| この項目では、1982年発表の松本清張作品について説明しています。同じ作者で1956年に『サンデー毎日』臨時増刊号上に掲載され、1958年、1959年、1960年にテレビドラマ化された短編の時代小説については「疑惑 (松本清張の短編小説)」をご覧ください。 |
| 疑惑 | |
|---|---|
| 訳題 | Suspicion |
| 作者 | 松本清張 |
| 国 | |
| 言語 | 日本語 |
| ジャンル | 短編小説 |
| 発表形態 | 雑誌掲載 |
| 初出情報 | |
| 初出 | 『オール讀物』1982年2月号 |
| 初出時の題名 | 『昇る足音』 |
| 出版元 | 文藝春秋 |
| 挿絵 | 濱野彰親 |
| 刊本情報 | |
| 収録 | 『疑惑』 |
| 出版元 | 文藝春秋 |
| 出版年月日 | 1982年3月30日 |
| 装幀 | 藍野純治 |
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『疑惑』(ぎわく)は、松本清張の推理小説。「昇る足音」の題で『オール讀物』1982年2月号に掲載され(掲載時の挿絵は濱野彰親)、改題の上、同年3月に文藝春秋から中篇「不運な名前」を併録して発刊された。
1982年に松竹系で映画化され、またこれまで5回テレビドラマ化されている。
T市の新港湾(映画版では富山新港湾)の岸壁で、鬼塚球磨子(おにづかくまこ)と夫・白河福太郎の乗った車が、時速40キロのスピードで海へ突っ込み、夫が死亡する事件が起こった。球磨子は車から脱出し助かったが、保険金殺人と疑われ警察に逮捕される。
新聞記者の秋谷茂一は、球磨子が新宿でのホステス時代にヤクザとつるんで詐欺・恐喝・傷害事件を起こしたこと、資産家である福太郎と結婚した直後、夫に巨額の生命保険をかけたことを詳細に報じた上で、球磨子を「北陸一の毒婦」と糾弾する署名記事を書いた。秋谷の記事を契機に他のマスコミも追随、日本中が球磨子の犯行を疑わないムードになった。
裁判の途中から球磨子の国選弁護人を引き受けた佐原卓吉(映画版では佐原律子、2019年ドラマ版では佐原卓子)は民事専門で刑事弁護の経験に乏しかった。球磨子の犯行を確信する秋谷は、佐原に状況を覆す力はないと高をくくっていた。
しかし佐原は意外にも証人尋問で球磨子に不利な証言を巧みに覆してゆき、球磨子が無罪となる観測も出始める。球磨子の過去の行状から、秋谷は自由の身となった球磨子がヤクザを率いて「お礼参り」にやってくるのではないかと怯える。
佐原は球磨子が事件を起こしたのではなく、福太郎が無理心中を図ったと推理。車内に残された遺留品からその方法を解明して秋谷に説明し「彼女を救い出す」と自信を見せる。
佐原は事務所で球磨子の無罪を主張する弁論要旨を執筆する。恐怖のあまり正常な神経を失った秋谷が鉄パイプを手に事務所の前に現れるところで物語は終わる。
| 疑惑 | |
|---|---|
| Suspicion | |
| 監督 | 野村芳太郎 |
| 脚本 | 古田求 野村芳太郎 |
| 原作 | 松本清張 |
| 製作 | 野村芳太郎 杉崎重美 |
| 出演者 | 桃井かおり 岩下志麻 |
| 音楽 | 芥川也寸志 毛利蔵人 |
| 撮影 | 川又昻 |
| 編集 | 太田和夫 |
| 製作会社 | 松竹・霧プロダクション |
| 配給 | 松竹・富士映画 |
| 公開 | |
| 上映時間 | 127分 |
| 製作国 | |
| 言語 | 日本語 |
| 配給収入 | 3.7億円[1] |
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| ポータル 映画 プロジェクト 映画 |
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1982年9月18日に公開された。製作は松竹・霧プロダクション、配給は松竹・富士映画。原作の焦点は新聞記者・秋谷に当てられているが、映画では、桃井かおり演じる被疑者・球磨子と、岩下志麻演じる女性弁護士・佐原の心理的関係に焦点が当てられている。英語題名『Suspicion』。現在はブルーレイ、DVD化されている。
| 映画リスト | |
|---|---|
| あ行 | |
| か行 | |
| さ・た行 | |
| な - わ行 | |
野村芳太郎監督作品 | |
|---|---|
| 1950年代 | |
| 1960年代 | |
| 1970年代 | |
| 1980年代 | |
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| 松本清張スペシャル 疑惑 | |
|---|---|
| ジャンル | テレビドラマ |
| 原作 | 松本清張『疑惑』 |
| 企画 | 鈴木哲夫(フジテレビ) |
| 脚本 | 金子成人 |
| 演出 | 長尾啓司 |
| 出演者 | いしだあゆみ 小林稔侍 |
| 製作 | |
| プロデューサー | 名島徹(フジテレビ) 小坂一雄(レオナ) 林悦子(霧企画) |
| 制作 | フジテレビ |
| 放送 | |
| 放送国・地域 | |
| 放送期間 | 1992年11月13日 |
| 放送時間 | 21:02 - 22:52 |
| 放送枠 | 金曜エンタテイメント |
| 回数 | 1 |
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「松本清張スペシャル・疑惑」。1992年11月13日21時2分 - 22時52分に、フジテレビ系の『金曜ドラマシアター』で放送された。
キャスト
スタッフ
| 松本清張没後10年特別企画 疑惑 | |
|---|---|
| ジャンル | テレビドラマ |
| 原作 | 松本清張『疑惑』 |
| 脚本 | 竹山洋 |
| 演出 | 大原誠 |
| 出演者 | 佐藤浩市 余貴美子 |
| 製作 | |
| プロデューサー | 松本基弘(テレビ朝日) 井口喜一(共同テレビ) 鈴木伸太郎(共同テレビ) |
| 制作 | テレビ朝日 |
| 放送 | |
| 放送国・地域 | |
| 放送期間 | 2003年3月22日 |
| 放送時間 | 21:00 - 22:51 |
| 放送枠 | 土曜ワイド劇場 |
| 回数 | 1 |
特記事項: 土曜ワイド劇場25周年記念スペシャル | |
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2003年3月22日21時 - 22時51分に、テレビ朝日系の『土曜ワイド劇場』で、同番組の25周年記念スペシャル、松本清張没後10周年特別企画として放送された。
キャスト
スタッフ
脚本の竹山にとって、2000年代に入って初めての松本清張作品だった[13]。竹山は本作以降、2010年代末期まで、数々の清張作品の脚本を執筆、また本作については更に2作のリメイクドラマの脚本も手がけることになる。
| 松本清張生誕100年特別企画 疑惑 | |
|---|---|
| ジャンル | テレビドラマ |
| 原作 | 松本清張『疑惑』 |
| 脚本 | 竹山洋 |
| 監督 | 藤田明二 |
| 出演者 | 田村正和 沢口靖子 |
| 音楽 | 沢田完 |
| 製作 | |
| プロデューサー | 五十嵐文郎ほか |
| 制作 | テレビ朝日 |
| 放送 | |
| 放送国・地域 | |
| 放送期間 | 2009年1月24日 |
| 放送時間 | 21:00 - 23:21 |
| 回数 | 1 |
特記事項: テレビ朝日開局50周年記念 | |
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テレビ朝日の開局50周年記念と、松本清張の生誕100周年を記念して、2009年1月24日21時 - 23時21分にテレビ朝日スペシャルドラマとして放送された。視聴率は18.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)。事件の舞台を金沢市としている。
主役の田村にとって、松本清張作品への出演は1984年放送の「松本清張の地の骨」(フジテレビ)以来25年ぶりであった。なお、カースタントではメルセデス・ベンツCクラス(W202)が使用された。
同局系列で放送された2003年版に続いて竹山が脚本を担当、弁護人と被告に焦点を当てて脚本に改稿を加えている。
本作を皮切りに2012年まで、田村は毎年松本清張作品に主演、その後も16年の最終出演まで、清張作品への主演が田村晩年の仕事の柱の一つとなった。
2021年5月23日、本作が田村正和の追悼特別番組として再放送された。
キャスト
スタッフ
遅れネット局
本作に登場する国選弁護士・佐原を主人公に設定した連続テレビドラマ『告発〜国選弁護人』が、テレビ朝日系で、2011年1月13日から3月3日まで放送された。同ドラマは、『疑惑』に加え、清張の他の短編作品をベースとしたオリジナル脚本に基づき制作されている(エンディングにて、「このドラマは、松本清張原作『疑惑』を参考に、同原作『○○』を挿入して、全体はオリジナルでつくられたフィクションです」とのテロップが流された)。佐原(同ドラマ中での名前は卓治)は、2009年版テレビドラマと同じ田村正和が演じている。
| 松本清張没後20年特別企画 疑惑 | |
|---|---|
| ジャンル | テレビドラマ |
| 原作 | 松本清張『疑惑』 |
| 脚本 | 吉本昌弘 |
| 演出 | 国本雅広 |
| 出演者 | 常盤貴子 尾野真千子 |
| 製作 | |
| プロデューサー | 千葉行利(ケイファクトリー) 高橋史典(ケイファクトリー) |
| 制作 | フジテレビ |
| 放送 | |
| 放送国・地域 | |
| 放送期間 | 2012年11月9日 |
| 放送時間 | 21:00 - 23:17 |
| 放送枠 | 金曜プレステージ |
| 回数 | 1 |
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「松本清張没後20年特別企画 疑惑」のタイトルで、2012年11月9日21時 - 23時17分にフジテレビ系「金曜プレステージ」にて放送された。平均視聴率14.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・世帯・リアルタイム)。
これまでのテレビドラマ版は全て、原作準拠の男性弁護士・女性被疑者の組み合わせで描かれてきたが、今回は映画版同様、女性弁護士と被疑者に焦点をあてた人物設定を採り、2012年の時代と裁判員制度も取り込んでいる。事件の舞台は新潟県の「西新潟市」としている。カースタントでは、BMW528i(E39)が使用された。
キャスト
スタッフ
| テレビ朝日開局60周年記念 松本清張ドラマスペシャル 疑惑 | |
|---|---|
| ジャンル | テレビドラマ |
| 原作 | 松本清張『疑惑』 |
| 脚本 | 竹山洋 |
| 演出 | 松田秀知 |
| 出演者 | 米倉涼子 黒木華ほか |
| 製作 | |
| プロデューサー | 峰島あゆみ 菊地裕幸 伊賀宣子 |
| 制作 | テレビ朝日 |
| 放送 | |
| 音声形式 | ステレオ放送 |
| 放送国・地域 | |
| 放送期間 | 2019年2月3日 |
| 放送時間 | 日曜21:00 - 23:05 |
| 放送枠 | 日曜プライム |
| 放送分 | 125分 |
| 回数 | 1 |
| 公式ウェブサイト | |
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『松本清張ドラマスペシャル 疑惑』のタイトルで、「テレビ朝日開局60周年記念」として同局系列の「日曜プライム」にて2019年2月3日の21時 - 23時5分に放送された[15][16]。事件の舞台を熱海市としている。また2018年8月4日に逝去した津川雅彦の遺作、最後の出演作品となった[15][16][17]。
キャスト
スタッフ
同局系列で放送された2009年版に続いて竹山が同作3度目の脚本を担当、女性同士の闘いの要素などを加え、更に脚本を改稿した。多数の清張作品を手がけてきた竹山が脚本を担当した、最後の清張作品となった[注 12]。
2014年10月4日から26日まで、京都四條南座にて「南座ミステリー劇場」として上演された。
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スタッフ
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