ウッドストックのような映像を生み出し、そのように聴くと、サビの意味が完全に後者になるのだ。

 

そして、ポールの狙いは、当然後者。

 

この、どちらでも受け止めれる感を出しているポールの歌詞の詩のセンスは、神がかっている。

 

バースが非常に短く、一行歌い切ったらサビでサビは 2回繰り返され、「もう一回歌いよ」という前置きで、一番の歌詞が繰り返される。

 

メロディーは、あいかわらず美しいし、極めている。

 

2番があるのに 1番を繰り返すのも、どうせ世界初。

 

"I Am the Walrus" はジョン、この EP で唯一。

 

サイケデリック・ロック

 

サビが「俺は卵男、俺は卵男、俺はセイウチだ!グーグーカチュー!」。

 

何言ってやがる。

 

行っちゃってる。

 

堀内健か。

 

ランジャタイか。

 

日本人によるYouTube動画で、一人は音楽大学院生、一人は音楽理論研究者がこの曲について語り合っているのだが、至るところで「ジョンは、エグいです」と絶句するのを観たことがある。

 

"I Am the Walrus" は音楽理論的に「ロック史上でも異例の実験性」が詰め込まれた曲として、多くの音楽家・研究者を驚愕させている。

 

ジャズの不協和音を多用する考えをジョン流に繰り広げられ、音楽史上に孤立しているとも云える、他のどの曲とも類似しない。

 

これはジョン流ジャズであり、世界で唯一、この曲がジョン流ジャズと云える一つの分野、ジャンルである。

 

ここが正に、ジョン・レノンの天才性、ポール・マッカートニーとは異なるが、引けを取らない天才ぶり。

 

さすがクレイトン・カーショー

 

"The Fool on the Hill" はポール、勿論、ポール。

 

ポールの探求は止まらない。

 

またしても美しいメロディーの、またしても名曲。

 

ポール、やはり、大谷翔平の如く。

 

今気付いたのだが、ビートルズは、縄文である。

 

古事記日本書紀では縄文は神代とされている。

 

ビートルズは神代であり、つまり、縄文時代は何万年も、ずっとビートルズを聴いていたような時代なのだ。

 

1967年8月27日、ブライアン・エプステインがアスピリンの過剰摂取で死去した。満32歳没。

 

自殺が囁かれているが、詳細は割愛する。

 

"The Fool on the Hill" は、エプスタイン逝去後、初めてのレコーディングとなった。

 

大衆には理解されていないが、実際には賢い孤独な人物を題材にしている。

 

以前にも述べたように、ポールはジョンの "Nowhere Man" に影響され、この曲と "Eleanor Rigby" 孤独な人にスポット当てられ、描写である。

 

 "Eleanor Rigby" は物語風、"Nowhere Man" と "The Fool on the Hill" は描写のみ。物語の展開は無い。

 

美しさは変わらず、"Eleanor Rigby" や "Nowhere Man" とは、もはや次元が異なっている。

 

"Flying" は、インストロメンタル。

 

つまり、ボーカルが無い。

 

この曲は、ハードドラッグ界隈の若本達を「チル」させる歌。

 

クレジットは四人全員となっているが、そんなわけがない、ポールが作った。

 

この曲の輪郭をセッション風に構築したので全員がクレジットに加わっている。

 

裏部屋で何してんのかのジョンは、無条件で常に加わっているが。

 

ジャイアンか。

 

"Blue Jay Way" はジョージ、チル。

 

ジョージは元々から控え目な故、超人ジョンが陰りを見せるとは異なり、最初からそこにいる印象の方が強い。

 

自制能力の欠如、というより、「放っておいてくれ」な感じで、ジョンも同じだが、ジョンにとっては、ジョージというハードドラッグ仲間がいたからここまでオーバードーズだったとも云える。

 

ポールもリンゴも、ハードドラッグ、このコンテキストではLSD、を摂取していたが、ジョンやジョージのレベル程では遥かなかった。

 

リンゴは試した程度、ポールも数回程度、と本人達自ら証言している。

 

黄金期の真っただ中とは云ったが、仲が良いという条件を加えれば、「マジカル・ミステリー・ツアー」が黄金期最後となる。

 

ここから、ヨーコ・オノの出現により、バンドは崩壊への道筋へと舵を切る。

 

お~い、ヨーコ

 

奇遇にも

 

日本人

サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド 再

サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド

サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド https://aboutthebeatles.com/sgt-peppers-lonely-hearts-club-band-lp より

サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」は、ビートルズの 8枚目のアルバムとして、1967年5月26日に発売された。

 

リリース前には 1枚のシングルが発売されている。


A面:"Penny Lane" A面:"Strawberry Fields Forever" 1967年2月17日発売

Penny Lane/ Strawberry Fields Forever

Penny Lane/ Strawberry Fields Forever https://aboutthebeatles.com/penny-lane-strawberry-fields-forever-single より

"We Can Work It Out" と "Day Tripper"  に続き、こちらも両方A面、「Double A-Side」。

 

"Penny Lane" はポール、もう、神、完全に別次元、もはや、神。

 

大谷翔平を音楽に例えると正にこの曲。

 

俺は何を言ってんだ。

 

"Penny Lane" は不変の芸術。

 

勿論、音楽は聴いて楽しむ為のモノである。

 

しかし、音楽を制作するにあたっては、音楽を奏でる能力と、その能力をフルに発揮させる為の知識と技術が欠かせない。

 

その熟練者達は、自作以外の音楽を聴いていると、楽しむに留まらず、分析し、細部に渡って理解をも深める。

 

その観点から観て "Penny Lane" は、星の数以上に存在する数多世界の名曲の中でも、大谷翔平の如く、誰もが足を踏み入れたことのない領域を突っ走っている。

 

このブログの現時点で、今迄紹介したビートルズのどの曲よりも飛び抜けて別次元。

 

額に入れて壁に飾っても、何百年、何千年と衰えることのない名作中の名作。

 

"Strawberry Fields Forever" はジョン、こちらも、神。

 

そりゃそうでしょう、でなければ両方A面にしない。

 

"Strawberry Fields Forever" は "Penny Lane" に匹敵する神、しかし、もはや、人類が聴き取り可能な次元を逸脱している。

 

"Strawberry Fields Forever" については、一つに記事にしなければならない程云いたいことがてんこ盛り。

 

不調の兆しを見せているジョンと云ったが、復活したのではない。

 

不調を絶好調化した、と云った方が正確。

 

言葉では説明しきれない。

 

人間の脳が理解し切れない。

 

前述したが、この頃ジョンはハードドラッグに没頭していた。

 

だから「リボルバー」辺りのジョンから彼の楽曲は、その要素が大きく反映され、アイドル性の欠片も微塵もなく、一般社会との調和からも明らかに逸脱した側面を見せている。

 

当時の女性ファン達、どう想ったんだろう。

 

そして、ドラッグで潰れる人もいれば輝く人もいると前述した。

 

輝けるから芸能人界隈で蔓延している。

 

その云い方だとジョンは、些か潰れ気味の兆しを私は「リボルバー」辺りから感じているが、"Strawberry Fields Forever" はその私の感触を完全に、存在しないモノとしている。

 

ラバー・ソウル」の頃のジョンではない。

 

何と云うか、ドロドロの続きなのだ。

 

それがまさか、絶好調の果てにいるポールの "Penny Lane" に匹敵する領域だなんて。

 

スーパーサイヤ人の白と黒バージョンみたいな。

 

そんな馬鹿な、みたいな。

 

どちらにせよ、"Strawberry Fields Forever" は芸術の極みであり、不調の兆しを見せるジョンは不調ながらも絶好調と、人類の理解を超えてしまう。

 

神と神。

 

真逆の神同士。

 

ポールとジョン、千年先の世界でも色褪せず、歴史的芸術として名を残していることは間違いない。

 

人類が滅びない限り。

 

余談ながら、この曲の最後の最後にジョンは「私はポールを墓に埋めた」と二回囁く。

 

これは、当時ファンの間で、実はポールは 1966年に死亡しており、影武者にすり替えられているという都市伝説が広まっていたから。

 

所謂「ポール死亡説」、英語では "Paul is dead"。

 

なのでジョンは、それを茶化している。

 

このシングルは残念ながら、全英チャート2位。

 

曲単位では "Penny Lane" は英米チャート1位だが、"Strawberry Fields Forever" が足を引っ張ってしまい、A面B面セットのシングル売上としては久しぶりに、本家イギリスで 1位に至らなかった。

 

ビートルズからしたら「そんなの関係ね~、オッパッピー」。

 

サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」の収録曲とリードボーカルは下記。

 

A面:
1.    "Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band" ポール
2.    "With a Little Help from My Friends" リンゴ
3.    "Lucy in the Sky with Diamonds" ジョン
4.    "Getting Better" ポール
5.    "Fixing a Hole" ポール
6.    "She's Leaving Home" ポール
7.    "Being for the Benefit of Mr. Kite!" ジョン

 

B面:
1.    "Within You Without You" ジョージ
2.    "When I'm Sixty-Four" ポール
3.    "Lovely Rita" ポール
4.    "Good Morning Good Morning" ジョン
5.    "Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band" (reprise) 全員コーラス 
6.    "A Day in the Life" ジョン・ポール

 

アルバム全体については既に記事にしているので割愛する。

 

"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band" はポール、ポール、絶好調。

 

クラシカル音楽のコンサートホールで、客席のザワザワも含めて、演奏が始まる前のざわつきから、いきなりロック・ミュージックが始まる。

 

私自身、今 55歳ながら、今となって初めて、ポールがビートルズの真の柱だったことを痛感している。

 

野球に例えて野球知らない方には申し訳ないが、ビートルズドジャースポール・マッカートニー大谷翔平、ということ。

 

ジョン・レノンクレイトン・カーショー、この際。

 

ジョージ・ハリソンは、誰にしようか、フレディ・フリーマン!

 

リング・スターは、ん~~、ミゲル・パヘス!

 

良い線行った。

 

ポール・マッカートニーの驕らない姿勢が、彼の謙虚さと、努力を惜しまず邁進し続ける姿勢がビートルズビートルズにした。

 

↑を大谷翔平ドジャースに照らし合わすと、それがまさに今。


"With a Little Help from My Friends" はポール楽曲、リンゴがリードボーカル、これも名曲。

 

歌詞がメチャ優しい、ポールの人間性が表れている。


"Lucy in the Sky with Diamonds" はジョン、私ですら、「ジョン、ドラッグは程々にしろ」と云いたくなる。

 

名曲。

 

しれっと。

 

当時はドラッグが欧米・欧州の若者達の間で蔓延していたのだが、ドラッグ界隈では、この曲は大絶賛の嵐だった。

 

絵画に例えるとサルバドール・ダリ

サルバドール・ダリ

サルバドール・ダリ https://www.fashion-press.net/news/112889 より

"Getting Better" はポール、絶好調、だって絶好調だもん。

 

サビをニュアンスで訳すと「いつもドンドン良くなってきてる、良くなって、良くなって、良くなって」。

 

まさにポールの状態。

 

そっ、大谷翔平


"Fixing a Hole" は、ポール、ほら、ポールばっかじゃん。

 

もう、美しくて美しくて、完璧。

 

芸術だなぁ~。

 

ここまでジョンは、一曲だけドラッグ感丸出しで披露して、終わったらササっと裏部屋へ。

 

何してんだろうね。

 

兎に角ポール・マッカートニーがこのアルバムを、ビートルズを完全に支えている。


"She's Leaving Home" はポール、も、ポール、もう、ポール!

 

しかもこの歌詞はまた美しい。

 

当時全米では、ドラッグ蔓延の影響で、そのメッカとされるサンフランシスコ界隈、西海岸に移住する若本達が急増していた。

 

この曲はアメリカ(とは明確に言ってはいないが)のある家庭で、ある水曜日の朝5時、音を潜めて家出する少女と、その後置き手紙で実態に気付く親の心境を、実に美しく描いている。

 

観察力が鋭いし、双方への理解も、深い。

 

ポール・マッカートニーは次から次へと、成長を、チャレンジを続ける。

 

の如く。


"Being for the Benefit of Mr. Kite!" はジョン、ジョン、ひさしぶり!

 

あいかわらずドラッグ感丸出し。

 

"Within You Without You" はジョージ、君がジョンの元凶。

 

ジョージは音の世界で、既にインドに滞在中。

 

これは、ジョン並みにドロドロというか、ジョン以上にドロドロというか。

 

ドラッグ界隈の欧州欧米若者達の間では、ドロドロとハマっていた。

 

まったり~、な感じ。

 

一般庶民感覚では、休憩中の BGM。


"When I'm Sixty-Four" はポール、そうポール。

 

もう、ポールのワンマンショー。

 

自分が 64歳になった時の、同じく年老いた妻へのラブソング。

 

進化を止めない。

 

美しい、綺麗なアップテンポメロディ。


"Lovely Rita" はポール、そうですよ、ポール、あいかわらずポール。

 

進化を止めることを拒絶、今迄チャレンジしてないことを常に探求。

 

名曲はもはや云うまでもなくだが、ビートルズの名曲の中では割と知られていない曲かもしれない。

 

"Good Morning Good Morning" はジョン、こうやって、エンディング直前にしれっと出てくる。

 

云うまでもなく、ドラッグ感丸出し。


"Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band" (reprise) はポール、ジョン、ジョージのハーモニーのみ、1曲目の再開で、架空のバンド、サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンドの幕開けのフィナーレを表現。

 

観客が拍手する音も入っていて、お披露目会を包み込む。


"A Day in the Life" はジョン、最後にチャチャっと仕事した、という感じ。

 

あいかわらずドラッグ感丸出しではあるが、メロディーが美しい。

 

やっと仕事した。

 

"Lucy in the Sky with Diamonds" や "Being for the Benefit of Mr. Kite!" や "Good Morning Good Morning" のように、サイケデリック物語のような歌詞ではなく、平凡な日常の中のサイケデリックな展開をこの曲では描写。

 

しかもポールにまた仕事させている。

 

曲の途中でポールがリードボーカルとして、少々アップテンポに別の日常を描画する。

 

そのパートによって、曲全体の雰囲気を少し持ち上げている、メリハリをバランス良く加えている。

 

そして最後に大麻マリファナを一服してジョンのサイケデリック世界へと溶け込んでいく。

 

仕事させてる。

 

とは云っても、ポールはポールで自主的にやってるんだろう。

 

大谷翔平が、大人になった野球少年と同じで、ポールもまた、ただただ音楽が好きで、良くしたい一心なんだと想う。

 

次はアルバムではなく、EP の話をする。

 

ビートルズ伝説は

 

まだまだ続く

リボルバー

リボルバー

リボルバー https://aboutthebeatles.com/revolver より

リボルバー」は、ビートルズの 7枚目のアルバムとして、1966年8月5日に発売された。

 

リリース前には 1枚のシングルが発売され、「リボルバー」のリリースに合わせてシングル 1枚も発売されている。


A面:"Paperback Writer" B面:"Rain" 1966年6月10日発売

Paperback Writer

Paperback Writer https://aboutthebeatles.com/paperback-writer-single より

A面:"Yellow Submarine" A面:"Eleanor Rigby" 1966年8月5日発売

Yellow Submarine / Eleanor Rigby

Yellow Submarine / Eleanor Rigby https://aboutthebeatles.com/yellow-submarine-single より

"Yellow Submarine" と "Eleanor Rigby" は、両方A面。

 

このブログを描くにつれて、例えば「ヘルプ!」から、当アルバムをYouTube で視聴しながら一曲ずつ振り返るようになった。

 

この記事からは、シングルも同様に扱っていこうと想う。

 

記憶が蘇ったり、新しい発見があったり、16歳から23歳以来の、ビートルズ漬けを一気に駆け抜けて行こうと想う。

 

"Paperback Writer"はポール、完璧過ぎる、ポール。

 

英米チャート1位。

 

正直、若い頃は、数多くのビートルズの名曲以上に想っていなかった。

 

改めて聴くと、改めて、ビートルズの異次元さに気付く。

 

の如く。

 

誰にも真似出来ない音。

 

ポールは「ラバー・ソウル」でジョンが披露した "Norwegian Wood (This Bird Has Flown)" に感化され、物語風な歌詞を、ポールにしか世界に存在しない天才的メロディーに乗せて歌っている。

 

コーラスも異次元化している。

 

そして私は、ポール・マッカートニーが世界一のベーシストとして信じてやまない理由をこの曲で再発見した。

 

私自身、バンドで演奏する際はベースを弾くことが殆どなんだが、私のベースの師匠は何を隠そうそのポール・マッカートニーである。

 

ポールのベースは、縁の下の力持ちに徹することと、時折、絶妙なタイミングで前面に出てきて強力なベースパンチを喰らわす、この名人芸にして、王者の極み。

 

"Rain" はジョン。この曲は、化け物。

 

ジョン・レノンジョージ・ハリソンと特別仲が良く、ビートルズ解散後もその関係は継続する程で、この曲はこれからドンドン精神世界に没頭するジョンの幕開けに位置付けられる。

 

"Nowhere Man" の続きで、更に深く、更に突き詰めている。

 

"Rain" は "Paperback Writer" 同様、いや、それ以上に、ポールのベースは芸術性を極めている。

 

そして、リンゴ。

 

彼の叩くドラムの独特さは見事で絶妙。

 

完全に歌に、この曲の特徴に溶け込んでいる。

 

"Yellow Submarine" と "Eleanor Rigby" については、「リボルバー」に含まれているので、そちらで。

 

"Paperback Writer" 発売後、ビートルズは世界ツアーを行う。

 

ドイツ、日本、フィリピン。

 

かの有名な、日本初来日・武道館公演。

 

そして「リボルバー」発売後、アメリカでワールドツアーを再開するのだが、その前にとんでもない事件が起きてしまう。

 

俗にいう、「キリスト発言」。

 

英語では "More popular than Jesus"。

 

1966年7月、よりによってアメリカツアー直前、その数ヶ月前に収録されたインタビューでジョンが「僕たちはイエスより人気がある」と発言したことが週刊誌で取り上げられ、特にアメリカで大大炎上。

 

激怒するアメリカ人老若男女による不買運動・反対集会がアメリカ全土で巻き起こり、焚火で自分達が所有していたビートルズのアルバムを次々と燃やす光景が全国で繰り広げられた。

 

後にジョンは謝罪、アメリカでの公演もなんとか無事に終えた。

 

が、この騒動により彼らのコンサート漬け生活は堪忍袋の緒が切れ、8月29日のサンフランシスコ公演を最後に、ビートルズはコンサート活動を完全に終了した。

 

ある意味、ビートルズとファンの、双方合意の別れ。

 

そして予めそれを予期していたの如く、8月5日に「リボルバー」がリリースされる。

 

しかも「リボルバー」は、拳銃を意味する。

 

攻めてるね。

 

リボルバー」は、私にとって「ラバー・ソウル」と同じ位置付け。

 

丁度中期の名作 2枚。

 

ある意味セット。

 

だが、決定的に違うのが、「ラバー・ソウル」は前期のカラーをギリギリ引き継いでいる(ある意味逸脱もしているが)のに対し、「リボルバー」は完全に後期に突入しているところ。

 

シングルにしても同じ。

 

"Paperback Writer" はギリギリ前期。

 

"Rain" は「リボルバー」同様、完全に後期。

 

ビートルズの前期は「あっさり」。

 

後期は「どっぷり」。

 

リボルバー」の収録曲とリードボーカルは下記。

 

A面:

1.    "Taxman" ジョージ
2.    "Eleanor Rigby" ポール
3.    "I'm Only Sleeping" ジョン
4.    "Love You To" ジョージ
5.    "Here, There and Everywhere" ポール
6.    "Yellow Submarine" リンゴ
7.    "She Said She Said" ジョン

 

B面:
1.    "Good Day Sunshine" ポール
2.    "And Your Bird Can Sing" ジョン
3.    "For No One" ポール
4.    "Doctor Robert" ジョン
5.    "I Want to Tell You" ジョージ
6.    "Got to Get You into My Life" ポール
7.    "Tomorrow Never Knows" ジョン

 

"Taxman" はジョージ作、リードボーカルもジョージ。

 

メチャメチャ攻めてる。

 

音も歌詞も。

 

歌詞から先に云うと、既に紹介しているが、"Taxman" は世界初政治的メッセージ曲とされている。

 

"Taxman" は税の徴収者のことを指し、この曲でジョージは痛烈に彼らを皮肉っている。

 

出だしから「私(徴収者)の取り分は 19 で、あなたは 1 ね」と。

 

そして音としても、雑音や効果音を取り入れ、捻じ曲げ、曲のイントロにしている。

 

これも恐らく世界初。

 

知らんけど。

 

ビートルズが音造り職専門に突入したことを象徴している。

 

ポールのリフが、また良いね。

 

"Eleanor Rigby" はポール、"Paperback Writer" 同様、物語風、ポールはこのスタイルに、完全にハマっている。

 

ポールはジョンの "Nowhere Man" にも影響され、"Eleanor Rigby" と後にリリースされる "The Fool On The Hill" は、孤独な人にスポット当てられ、描写されている。

 

そして音造り職人のビートルズは、ここでまたやらかしてしまう。

 

この曲ではバンド演奏がゼロ、バックの演奏は全てクラシカル楽器によって行われている。

 

洋楽では、これも恐らく世界初。

 

知らんけど。


"I'm Only Sleeping" はジョン、益々精神世界に没頭していくジョン。

 

この頃からジョンとジョージはLSD 等、所謂ハードドラッグを多用していて、具体的にそのような発言は曲の中に無くても、視点が、関心が、それまでとかけ離れているのが顕著。

 

「皆が私を怠け者だと想っている、私は彼らの気が狂ってると想う」

 

等。

 

もう完全に、アイドル時代の名残りは無い。

 

私は 10代アメリカ生活だった故、どこにでもいる不良の入口組並みにドラッグに対しては寛容的だ。

 

しかし改めて振り返ると、この頃からジョンはドラッグのオーバードーズの影響で、些か、不調の兆しを感じる。

 

他の曲も良いのだが、ポールが益々大谷翔平の如く伝説を塗り替えていく一方で、その異次元さに僅かながらのブレーキがかかっているように感じられるのだ。

 

やはり、何事も程々が良いのだろう。

 

生活習慣の話ね。

 

曲の締めくくりはヨーロッパの民謡楽器だと想うけど、具体的に何かは知らない。

 

これもどうせ洋楽では世界初。

 

知らんけど。

 

"Love You To" はジョージ、前述のインド楽器、シタールのソロから始まり、同じくインドの打楽器、タブラ等も使用し、"Eleanor Rigby" 同様、バンド演奏が無い。

 

洋楽にインド楽器をバックのみ、これもどうせ世界初。

 

知らんけど。

 

"Here, There and Everywhere" はポール、ポールは相変わらず、美しいったらありゃしない。

 

美しいメロディー曲の代表を思い浮かべると、ポール・マッカートニーの楽曲数がダントツに多いのだが、"Here, There and Everywhere" もその内の一つ。


"Yellow Submarine" はポール楽曲だが、リードボーカルはリンゴ。

 

ポールの物語風楽曲はドンドンハマっていき、この唄からそれに子供向けテイストが加わり、以降も子供向け物語風楽曲を多数リリースする。

 

まるで映画のような、船が出航する時の効果音や人々の叫び声も入っている。

 

後にこの曲と同タイトルのビートルズを描いたアニメ映画もリリースされ、この唄はテーマ曲として、同映画のサントラ・アルバムにて再リリースされる。


"She Said She Said" はジョン、完全にドラッグの影響が感じ取れる。

 

「彼女は言った『私は死ぬことがどういう感じなのかわかるの、私は悲しくなることがどういうことかわかるの』」

 

等。

 

音もドラッグっぽいドロドロ感があるが、陰りを見せながらも、カッコいいのはカッコいい。

 

こういう曲を造れるが故に、逆に、そんな傾向の自分に気付けないんだろうと、客観的に観てしまう。

 

正に、キヲツケロ。

 

"Good Day Sunshine" はポール、相変わらずの、名曲。

 

この曲は、ビートルズとして初の、ピアノとベースとドラムのみの構成。

 

いつものバンド構成の、半分、リズムギターリードギターを削っている。

 

芸を極める者は、削ることを知っている。

 

"And Your Bird Can Sing" はジョン、メチャメチャ、カッコいい。

 

だから陰りを見せてることに気付けない、衰えかけても天才は天才。

 

メッチャ良い。

 

只、歌詞が意味不明。

 

タイトルで唄われている鳥、このコンテキストでは明らかに小鳥だが、それが何を意味しているのか、全くわからない。

 

あまりにも意味不明過ぎて、ビートルズの楽曲で最も多くの推測が立てられている楽曲の一つとも云われている。

 

この曲では、ジョージのリードギターも光っている。

 

"For No One" はポール、ただただ、美しい。

 

この曲ではピアノの他に、クラヴィコードという昔のクラシカル音楽の鍵盤楽器、ピアノの前身、も取り入れられ、ホルンもレコーディングに使用されている。


"Doctor Robert" はジョン、これもカッコ良い。

 

復活の兆しの如く。

 

"Doctor Robert" では、ジョンはポールに負けじと、"Eleanor Rigby" 並みに歌詞が物語風。

 

ビートルズの劇場化、次作の兆し。

 

"I Want to Tell You" はジョージ、渋い、なかなか、渋い。

 

ジョンと同様にドラッグにハマっていたジョージだが、ジョンとは対照的に、陰りを見せるどころか、ポール並みとは流石に云えないにしても、「流石ビートルズ」の領域に突入したようにも観える。

 

ドラッグに寛容的な私に云わせていただけるなら、ドラッグで潰れる人もいれば輝く人もいる。

 

何事もほどほどが大事だし、平常心を保てないならきっぱり辞めるに越したことがない。

 

どの口が云うとんねん。←呑兵衛

 

それでも、ハードドラッグには基本手を出していない私(LSDマジックマッシュルームは経験あり)にとって、一番ダントツに怖いのはアルコール、酒。

 

だからこの辺に対しての一般日本人の感覚は、帰国して 32年経つが、未だに共感出来ない。

 

話が逸れた。

 

"Got to Get You into My Life" はポール、もう、カッコ良いったらありゃしない。

 

正に今大谷翔平で湧き上がるセンセーションを生々しく感じる。

 

進化を止めないポール。

 

素晴らしい。

 

また、この歌は今までに無いレベルで細分化されており、Aメロ、Bメロ、Cメロ、でたった1フレーズ1回のサビ、を3回繰り返した後(但し、1番の後はサビ無し)、ギターソロは Dメロ、エンディングは Eメロ。

 

もしやこれも世界初?

 

知らんけど。


"Tomorrow Never Knows" はジョン、完全に、ドラッグ曲。

 

「意識を消して(←注:テレビを消すようなニュアンス)リラックスし、流れに流されてごらん、それは死んでいることではない、それは死んでいることではない」

 

等。

 

"Got to Get You into My Life" とは 180度対照的に、この曲には Aメロしか存在しない。

 

これももしや?

 

とうとうジョンは、ジョージのシタールを取り入れ、イントロから入らせている。

 

仲良し逸脱組。

 

"Tomorrow Never Knows" はドラムベースの上にギター以外の様々な楽器、管楽器、民謡楽器など、また、効果音を多用している。

 

"Tomorrow Never Knows" はどっぷり中のどっぷり。

 

だが、ビートルズはここから更に

 

どっぷりしていく

 

 

ラバー・ソウル

ラバー・ソウル

ラバー・ソウル https://aboutthebeatles.com/rubber-soul より

ラバー・ソウル」は、ビートルズの 6枚目のアルバムとして、1965年12月3日に発売された。

 

ラバー・ソウル」の発売に合わせてシングルも発売されている。


A面:"We Can Work It Out" A面:"Day Tripper" 1965年12月3日発売

We Can Work It Out

We Can Work It Out https://aboutthebeatles.com/we-can-work-it-out-day-tripper-single より

お気付きになっただろうか、両方A面。

 

これは、世界初の公式ダブルA面シングル。

 

業界用語として「Double A-Side」が確立するのも、このビートルズのシングルがきっかけ。

 

何だこの、奇妙過ぎる偶然は。

 

「Double A-Side」って、二刀流と意味一緒じゃん。

 

またしても、大谷翔平の如く。

 

ヤバいね。

 

神がかってる。

 

当時のレコードは「A面=推し曲」「B面=おまけ曲」が普通。

 

しかし、このシングルでは "We Can Work It Out" も "Day Tripper" も、ビートルズもレコード会社も両方A面と宣言し、マスコミも宣伝も両曲を同格に扱った。

 

両曲とも全英米チャート1位。

 

"We Can Work It Out" も "Day Tripper" も、各曲一記事ずつ喋りたい。

 

それぞれが、全く異なる名曲。

 

ラバー・ソウル」、"We Can Work It Out"、"Day Tripper" の組み合わせは、「ここから俺達別フェーズ入り」を力強く宣言している。

 

半年後にワールドツアーを行うのだが、この頃から既にプライバシーほぼゼロのコンサート生活にかなり嫌気と鬱憤が溜まっていた。

 

風貌も全員が長髪気味になり、ファッションも明らかにアイドル路線を逸脱。

 

逆に、アイドルグループが「長髪気味」はビートルズが先駆け、事実上世界初。

 

そこから欧州欧米を始めとした世界は、かの有名なラブ&ピース、フラワー・チルドレン、髭もじゃヒッピー、ウッドストック、近代音楽屈指の、黄金の60年代へと突入していく。

 

実に、またもや、大谷翔平の如く。

 

大谷は逆か。

 

彼は、真美子夫人と結婚する前まではファッションセンスの悪さで有名で、当時のチームメイトの盟友マイク・トラウトも「エンゼルスで一番ファッションセンスが悪いのはショーへー」と公言して大谷をいじっている。

 

真美子夫人のお陰で、今はアイドルの如く。

 

8月6日に発売された「ヘルプ!」の同月15日、奇遇にも、広島原子爆弾投下の日と終戦の日が重なって、ビートルズは歴史的公演と称されるシェイ・スタジアムでのコンサートをワールドツアー後半のアメリカツアー初日を行う。

 

日本人にとって意味ある日が重なったのは単なる偶然でもない話は、完全に俺流都市伝説なので別の機会にする。

 

珍しいことに、8月6日に「ヘルプ!」が発売されてから、ビートルズアメリカツアーを同月行っただけでシングルリリースが無い。

 

今までは 2枚ないし 1枚は必ず出していた。

 

もちろん、「ラバー・ソウル」以降もシングルは発売するのだが、このタイミングでシングルを発売しないのは、もっと楽曲の質に拘り、売上や流行より、スタジオ・レコーディングに専念する意気込みすら感じられる。

 

このアルバムの特徴の一つとして、"Eight Days a Week" のような、"Please Please Me" から始まったアイドルとしての、キャーキャー騒がれる、いかにもセンセーショナルなビートルズ曲の制作を、一切辞めたこと。

 

自ら、アイドル像を捨てた、少なくとも楽曲内、音楽制作においては。

 

ラバー・ソウル」の収録曲とリードボーカルは下記。

 

A面:

1.    "Drive My Car" ポール・ジョン
2.    "Norwegian Wood (This Bird Has Flown)" ジョン
3.    "You Won't See Me" ポール
4.    "Nowhere Man" ジョン
5.    "Think for Yourself" ジョージ
6.    "The Word" ジョン
7.    "Michelle" ポール

 

B面:
1.    "What Goes On" リンゴ
2.    "Girl" ジョン
3.    "I'm Looking Through You"  ポール
4.    "In My Life"  ジョン
5.    "Wait" ジョン・ポール
6.    "If I Needed Someone" ジョージ
7.    "Run for Your Life" ジョン

 

「ハード・デイズ・ナイト」以来の全曲オリジナル。

 

"Drive My Car" から始まる「ラバー・ソウル」。

 

ヤバ過ぎるだろ。

 

過去の伝説を次の伝説で塗り替える、その典型。

 

の如く。

 

カッコ良過ぎ。

 

圧巻。

 

ポール・マッカートニーが、今迄に無い歌い方をしているところにも注目。

 

天才だな。

 

この歌い方は、この後の名曲にも多用されることとなる。


"Norwegian Wood (This Bird Has Flown)" はジョン、名曲。

 

村上春樹の「ノルウェイの森」、タイトル名はここから来てる。

 

昔の恋人と過ごした夜が物語風に歌われていて「彼女は『どこにでも座って』と言うけど、私は部屋を見渡しても椅子が無いことに気付く」みたいな奇妙なやり取りから、聴き手は「ノルウェイの森」という幻想に浸ってしまう。

 

この曲にはシタールというインド楽器の演奏も含まれている。

 

シタールが洋楽の楽曲に使用されるのも世界初。

 

これは、ジョージ・ハリソン

 

ここからジョージはどんどんインドにのめり込んで行き、ビートルズ全員を巻き込んでいく。

 

"You Won't See Me" はポール、あぁ、何て名曲、ビートルズの、どこにでもある名曲。


"Nowhere Man" はジョン、ジョン、絶好調。

 

直訳だと「どこにもない人」、英語の文法としては間違っている。

 

「どこにもいない人」であれば "a man who is nowhere"、こんな表現誰もしないけど、"Nowhere Man" と云うことによって、「行き場のない、やり場のない、存在感のない人」というイメージを新しく造り上げている。

 

言葉の芸術。

 

私はジョンの歌詞が大好きで、その理由の一つに、言葉遊びがある。

 

これはボブ・ディランからの深い影響で、予想出来ると想うが、私もその影響でボブ・ディランにもかなりハマった。

 

この曲は、ジョンによる言葉遊びデビュー、奇遇にも、ジョージのインド染まりデビューと重なる。

 

この歌は前述の "I'm a Loser" や "No Reply" 同様、ジョンの陰の部分を曲にしているが、それらより進化していて、陰なのに暗くない。

 

名作。

 

"Think for Yourself" はジョージ、カッコいい。

 

直訳だと「自分で考えろ」。

 

ジョージは、こういうアングルから入ってくる。

 

控え目なのに辛口タイプ。

 

良い味。

 

"The Word" はジョン、カッコ良いったらありゃしない。

 

この曲も少し変形で、コーラスから入り、その後でリードボーカル、の繰り返しなのと、リードボーカルの部分よりコーラスの方が長いので、どっちがリードボーカルか迷う程。

 

直訳だと「ザ・単語」で、ネタバレするとそれは「愛」を指している。

 

どちらかというと恋の愛より、人類愛というか博愛というか。

 

この曲を皮切りに、ビートルズはそっち系の愛をテーマにする曲を次々と出し、それはヒッピー・ムーブメントの「ラブ&ピース」にも繋がっていく。

 

一般的に、ヒッピー・ムーブメントはグレイトフルデッド界隈、サンフランシスコ界隈で始まったとされているが、更なる起源はこの曲であり、このアルバムである。

 

ビートルズの世界的影響と、既に記事にした「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」によって、今となっては存在感が些か弱い「ラバー・ソウル」だが、この頃のビートルズの世界に与える影響力を鑑みると、この曲と「ラバー・ソウル」及び次作「リボルバー」がヒッピー・ムーブメントの本当の起源といっても決して過言ではない。

 

"Michelle" はポール、美の極み、名作中の名作。

 

何故かフランス語まで入れている。


"What Goes On" はリンゴがリードボーカルだが、作詞作曲はレノン=マッカートニー=スターキー。

 

リンゴ・スターの本名はリチャード・スターキー。

 

曲の元を描いたのはジョンだが、歌詞の数単語(「Waiting for the tides of time」というフレーズ等)はリンゴで、そういうクレジットになっている。

 

リンゴだから、という言い方は失礼にあたるが、このアルバムで一番存在感が薄く、地味かもしれない。

 

低品質では決してないのに。

 

ビートルズの美しさはそこにあるのに。

 

名作だらけになるとこういうことにもなる。

 

"Girl" はジョン、美し過ぎる、渋過ぎ、名曲。

 

"I'm Looking Through You" はポール、美しいし、カッコいい。

 

どこにでもある、ビートルズの名曲。


"In My Life" はジョン、もう、名曲過ぎる。

 

ビートルズの名曲の中でも未だにテレビの番組などで BGM に利用されることが多いので聞き覚えのある人は多いと想う。

 

歌詞の内容も素晴らし過ぎる。

 

言葉遊びは一切なく、過去を振り返り、過去の人々への愛と今目の前にいる「あなた」への愛を歌い上げている。

 

美しい、美しい、美しい。

 

私の人生において、この曲を日本語に訳して歌いたいと想ったこと多々。

 

成功には至っていないが、他の、ビートルズ以外の洋楽全ての曲も含めて、一番和訳したいと想った曲。


"Wait" はジョンとポールのダブルリードボーカル

 

出だしが一瞬("It's been a" のみ)ジョンなので、ジョン強めの印象が付き纏うが、実は元の作曲はポール。

 

どこにでもあるビートルズの名曲。


"If I Needed Someone" はジョージ、ジョージの隠れざる名曲。

 

渋い。


"Run for Your Life" はジョン、「ラバー・ソウル」におけるジョンの曲の中では一番地味だが、 "What Goes On" 同様、ビートルズだからこその地味扱い。

 

名曲とは言い難いが、低品質では決してない。

 

これはこれでカッコ良いつ。

 

名作だらけビートルズ劇場はここから始まる。

 

だから私は、ビートルズ一枚目のアルバムにこのアルバムを推奨してる。

 

聴いてみな

 

飛ぶぞ

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