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JakeOdagiriのブログ

〜〜パラテクスト研究のブログ〜〜

2025-10-01から1ヶ月間の記事一覧

2025年10月31日(金・曇) 挿画に関する研究を読めば読むほど、文学作品の本文中に挿し込まれてゐる絵画と雑誌や書物の巻頭にある口絵の大切さがしばしば論じられてゐることがうかがへる。特に、挿画は作品の内容を補ふことがその一つの重要な役割で…

はてなブックマーク - 挿画のあるべき姿(再考)

2025年10月30日(木・晴) 出版社の方針は必ずしも明確であるといふわけではない。ある書物を出版することには、何かしらの裏があるはずである。また、単独に書物を出版することも稀であるといふこともしばしば見かけることがある。ここでは、明らか…

はてなブックマーク - 挿画と本文と叢書の方針について

2025年10月29日(水・曇) パラテクスト理論に従つて考へると、本文の周囲にある事柄は小さくも大きくも本文の読み方・捉へ方と何かしらの関係を持つものであることになる。その本文の周囲といふのは、まさに紙の上に印刷された文字(テクスト)の直…

はてなブックマーク - 挿画と本文のセットについて

2025年10月28日(火・晴) 絵画にせよ画像(写真)にせよ、文学作品の本文中に挿入されることで、本文それ自体と何かしらの関係を持つやうになるし、本文の読み方に影響が及ぼされるのである。仮に、その挿画は本文と直接関係がなくても、読者はその…

はてなブックマーク - 挿画と再録と読者

2025年10月27日(月・晴) 小山書店から出版された「新風土記叢書」のイメージは、現在の読者にはそもそもないものの、シリーズ名から考へるならば「風土記」であらうが、メディアミックスのものであることは思ひ浮かばないだらう。しかし、前回で論…

はてなブックマーク - 挿画と読者意識

2025年10月26日(日・雨) 1936年に始まつた小山書店「新風土記叢書」といふシリーズには、さまざまな希望が出発点から降り注がれてゐた。宇野浩二『大阪』と佐藤春夫『熊野路』が刊行されたときに、新聞や雑誌に広告が設けられ、叢書の特徴など…

はてなブックマーク - 「新風土記叢書」のメディアミックス

2025年10月25日(土・雨) 先行研究におてもしばしば指摘されるやうに、口絵は主要人物の紹介といふやうな役割を果たしてゐるものである。また、作中舞台などのやうな事柄も口絵から見出すこともできるが、描かれてゐる人物が作品と深い関係を持ち、…

はてなブックマーク - 口絵写真の機能(続)

2025年10月24日(金・曇) 文学作品の中に挿入される絵画はさまざまな機能をしてゐるものである。挿し込む場所にも、機能が異なることを意識しなければならない。書物(書籍)を中心に考へると、巻頭に挿し込まれる絵画を口絵、本文中に挿し込まれる…

はてなブックマーク - 口絵写真の機能

2025年10月23日(木・曇) 文学作品の本文中に挿絵が挿し込まれることは、挿絵と呼ばれる。挿絵の大きさはさまざまで、一枚の4分の1の場合もあれば、見開き2枚分の場合もある。また、作家の生前に挿絵が作品と共に提示される場合もあれば、没後に…

はてなブックマーク - 挿絵は、なくていいのか?

2025年10月22日(火・雨) 画家が挿絵の有り様やあるべき姿をエッセイなどのやうな媒体に執筆することは、その当時のスナップショットとして捉へることもできる。1935年10月号の『書物展望』の「特輯 挿画研究」はまさにそのやうな存在である…

はてなブックマーク - 挿絵研究の現在(10)

2025年10月21日(火・曇) 画家自身の言葉をみると、挿絵の存在とその意味をさまざまな観点から考へ直すことができる。『書物展望』の1935年10月号に設けられた「特輯 挿画研究」に収録されてゐる随筆などはほとんどが挿絵家たちもしくは藝術…

はてなブックマーク - 挿絵研究の現在(9)

2025年10月20日(月・晴) 挿絵の役割はこれまで多くの人が論じてきたことがある。また、挿絵それ自体の定義もさまざまな観点から見られたことがある。本研究では、挿絵といふものを文学作品の中に挿入されてゐる絵のことを指してゐるのである。ただ…

はてなブックマーク - 挿絵に関する研究史――石井鶴三「挿絵について」を中心に

2025年10月19日(日・曇) 出版界の名人である恩地孝四郎は書物とその装幀デザインが中心の業績になつてゐるが、他に挿絵(挿画: 口絵を含む)についても関心がつたやうである。また、恩地自身は室生犀星や佐藤春夫らのために挿絵を描いたりするこ…

はてなブックマーク - 挿絵研究の現在(8)

2025年10月18日(土・曇) 恩地孝四郎といふ名前は挿絵よりも、装幀デザインのイメージがすぐに浮かんでくるだらう。また、恩地は装幀だけではなく、書物それ自体と深い関心及び関係を有してゐた。例へば、1935年4月に創刊された雑誌『書窓』は…

はてなブックマーク - 挿絵研究の現在(7)

2025年10月17日(金・晴) 日本近代文学と挿絵の歴史を見ると、言ふまでもなく明治期は最も活発的な、変化の多い時期であることが分かる。浮世絵から日本画、そして洋画にかけて、挿絵のスタイルは次々に変化してゐた。そして、大正期になると逆戻り…

はてなブックマーク - 挿絵研究の現在(6)

2025年10月16日(木・曇) 挿絵研究の現在を理解するのに、挿絵史をも理解しなければならない。挿絵研究の現在を見ると、大きな穴としては、これまでの傾向を整理することが残つてゐる点である。厳密に言ふと、挿絵は比較的古いもので、古代の資料の…

はてなブックマーク - 挿絵研究の現在(5)

2025年10月15日(水・曇) 時代が変はるにつてれ、文化的な傾向当然ながら変はつていく。人の関心や重視する(される)メディア、売れてゐる商品等々があげられる。また、美術や藝術、それに美意識も変はるのである。1935年10月号の『書物展望…

はてなブックマーク - 挿絵研究の現在(4)

2025年10月14日(火・曇) 〝挿絵時代〟と呼ばれてゐたのは、明治期だけではなく、実は1930年代もさうであると言はれてゐる。しかし、厳密に言ふと、〝挿絵時代〟といふのは明治期から1930年代半ばまでであると考へることもできるのではなか…

はてなブックマーク - 挿絵研究の現在(3)

2025年10月13日(月・曇) 挿絵の行方は以前にも少し触れたことがあることである。新聞や雑誌のやうな媒体に文学・文藝作品が掲載されるときに、挿絵が共に提示されることがあるが、その文学作品の本文が単行本や選集、全集、文庫などのやうな別の媒…

はてなブックマーク - 挿絵研究の現在(2)

2025年10月12日(日・曇) 近代化されてから、日本文学と書物はさまざまな、且つ複雑な道を歩んできた。口絵と挿絵がほぼ確実に挿入される時代から、絵本へと移り変はる現在は、絵画と共に提示される文学作品が稀になつてゐる。とはいへ、例へば立東…

はてなブックマーク - 挿絵研究の現在(1)

2025年10月11日(土・雨) もともと挿絵のない作品に、事後的に挿絵が挿し込まれることによつて、文字だけの作品には視覚化されることになる。挿絵は仮に本文に合致してゐなくても本文の読み方・解釈を変へるのである。従来の研究において、挿絵が作…

はてなブックマーク - 「魚服記」の挿絵を読む(10)

2025年10月10日(金・曇) いよいよ「魚服記」の「四」に入つた。これまでは本文と挿絵とがどのやうに関はつてゐるのか、その相互関係を考察してきた。特に、挿絵が事後的に挿入されることによつて、本文の読み方がどのやうに変はるのかといふ点を強…

はてなブックマーク - 「魚服記」の挿絵を読む(9)

2025年10月9日(木・薄曇) 前回は、「魚服記」の読解史とは別の角度からの読み方を提供した。挿絵と併読することも、その新しい読み方を支へることができる、重要な資料としても扱ふことを論考した。なほ、「魚服記」の最新の読解がどのやうになつて…

はてなブックマーク - 「魚服記」の挿絵を読む(8)

2025年10月8日(水・晴) 前回に取り上げた⑮「〝妖怪〟とスワ」とその本文との間に関しては、「魚服記」に新鮮な解釈を与へてゐるのではないかと思はれるほど、興味深い挿絵である。特に、従来の研究及び読解史には、「スワ」は父親に強姦されるとい…

はてなブックマーク - 「魚服記」の挿絵を読む(7)

2025年10月7日(火・晴) 前回に取り上げた2枚の挿絵は「魚服記」の解釈に重要な役割を果たしてゐることを見た。例へば、本文にある「たつた一人のともだち」などのやうな箇所が、従来の読解史にも確認できるやうに、その「ともだち」が滝壺で死んだ…

はてなブックマーク - 「魚服記」の挿絵を読む(6)

2025年10月6日(月・晴) 初出媒体やその後の収録において、太宰治の生前に「魚服記」は挿絵付きといふやうな形で提示されたことがない。まだ調査中ではあるが、見つけることができる範囲では、1969年刊行の河出書房版『日本文学全集 II-18 太宰…

はてなブックマーク - 「魚服記」の挿絵を読む(5)

2025年10月5日(日・晴) 前回において、『魚服記』といふ書物に収録されてゐる作品「魚服記」の本文とねこ助による、解釈としての挿絵を、「二」の前半まで取り上げた。それらの挿絵が完全に本文に相互的に合致してゐるとふわけではないが、それにし…

はてなブックマーク - 「魚服記」の挿絵を読む(4)

2025年10月4日(土・曇―雨) これまでは立東舎版『魚服記』といふ、「現代リミックス」となつてゐる書物における、太宰治「魚服記」の本文と挿絵を読んでみた。前回は「一」を読んだが、原作にない事柄が挿絵にあれば、本文を挿絵に見事に置き換へら…

はてなブックマーク - 「魚服記」の挿絵を読む(3)

2025年10月3日(金・曇) 「乙女の本棚」シリーズの中に入つてゐる『魚服記』は、原作を「現代リミックス」として提示されてゐる。その理由と意味としては、ねこ助といふイラストレーターの挿絵が本文と共に提供されるやうになつてゐるからである。既…

はてなブックマーク - 「魚服記」の挿絵を読む(2)

2025年10月2日(木・薄曇) 立東舎版『魚服記』(ここで、書物のことを指すので二重括弧を使用、作品だけを指す場合は、鉤括弧を使用する)の主な書誌情報を前回において記載したのであるが、他にいくつかの点をここで紹介した上で、挿絵の検討に進ん…

はてなブックマーク - 「魚服記」の挿絵を読む(1)
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