藤原岳(ふじわらだけ)は鈴鹿国定公園の三重県いなべ市と滋賀県東近江市との境界にある山。標高1,144m[注釈 1]。鈴鹿山脈の北部に位置し、日本三百名山及び関西百名山、花の百名山に選定されている。
三重県側は太平洋セメント藤原鉱山となっており、石灰石が山容が変わるほど採掘されている。山頂は比較的平坦であり、山頂及びその北西にある標高1,171mの天狗岩は展望地となっている。南には竜ヶ岳をはじめとする鈴鹿山脈の山々を望むことができ、東側には御嶽山や北・中央・南アルプス、さらに条件が良ければ富士山を望むことができる。また周辺はフクジュソウやセツブンソウなどの群生地で、花の百名山[1]及び新・花の百名山[2]に選定されている。また、東近江市が市政10周年を記念して2015年(平成27年)9月に選定した鈴鹿10座の一座でもある[3]。特に、春先の花のシーズンには多くのハイカーが訪れる[4]。
藤原岳周辺は、伊勢湾に近いため、太平洋側の気候である。冬には、北西の季節風により、日本海から雪雲が流れ込み、山頂部は積雪する。
1931年(昭和6年)三岐鉄道三岐線の開業と共に、藤原岳山頂部に藤原スキー場がオープンした。戦時中一時期は途絶えていた[5]。1953年(昭和28年)に、三岐鉄道が8合目までの滑走コース、登山道の改修や藤原山荘の建設を行った[注釈 2][6]。同年2月に再オープンし、スキー場開きには高松宮が招かれた[5]。当時の藤原山荘管理人によると、山荘は食事付きで100人ほどが泊まれ、日曜日など多いときには1,000人ほどのスキーヤーで賑わったという。山荘に貸しスキーがあったものの、初心者以外は、麓から担ぎ上げる人が多かったという[5]。1966年(昭和41年)に、三岐鉄道により2号目付近から8合目付近を結ぶ延長1271mの都山リフトの建設が計画されたが、着工には至らなかった[6]。現在、藤原山荘(避難小屋)と、トイレが建っている。
三重県側のいなべ市には、表道と裏道の登山道があり、両道は八合目で合流する。三岐鉄道三岐線西藤原駅周辺、または聖宝寺が登山口となっている。滋賀県側から登られることは少ない。「鈴鹿セブンマウンテン」[注釈 3]に選定されている。表道と裏道の登山道がよく利用されている。9合目のさらに上には藤原山荘がある。藤原山荘から北側の縦走路の少し西にある天狗岩(標高1,171m)と藤原岳の両方に登る例もある。
以下は、上級者向けのバリエーションコースで、坂本谷道は通行禁止となっている。


鈴鹿山脈の主稜線上にあり、北側には鈴北岳、南側には竜ヶ岳がある。
| 山容 | 山名 | 標高 (m) | 三角点等級 基準点名[7] | 藤原岳からの 方角と距離(km) | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|
| 養老山 | 859.31 | 二等 「養老山」 | 養老山地 | ||
| 御池岳 | 1,247 | 鈴鹿山脈最高峰 | |||
| 天狗岩 | 1,171 | ||||
| 藤原岳 | 1,144 | (標高未確定) | 日本三百名山 | ||
| 竜ヶ岳 | 1,099.26 | 二等 「竜ケ岳」 | |||
| 釈迦ヶ岳 | 1,091.89 | 三等 「釈迦ケ岳」 | |||
| 御在所岳 | 1,212 | (一等) 「御在所山」1,091.37 | 日本二百名山 |

近畿百名山 | |
|---|---|
三国岳 –横山岳 –金糞岳 –伊吹山 –西方ヶ岳 –野坂岳 –三重嶽 –三十三間山 –養老山 –霊仙山 –烏帽子岳 –御池岳 –藤原岳 –竜ヶ岳 –釈迦ヶ岳 –雨乞岳 –御在所山 –鎌ヶ岳 –入道ヶ岳 –仙ガ岳 –堀坂山 –白猪山 –獅子ヶ岳 –尼ヶ岳 –大洞山 –学能堂山 –倶留尊山 –古光山 –住塚山 –額井岳 –局ヶ岳 –三峰山 –高見山 –薊岳 –池木屋山 –迷岳 –古ヶ丸山 –仙千代ヶ峰 –白鬚岳 –大台ヶ原山 –高峰山 –竜門岳 –山上ヶ岳 –稲村ヶ岳 –大普賢岳 –八経ヶ岳 –釈迦ヶ岳 –中八人山 –笠捨山 –玉置山 –子ノ泊山 –烏帽子山 –大塔山 –法師山 –冷水山 –牛廻山 –護摩壇山 –伯母子岳 –清冷山 –白馬山 –生石ヶ峰 –龍門山 –和泉葛城山 –岩湧山 –金剛山 –大和葛城山 –二上山 –生駒山 –鷲峯山 –ポンポン山 –愛宕山 –比叡山 –武奈ヶ岳 –蛇谷ヶ峰 –峰床山–皆子山 –百里ヶ岳 –長老ヶ岳 –青葉山 –太鼓山 –磯砂山 –大江山 –東床尾山 –妙見山 –扇ノ山 –氷ノ山–三室山 –後山 –日名倉山 –籘無山 –段ヶ峰 –雪彦山 –笠形山 –千ヶ峰 –粟鹿山 –御嶽 –白髪岳 –剣尾山 –六甲山 –諭鶴羽山 | |