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空木岳

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
空木岳
赤椰岳方面から望む空木岳
標高2,863.98[1]m
所在地日本の旗日本
長野県駒ヶ根市上伊那郡飯島町
木曽郡大桑村
位置北緯35度43分8秒東経137度49分2秒 / 北緯35.71889度 東経137.81722度 /35.71889; 137.81722座標:北緯35度43分8秒東経137度49分2秒 / 北緯35.71889度 東経137.81722度 /35.71889; 137.81722[2]
山系木曽山脈
種類隆起花崗岩)、圏谷(東面)
空木岳の位置(日本内)
空木岳
空木岳の位置
プロジェクト 山
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空木岳(うつぎだけ)は長野県駒ヶ根市飯島町大桑村にまたがる標高2,864m木曽駒ヶ岳山群以外では木曽山脈(中央アルプス)で最も標高の高い山であり、日本百名山に選定されている。

概要

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1951年昭和26年)に、中央アルプス県立自然公園(後の中央アルプス国定公園)に指定された。『日本百名山』の著者である深田久弥が同著を執筆する際、木曽山脈南半分から一つ選ぼうとして南駒ヶ岳と空木岳とで迷った結果、最終的にはわずかに背が高いこと、そして山名の美しさから空木を選んだという[3]。また山頂には、二等三角点があり、花崗岩の大きな岩が乱立する。山頂直下の北東には空木駒峰ヒュッテがあり、その先の稜線上には「駒石」(写真)と呼ばれる巨石がある。東北東に広がる空木平カールには無人小屋の空木平避難小屋がある。

山名の由来

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山名は、春に麓の伊那谷から見上げた時、空木岳の頂上だけ雪が残っているのが見え、その残雪模様が卯木(ウツギ)に似ているためとされている[4][5]。また、ウツギの木が多いことも由来であるとする説もある[6]。西側に下った鞍部は木曽殿越と呼ばれる。古くは「宇津木岳」とも云った。

自然・環境

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山頂一帯は花崗岩の岩場であり、その白い砂礫地となっている。空木岳の頂上東側は空木平カールと呼ばれる圏谷地形で、森林限界ハイマツ帯の高山植物の宝庫である。北隣の東川岳からは目の前に立ちはだかるようなピラミッド状の空木岳を見渡せる。1960年(昭和15年)から翌年にかけて周辺で見られたライチョウは、その後確認されていない。周辺では、西側が風が吹くことが多く、風向きが変わると天気の変わり目となることが多い。

周辺の動植物

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山頂付近には、オコジョホシガラスイワヒバリなどが生息し、山腹にはニホンカモシカニホンジカなどが生息している。東斜面の空木平では、チングルマハクサンイチゲタカネグンナイフウロアオノツガザクラなどの高山植物が見られる。

  • ホシガラス
    ホシガラス
  • ニホンカモシカ
    ニホンカモシカ
  • ニホンジカ
    ニホンジカ
  • ハイマツ
    ハイマツ
  • チングルマ
    チングルマ
  • ウツギ
    ウツギ
ウィキメディア・コモンズには、空木平の高山植物に関連するメディアがあります。

登山

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登山ルート

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  • 中央アルプス縦走ルート
山頂は、中央アルプスの主稜線にあり南北の縦走ルートとなっている。千畳敷カールから木曽駒ヶ岳に登り、空木岳まで縦走して、池山尾根を下るルートがよく利用されている。
  • 池山尾根のルート
菅ノ台(駒ヶ根高原)から池山尾根に沿ったルート。下部の池山小屋付近では、池山を通る稜線ルートと山腹を通るルートがある。上部では、駒石を通る稜線ルートと空木平を通るルートがある。
  • 倉本からのルート
JR東海中央本線倉本駅から、二つの尾根を越えて、木曽殿越に至るルート。伊奈川ダムからの伊奈川林道を通るルートは、うさぎ平でこのルートに合流する。

周辺の山小屋

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中央アルプスの有人の山小屋は、完全予約制となっている。駒ヶ岳頂上山荘にのみキャンプ指定地がある。

画像名称所在地収容
人数
備考
宝剣山荘浄土乗越すぐ西300人
天狗荘浄土乗越すぐ西300人
駒ヶ岳頂上山荘山頂と中岳との鞍部150人キャンプ指定地
テント80張り)
檜尾小屋檜尾岳山頂直下の東側23人駒ヶ根市所有。旧「檜尾避難小屋」[7]
2022年シーズンから管理者常駐[7]
木曽殿山荘標高2,490 m地点
木曽殿越の鞍部
100人小屋西に義仲の力水
空木駒峰ヒュッテ山頂直下の東側30人食事提供なし
空木平避難小屋空木平20人無人小屋
摺鉢窪避難小屋摺鉢窪カール30人無人小屋
池山小屋池山尾根
池山の南南西
20人無人小屋

地理

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周辺の山

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中央アルプスの中部の主稜線上にある。東北東には池山尾根、東南東には丸山尾根が延びる。北西の東川岳との鞍部は木曽殿越と呼ばれる。

小秀山から望む中央アルプス
山容名称標高
m
三角点空木岳からの
方角と距離 (km)
備考
御嶽山3,067(一等)
3063.41
北西 36日本百名山
木曽駒ヶ岳2,955.95一等北 7.9日本百名山
木曽山脈最高峰
檜尾岳2,727.74三等北 3.7
熊沢岳2,778北北西 2.6
東川岳2,671北西 1.3ひがしかわだけ
空木岳2,863.71二等[1] 0日本百名山
木曽山脈第二高峰
赤椰岳2,798南 1.4あかなぎだけ
田切岳2,730南 1.4
南駒ヶ岳2,841南南西 2.0日本二百名山
越百山2,613.24三等南南西 4.6日本三百名山

木曽殿越

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空木岳と西側の東川岳との間の標高2497mの鞍部。平安時代1180年治承4年)に、武将木曾義仲が越えたという伝説があり、登山道には「義仲の力水」と呼ばれる水場がある。干天時には、涸れることがある。木曽殿山荘がある。

源流の河川

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以下が主な源流の河川で、太平洋伊勢湾に流れる。

交通・アクセス

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空木岳の風景

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空木岳の山容

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  • 空木岳山頂
    空木岳山頂
  • 駒峰ヒュッテ前からの空木岳
    駒峰ヒュッテ前からの空木岳
  • 空木平カール
    空木平カール
  • 陣馬形山からの空木岳
    陣馬形山からの空木岳

空木岳からの眺望

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脚注

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[脚注の使い方]
  1. ^ab基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2016年11月18日閲覧。
  2. ^日本の主な山岳標高(長野県)、国土地理院、2010年12月16日閲覧。
  3. ^深田久弥『日本百名山』、朝日新聞社ISBN 4-02-260871-4
  4. ^『日本の山1000』山と渓谷社、438ページ。ISBN 4-635-09025-6
  5. ^『コンサイス日本山名辞典』三省堂ISBN 4-385-15403-1
  6. ^『日本二百名山』昭文社、131ページ。ISBN 4-398-22001-1
  7. ^ab中ア・檜尾小屋がリニューアル 管理人が常駐、登山者の安全確保 中日新聞 2022年7月23日閲覧
  8. ^『山と高原地図 木曽駒・空木岳 中央アルプス2010』昭文社、ISBN 978-4-398-75720-3
  9. ^『ヤマケイ アルペンガイド 中央アルプス 御嶽山・白山』山と渓谷社、ISBN 4-635-01320-0

参考文献

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関連項目

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ウィキメディア・コモンズには、空木岳に関連するカテゴリがあります。
北海道
東北上信越
関東
中部山岳
飛騨山脈(北アルプス)
木曽山脈(中央アルプス)
赤石山脈(南アルプス)
その他
西日本
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