Movatterモバイル変換


[0]ホーム

URL:


JBpress (ジェイビープレス)
2025.12.16
  • お知らせ
    • お知らせはありません。
ルポ・男子校の性教育

「性的同意ってなに?」灘校生が甲南女子大生と学ぶ、生理の悩みとデートDV

【ルポ・男子校の性教育】「お姉さん」目線で「男子のノリ」の限界を克服
おおたとしまさfollow 著者フォロー フォロー中
2023.9.19(火)
灘高校の3年生が甲南女子大生と生理や性的同意などについて議論を交わし理解を深めた(写真:おおたとしまさ)
目次

教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が、男子校で広がり始めた性教育とジェンダー教育の現場に迫る連載「ルポ・男子校の性教育」。第2回は、神戸市にある私立灘中学校・灘高等学校を訪ねた。

【関連記事】
第1回:巣鴨が問い直す「男らしさ」、題材は「逃げ恥」 妊娠・出産のリアル、性差によるバイアス…生徒はどう受け止めたか

 1学年220人程度でありながら、例年100人近い東大合格者を出す私立灘中学・高校。特に最難関である東大医学部の歴代累計合格者数ではダントツの1位を誇る。世間からはガリ勉のイメージを持たれやすいが、制服はなく、校風はいたって自由。創立時の顧問は柔道の創始者・嘉納治五郎で、生徒の約3人に1人は黒帯をとって卒業するという一面も。

 大学受験を控えた高3の夏休み明けの公民の授業が行われる教室には十数名の女性がいた。近隣にある甲南女子大の学生たちだ。この日、灘校生たちが女性の生理やデートDV、性的同意などについて学ぶうえで、甲南女子大生たちが議論の相手になってくれるという。2コマ連続の授業を進行するのは、この特別授業の外部講師として招かれた松原由佳さん。思春期保健相談士で婦人科クリニックに勤務している。灘での講師を引き受けて3年目になる。

おおたとしまさ:教育ジャーナリスト)

高3男子に伝える「生理」のリアル

「誰かを好きになる、その先にある性のトラブルに遭ってほしくないと思って、こういった活動をしています。今日は、前半で女性の生理について、後半で性的同意やデートDVについて学びます。今日のゴールは、大切な人も、自分自身も、大切にできる方法を知ることです」(松原さん、以下同)

 どのようなメカニズムで月経が起こるのか、どれくらいの出血があるのか、なぜ月経で心身の不調が起こるのか、どういうときに生理が止まるのかなど、教科書的なことをさらっと復習しつつ、月経とともにある女性の生活や人生へと焦点を当てていく。

「現代女性は人生のなかで平均すると約450回の月経を経験するというデータがあります。昭和の初期までは子どもを産む回数が多かったり、初経が遅かったりしたので、50回前後だったそうです。体の中の生理というスクラップ&ビルドが急増しているために、トラブルが増えているといわれています。では1つめのグループワークです。体調が万全のときを100点満点とした場合、生理がいちばんつらいときの体調って何点くらいだと思いますか?」

 50人弱の生徒たちが6人ずつの班に分かれて向かい合わせに座っている。そのグループでディスカッションする。もちろん生理なんて経験したことがない。想像するしかない。大学生はまだ議論に加わらない。班ごとに発表する。だいたいの班が20点から30点という結論を出した。

「じゃあ、実際どんな感じなのかを、大学生のみなさんに聞いてみましょう。教えてくれる方、いますか?」

このエントリーをはてなブックマークに追加

あわせてお読みください

【ルポ・男子校の性教育】巣鴨が問い直す「男らしさ」、題材は「逃げ恥」
妊娠・出産のリアル、性差によるバイアス…生徒はどう受け止めたか
おおたとしまさ
親の送り迎えが教育格差や体験格差に直結する地方の子どもたちの現実
現役大学生が社長に就任した、香川県三豊市の「暮らしの交通」のチャレンジ
篠原 匡
世界トップレベルの研究機関育成、その候補に東大が落選した理由
東北大を選定、東大デザインスクール案は世界で通用しなかった
伊東 乾
ワーケーションで必ず問題になる子供の学校、それを解決する“辺境”発の妙手
サテライトオフィス発祥の地、徳島で始まったデュアルスクールの可能性
篠原 匡
「不登校の原因はいじめ=0.2%」という文科省と学校を信用できないワケ
《不登校はこうして防げ》学校に行けない24.5万人、実態は3倍以上か
石井 志昂 | 湯浅 大輝

本日の新着

一覧
「仕事を辞めて“専業彼女”になりたい!」男女平等先進国のスウェーデンでZ世代の若者に広がる新しい価値観
TikTokが広げた「スローダウン」の風、 キャリアよりも「私の幸せ」を優先する新世代の台頭【JBpressセレクション】
松沢 みゆき
文明内の衝突、今の重要な紛争は同じ文化・宗教圏の中で起きている
Financial Times
「ドイツに学べ」はもはや過去の話、フリーフォールと化したドイツ経済、メルケル時代の負の遺産に直面して悶絶
【唐鎌大輔の為替から見る日本】行き過ぎた中ロ依存、理想主義に溺れた脱原発、やり過ぎ移民政策などツケは大きい
唐鎌 大輔
Apple、14年ぶり世界シェア首位奪還へ 「スーパーサイクル」が個別の課題を打ち消す
コロナ特需の更新期到来、薄型スマホの不振補い出荷数でサムスン抜く見通し
小久保 重信
アクセスランキング
『べらぼう』蔦重亡き後、蔦屋はどうなる?五代まで継続、二代は北斎を本格的に起用、三代は吉原細見の権利を手放す
鷹橋 忍
日本のファンは大歓喜だがMLBは驚愕…山本由伸が大方の予想を覆してWBC参戦を決断、時代に逆らう「魂の叫び」
臼北 信行
「仕事を辞めて“専業彼女”になりたい!」男女平等先進国のスウェーデンでZ世代の若者に広がる新しい価値観
松沢 みゆき
今は日本が標的、中国お得意の外交的威圧に法則性…常にどこか一国を見せしめ的に「お仕置き」、どう対処すべきか
木村 正人
自衛隊機へのレーダー照射と中国空母「遼寧」の太平洋進出の脅威を元自衛隊幹部が詳解
樋口 譲次
【やさしく解説】「存立危機事態」とはどんな状況か、日中対立に火を付けた高市発言の核心部分とは
フロントラインプレス
個人投資家が年末年始にやるべき「金融資産の棚卸し」、損益通算やリバランスなど「10のポイント」で詳細解説
頼藤 太希
箱根駅伝、エントリーを終えた指揮官たちの言葉、V3を狙う青学大「輝け大作戦」全日本王者・駒大は「4年生に期待」
酒井 政人
中国ブチギレ、統制なき制裁ラッシュの裏側…日本は恐れるに足りず?高市発言が越えた禁断のラインとは
安田 峰俊 | 劉 彦甫
「ドイツに学べ」はもはや過去の話、フリーフォールと化したドイツ経済、メルケル時代の負の遺産に直面して悶絶
唐鎌 大輔
ランキング一覧

豊かに生きる バックナンバー

一覧
A.ランゲ&ゾーネの薄型ウォッチはオニキス文字盤の漆黒が映す、究極のエレガンス
JBpress autograph編集部
ヒーロー集結!日本酒ユニバースの夢のクロスオーバー作品『刻の奏』シリーズ始動
鈴木 文彦
林芙美子ら文化人が愛した画家・小林徳三郎の大回顧展、日本近代洋画の名手が作りあげた、優しくあたたかな世界
川岸 徹
フォルクスワーゲンが起死回生を賭ける新世代ポロ「ID.ポロ」に試乗
大谷 達也
個人投資家が年末年始にやるべき「金融資産の棚卸し」、損益通算やリバランスなど「10のポイント」で詳細解説
頼藤 太希
『べらぼう』蔦重亡き後、蔦屋はどうなる?五代まで継続、二代は北斎を本格的に起用、三代は吉原細見の権利を手放す
鷹橋 忍

Sponsored

フォロー機能について

フォロー機能とは、指定した著者の新着記事の通知を受け取れる機能です。
フォローした著者の新着記事があるとヘッダー(ページ上部)のフォロー記事アイコンに赤丸で通知されます。
フォローした著者の一覧はマイページで確認できます。
※フォロー機能は無料会員と有料会員の方のみ使用可能な機能です。


設定方法

記事ページのタイトル下にある「フォローする」アイコンをクリックするとその記事の著者をフォローできます。


確認方法

フォロー中の著者を確認したい場合、ヘッダーのマイページアイコンからマイページを開くことで確認できます。


解除方法

フォローを解除する際は、マイページのフォロー中の著者一覧から「フォロー中」アイコンをクリック、
または解除したい著者の記事を開き、タイトル下にある「フォロー中」アイコンをクリックすることで解除できます。

ご登録

[8]ページ先頭

©2009-2025 Movatter.jp