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経 (仏教)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
曖昧さ回避スートラ」はこの項目へ転送されています。ドノヴァンのアルバムについては「スートラ〜教典」をご覧ください。
仏教用語
パーリ語sutta (スッタ)
サンスクリット語sūtra (スートラ)
中国語契經
日本語
英語thread
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ブラーフミー文字で記された、法華経サンスクリット語写本

(きょう、:sūtra:sutta)とは、仏典のひとつであり、釈迦が説いた教え()を記録した聖典のこと。三蔵を構成する、(ヴィヤナ)、経(スートラ)、(アビダルマ)の一つをなす。

定義

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仏教においては、厳密には、元来「経」(:sūtra, スートラ、:sutta, スッタ)とは、「三蔵」(:Tipitaka,ティピタカ:Tripiṭaka, トリピタカ)として構成される「仏典」の3分類の内の1つ、「経蔵」、「我は(釈迦から)こう聞いた」(如是我聞)で始まる「釈迦の口説」文献群の範疇を指す言葉だった。「三蔵」は以下の構成をもつ。{

  • 律蔵: Vinaya pitaka(ヴィナヤ・ピタカ)) ---僧伽(僧団)規則・道徳・生活様相などをまとめたもの
  • 経蔵:Sutta pitaka(スッタ・ピタカ):Sūtra pitaka(スートラ・ピタカ)) ---釈迦の説いたとされる教えをまとめたもの
  • 論蔵:Abhidhamma pitaka(アビダンマ・ピタカ): Abhidharm pitaka(アビダルマ・ピタカ)) --- 上記の注釈、解釈などを集めたもの

北伝仏教・漢字文化圏における「経」「経典」

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後に大乗仏教経典群が数多く作製されて追加されていき、「三蔵」構造が崩れてしまったことや、漢字で「経」と訳され、「スートラ」「三蔵」との対応関係が意識されづらくなってしまったことから、北伝仏教・漢字文化圏においては、「仏典」全体を漠然と「経」「経典」と表現するようにもなっていった。

そのため北伝仏教・漢字文化圏では、「三蔵」に代わる「仏典」全般の総称として、「大蔵経」(だいぞうきょう)・「一切経」(いっさいきょう)という呼称・概念が、新たに形成・普及された。

このように、北伝仏教・漢字文化圏における「経」「経典」という語には、

  • 狭義の「経」「経典」 - 「スートラ」。三蔵の一。釈迦の直接の教説。
  • 広義の「経」「経典」 - 「仏典」全般。「大蔵経」「一切経」。

という2つの意味が混在しており、文脈によってどちらの意味で用いられているか注意する必要がある。

語源

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sūtraの原義は「糸」のことで、元々はバラモン教において『ヴェーダ』のためにまとめられた散文綱要書を指して呼んでいたが、後にバラモン教・ヒンドゥー教の様々な文献や仏教の文献にも、この呼称が採用されていった[1]

Normanによれば仏教用語のsutta,sutraはサンスクリット語のsūkta (su +ukta)に由来しており、「よく話されている」ことを意味し、これは「仏陀によって説かれたものはすべてよく説かれた」との信念からであるという[2]

現存するもの

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脚注

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  1. ^スートラとは -世界大百科事典/コトバンク
  2. ^K. R. Norman (1997),A philological approach to Buddhism: the Bukkyo Dendo Kyokai Lectures 1994. (Buddhist Forum, Vol. v.)London: School of Oriental and African Studies,p. 104

関連項目

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経分別
(Sutta-vibhanga)
大分別
(Mahā-vibhanga)
比丘尼分別
(Bhikkhuni-vibhanga)
犍度
(Khandhaka)
大品
(Mahā-vagga)
  • 1.大犍度
  • 2.薩犍度
  • 3.入雨安居犍度
  • 4.自恣犍度
  • 5.皮革犍度
  • 6.薬犍度
  • 7.迦絺那衣犍度
  • 8.衣犍度
  • 9.瞻波犍度
  • 10.拘睒弥犍度
小品
(Culla-vagga)
  • 1.羯磨犍度
  • 2.別住犍度
  • 3.集犍度
  • 4.滅諍犍度
  • 5.小事犍度
  • 6.臥坐具犍度
  • 7.破僧犍度
  • 8.儀法犍度
  • 9.遮説戒犍度
  • 10.比丘尼犍度
  • 11.五百結集犍度
  • 12.七百結集犍度
附随
(Parivāra)
  • 1.大分別
  • 2.比丘尼分別
  • 3.等起摂頌
  • 4.滅諍分解
  • 5.問犍度章
  • 6.増一法
  • 7.布薩初中後解答章・制戒義利論
  • 8.伽陀集
  • 9.諍事分解
  • 10.別伽陀集
  • 11.呵責品
  • 12.小諍
  • 13.大諍
  • 14.迦絺那衣分解
  • 15.優波離問五法
  • 16.等起
  • 17.第二伽陀集
  • 18.発汗偈
  • 19.五品
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大篇
(Mahā-vagga)
波梨篇
(Pāthika-vagga)
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譬喩法品
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増支部
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小部
(Khuddaka Nikāya)

関連文献

註釈
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(前4世紀 - 前1世紀)
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経蔵小部
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各種の

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