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田中沙紀

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
曖昧さ回避女子バスケットボール選手の「田中沙季」あるいは女子バレーボール選手の「田中咲希」とは別人です。
 田中沙紀 女流1級
名前田中沙紀
生年月日1994年11月18日(30歳)
プロ入り年月日2021年09月01日(26歳)
LPSA番号22
出身地石川県金沢市
所属日本女子プロ将棋協会
師匠大野八一雄七段[注釈 1]
段位女流1級
プロフィールLPSA所属女流棋士
2022年7月11日現在
テンプレートを表示

田中 沙紀(たなか さき、1994年11月18日[1][2] - )は、将棋女流棋士石川県金沢市出身[2]大野八一雄七段門下[3](女流3級時は木村義徳九段門下)[注釈 1]金沢星稜大学女子短期大学部卒業[2]

棋歴

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女流3級の仮資格を得るまで

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小学4年の時に、叔父の勧めで将棋を始めた[2]。元奨励会三段のアマ棋士、鈴木英春の将棋教室に通い「英春流」を習得[5]

2012年、第5回女子アマ王位戦に出場し全国6位の成績を収める[6]

アマチュア時代は女流王座戦と相性が良く、第5期(2015年)、第7期、第8期でアマ西日本大会を勝ち抜き一次予選に出場[7][8][9]

マイナビ女子オープンは第11期(2017年)にチャレンジマッチを勝ち抜き一斉予選に出場[10]

2014年5月、関西研修会に入会[2]

入会から4年後の2018年5月、C1クラスに昇級し女流3級の資格を取得。木村義徳九段を師匠として女流棋士資格申請を行い、2018年6月1日付で女流3級として仮会員になった[2]

女流3級として

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同2018年度の第47期女流名人戦予選で準決勝まで勝ち進み、女流2級昇級条件のひとつ「女流名人戦予選決勝進出」まであと1勝と迫るも、準決勝の伊奈川愛菓との対局に敗れ、昇級の機会を逃した[11]

その後も勝ち星が積み重ならず、女流2級昇級となる「規定の成績」を女流3級資格の期限となる2020年5月31日までに挙げられなかった。しかしながら当時は、新型コロナウイルス感染症の流行下にあり、2020年4月に日本政府が緊急事態宣言を発令、これに伴い女流2級への昇級条件にも懸かる女流棋戦の一つ「YAMADA女流チャレンジ杯」が棋戦開催を延期[注釈 2]となるほか、棋戦運営の進行が遅延している状況にあった。この特別な事情下にある状況を日本将棋連盟も考慮し、田中の女流3級資格を延長する判断が下された[12]

この資格期限延長により、女流3級の資格は「次に抽選を行う1棋戦まで延長(注:第32期女流王位戦)」されることになり、田中の女流2級昇級には、2020年5月31日時点で勝ち残っている第10期女流王座戦での二次予選通過・本戦トーナメント進出、もしくは第32期女流王位戦での予選決勝進出、いずれかの条件を満たすことが必要であった。しかし、第10期女流王座戦の同年6月の二次予選では水町みゆに敗れ[13]、さらに同年8月25日、残る最後の昇級機会であった第32期女流王位戦の予選1回戦で宮宗紫野にも敗れ[14]、指定期間内の女流2級昇級が不可能となり、女流3級資格取り消しになる事が確定した。女流3級としての2年余りの女流公式棋戦での成績は10勝18敗であった[15][16]

再び研修会へ

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2020年11月より研修会へ復帰し(東海研修会C2クラス)[17]、再び女流2級を目指す事になった[5]。規定の改定により「女流3級」は廃止されており、年齢制限(満27歳未満[18])までにB2クラスへ昇級すれば、申請が承認された翌月1日付で女流2級となる状況であった[18]。そして年齢制限が迫っていた2021年8月8日、B2クラスへの昇級を果たして女流2級の資格を得た[3][19]

その間もアマチュア棋戦には参加しており、2020年12月20日、第13回女子アマ王位戦で優勝[20][21]。2021年8月には第15回白瀧あゆみ杯争奪戦アマチュア予選に出場し、勝ち抜いてアマチュア代表となった[22][23]

女流棋士として

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2021年9月1日付で日本女子プロ将棋協会(LPSA)所属の女流2級となった[1][5]。女流3級の仮会員の時は木村義徳九段を師匠としていたが、女流2級では大野八一雄七段が師匠となった[注釈 1]

棋風

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居飛車党[2]英春流菊水矢倉[5])を得意とする[16]

人物

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  • 2020年に女流3級資格を取り消された際は、女流棋士になるのを諦めて故郷の金沢市に帰るつもりだった[16]。しかし、VS(1対1の研究会)仲間であった加藤圭から何度も励ましを受けたこと、加藤から大野八一雄(のちに田中の師匠となる)の教室の紹介を受けたことで、女流棋士を目指して再起することを決意した[16]

昇段・昇級履歴

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→昇段規定については「将棋の段級 § 女流棋士」を参照
研修会入会から女流3級(仮資格)まで
  • 2014年05月00日 - 関西研修会 入会
  • 2018年05月00日 - 関西研修会 C1クラス昇級(女流3級資格)
  • 2018年06月01日 - 女流3級[2]
  • 2020年08月25日 - 女流3級資格取り消し(女流3級での成績 = 10勝18敗)[15][16]
研修会再入会以降
  • 2020年11月00日 - 東海研修会 入会(C2クラス)[17]
  • 2021年08月00日 - 東海研修会 B2クラス昇級(女流2級資格)[19]
女流棋士
  • 2021年09月01日 - 女流2級(研修会B2クラス昇級) = プロ入り(LPSA[1]
  • 2022年07月11日 - 女流1級(女流順位戦C級昇級、女流通算11勝8敗)[24][25]

主な成績

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在籍クラス

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女流順位戦の在籍クラスの年別一覧
開始
年度
(出典)女流順位戦
白玲A級B級C級D級0


20222D277-1


20233C164-4


20244C124-4


20255C11


女流順位戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。
順位戦の右数字はクラス内順位 (x当期降級点 / *累積降級点 /+降級点消去 )

年度別成績

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女流公式棋戦成績
年度対局数勝数負数勝率(出典)
2018年度8350.3750[26]
2019年度165110.3125[27]
2020年度4220.5000[28]
2018-2020
合計
2810180.3571[15]
上記は女流3級としての成績。
女流棋士仮資格取消のため通算成績には含めない。
年度対局数勝数負数勝率(出典)女流通算成績 (2021年度以降)
2021年度12660.5000[29]対局数勝数負数勝率(出典)
2022年度2212100.5454[30]3418160.5294[31]
2023年度229130.4090[32]5627290.4821[33]
2024年度2310130.4347[34]7937420.4683[35]
通算
(2021以降)
7937420.4683[35]
2024年度まで

脚注

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[脚注の使い方]

注釈

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  1. ^abc田中が女流3級であった当時(2018年6月1日〈女流3級〉 - 2020年8月25日〈女流3級資格取り消し〉)は、木村義徳九段の門下であった[2]。木村九段は田中の女流2級昇級(2021年9月1日付で昇級)の約2か月前に死去(2021年6月29日死没)。このため、大野七段が新たな師匠となった[4]
  2. ^YAMADA女流チャレンジ杯の開催延期は2020-2021年度にまで及んだ。

出典

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  1. ^abc当協会所属 女流2級誕生のお知らせ」『日本女子プロ将棋協会』2021年8月31日。
  2. ^abcdefghi田中沙紀さんが女流棋士3級に」『日本将棋連盟』2018年5月30日。
  3. ^ab大野八一雄. “田中沙紀 女流棋士”. 川口・大野教室ブログ. 2021年8月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年8月8日閲覧。
  4. ^大川慎太郎「わが道をゆく(第52回)田中沙紀女流1級」『NHK将棋講座 2025年11月号』NHK出版、2025年10月16日、2-5頁。2025年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  5. ^abcd涙超え 夢の女流棋士 金沢・田中沙紀さん 県出身4人目”. 中日新聞Web (2021年9月29日). 2021年10月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月19日閲覧。
  6. ^12/16(日) 第5回女子アマ王位戦全国大会 小野ゆかりさんが2回目の優勝!”. LPSA (2012年12月16日). 2018年10月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年10月23日閲覧。
  7. ^第1ブロック優勝は田中さん”. リコー杯女流王座戦中継Blog. 日本将棋連盟 (2015年4月19日). 2020年9月18日閲覧。
  8. ^第2ブロック・田中沙紀さん一次予選進出”. リコー杯女流王座戦中継Blog. 日本将棋連盟 (2017年4月16日). 2020年9月18日閲覧。
  9. ^2ブロックは田中さんが優勝”. リコー杯女流王座戦中継Blog. 日本将棋連盟 (2018年4月15日). 2020年9月18日閲覧。
  10. ^田中沙紀アマがチャレンジマッチ通過”. マイナビ女子オープン中継Blog. 日本将棋連盟 (2017年7月1日). 2020年9月18日閲覧。
  11. ^田中沙紀女流3級の昇級は持ち越し 将棋女流名人戦予選”. スポーツ報知 (2020年2月20日). 2024年8月28日閲覧。
  12. ^田中沙紀女流3級の女流棋士(女流3級)資格延長について」『日本将棋連盟』2020年6月1日。
  13. ^将棋の田中沙紀女流3級が敗れる 正資格の2級への昇級は持ち越しに 「自分が変わるしかない」”. スポーツ報知 (2020年6月26日). 2024年8月28日閲覧。
  14. ^2020年8月の対局結果”. 日本将棋連盟 (2020年8月). 2020年8月29日閲覧。
  15. ^abc女流棋士通算成績(2020年9月2日対局分まで)」『日本将棋連盟』。2020年9月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  16. ^abcde「あの方の言葉がなかったら将棋を辞めて金沢に帰っていました」田中沙紀女流2級が再デビュー”. スポーツ報知 (2021年10月21日). 2021年10月21日閲覧。
  17. ^ab東海研修会B・Cクラス」『日本将棋連盟』。2020年12月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  18. ^ab女流棋士規定変更のお知らせ|将棋ニュース|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2018年4月2日). 2021年8月9日閲覧。
  19. ^ab東海研修会B・Cクラス」『日本将棋連盟』。2021年9月22日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  20. ^第13回女子アマ王位戦』(プレスリリース)LPSA、2020年12月20日https://joshi-shogi.com/15128/2020年12月21日閲覧 
  21. ^第13回女子アマ王位戦・決勝大会』(プレスリリース)LPSA、2020年12月20日https://joshi-shogi.com/15925/2020年12月21日閲覧 
  22. ^第15回白瀧あゆみ杯争奪 新人登竜門戦 アマチュア予選・本戦準決勝の結果|イベント|日本将棋連盟”. 日本将棋連盟 (2021年8月18日). 2021年8月22日閲覧。
  23. ^第15回白瀧あゆみ杯争奪戦”. 日本将棋連盟. 2021年8月22日閲覧。
  24. ^田中沙紀女流2級が女流1級に昇級」『日本女子プロ将棋協会(LPSA)』2022年7月12日。
  25. ^女流棋士通算成績(2022年7月11日対局分まで)」『日本将棋連盟』。2022年7月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  26. ^2018年度女流棋士成績 - 日本将棋連盟
  27. ^2019年度女流棋士成績 - 日本将棋連盟
  28. ^田中沙紀 - 女流棋士データベース」『日本将棋連盟』。2020年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  29. ^2021年度女流棋士成績 - 日本将棋連盟
  30. ^2022年度女流棋士成績 - 日本将棋連盟
  31. ^女流棋士通算成績(2023年3月31日対局分まで) - 日本将棋連盟(2023年4月1日時点のアーカイブ)
  32. ^2023年度女流棋士成績 - 日本将棋連盟
  33. ^女流棋士通算成績(2024年3月31日対局分まで) - 日本将棋連盟(2024年4月1日時点のアーカイブ)
  34. ^2024年度女流棋士成績 - 日本将棋連盟
  35. ^ab女流棋士通算成績(2025年3月31日対局分まで) - 日本将棋連盟(2025年4月1日時点のアーカイブ)

関連項目

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外部リンク

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将棋の現役女流棋士2025年度、当年度引退者含む)
タイトル保持者
【4名】

 清麗女王女流王座女流名人女流王位倉敷藤花 福間香奈(クイーン六冠:清麗・王座・名人・王位・王将・倉敷藤花) 白玲女流王将 西山朋佳(永世女王・クイーン王将)

永世称号
有資格者

 女流七段 清水市代(クイーン四冠:クイーン名人・クイーン王位・クイーン王将・クイーン倉敷藤花)
 女流六段 中井広恵*(クイーン名人)

0女流五段 【04名】
(引退 1名)
2025年度昇段者
0女流四段 【09名】
2025年度昇段者
0女流三段 【11名】
2025年度昇段者
0女流二段 【21名】
2025年度昇段者
0女流初段 【19名】
2025年度昇段者
0女流1級 【08名】
2025年度昇級者
0女流2級 【06名】
2025年度昇級者
  • -(昇級者なし)
2025年度 引退者
【1名】
2025年10月3日時点(現役81名・2025年度引退者1名) / 無印は日本将棋連盟所属 / ※印は日本女子プロ将棋協会(LPSA)所属 / *印はフリー
2025年度の昇段(級)、「月」は昇段(級)月〈月表記なしは期首4/01付〉。(新)は2025年度のプロ入り。(引退)は2025年度引退者(別記あり)。
これまでの引退者・退会者についてはTemplate:将棋の引退女流棋士参照。詳細は将棋の女流棋士一覧を参照。
|2026年度 >
白玲
A級
B級
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D級
次期参加
棋戦未参加
数字は順位 / 名前横の「」は今期休場者 / D級の「*」は降級点の数(降級点3つで女流順位戦の参加資格を失う)
「次期参加」は組み合わせ抽選基準日以降にプロ入りした女流棋士(当期は不参加)
将棋棋士番号女流棋士番号 一覧
 
将棋棋士番号一覧【日本将棋連盟 所属棋士 】
日本将棋連盟
棋士
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