
Small Computer System Interface(スモールコンピュータシステムインタフェース、小型計算機システムインタフェース)[1] 、略してSCSI (スカジー[2][3][4]、英:Scuzzy[5])は、主に周辺機器とコンピュータなどのハードウェア間のデータのやりとりを行うインタフェース規格の一つである。SCSIを使用可能にするインタフェース装置をSCSIインタフェースと呼ぶ。ANSI(米国規格協会)によって規格化されている。
パソコンやワークステーションと周辺機器との接続インタフェースとして、シュガートのSASI (Shugart Associates System Interface) (サジー)を拡張し、ANSIによって規格化されたバス型のインタフェースである。8ビットまたは16ビットのパラレルインタフェース。Ultra SCSIではシリアル型もある。後述の大型のコネクタ・バス等は近年その役目を終えたが、SCSI規格自体は物理的な仕様のみならずデバイス間の通信プロトコルも規定している。実際に現在普及している高速規格であるATA、SATA、USB、IEEE 1394、ファイバチャネル上ではSCSIコマンドが未だにやり取りされている。
SCSIバスは、周辺機器を接続するインタフェースではあるが、コンピュータと周辺機器という、主従関係ではなく、各機器が対等の動作をすることを基本として設計されている。入出力要求を行なう要求を出す機器(イニシエータ)から実際の動作を受ける機器(ターゲット)に対して指示を行ない、その結果を返す、という形で動作する。
一般には、インタフェース1台に複数のSCSI機器を接続するものであると認識されているが、実際には複数台のパソコンで1台のディスクを共有するなどの構成も可能な仕組みになっている。すなわち、イニシエータは1つのバス上に複数の機器が存在してもよい。しかし、実際には、コンピュータがバス上の唯一のイニシエータで、各周辺機器(ディスクやテープ装置など)はターゲットとしてのみ動くのが普通である。

図中、SCSIバスから各機器のコントローラやホストバスアダプタまでの接続線をスタブと呼称し、規格上は各々の機器につき15cmまでが許容されている。また、SCSIバス上での機器の間隔は25cm以上が推奨されている。
SCSIはバス形式ではあるが、各機器を数珠つなぎで繋いでいくため、ヒナギクの花輪になぞらえ「デイジーチェーン接続」とも言われる。各機器は1つのSCSIバスに接続しなければならない。また、バスの両端には信号の反射を防ぐため、ターミネータを接続しなければならない。なお、ターミネータは、必ずしもバス終端に接続されるわけではなく、ホストバスアダプタやSCSI機器に内蔵される場合もある。
SCSIバスに接続する各機器はSCSIデバイスと呼ばれる。各々0から7(または15)までの番号で区別される。この番号のことをSCSI IDという。通常、SCSI機器は各々、明示的にSCSI IDを設定しなければならないが、SCAMという拡張仕様を用いることで、自動的に設定することも可能である。
SCSI IDは、7→0、15→8の順にバス使用優先権が割り振られるため、コントローラのIDは7に、処理が遅くバスを頻繁に開放する機器(テープドライブやCD-ROM等)に優先順位の高い番号を割り当てる。
また、各々のSCSIデバイスは、さらにユニットを8つまで持つことができる。これをロジカルユニットという。各ロジカルユニットには番号がつけられる。この番号のことをLUN (Logical Unit Number(英語版)) という。ロジカルユニットは、1つのデバイスで複数の媒体を持つことができる多連装CD-ROM装置や、ディスクアレイ装置、多連装テープ装置などで使われる。
もっとも、一般向けの機器でこれを用いているのはPD、DVD-RAM、多連装CD-ROMドライブ程度であるため通常の使用においてはまず気にする必要は無い。
SCSI装置はいくつかの種類ごとにカテゴリ分けされる。たとえば、ディスク装置、テープ装置などであり、それぞれのカテゴリごとに利用できるコマンド類が定義される。これは、ディスクはランダムアクセスできるが、テープはシーケンシャルアクセスしかできないため、ランダムアクセスのコマンドは定義しようにもできないからである。
並列(パラレル)SCSIでは、8ビット幅 (NARROW) では50芯、16ビット幅 (WIDE) では68芯のケーブルを用い、各機器をバス接続する。バスの両端には終端抵抗(ターミネータ)が必要である。NARROWでは8台、WIDEでは16台のSCSI機器を接続できる。ただしインタフェースボードがIDを一つ消費するので、実際に接続可能な機器はNARROWで7台、WIDEで15台となる。
なお、SCSI-2の16/32ビットWIDEはNARROWにケーブルをもう1本追加するものであったためまったく普及せず、Ultra SCSIで廃止され、新たに16bit WIDEが規定された。通常、WIDEといえばUltra SCSIの16bit WIDEを指す。


SCSIは何度か規格を更新し、速度の向上や機能の追加が行われている。
SCSI-1や2という規格名より、Narrow SCSI、Fast SCSI、Wide SCSIなどという名称のほうが一般的である。またUltra SCSIの事をSCSI-2の次の規格のためSCSI-3だと良く勘違いされるが、実際にはSCSI-3という規格は存在せずUltra SCSIというのが規格の正式な名称である。
SCSIには、転送速度やバス幅以外にも電圧、伝送方式による違いがあり、現状、SE(シングルエンド)、HVD(ハイボルテージディファレンシャル)、LVD(低電圧差動型:ローボルテージディファレンシャル)の3種類の機器が流通している。SEとLVDに関してはピン互換性があり、また、電気的に相互に接続する事が可能となるよう設計されているが、HVDについては、電気的互換性が考慮されていないため、誤って接続すると機器の故障の原因となるので注意を要する。
| 規格群 | 規格 | 省略形 | 周波数 | 速度 (MB/s) | バス幅 | 最大バス長(m) | 備考 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| LVD | SE | HVD | |||||||
| SCSI-1 | SCSI | 5MHz | 5 | 8bit | 6 | 25 | |||
| SCSI-2 | Fast10 | 10MHz | 10 | 3 | FastSCSI | ||||
| SCSI-2 | 20 | 16bit | FastWideSCSI | ||||||
| SCSI-2 | 40 | 32bit | 32bit FastWideSCSI | ||||||
| Ultra SCSI | Ultra/Fast20 | U | 20MHz | 20 | 8bit | 1.5 | UltraSCSI 3台以下の場合SEで3m | ||
| Ultra Wide | UW | 40 | 16bit | Wide Ultra SCSI | |||||
| Ultra2 | U2 | 40MHz | 8bit | 12 | 1台のみの場合25m 通常はU2Wが使われる | ||||
| Wide Ultra2 | U2W | 80 | 16bit | ||||||
| Ultra160 | U160 | 40MHz DDR | 160 | Ultra3 SCSI ドメインバリデーションを追加 | |||||
| Ultra320 | U320 | 80MHz DDR | 320 | 現行規格 | |||||
| Ultra640 | U640 | 160MHz DDR | 640 | SE機器の接続は保証されない。廃案 | |||||
| Ultra1280 | 160MHz PAM-4 | 1280 | 実験及び一部仕様の策定 | ||||||
| Ultra2560、Ultra5120 | ロードマップのみ存在 | ||||||||
また、パラレルSCSIの開発はU640(製品化はU320まで)で終了し、次世代のSCSIはシリアル (Serial Attached SCSI, SAS) で一本化される事になっている。

内部接続コネクタはSCSI-1時代には規格化されており、SCSI-2で追加されたWide規格においては、SCSI-1からの8ビット幅の50ピンケーブル(Aコネクタ)と、オプションの68ピンケーブル(Bコネクタ)を併用する必要があった。Ultra SCSIにてWideの再定義を行い、68ピンケーブル(Pコネクタ)一本で16bitWideが使用可能になった。32bitWideを使用するときはもう一本68ピンケーブル(Qコネクタ)を併用する必要があったが、1つのバスに多くの機器を(しかもケーブル2本使用してまで)接続する必要も現実問題として無く(32bit規格は理論上32台のデバイスをサポートしている)、転送速度のアドバンテージもLVD化により薄れ、LVD規格では32bit規格はドロップされた。
SCSI外部機器がケーブルの接続に使用するコネクタは、SCSI-2/Ultra SCSIで規格化され、NarrowはD-Sub 50pin ハーフピッチコネクタ、Ultra SCSIの16ビットWideは内部接続と同じ D-Sub 68pin ハーフピッチコネクタに固定用の螺子を追加した物が使用される。ただ、ピン形状やコネクタ形状、螺子穴の位置は規格化されているが、それを覆うコネクタカバー部の厚さと螺子の切り方(インチ螺子なのかJIS螺子なのか)には規定が無く、機器と干渉する場合もある。
また、RAIDカードや複数チャネルを持つコントローラは狭いスロットカバーに複数のWideケーブルを接続出来るようにする為、超高密度68pinコネクタを採用している。
SCSI-1時代には、内部接続コネクタ形状のみ規格化されていたため、一般的にはセントロニクスコネクタと同様なベローズ形状のフルピッチの50ピンコネクタが使用されていたが、AppleのMacintosh PlusからPower Macintosh G3までやIO-MEGAのZipドライブではRS-232Cと同じD-SUB 25pinが、また、日本電気 (NEC) のPC-9800シリーズでは、ベローズ形状をシュリンクしたSCSI-2のそれと同サイズのコネクタを採用している。NECのEWS4800シリーズはこれに加え、ケーブル側コネクタの外周部に2つの突起があり、機器側のマイクロスイッチでケーブルが接続されているか否かを判断する仕組みが追加されている。このため、一般のSCSI機器にEWS4800用のSCSI機器は接続出来ない(逆は可能)。また、AppleのPowerBook 100シリーズからPowerBook G3 (Bronze Keyboard)までは HDI-30[6][7] が採用されていた。

ターミネータ(terminator,終端抵抗)には外部に接続するもの、SCSI機器内部のコントローラ基板上にあるものの二種類がある。また、動作方式としてパッシブターミネータ(英語版)とアクティブターミネータ(英語版)がある。
パッシブターミネータは単に抵抗をバスラインに接続[8]するだけである。一方アクティブターミネータは、抵抗だけでなく、能動素子(定電圧レギュレータ)を使っている。SCSI-2以降はアクティブターミネータの使用が必須であり、その回路はSCSIの規格書に記載されている[9]。パッシブターミネータの場合、アクティブな信号が多いほどターミネータに流れる電流が多くなり、TERMPWRラインの電圧が下がり動作が不安定になる場合がある。アクティブターミネータの場合は同様の条件であっても抵抗に接続されているのは定電圧レギュレータであるため、SCSIの仕様内であればレギュレータの出力電圧が補正され安定した動作が期待できる。
かつて日本でも各種パソコンやワークステーション(PC-9800シリーズ、FMRシリーズ/FM TOWNS、X68000や、また、日本国内で販売されたMacintosh、サン・マイクロシステムズなど)でハードディスクドライブ (HDD) やイメージスキャナ、CD-ROM、MOなどを接続する高速インタフェースとして使われていた。PC-9800シリーズやMacintoshではSCSIが記憶装置や入出力装置の標準インタフェースとなっており、PC-9800シリーズやMacintoshではSCSI接続したMOディスクからも起動が可能であった。また、MacintoshではSCSI接続したMacintosh本体を外付けハードディスクとして利用する、SCSIターゲット・ディスク・モードと呼ばれる仕様(接続先から起動も可能な仕様になっていた)も用意されていた。FM TOWNSも登場時はSCSIを標準搭載としていた。これらの機種のようにフロッピーディスクドライブとHDDのいずれからもシステムの起動に失敗した場合に、SCSI接続機器から「第三の選択肢」としてシステム起動を試みることができる仕様となっていたものもあり、当時潤沢ではなかったシステム資源を有効活用する面でも重要な選択肢として活躍した。
その一方でPC/AT互換機では、内蔵HDDは歴史的にST-506を始祖とするIDEが主流であり、主に外付けCD-ROMやMO等の接続の為に使用されていただけだった。CD-ROMについてはコスト削減のため、内蔵化され、SoundBlasterのMKEやミツミ、ソニーの独自接続規格を経て1996年頃からはATAPIによる接続が主流となった。
1990年代後半からIDEドライブの低価格化が進んだことで、SCSI接続の外付けハードディスクドライブに関しては、SCSI-IDE変換基盤及びIDEドライブを内蔵した製品が増加した。
MOやイメージスキャナなど外付けの周辺機器に関しては、2000年頃からUSB 1.1およびIEEE 1394の台頭が始まった。USB1.1は転送速度の面で劣ったが、普及価格帯PCにも標準採用されたことから採用例が増加し、2002年頃からは、より転送速度が速いUSB 2.0に取って代わられた。
処理速度および信頼性が強く求められるサーバ用途のハードディスクでは、CPUへの負荷がUSBよりも抑えられることから、比較的長期に渡りSCSI接続ドライブが供給された。この頃になると小口径プラッタ採用によるシーク速度性能の向上や、信頼性確保の為、IDEハードディスクとは文字通り桁違いの平均故障時間を実現している。またPCを趣味とする一部のユーザー層も、これらの長所を評価して敢えて導入する事例もあった。
複数のイニシエータを持つことが出来る事から、コンピュータクラスタのストレージ用バスとして使われていた。ストレージを共有することで個々のストレージへのアクセスをモニタするオーバーヘッドを削減し、異常事態が生じてフェイルオーバーする時は最終状態が保存されているストレージにアクセスできるため瞬時にクラスタ構成要素を切り離したり代替する事ができた。これはIEEE 1394にも引き継がれている。
SCSIのデータ伝送プロトコルを応用した規格として、前述の SAS (Serial Attached SCSI)、UASP (USB Attached SCSI Protocol)の対応製品が、またIPネットワーク技術の進展にともない、SCSI機器をIPネットワーク経由で接続するためのiSCSIという規格がIETFにおいて標準化されている。従来のストレージエリアネットワーク (SAN) ではファイバチャネルが使われることが多かったが、コストが高くなりがちである、ファイバチャネルに精通した技術者が少ない、などの問題点があった。これに対し、IPネットワーク機器は広く普及しており、IP ネットワーク技術に関連した技術者も多いことから、iSCSIをベースとしたSANも普及をみせている。
この項目は、コンピュータに関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています(PJ:コンピュータ/P:コンピュータ)。 |