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H/PJ-45 130 mm艦砲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
H/PJ-45 130 mm艦砲
種類艦砲
原開発国中華人民共和国の旗中国
運用史
配備期間2014年 - 現在
配備先 中国人民解放軍海軍
開発史
開発者鄭州機電工程研究所[1]
開発期間2005年 -[1]
諸元
重量50トン[1]
銃身70口径長

口径130 mm (5.1 in)
銃砲身単装[1]
発射速度40発/分[1]
最大射程29.5 km[1]
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H/PJ-45A 130 mm艦砲(H/PJ-45A 130ミリメートルかんぽう、中国語:H/PJ-45单管130毫米舰炮)は、中華人民共和国で開発された艦砲昆明級駆逐艦(052D型)などに搭載されている[2][3]。なお形式名についてはH/PJ-38とする資料もある[1][4][5]

来歴

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中国人民解放軍海軍初の駆逐艦である鞍山級駆逐艦ソビエト連邦から供与された7型駆逐艦(グネフヌイ級)であり、艦砲としてはB-13 130mm砲を搭載した[3]。また初の国産駆逐艦である051型(旅大型)でも、B-13の沿岸砲型を基に、ソ連のSM-2-1も参考にしつつ開発した58口径130mm砲(76式)が搭載されており、海軍当局はB-13の性能に満足していたものと推測されている[3]

国共内戦期の中国海軍は、中華民国政府の支配領域に対する艦砲射撃なども度々実施しており、艦砲の威力は重要であった[3]。1958年の金門砲戦を最後に、中国軍による沿海地区における島嶼攻略戦は幕を閉じたとはいえ、その後も艦対地攻撃能力は重要課題であり続けた[3]。しかし1960年の中ソ対立と、これに伴う西側との関係の深化、そして軍事科学技術の進歩を受けて、次世代駆逐艦として建造された052A型(旅滬型)では、防空を意識して56口径100mm連装砲(H/PJ-33)が搭載された[3]。続く051B型(旅海型)でも同砲が搭載されたほか[3]1999年に旅大型を近代化改装した際にも58口径130mm連装砲が同砲に換装された[5]。また2000年代にミサイル駆逐艦の国産化に着手した直後は、フリゲートと同じくフランスの100mmコンパクト砲を山寨化した55口径100mm単装速射砲(H/PJ-87)が搭載されるなど、130mm砲の運用を縮小するような動きもあった[5]

一方、1996年に導入が決定されたロシア海軍ソヴレメンヌイ級駆逐艦は70口径130mm連装速射砲(AK-130)を搭載しており、その射程の長さおよび投射火力の大きさは、上陸作戦における対地支援火力の不足に悩む中国海軍にとっては救いとなった[3]中船重工713研究所郑州机电工程研究所)は、2000年代初頭AK-130の技術を踏まえた軽量130mm砲の開発に着手し、2010年にH/PJ-45Aとして実用化に成功した[3]

設計

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AK-130は重量・容積ともに大掛かりな砲システムであり、システム重量は揚弾・再装填機構などを含めると94トン、また8,000トン近い大型艦であるソヴレメンヌイ級においても上甲板から下部の2層に渡って砲塔機構と予備弾庫が占有している状態であった[3]

H/PJ-45Aは、まず単装化するとともに、水冷機構はそのままに再装填機構を改良し、構造の簡素化・軽量化に成功したとされる[3]。旋回・俯仰装置なども新規設計することで、砲塔重量は半減した[1]。また砲盾はステルス性を意識した設計になった[1]。なお、052D型の搭載砲では二重のマズルブレーキを付して反動の軽減を図っているのに対し、055型の搭載砲ではマズルブレーキは省かれている[3]

砲弾としては、通常砲弾とともに、射程60キロを超える噴進弾(RAP弾)が用意されているほか、射程100キロ超のレーザー誘導砲弾も開発されている[3][1]

比較

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主な艦砲の比較
プロジェクト‐ノート:軍事#比較のテンプレート整理についてに、このページに関する提案があります。2025年8月
提案の要約:テンプレート名と選択基準の妥当性
アメリカ合衆国の旗AGS中華人民共和国の旗H/PJ-45ロシアの旗A-192Mアメリカ合衆国の旗Mk45 Mod 4イタリアの旗127mm/54Cイギリスの旗Mk8 Mod 1フランスの旗Mle.68イタリアの旗76mm C/SRスウェーデンの旗Mk110
砲身数単装[1]
口径155 mm130 mm127 mm113 mm100 mm76 mm57 mm
砲身62口径70口径62口径54口径55口径62口径70口径
重量106 t50 t[1]24 t28.924 t37.5 t[6]26.4 t22 t12 t7.5 t[7]
要員数完全自動不明5名以下[注 1]6名[注 2]2-8名[8]給弾手2名無人[注 3]給弾手3名完全自動
仰俯範囲+70°/ -5°+80°/ -15°+65°/ -15°+83°/ -15°+55°/ -10°+29°+85°/ -15°+77°/ -10°[7]
旋回範囲全周不明340°330°340°40°全周
発射速度10発/分40発/分[1]30発/分16-20発/分45発/分[6]25発/分78発/分80発[注 4]/分(C)
120発/分(SR)
220発/分[7]
冷却方式水冷不明空冷水冷空冷水冷
最大射程118,000 m[注 5]29,500 m[1]23,000 m[注 6]37,000 m23,000 m[注 7][注 8]21,950 m[注 7]17,000 m[注 9]18,400 m[注 7]21,000 m[注 10]

採用国と搭載艦

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 中国人民解放軍海軍

脚注

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[脚注の使い方]

注釈

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  1. ^砲塔内は無人で、装填手は砲塔下方の装填室で砲弾を装填する。
  2. ^遠隔操作
  3. ^必要に応じて2名の砲員による砲側射撃も可能
  4. ^性能向上型、IROF改修を行うことで100発
  5. ^LRLAP弾
  6. ^対空で18,000 m
  7. ^abc通常砲弾
  8. ^対水上で15,000 m[9]、対空で7,000 m[9]
  9. ^対水上で12,000m、対空6,000m
  10. ^HCER-BB弾[10]

出典

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  1. ^abcdefghijklmn多田 2015, p. 110.
  2. ^陸 2018.
  3. ^abcdefghijklm薗田 2025.
  4. ^井上 2021.
  5. ^abc多田 2020.
  6. ^ab大塚 2014.
  7. ^abc多田 2015, p. 109.
  8. ^梅野 2007, pp. 177–182.
  9. ^abFriedman 1997, p. 436.
  10. ^Friedman 1997, pp. 450–451.

参考文献

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  • 井上孝司「中国海軍の艦載兵器 (特集 中国海軍)」『世界の艦船』第945号、海人社、104-111頁、2021年4月。 NAID 40022501814 
  • 薗田浩毅「中国 (各国の艦対地攻撃能力)」『世界の艦船』第1049号、海人社、82-85頁、2025年11月。 
  • 多田智彦「世界の艦載兵器」『世界の艦船』第811号、海人社、2015年1月。 NAID 40020297435 
  • 多田智彦「現代の艦載兵器(第11回)艦載砲(その2)」『世界の艦船』第935号、海人社、141-147頁、2020年11月。 NAID 40022370035 
  • 陸易「中国 (特集 最新の洋上防空システム) -- (主要国の艦載防空システム)」『世界の艦船』第889号、海人社、98-101頁、2018年12月。 NAID 40021712982 

関連項目

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