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遼寧省

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
曖昧さ回避この項目では、中華人民共和国の行政区画について説明しています。かつて存在した行政区画については「遼寧省 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
曖昧さ回避遼寧」はこの項目へ転送されています。中国人民解放軍海軍の航空母艦については「遼寧 (空母)」をご覧ください。
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(2015年1月)
遼寧省
略称: 遼 (拼音:Liáo)
遼寧省の位置
簡体字辽宁
繁体字遼寧
拼音zh-Liaoning.ogg Liáoníng[ヘルプ/ファイル]
カタカナ転記リャオニン
省都瀋陽市
省委書記陳求発(元省長)
省長劉寧(前青海省長)
面積145,900 km² (21位)
人口(2020年)
 -人口密度
42,591,407[1] 人 (14位)
292 人/km² (15位)
GDP(2018年)
 - 一人あたり
25,315.3 億 (7位)
57,900 (6位)
HDI(2018年)0.822 () (7位)
主要民族漢民族 - 84%
満洲族 - 13%
モンゴル族 - 2%
回族 - 0.6%
朝鮮族 - 0.6%
シベ族 - 0.3%
地級行政区14 個
県級行政区100 個
郷級行政区1511 個
ISO 3166-2CN-LN
公式サイト
http://www.ln.gov.cn/
地級行政区画

遼寧省(りょうねいしょう、 リャオニンしょう簡体字中国語:辽宁省拼音:Liáoníng Shěng英語:Liaoning)は、中華人民共和国東北部に位置する。省都は瀋陽、他の主要都市として大連がある。旧称は盛京省、後に奉天省

地理

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北東部を吉林省、北部を内モンゴル自治区、西部を河北省と接す。また南西部は遼東半島を境に海域が分かれる黄海渤海に面し、南東部は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と接する。

民族

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遼寧省には満洲族モンゴル族回族朝鮮族シベ族など43の民族が住み、少数民族人口は655万人、全省の16%を占める。1950年代に阜新モンゴル族自治県と喀左モンゴル族自治県が成立し、改革開放後には新賓、清原、岫岩、本渓、桓仁、寛甸の6満洲族自治県、35少数民族鎮、105民族郷(民族連合自治郷)が創設された。

歴史

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近代以前

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有史以前には紅山文化などの遼河文明がみられる。戦国時代の勢力が遼河流域に伸び、代に遼東郡が設置されたが、その後の中国の混乱により、鮮卑高句麗契丹女真など異民族が支配する地となって長い時間高句麗の支配下にあった。満洲人が興起して朝を樹立、全中国を支配した。北京遷都前の都であった盛京奉天府と改称されて副都として扱われた。満洲の地方行政は中国内地のような省制度によらず、駐防八旗の将軍たち(盛京将軍、吉林将軍、黒龍江将軍)によることとなった。現在の遼寧省一帯の行政は、当初は遼東に置かれた駐防将軍である遼東将軍が管轄したが、奉天に移され奉天将軍に改名され、さらに盛京将軍に改名された。朝は祖先の地である満洲に漢人の入植を禁じる封禁政策をとったが、ロシアの南下政策が顕著になってきた1860年に全面解禁し、山東省などから多数の漢人が入植した。やがて満洲をめぐるロシアと日本の勢力争いは日露戦争を引き起こし満洲の各地は戦場となる。

近現代

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→「遼寧省 (中華民国)」および「奉天省」も参照

清朝末期の1907年に奉天を省都とする奉天省が置かれ、同時に盛京将軍は東三省総督となり、かつて吉林将軍や黒竜江将軍が管轄していた地域をも管轄するようになった。清朝滅亡後の軍閥時代には張作霖とその息子の張学良の奉天軍閥がこの地方を実質支配した。1929年には省名を「遼寧」、省都を「瀋陽」とされている。その後張学良は父の死亡の原因(張作霖爆殺事件)が関東州(大連)を根拠地とした関東軍の陰謀と知ると日本色を一掃して対決姿勢を見せる。これに対して関東軍は1931年満洲事変を起こし、清朝最後の皇帝溥儀を擁立して満洲国を樹立した。関東軍は張学良を追放するとともに先の改称命令を破棄して旧名の奉天省に復帰させるとともに1934年に奉天省、安東省錦州省の3省に分割した。当時の日本は多額の重工業投資を行っている。

1945年、日本の敗戦に伴い満洲国は崩壊、中華民国政府は遼寧省安東省遼北省を設置したが国共内戦により共産党軍の実効支配下に置かれた地域では別の行政機構の遼寧省安東省(後に遼東省に統合)、遼北省(後に遼西省に改編)が設置されるなど複雑な行政区画変遷を経た後、1954年にそれらの統合が実施され現在の遼寧省が発足した。建国されて間もない中華人民共和国の経済地盤を支えたのはこれらの地域であった。中国は遼寧省を中国最大の重工業基地と捉え、多数の国営企業を建設した。

改革開放時代

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しかし、1980年代以降、改革開放政策の進展にともない、上海を中心とする長江デルタや広州を中心とする珠江デルタが外資を導入して経済的に躍進すると、その反動で遼寧の国営企業は多額の負債を抱える時代遅れの存在となった。現在では大連を中心とする沿海地域が外資を導入し、経済的に成長している。

なお、建国後、遼寧地域は遼東省と遼西省及び瀋陽、旅大、鞍山、撫順、本渓の中央直轄市が成立したが、1954年8月遼東、遼西両省や中央直轄市は廃止され、遼寧省に統合された。

行政区画

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下部に2副省級市と12地級市を管轄する。

名称中国語表記拼音面積
(Km2)
人口
(2020[1])
政府所在地
遼寧省の行政区画
副省級市
1瀋陽市沈阳市Shěnyáng Shì12860.009,070,093渾南区
2大連市大连市Dàlián Shì12573.857,450,785西崗区
地級市
3鞍山市鞍山市Ānshān Shì9252.003,325,372鉄東区
4本渓市本溪市Běnxī Shì8420.001,326,018渓湖区
5朝陽市朝阳市Cháoyáng Shì19698.002,872,857双塔区
6丹東市丹东市Dāndōng Shì15289.612,188,436振興区
7撫順市抚顺市Fǔshùn Shì11272.001,861,372順城区
8阜新市阜新市Fùxīn Shì10354.991,647,280細河区
9葫芦島市葫芦岛市Húludǎo Shì10414.942,434,194竜港区
10錦州市锦州市Jǐnzhōu Shì9890.622,703,853太和区
11遼陽市辽阳市Liáoyáng Shì4743.241,604,580文聖区
12盤錦市盘锦市Pánjǐn Shì4071.101,389,691興隆台区
13鉄嶺市铁岭市Tiělǐng Shì12979.692,388,294銀州区
14営口市营口市Yíngkǒu Shì5365.462,328,582西市区

経済

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広い土地、長い海岸線を利用して、農業漁業が盛んであった。農業は乾燥地にも適したトウモロコシなどが主体であるが、鞍山以北、盤錦・錦州、丹東などでは水稲も栽培し、特に「盤錦米」は有名である。最近は大都市周辺での野菜・果物の栽培も多い。水産物は、渤海・黄海に面した海岸で盛んに行われていて、現在は日本・韓国への輸出も盛んである。

第二次世界大戦前・後を通じて、重工業が盛んであった。盤錦の遼河油田は中国でも第三位である。最近は、軽工業(瀋陽の自動車・航空機産業)、IT産業(大連のソフトウェア産業)なども盛んになってきている。

2016年1月-9月期の遼寧省における経済成長率は、前年同期比マイナス2.2%で全国の省のうち最下位となった[2]

「五点一線」計画

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遼寧省は2002年1月に長興島臨港興行区省級経済開発区に認定などしてきたが、2006年に遼寧省の「五点一線」沿海工業区計画をまとめて発表している。これは遼寧(営口)沿海産業基地、遼西錦州湾沿海経済区、大連長興島、大連荘河市花園口工業区、遼寧丹東産業園区を五点として、西の葫芦島綏中県から東の丹東東港市までの海岸を一線として高速道路などで結ぶ大計画である。[3]

メディア

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  • 瀋陽(省都)
    • 遼寧ラジオテレビ放送局
中国地名の変遷
建置1929年
使用状況遼寧省
戦国
遼東郡遼西郡
前漢遼東郡遼西郡右北平郡
後漢遼東郡遼西郡
三国遼東郡遼西郡
西晋遼東郡遼西郡
東晋十六国遼東郡遼西郡
南北朝遼東郡遼西郡
柳城郡燕郡遼東郡
安東都護府
北宋/咸州東京道
南宋/東京路咸平路咸平府
遼陽行中書省
遼東都指揮司
盛京将軍
奉天省(1907年)
中華民国遼寧省
満洲国奉天省
奉天省安東省錦州省
奉天省安東省錦州省通化省四平省
現代遼寧省遼東省遼西省
遼寧省(1954年)

教育

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大学

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高等教育機関は二大都市である瀋陽大連に集中しているが、その他の主要都市にも配置されている。主なものを地域別にあげると、

交通

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空路

瀋陽桃仙国際空港大連周水子国際空港などの民用、軍民共用空港が各地にある。

鉄道 (主な路線)
都市交通

世界遺産

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有名人

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脚注

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[脚注の使い方]

出典

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  1. ^abLiáoníng”. citypopulation (2022年11月15日). 2023年8月23日閲覧。
  2. ^中国・遼寧省、虚偽統計認める 過去に財政収入水増し産経ニュース(2017年1月18日)2017年1月22日閲覧
  3. ^東北振興をひっぱる「五点一線」構想

関連項目

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外部リンク

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ウィキメディア・コモンズには、遼寧省に関連するカテゴリがあります。
中華人民共和国の旗中華人民共和国
による区分
(1949年 - 現在)
  華北
北京  天津  河北  山西  内蒙古
  東北
遼寧  吉林  黒竜江
  華東
上海  江蘇  浙江  安徽  福建1  江西  山東  台湾2
  中南
河南  湖北  湖南  広東  広西  海南  香港  澳門
  西南
重慶  四川  貴州  雲南  西蔵3
  西北
陝西  甘粛  青海  寧夏  新疆
註:

1 大陸沿岸の一部島嶼は中華民国福建省(金馬地区)として管轄している。

2 全域が中華人民共和国の管轄外にあるため、実体のある地方政府が存在しない。(詳細は台湾問題を参照。)

3蔵南地区インドアルナーチャル・プラデーシュ州として管轄している。(詳細は第一次中印国境紛争を参照。)
中華民国の旗中華民国
による区分
(1912年 - 2005年)1
  華中
江蘇  浙江  安徽  江西  湖北  湖南  四川  南京  上海  重慶  漢口
  華南
福建2  台湾3  広東  広西  雲南  貴州  海南  広州  台北3  高雄3  香港4  澳門4
  華北
河北  山東  河南  山西  陝西  甘粛  北平  青島中国語版  天津中国語版  西安中国語版
寧夏  綏遠  察哈爾  熱河  蒙古
遼寧  安東  遼北  吉林  松江  合江  黒竜江  嫩江  興安  大連中国語版  哈爾浜中国語版  瀋陽中国語版
西康  青海  新疆  西蔵
註:

1中華民国の領域中国語版のうち、1955年の大陳島撤退作戦以降も中華民国政府が実効支配する地区は台湾地区(自由地区)、1949年の遷台時点で外国の植民地だった香港マカオ港澳地区中国語版、それらの地区を除外した領域は大陸地区と呼称。行政区分は2006年刊行の「中華民國九十四年年鑑」に基づく。同書を最後に、政府は大陸地区に関する行政公告を出していない。

2金馬地区(大陸沿岸の一部島嶼部)は台湾地区に、金馬地区以外は大陸地区にそれぞれ属する。

3 全域が台湾地区に属する。1912年の建国時点では日本領であったが、日本の降伏に伴って1945年に国民政府が中華民国の施政下に置いた(台湾光復)。

4 、全域が港澳地区に属する。香港はイギリスイギリス領香港)の、マカオはポルトガルポルトガル領マカオ)の植民地であったが、いずれも20世紀のうちに主権が中華人民共和国へ移譲された。(詳細は台湾香港関係、または台湾マカオ関係中国語版参照。)

首都:北京市
National Emblem of the People's Republic of China
自治区
直轄市
特別行政区
  • 1:実効支配したことは建国以来一度も無い。台湾問題も参照。
カテゴリCategory:中華人民共和国の省級行政区画
遼寧省の行政区画
省都:瀋陽市
副省級市
瀋陽市
大連市
地級市
鞍山市
撫順市
本渓市
丹東市
錦州市
営口市
阜新市
遼陽市
盤錦市
鉄嶺市
朝陽市
葫芦島市
全般
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その他
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