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等差数列

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(2017年7月)

数学における等差数列とうさすうれつまたは算術数列さんじゅつすうれつ:arithmetic progression, arithmetic sequence)とは、隣接する各項の差が等しい数列である。隣接する項の差を公差こうさ:common difference)という。

例えば、5, 7, 9, … は初項5, 公差2 の等差数列である。同様に、1, 7, 13, … は公差6 の等差数列である。

等差数列の初項をa0 とし、その公差をd とすれば、第nan

an=a0+nd{\displaystyle a_{n}=a_{0}+nd}

であり、一般に

an=am+(nm)d{\displaystyle a_{n}=a_{m}+(n-m)d}

と書ける。

等差数列の和は算術級数 (arithmetic series) という。等差数列の無限和(無限算術級数)は発散級数である。

総和

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2+5+8+11+14=40
14+11+8+5+2=40

16+16+16+16+16=80

2 + 5 + 8 + 11 + 14 の計算。もとの数列を逆順にした数列を用意して、もとの数列と項ごとに加えると、得られる数列は同じ1つの値を繰り返す(その値はもとの数列の初項と末項の和)。ゆえに、2 + 14 = 16, 16 × 5 = 80 が求める和の2倍に等しい。

→「無限算術級数」も参照

有限の[注釈 1]等差数列の和を算術級数と言う。公差d の等差数列の第n 項までa0,a1, …,an の総和は、

Sn=k=0nak=a0+a1++an=(n+1)a0+an2=(n+1)2a0+nd2{\displaystyle {\begin{aligned}S_{n}&=\textstyle \sum \limits _{k=0}^{n}a_{k}\\&=a_{0}+a_{1}+\dotsb +a_{n}\\&=(n+1){\frac {a_{0}+a_{n}}{2}}\\&=(n+1){\frac {2a_{0}+nd}{2}}\end{aligned}}}

と表される。この種の式は、フィボナッチの『算盤の書』("Liber Abaci";1202年, ch. II.12)に登場する[注釈 2]

GIF動画: 自然数の和1 + 2 + … +n を求める公式の導出

算術級数の公式は、算術級数Sn の各項を初項a0 で書き換えたものと、末尾の項an で書き換えたもの和から2Sn を求めることで得られる:

Sn=a0+(a0+d)+(a0+2d)++(a0+nd)+Sn=an+(and)+(an2d)++(annd)2Sn=(a0+an)+(a0+d+and)+(a0+2d+an2d)++(a0+nd+annd){\displaystyle {\begin{aligned}S_{n}&=\color {red}a_{0}\color {green}+(a_{0}+d)\color {blue}+(a_{0}+2d)\color {black}+\dotsb \color {magenta}+(a_{0}+nd)\\[5pt]{}+S_{n}&=\color {red}a_{n}\color {green}+(a_{n}-d)\color {blue}+(a_{n}-2d)\color {black}+\dotsb \color {magenta}+(a_{n}-nd)\\\hline 2S_{n}&=\color {red}(a_{0}+a_{n})\color {green}+(a_{0}{\bcancel {{}+d}}+a_{n}{\bcancel {{}-d}})\color {blue}+(a_{0}{\bcancel {{}+2d}}+a_{n}{\bcancel {{}-2d}})\color {black}+\dotsb \color {magenta}+(a_{0}{\bcancel {{}+nd}}+a_{n}{\bcancel {{}-nd}})\end{aligned}}}

右辺では公差d を含む項が消去されて初項と末項の和だけが残る。結局2Sn = (n + 1)(a0 +an) となる。両辺を2 で割れば

Sn=(n+1)a0+an2{\displaystyle S_{n}=(n+1){\frac {a_{0}+a_{n}}{2}}}

を得る。そして算術級数の平均値Sn/n + 1 は、明らかにa0 +an/2 である。499年に、インド数学天文学英語版古典期の数学者であり天文学者であるアーリヤバタは、Aryabhatiya英語版 (section 2.18) でこのような方法を与えている。

総乗

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初項a0 で、公差d の等差数列に対して、初項から 第n 項までの総乗

Pn:=a0a1an=a0(a0+d)(a0+nd)=da0dd(a0d+1)d(a0d+n)=dn+1(a0d)n+1¯{\displaystyle {\begin{aligned}P_{n}&:=a_{0}\cdot a_{1}\cdot \dotsb \cdot a_{n}\\&=a_{0}\cdot (a_{0}+d)\cdot \dotsb \cdot (a_{0}+nd)\\&=d{\frac {a_{0}}{d}}\cdot d\left({\frac {a_{0}}{d}}+1\right)\cdot \dotsb \cdot d\left({\frac {a_{0}}{d}}+n\right)\\&=d^{n+1}{\left({\frac {a_{0}}{d}}\right)}^{\overline {n+1}}\end{aligned}}}xn¯{\displaystyle x^{\overline {n}}}上昇階乗冪)はガンマ関数Γ を用いて
Pn=dn+1Γ(a0d+n+1)Γ(a0d){\displaystyle P_{n}=d^{n+1}{\frac {\Gamma \left({\tfrac {a_{0}}{d}}+n+1\right)}{\Gamma \left({\tfrac {a_{0}}{d}}\right)}}}

という閉じた式英語版によって計算できる(ただし、a0/d が負の整数や0 となる場合は、式は意味を持たない)。Γ(n + 1) =n! に注意すれば、上記の式は、1 からn までの積1 × 2 × ⋯ ×n =n! および正の整数m からn までの積m × (m + 1) × ⋯ × (n − 1) ×n =n!/(m − 1)! を一般化するものであることが分かる。

共通項

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任意の両側無限等差数列が2つ与えられたとき、それらに共通に現れる項を(項の前後関係は変えずに)並べて与えられる数列(数列の「交わり」)は、空数列であるか別の新たな等差数列であるかのどちらかである(中国の剰余定理から示せる)。両側無限等差数列からなるに対し、どの2つの数列の交わりも空でないならば、その族の全ての数列に共通する項が存在する。すなわち、そのような無限等差数列の族はヘリー族英語版である[1]。しかし、無限個の無限等差数列の交わりをとれば、無限数列ではなくただ一つの数となり得る。

注釈・出典

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注釈
  1. ^通常の意味では無限算術級数発散するから、その和はそもそも無意味である。
  2. ^よく聞かれる伝承として、カール・フリードリヒ・ガウスがこの式を再発見した話がある。彼が3年生のときに、教師J. G. Bütnerが生徒たちに1から100までの合計を求めさせたところ、彼は即座に答 (5050) を出したため、Bütner と助手のMartin Bartels英語版)がいたく驚いた、というものである。
出典
  1. ^Duchet, Pierre (1995), “Hypergraphs”, in Graham, R. L.; Grötschel, M.; Lovász, L., Handbook of combinatorics, Vol. 1, 2, Amsterdam: Elsevier, pp. 381-432, MR1373663 . See in particular Section 2.5, "Helly Property",pp. 393–394.

参考文献

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  • Fibonacci, Leonardo ; Sigler, Laurence E.訳 (2002). Fibonacci's Liber Abaci. Springer-Verlag. pp. 259-260. ISBN 0-387-95419-8 

関連項目

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外部リンク

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