
白人占有国家、あるいは白人エスノステート(英:White ethnostate)とは、居住や市民権が白人に限定され、白人と見なされない非白人やアメリカ先住民などその他の集団が市民権を得られないような、国家(ステート)モデルの一形態である。
アメリカ合衆国において、このような国家の設立を提案するのは、クー・クラックス・クランやネオナチなどの白人至上主義者や白人分離主義者の派閥である。これらの派閥の中には、特定の地域が白人多数であるべきだと主張する者もいれば、国全体が白人多数であるべきだと主張する者もいる[1][2]。

歴史的にも現代においても、太平洋岸北西部(ワシントン州、オレゴン州、アイダホ州、モンタナ州)は、多くの白人至上主義者によって白人占有国家の設立地として提案されてきた。この「北西部排他占有区(英語版)」は、リチャード・ギルント・バトラー(英語版)、ロバート・E・マイルズ(英語版)、ロバート・ジェイ・マシューズ(英語版)、デビッド・レーン(英語版)、ハロルド・コヴィントン(英語版)らによって推進され、白人至上主義のテロ組織「ジ・オーダー」、ネオナチのクリスチャン・アイデンティティ組織「アーリアン・ネイションズ(英語版)」、白人パワー・スキンヘッドグループ「フォルクスフロント(英語版)」、および「ノースウェストフロント」などがこれに関与していた。また、「北西部排他占有区」は、北西部とアメリカの北カリフォルニア、カナダのブリティッシュコロンビアの一部で独立共和国を創設しようとする「カスカディア独立運動」とも緩やかな重なりがある[3][4]。極右の一部では、「アメリカン・レダウト(英語版)」という用語を使用して、アメリカ北西部への同様の移住を指すことがある[5]。
他の地域も、特定のグループによって白人占有国家の候補地として検討されている。特に南部は、「南部ナショナリスト」を自称する「リーグ・オブ・ザ・サウス(英語版)(LS)」によって白人占有国家として提案されており、その理由はこの地域が分離主義の歴史を持ち、事実上1861年から1865年まで南部連合(アメリカ連合国)として独立していたことによる。また、「フロリダ共和国民兵(英語版)」もフロリダで白人占有国家を創設するために戦っている。
ビリー・ローパーが率いるネオナチ組織「シールドウォール・ネットワーク(SWN)」によって、もう一つの白人占有国家が提案されている。この組織はアーカンソー州マウンテンビュー(英語版)を拠点とし、オザーク地域に白人占有国家を設立することを目指しており、クー・クラックス・クラン(KKK)、アーカンソー州ハリソン(英語版)近郊にある「ナイツ・パーティー」、リーグ・オブ・ザ・サウス(LS)、および現在は解散した「ナショナリスト・フロント」の一員であった「国家社会主義運動(NSM)」などの分離主義グループと提携している[6]。一方で、オザーク地域は「クリスチャン・アイデンティティ運動」の支持者の「温床」ともなっており、「イスラエル教会(英語版)」や「クリスチャン・パトリオット運動(英語版)」の一部のメンバーが、迫り来るアルマゲドンに備えて準軍事訓練キャンプを設立している[6][7][8]。
また、解散したネオナチ組織「伝統主義青年ネットワーク(TWP)」も、リーダーのマシュー・ハイムバックのもとで、「アヴァロン」と名付けられた白人占有国家を設立しようとしていた。この構想は、ナチズムやルーマニアの「軍団主義」、英国ファシズムなど、ヨーロッパの各種ファシズム思想に基づいていた。
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