2020年にマイクロソフト社は、「Xbox Series X」と「Xbox Series S」の2種類のモデルで発売することを発表した。ゲーム機の名称は単に「Xbox」であり、「Series X」および「Series S」の部分は、機種の細分を示す語(モデル名)である[6]。正式名称の発表前は「Project Scarlett」(プロジェクト・スカーレット)と呼ばれていた[7]。マイクロソフトの家庭用ゲーム機の大幅刷新は、2013年以来7年ぶりとなる[8][9]。
マイクロソフトはXbox Series Xを「これまでで最速かつ最も強力なコンソール」と称しており、パフォーマンスではXbox One Xの約4倍の処理能力を実現[10]し、4K/60fpsから4K/120fpsを性能目標とし、8K解像度の描画[11]、ハードウェアレベルでのレイトレーシングや、可変リフレッシュレートにも対応する[12]。Xbox Series Sは「最も小さなXbox」と称しており、ディスクドライブ非搭載で4K/8K解像度をサポートせず、1440p(WQHD:2,560×1,440)までとなる。
Xbox Game Pass[13]や、初代Xbox、Xbox 360、Xbox Oneの三世代分の後方互換性[14]を備えており、発売日から数千の過去のゲームを遊ぶことが可能である。また、Xbox OneとXbox Series X|Sの両方で発売されているソフトの多くは「スマートデリバリー」に対応しており、どちらか一方の機種のソフトを購入しただけで両方の機種版のソフトを購入したことになり、無償でそのハードに最適なバージョンが自動的にダウンロードされる[15]。ディスク版でも、Oneの時期に発売されたディスクが後からSeries X版のゲームデータに対応した場合はスマートデリバリーが適用される。
Xbox Oneの時と比較して日本タイトルの増加やXbox Game Pass、またPlayStation 5のたび重なる値上げ[注釈 2]によって、日本でのXbox Oneの販売台数である約11万台を越した63万台以上[16](2024年10月現在)を売り上げている。これは、Xboxコンソールのこれまでの日本での販売台数で一番販売台数が多いXbox 360に次ぐ販売台数である。また今世代(2020年以降)から2024年現在まで東京ゲームショウにオンライン出展という形での参加を行なっている。
Xbox Series X|Sからの新機能ではSSDを搭載し、2023年以降に文書化されたいわゆる「DirectStorage」の技術を使って読み込み速度を短縮したが[19]、起動中のゲームから別のゲームに切り替える際に、ゲームの状態を丸ごとSSDに保存し、次回そのゲームを起動した時に前回保存したそのままの状態からゲームを再開できる機能も搭載された。
複数のタイトルの状態を保存することができ、Xbox Series X|S専用タイトルで少なくとも3タイトルの状態を保持することができる。更にメモリ使用量が少ないXbox One、Xbox 360、無印Xboxタイトルであれば3タイトル以上の状態を保持できる[20]。クイックレジュームはダウンロード版・ディスク版問わず利用できる。外付けHDDのゲームではXbox One時代のゲームをONE基準の制約下でしかプレイできないが、レジュームの適用は可能である。外付けHDDや専用拡張SSDを外した状態でもレジュームデータは保持される。
Xbox Series XでXbox Oneゲームをプレイする際、そのゲームがXbox One X Enhanced対応タイトルの場合、Xbox One X Enhanced版をプレイすることができ、4K画質またはHDR、またはその両方を利用できる。ただし、4K120fpsやネイティブのDolby Visionは利用できない。
Xbox Series Sでは通常のXbox One品質でプレイすることになるが、改善されたテクスチャフィルタリング、より高く安定したフレームレート、より速いロード時間、一部作品におけるAuto HDRまたはOneXエンハンスドの部分適用によるHDR10出力が利用できるためXbox Series Sでも快適にXbox Oneタイトルを遊ぶことができる。この場合、ネイティブ画質はほとんどの作品で720p,900p,1080pのいずれかになる。[28]
Xbox Oneタイトルにネイティブ4K解像度、より速いフレームレート、改善されたテクスチャなどのアップデートを行ったタイトルのことでXbox One X、Xbox Series X本体では最大16倍、それ以外の本体では最大4倍の解像度に高解像度化されて動作する。そのため、スマートデリバリーで移植され、かつOne X Enhancedに対応していない作品では、Series X以外で4K出力ができないゲームも存在(パルワールドなど。)ただし、これらの機能をいずれも搭載していないが、処理が向上するケースの作品や、画質が4Kと1080pの中間のアップグレードになるケースもある。Series SはOneXエンハンスドに対応していない。
Xboxゲームは、パッケージ版、ダウンロード版にかかわらず全てのゲームソフトにおいてネット接続が必要だったが、2022年9月20日に仕様を変更し「パッケージ版」でソフトを起動する際、初回起動時のオンライン確認も不要になった。これにより、遠い将来Xboxサーバーが閉鎖された場合でもゲームを起動できる状態になった。ただし、ゲームデータが搭載されていないディスク版、一部のダウンロード版やXbox Game Passのタイトルは今まで通りネット接続が必要である。[29][30]また、プレイするSeries/Oneの本体を「ホーム Xbox」に指定したMicrosoftアカウントで購入したダウンロード版作品もオフラインで起動できる[31]。
2022年9月14日の本体アップデートによりXbox Series X|S、Xbox One本体でDiscordのボイスチャット機能が利用可能になった。この機能はDiscordアカウントとXboxアカウントを連携させDiscordを使い、スマホ等からXbox本体に転送することで実現された[32][33]。また2022年11月16日の本体アップデートでXbox Series X|S、Xbox One本体から直接利用できるようになった[34]。
Xbox Series Xのディスクドライブ搭載型は、CD ,DVD ,Blu-ray Disc ,Ultra HD Blu-rayおよびXbox用、Xbox 360用DVD-ROM、Xbox One/Xbox Series X用BD-ROM(厳密にはBDのライセンスが取得されていないディスク)に対応している。しかし、Xbox Oneとは違い、Blu-ray 3Dには非対応。ディスクケースは2021年までは表面上部に「XBOX ONE」もしくは、Series X対応作品の一部は、「XBOX」ロゴ(「Series X」のロゴも表面の右上に追記)のロゴが刻まれていたが、それ以降はその上部ロゴが削除され、ジャケットの部分が大きくなったデザインが採用されている。この新デザインは三種類のXbox One用、Xbox Series X用の作品、あるいは両方に対応した作品の三つに分かれている。Xbox Series X は全てのゲームディスク(Xbox One、Xbox 360、Xboxの後方互換に対応した全作品含む)がリージョンフリーとなるが、DVDやBlu-ray Discは本体にリージョンコードが記録されたままとなる。既にハピネットが2017年以降に明確に日本国内向けディスクの流通を撤退しているため、米Amazon.comやAmazon.co.jp、eBayなどによる輸入品の購入が必要となるディスクがほとんどである。
Xbox One初期型に同梱してくる。Wi-Fi Directによる通信方式を採用したことで、本体との通信速度が大幅に高速化している。トリガーに触れる左右の指先それぞれに振動を伝えることができるように、振動モーターが左右のグリップ部分に加え、トリガー付近に追加され合計4個となった。アナログスティックの縁が網目状になり、軽く操作できるようになった。単3電池2本で駆動する。電池の収納が縦から横になり、背面がフラットになっている。十字キーは、溝から直接十字のパッドが露出する形状に変更された。Kinectにより、どのコントローラーが、どの位置で操作されているか検知する。これはコントローラー正面に赤外線LEDがあり、それを赤外線カメラで撮影しているためである。micro-USB Type-B端子を搭載しており、USBケーブルで本体と接続すれば無線をオフにして有線コントローラーとしても使用可能である。Windows用ドライバも提供されており、PCでも使用可能。Bluetoothに非対応である。
Xbox One S、Xbox One Xに標準搭載されるこのコントローラーは、Bluetooth 4.0に対応する(単体発売ではXbox Design Labでオリジナルモデルの発注ができる)。日本では2017年1月27日に「Xbox コントローラー(Windows USBケーブル付)」が登場した。第三世代の商品名は"Xbox One ~"の部分からOneが無くなり"Xbox ~"となった。
Xbox Series X|Sと同時発売のコントローラー。Bluetooth対応。Xbox Oneと互換性があり、使用することが可能である。基本的には第一~第四世代のコントローラーと同じであり、前モデルからの変更点という意味では小幅な改良にとどまっている。シェアボタンが新設され、手軽にスクリーンショットや動画をコミュニティに共有することが可能になった。また、十字キーに「ハイブリッド方向パッド」が採用され、斜め入力がしやすくなっている。
肢体に障碍があるユーザーを補助し、自由にゲームを操作する為に設計されたゲームコントローラー[40]。対応ハードはXbox OneおよびMicrosoft Windows 10搭載PC。日本国内では2020年1月9日より数量限定でマイクロソフトのオンラインストアにて発売された[41]。アクセシブルゲーミングを推進するマイクロソフトが開発した[42]。巨大な黒い二つのボタンがメインキーとして配置され、僅かな圧力で反応する[43]。19個の3.5mmジャックを搭載し、別売りの外付けスイッチ/ボタン/マウント/ジョイスティック等[44]のユーザーに合ったデバイスを接続し、機能を拡張を行う[43]。従来の「コントローラーを手を握る」という動作は必要なく、プレイヤーの体勢を問わずプレイ可能となっている。デバイスをマウントし、ベッドや壁に固定させることも可能[45]。底面には車椅子用アタッチメントの標準仕様である3つのネジ穴がある[46]。
Xbox One各種、Xbox Series X|Sにオプションを用いずワイヤレス接続可能で、更にBluetooth4.2接続に対応。両者は同時に入力可能。
Xbox One各種、Xbox Series X|S、Windows PCのいずれにおいてもWindows Sonic、Dolby Atmos、DTS Headphone: X などの立体音響に対応。Dolby Atmos、DTS Headphone: X 使用時はMicrosoft Storeにて販売されている有料アプリを購入する必要がある。
前作同様、Xbox One各種、Xbox Series X|Sへワイヤレス接続が可能で、Bluetooth5.3接続や立体音響にも対応。更に連続使用時間が約20時間へ伸び、自動ミュートと音声分離が改良されたマイクが搭載され、 Qualcomm S5 Gen 2を搭載したことで超低遅延のワイヤレス接続が可能になった。