| 犬神家の一族 | ||
|---|---|---|
| 著者 | 横溝正史 | |
| 発行日 | 1951年5月 | |
| 発行元 | 大日本雄弁会講談社 | |
| ジャンル | 推理小説 | |
| 国 | ||
| シリーズ | 金田一耕助シリーズ | |
| 言語 | 日本語 | |
| 形態 | 上製本 | |
| ページ数 | 450 | |
| コード | ISBN 978-4041304051(文庫本) | |
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『犬神家の一族』(いぬがみけのいちぞく)は、横溝正史の長編推理小説。「金田一耕助シリーズ」の一つ。
横溝作品としては最も映像化回数が多い作品であり、映画が3本、テレビドラマが8作品公開されており、特に市川崑監督による1976年公開の映画版は、メディアによって「日本映画の金字塔」と称されることもある[1]。
雑誌『キング』に1950年1月号から1951年5月号まで掲載された作品。『獄門島』のように殺人に一つひとつ意味を付与して欲しいとの編集サイドからの注文に応じ、家宝の「斧、琴、菊(よき、こと、きく)」[注釈 1]による見立て殺人が考案された。
当時、横溝は初回を激賞した編集長から「作品を3年続けて欲しい」と要望されたものの、それだけの大長編を書く準備がなかったため断らざるをえなかったが、「この言葉には非常にやる気が出た」と後年語っている。
連載前の予告では、犬神家は東京と信州と瀬戸内海の一孤島に分かれていると設定されていた[3]。また、連載前の登場人物の名前が、佐兵衛[注釈 2]や、3人の子ども(松子・竹子・梅子)[注釈 3]、3人の孫(佐清・佐武・佐智)[注釈 4]などに際立った変化があるのをはじめ、当初孫に設定されていた静馬が孫から外され、のちに「庄兵衛」と「梅乃」(菊乃の連載時名)との間にできた子どもの名前として復活して連載作品の設定に近づいていくなど、草稿段階から実際に掲載されるまでには夥しい構想の変化があった[4]。
当初は通俗長編であるとして、権田萬治による『日本探偵作家論』(1975年)などに見られるように専門家の評価は低かったが、1976年角川春樹の鶴の一声での映画化と、横溝正史シリーズの第一作としてのテレビドラマ化とで人気が一気にあがった。また、当初は欠点とされていた犯人とトリック全体の関連性なども、むしろ時代の先取りとして評価する声も少なくない。作品中の犯人の「無作為の作為」が田中潤司をはじめ推理小説研究家の間で見直され、田中は「金田一もの」のベスト5を選出した中で、本作を『獄門島』『本陣殺人事件』に次いで第3位に挙げている[5]。「東西ミステリーベスト100」(『週刊文春』)2012年版国内編で、本作品は39位に選出されている[注釈 5]。
横溝自身、1977年の「私のベスト10」で本作を3位に選出しているが、田中の「金田一もの」ベスト5を受け入れてのもので[5]、自身が進んで選出したものではなく、その前後4度の自選ランキング[注釈 6]では1度も本作を選出していない[6]。横溝は、メイン・トリックが先にできてそれにふさわしいシチュエーションをあとから構成し、第1回の筆を取る前に全体の構想が細部までできあがっていた『本陣殺人事件』『獄門島』に対し、本作は逆にシチュエーションが先にできて第1回を書き始めたものの第2回を書く頃にもまだ犯人がはっきりまとまっておらず、トリックなども書き出してから考えていったもので、それでは本格探偵小説として力が弱いのは当然であると述べており、本作をあまり高く評価していない[7]。

本作の映画化を皮切りに、旧作が次々に映画化、復刊された。作者はこのとき70歳を過ぎていたが、世間の期待に応えるように旺盛に新作を発表し、1981年に没する直前まで書き続けた[8]。
本作をモチーフにしたキャラクターや演出は後年に渡って広く知られ、漫画、アニメ、ゲーム、ドラマなどさまざまなメディアで数多く制作されている。それらの中には、「ゴムマスクを着用した佐清の容姿や名称」「大股開きで逆さまになって下半身だけ露出した死体」[注釈 7]「犬神家をもじった名称の一族による遺産騒動」などの共通性を持つものが多い。
昭和20年代のとある年(具体的な年が分からない点は後述)の2月、那須湖畔の本宅で信州財界の大物・犬神佐兵衛(いぬがみさへえ)は裸一貫の身から興した製糸業で築いた莫大な財産を残し、家族に見守られながら他界した。その遺産の配当や事業相続者を記した遺言状は、一族全員が揃った場で発表されることになっており、長女松子の一人息子佐清(すけきよ)の戦地からの復員を待つところとなっていた。佐兵衛は生涯に渡って正妻を持たず、それぞれ母親の違う娘が3人[注釈 8]、皆婿養子をとり、さらにそれぞれに息子が1人ずついたが、お互いが反目し合っていた。
同年10月、金田一耕助は東京から単身で犬神家の本宅のある那須湖畔を訪れた。犬神家の顧問弁護士を務める古館恭三の法律事務所に勤務する若林豊一郎から、「近頃、犬神家に容易ならざる事態が起こりそうなので調査して欲しい」との手紙を受け取ったためであった。那須ホテルを宿泊拠点とした金田一は、湖畔から犬神家の豪邸を望んでいたところ、犬神家に寄寓している野々宮珠世の乗っているボートが沈みかかっているのを目撃し、犬神家の下男の猿蔵とともに珠世を救出する。ボートには穴が開けられており、猿蔵の語るところによると、珠世が何者かに狙われたのはこれで3度目だという。その後、金田一がホテルに戻ったところ、若林が何者かによって毒殺されていた。知らせを聞いて駆けつけた古館の語るところによると、どうやら若林は犬神家の誰かに買収されて、法律事務所の金庫に保管している佐兵衛の遺言状を盗み見てしまったらしい。先行きに不安を感じる古館の依頼で、金田一は犬神家の遺産相続に立ち会うこととなった。
そんな中、ビルマの戦いで顔に大怪我を負いゴムマスクを被った姿で佐清が復員した。佐兵衛の遺言状は古館弁護士によって金田一の立ち会いのもと公開されることになるが、その内容は
「全相続権を示す犬神家の家宝“斧(よき)・琴(こと)・菊(きく)”の三つを、野々宮珠世(佐兵衛の終世の恩人たる野々宮大弐の唯一の血縁、大弐の孫娘)が佐清、佐武、佐智の佐兵衛の3人の孫息子の中から配偶者を選ぶことを条件に、珠世に与えるものとする」
というものであった。さらに、珠世が相続権を失うか死んだ場合、犬神家の財産は5等分され3人の孫息子は各5分の1ずつを相続し、残り5分の2を佐兵衛の愛人・青沼菊乃の息子の青沼静馬が相続することを聞き及んで、3姉妹の憎悪と怒りは頂点に達する。
こうして3姉妹の仲はいよいよ険悪となり、珠世の愛を勝ち得んとしての争いが始まる一方、佐清は偽者の嫌疑をかけられ、手形(指紋)確認を迫られるが、松子がこれを拒否する。
そんな中、佐武が生首を「菊」人形として飾られて惨殺されると、一転して佐清が手形確認に応じ、佐清本人であることが確認される。同じころ、下那須の旅館に顔を隠した復員服の男が宿泊し、べっとりと血の付いた手ぬぐいを残して立ち去っていた。そして、佐武の通夜の後、珠世の寝室から復員服の男が現れ猿蔵ともみ合った後、逃走する。
その後、佐智が珠世を襲おうとして失敗した後、何者かに首を絞められて殺される。そして、その首に「琴」糸が巻き付けられていたことを聞いた松子、梅子、竹子の3姉妹は、家宝の斧・琴・菊と、佐兵衛の愛人・青沼菊乃とその息子の静馬にまつわる秘密を明かす。30年前、佐兵衛が菊乃に入れ込んだ挙句、犬神家の家宝の斧・琴・菊を渡してしまい、さらに菊乃が男児を出産した[注釈 9]ことを知った3姉妹は菊乃を襲撃した。3姉妹は彼女を激しく折檻した挙句、赤ん坊の尻に焼け火箸をあてがい、遂に観念して斧・琴・菊を差し出す菊乃に対し、さらに赤ん坊は佐兵衛の子どもではなく情夫の子どもであると無理やり一札書かせた。しかし、菊乃は「いつかこの仕返しをせずにはおかぬ。いまにその斧、琴、菊がおまえたちの身にむくいるのじゃ。」と言い放ったのだという。
本作の事件の発生年は、冒頭に「昭和二十×年」と記載されている以外には詳述されていないが、登場人物の年齢は以下に示すように1949年(昭和24年)を基準に設定されている。
注:登場人物の年齢は数え年である。
しかし、1949年(昭和24年)説では以下のような問題が生じることが指摘されている。
また、本作は一個人の遺言状が惨劇を引き起こす物語となっているが、この遺言状の法的効力については種々の問題点が指摘されており[注釈 12]、特に民法の遺留分制度の前提となる法定相続分が1947年(昭和22年)に施行された日本国憲法の下で改正されたことにより問題が大きくなったことが、事件発生年の特定に重要と考えられている。改正民法は1948年(昭和23年)1月1日に施行(その趣旨の一部は応急措置法により1947年(昭和22年)5月3日に施行)されており、法的問題が大きくなるのはそれ以降の事件と設定した場合である。特に問題になるのは、改正後の民法では「家督相続」が廃止されて「遺産相続」のみとなったため、佐兵衛の子(子が死亡している場合は孫)全員に遺留分が発生して、「全額を渡す」という遺言状の趣旨がそれに抵触することである。
ただし、旧民法の場合でも戸主[注釈 13]の財産は法定推定家督相続人(前戸主の直系卑属)が全額相続することが最優先され(明治民法970条)、これは血縁関係・性別・嫡出か否か・年齢で1人が自動的に決定され、故人の遺言は無視されるため、そもそも本作のような状況にならないという問題が指摘されている[注釈 14]。もっとも、佐兵衛に生前認知された子が無い場合には、旧民法979条の規定により法定推定家督相続人が存在しないことになり、遺言状で遺産すべてを特定の人物に渡すことも可能になる[14]。
映像化作品では、1976年版が冒頭で「昭和二十二年」(1947年)とのテロップを出し、1977年版、1994年版、2004年版、2006年版がこの設定を踏襲している。これについて1976年版監督の市川崑は「時代設定を原作のままの昭和二十二年にした」とパンフレットで述べているが[15]、市川が原作の設定を「昭和22年」と認識した根拠は不明である。1990年版は1949年(昭和24年)の設定であり、2018年版と2020年版は年を表示していない。2023年版も年が不明だが、3姉妹が戸籍上は親族ではないという旧民法で法定推定家督相続人が生じない設定にしており、台詞にもわざわざ「現行の法律では」とあることから、旧民法が有効な時期の事件と設定した可能性が考えられる。なお、1970年版の『蒼いけものたち』は基本設定が大きく異なり、放送当時の1970年頃が舞台[注釈 15]となっている。
| 某 | |||||||||||||||||||||||
| 犬神佐清 | |||||||||||||||||||||||
| 犬神松子 | |||||||||||||||||||||||
| 寅之助 | 犬神佐武 | ||||||||||||||||||||||
| 犬神佐兵衛 | 犬神竹子 | 犬神小夜子 | |||||||||||||||||||||
| 幸吉 | |||||||||||||||||||||||
| 犬神佐智 | |||||||||||||||||||||||
| 犬神梅子 | |||||||||||||||||||||||
| 青沼静馬 | |||||||||||||||||||||||
| 青沼菊乃 | |||||||||||||||||||||||
| 野々宮大弐 | |||||||||||||||||||||||
| 野々宮祝子 | 野々宮珠世 | ||||||||||||||||||||||
| 晴世 | |||||||||||||||||||||||
本作の初単行本化は1951年(昭和26年)5月に講談社から『傑作長編小説全集5』として『八つ墓村』と同時収録されたものだが、この際に連載時から以下の点が修正されている[16]。
映像作品(特に1976年版映画)での「波立つ水面から突き出た足」のシーンが有名であるが、原作では季節が初冬で湖面は凍った状態、死体はパジャマを着たまま、湖に突っ込んでいるのはヘソから上であり、この通りに映像化されているのは2020年版と2023年版のテレビドラマのみである。「斧、琴、菊」の見立て殺人の最後に残った「斧(ヨキ)」について、原作では屋敷から斧やそれに類する道具が一切処分されていたため、犯人は佐清(スケキヨ)を絞殺した後、さかさまにして下半身だけを見せることによって「ヨキ(ケス)」を表現している(この判じ物はすぐに金田一によって解かれている)。しかし、映像化作品では、初期の1954年版映画と1970年版テレビドラマを除く全作品で湖から脚が突き出ている情景を描写しているにもかかわらず、その半数近くで「判じ物」を説明していない。そのうち知名度が高い1976年版映画(および2006年のリメイク)では原作の設定を無視して斧を殺害の凶器とし、そもそも「判じ物」が不要であり死体を湖に倒立させた理由が不明である。2023年版テレビドラマでも死体に斧を添えており同様である。また、1977年版テレビドラマでは、斧を殺害の凶器としたため必要性が無くなっている「判じ物」を死体に「スケキヨ」と書くことによって明示し、「斧」の提示を重複させている。
佐清のゴムマスクは、原作では美男子だった佐清の顔をそのまま写したもので、視力の衰えた宮川香琴が初めて見たときすぐさま仮面とは分からなかったという描写があり、1954年版映画[17]や1970年版テレビドラマではその描写に従った顔面のみを覆う仮面であるが、1976年版映画で頭から首まですっぽり覆うものに変更され、この変更がその後の映像化でも踏襲されている。また、原作における製作経緯や上述の描写からはマスクは自然な肌の色と推測できる(佐智殺害後の描写に「白い仮面」とあるが「白っぽい」意味と考えられる)が、映像作品では真っ白あるいはゴムの材質感が残る色調のマスクとしていることが多い。ただし、2020年版テレビドラマでは頭からすっぽり覆う形態であるが頭髪などを再現しており、原作の描写に近くなっている。
原作の重要なトリックの1つに佐智が監禁場所から自力脱出し殺害後に戻されたというものがあるが、映像作品で採用しているのは1970年版、2004年版、2020年版、2023年版のテレビドラマのみである(1977年版テレビドラマは監禁場所で殺害、他は死体発見場所が異なる)。
宮川香琴は原作では実は青沼菊乃と同一人物であり、佐清になりすました静馬が母親だと気付いて気遣う展開があるが、この設定を維持している映像化は無い。菊乃は、1970年版テレビドラマの後半で正体を隠さずに登場し2018年版と2020年版のテレビドラマで消息が語られないのを除いて、事件以前に死亡している設定である。香琴は映像化作品の半数程度に登場するが、1990年版テレビドラマで菊乃の妹という設定になっているのを除いて、菊乃とは特に関係のない人物である。
原作では珠世が佐兵衛の実の孫という事実を大山神主が無節操に暴露し、それによって珠世が自分の姪だと知った静馬が結婚を目指せなくなり、松子が仮面の男が静馬だと気付く契機になっている。しかし、この設定を維持している映像化は、原作を短編に圧縮する構成とした2020年版テレビドラマでの「暴露」の部分のみである。映像化作品の半数程度で実の孫という設定を排除しており、排除していない他の作品でも金田一や古館ら少数の登場人物が知るのみで静馬が事実を知る展開にはならない。
原作の印象的な場面の1つに、佐清が犯人は自分であると印象づけるために雪山で警官隊と銃撃戦を演じたあと自殺を図るというものがあるが、1度も映像化されていない。雪山という状況を排した銃撃戦も1954年版映画および1970年版と2004年版のテレビドラマのみであり、拳銃が持ち出されて銃撃戦には至らない事例も2018年版テレビドラマで佐清が拳銃自殺を図る場面と2023年版テレビドラマで焼身自殺を図った佐清が警官隊に一方的に発砲する場面とに限られる。なお、2023年版テレビドラマでの佐清の焼身自殺未遂は佐智が強姦を阻止された廃屋で行われており、この廃屋が存在する場所の地名が原作における雪山の名である「雪ヶ峰」になっているが雪山ではない。
『犬神家の謎 悪魔は踊る』は1954年8月10日に公開された。東映、監督は渡辺邦男、主演は片岡千恵蔵。
1976年10月16日に公開された。角川春樹事務所、監督は市川崑、主演は石坂浩二。
1980年代にかけて一世を風靡することになる角川春樹事務所の第1回映像作品であり、金田一耕助を初めて原作どおりの着物姿で登場させたことでも知られる。
2006年12月16日に公開された。東宝、監督は市川崑、主演は石坂浩二。
1976年版と同一の監督・主演によって30年ぶりにリメイクされたものである。
| 蒼いけものたち | |
|---|---|
| ジャンル | テレビドラマ |
| 原作 | 横溝正史 『犬神家の一族』 |
| 脚本 | 佐々木守 |
| 演出 | 鈴木敏郎 |
| 出演者 | 酒井和歌子 中山仁 沢村貞子 大出俊 玉川伊佐男 |
| 声の出演 | 矢島正明 |
| 音楽 | 佐藤允彦 |
| 製作 | |
| プロデューサー | 小坂敬 米沢孝雄 広岡常男 |
| 編集 | 神島帰美 |
| 制作 | 東宝、NTV |
| 放送 | |
| 放送チャンネル | NTV、NNN |
| 音声形式 | モノラル放送 |
| 放送国・地域 | |
| 放送期間 | 1970年8月25日 -9月29日 |
| 放送時間 | 21:30 - 22:26 |
| 放送枠 | 火曜日の女シリーズ |
| 放送分 | 56分 |
| 回数 | 6回 |
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『蒼いけものたち』は、日本テレビ系列の「火曜日の女シリーズ」(毎週火曜日21時30分 - 22時26分)で1970年8月25日から9月29日まで放送された(全6回)。
基本設定を大きく変えているため原作通りでない部分が多いが、個々の場面の情景を細かく再現しようとしている。「斧琴菊」に相当する「見立て」は無いが、犯行手順に関するトリックは基本的に原作通りである。原作通りの指紋確認のほか、胸の痣を確認するためにもう1回、仮面の男の実体が入れ替わる。
※「水川」の読みは「みなかわ」
| 横溝正史シリーズ 犬神家の一族 | |
|---|---|
| ジャンル | テレビドラマ |
| 原作 | 横溝正史 |
| 企画 | 角川春樹事務所 MBS |
| 脚本 | 服部佳 |
| 監督 | 工藤栄一 |
| 出演者 | 古谷一行 四季乃花恵 田村亮 京マチ子 西村晃 |
| 音楽 | 真鍋理一郎 |
| エンディング | 茶木みやこ 『まぼろしの人』 |
| 製作 | |
| プロデューサー | 香取雍史 西岡善信 青木民男(毎日放送) |
| 撮影監督 | 森田富士郎 |
| 編集 | 山田弘 |
| 制作 | 毎日放送 大映映画 映像京都 |
| 放送 | |
| 放送チャンネル | TBS、MBS |
| 音声形式 | モノラル放送 |
| 放送国・地域 | |
| 放送期間 | 1977年4月2日 -4月30日 |
| 放送時間 | 22:00 - 22:55 |
| 放送枠 | 横溝正史シリーズ |
| 放送分 | 55分 |
| 回数 | 5回 |
| 番組年表 | |
| 次作 | 本陣殺人事件 |
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『横溝正史シリーズI・犬神家の一族』は、毎日放送(MBSテレビ)と角川春樹事務所(旧法人)の共同企画、大映京都の製作によりTBS系列で1977年4月2日から4月30日まで毎週土曜日22時 - 22時55分に放送された。
テレビドラマ版において金田一耕助を最も多く演じている古谷一行が初めて金田一役を演じたのが本作であり、初放映時の最高視聴率は40.2パーセントであった[18]。
CMに移る前に「よき、こと、きく…」と佐兵衛仏前の紋章の画面になる。また各回の終わりに金田一耕助がコケるシーンになる。
概ね原作通りに進行するが、いくつかの要素が省略されている一方で、原作に無い(原作と積極的には矛盾しない)細かい設定(会話のやりとりなど)が多数追加されている。原作からの主な変更点は以下の通りである。
| 横溝正史傑作サスペンス 犬神家の一族 | |
|---|---|
| ジャンル | テレビドラマ |
| 原作 | 横溝正史 |
| 企画 | 白崎英介(ANB) 角川春樹事務所(企画協力) |
| 脚本 | 長坂秀佳 |
| 演出 | 松尾昭典 |
| 出演者 | 中井貴一 岡田茉莉子 財前直見 松本伊代 若山富三郎 |
| 音楽 | 鏑木創 |
| 製作 | |
| プロデューサー | 佐藤敦(にっかつ撮影所) 下飯坂一政(にっかつ撮影所) 作田貴志(にっかつ撮影所) 小関明(ANB) 五十嵐文郎(ANB) |
| 撮影監督 | 矢田行男 |
| 編集 | 井上治 |
| 制作 | にっかつ撮影所、ANB |
| 放送 | |
| 放送チャンネル | ANB、ANN |
| 放送国・地域 | |
| 放送期間 | 1990年3月27日 |
| 放送時間 | 19:02 - 21:48 |
| 放送分 | 166分 |
| 回数 | 1回 |
| テンプレートを表示 | |
『横溝正史傑作サスペンス・犬神家の一族』は、ANB系列で1990年3月27日の火曜日19時2分 - 21時48分に放送された。
本作の金田一は、白いスーツにハンチング帽、丸メガネという出で立ちで、池田明子という“助手”を連れている。
※浅野ゆう子、若山富三郎は"特別出演"のクレジット付き
| 横溝正史シリーズ(5) 犬神家の一族 | |
|---|---|
| ジャンル | テレビドラマ |
| 原作 | 横溝正史 |
| 企画 | 小林義和(フジテレビ) 角川書店(企画協力) |
| 脚本 | 佐伯俊道 |
| 演出 | 福本義人 |
| 出演者 | 片岡鶴太郎 牧瀬里穂 椎名桔平 栗原小巻 加藤武 |
| 音楽 | 石田勝範 |
| オープニング | 歴代テーマ曲を参照 |
| エンディング | 歴代テーマ曲を参照 |
| 製作 | |
| プロデューサー | 高橋萬彦 川上一夫 |
| 撮影監督 | 川田正幸 |
| 編集 | 飯塚守 |
| 制作 | 共同テレビジョン フジテレビ |
| 放送 | |
| 放送チャンネル | フジテレビ、FNN |
| 音声形式 | ステレオ放送 |
| 放送国・地域 | |
| 放送期間 | 1994年10月7日 |
| 放送時間 | 21:03 - 23:22 |
| 放送枠 | 金曜エンタテイメント特別企画 |
| 放送分 | 139分 |
| 回数 | 1回 |
| 番組年表 | |
| 前作 | 悪魔の手毬唄(1993年) |
| 次作 | 八つ墓村(1995年) |
| テンプレートを表示 | |
『横溝正史シリーズ5・犬神家の一族』は、フジテレビ系列の2時間ドラマ「金曜エンタテイメント」(毎週金曜日21時 - 22時52分)で1994年10月7日に放送された。本作は時間枠拡大の特別企画で21時3分 - 23時22分に放送。
舞台は岡山県香賀美市で、野々宮珠世の実家は市内の鏡美神社である。東京に関わるエピソードは全て神戸に変更されている。
※「古館」の字体は「古舘」
| プレミアムステージ特別企画 犬神家の一族 ~誰も知らない金田一耕助~ | |
|---|---|
| ジャンル | テレビドラマ |
| 原作 | 横溝正史 |
| 企画 | 荒井昭博(フジテレビ) 和田行(フジテレビ) 保原賢一郎(フジテレビ) |
| 脚本 | 佐藤嗣麻子 |
| 演出 | 星 護 |
| 出演者 | 稲垣吾郎 加藤あい 西島秀俊 佐藤慶 小日向文世 |
| 音楽 | 佐橋俊彦 |
| 製作 | |
| プロデューサー | 稲田秀樹 |
| 撮影監督 | 川村明弘 |
| 編集 | 河村信二 |
| 制作 | 共同テレビジョン フジテレビ |
| 放送 | |
| 放送チャンネル | フジテレビ、FNN |
| 音声形式 | ステレオ放送 |
| 放送国・地域 | |
| 放送期間 | 2004年4月3日 |
| 放送時間 | 20:03 - 22:54 |
| 放送枠 | プレミアムステージ |
| 放送分 | 171分 |
| 回数 | 1回 |
| 番組年表 | |
| 次作 | 八つ墓村(2004年) |
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『金田一耕助シリーズ・犬神家の一族』は、フジテレビ系列の「プレミアムステージ」(毎週土曜日21時 - 22時54分)で2004年4月3日に放送された。本作は時間枠拡大で20時3分 - 22時54分放送。
| 犬神家の一族 | |
|---|---|
| ジャンル | テレビドラマ |
| 原作 | 横溝正史 |
| 脚本 | 根本ノンジ |
| 演出 | 澤田鎌作 |
| 出演者 | 加藤シゲアキ(NEWS) 賀来賢人 高梨臨 黒木瞳 里見浩太朗 |
| 音楽 | ワンミュージック |
| 製作 | |
| プロデューサー | 金城綾香 |
| 撮影監督 | 大野勝之 |
| 編集 | 小泉義明 |
| 制作 | フジテレビ |
| 放送 | |
| 放送チャンネル | フジテレビ、FNN |
| 音声形式 | ステレオ放送 |
| 放送国・地域 | |
| 放送期間 | 2018年12月24日 |
| 放送時間 | 21:30 - 23:33 |
| 放送枠 | スペシャルドラマ |
| 放送分 | 123分 |
| 回数 | 1回 |
| 番組年表 | |
| 次作 | 悪魔の手毬唄〜金田一耕助、ふたたび〜(2019年) |
| テンプレートを表示 | |
スペシャルドラマ『犬神家の一族』は、2018年12月24日21時30分 - 23時33分にフジテレビ系列で放送された[19]。
『シリーズ横溝正史短編集II「金田一耕助踊る!」犬神家の一族』は、2020年2月1日にNHK BSプレミアムにて29分の短編ドラマとして放送された[24]。
短編とするため大幅に省略しているが、科白を全て原作から抽出した文言としている(ナレーションは用いていない)。しかし、科白に伴う回想シーンを比較的リアルな画面に切り替えているのを除いて、ほぼ全編を1つの座敷内またはその座敷の周辺の空間で、演劇の立ち稽古(読み合わせ)のような形で展開している。服装は原作の人物属性を大袈裟に表現したものになっている。佐清のマスクは演じる俳優の頭部を正確に写した被り物で、単に異様に大きくすることでマスクだと判るようにしている。
犬神家一族の者は最初から最後まで同じ位置で立って発言するのを基本とし、佐武はその場で首と菊人形の胴体に、佐智はその場で椅子に縛り付けられた死体に、静馬はその場で盥(湖の代わり)から突き出た2本の足になる。佐智は元々珠世の隣にいて、単にクローズアップされた状況で昏睡させ、その場の足元で横になって強姦未遂に及ぶ。小夜子は一言も発言せず、特に後半では発狂した様子を黙々と演じ続けている。
金田一、橘署長ら警察関係者、古館弁護士は、一族の者の間や周囲を動き回る。大山神主、猿蔵、柏屋の亭主と女中は必要に応じて書院の窓の外から発言し、あるいは窓から入ってくる。青沼菊乃は回想シーンのみに登場し、宮川香琴としての登場部分は省略されている。若林豊一郎は遺言状の写しを入手したことと殺害されたこととを1つの回想シーンで表現しているため、原作と矛盾する映像になっている。
| 犬神家の一族 | |
|---|---|
| ジャンル | テレビドラマ |
| 原作 | 横溝正史 |
| 脚本 | 小林靖子 |
| 演出 | 吉田照幸 |
| 出演者 | 吉岡秀隆 古川琴音 金子大地 南果歩 堀内敬子 芹澤興人 野間口徹 皆川猿時 小市慢太郎 倍賞美津子 大竹しのぶ |
| 国・地域 | |
| 言語 | 日本語 |
| 製作 | |
| 制作統括 | 樋口俊一(NHK) 西村崇(NHK EP) 大谷直哉(ザロック) |
| 放送 | |
| 放送チャンネル | NHK BSプレミアム NHK BS4K |
| 映像形式 | 文字多重放送 |
| 音声形式 | ステレオ放送 |
| 放送国・地域 | |
| 放送期間 | 前編:2023年4月22日 後編:2023年4月29日 |
| 放送時間 | 21:00 - 22:30 |
| 放送分 | 各90分 |
| 回数 | 2 |
| 公式サイト | |
| 番組年表 | |
| 前作 | 八つ墓村(2019年) |
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NHKが制作を手掛ける「金田一耕助」シリーズの第4弾として、2023年4月22日・4月29日にNHK BSプレミアム、NHK BS4Kで前・後編仕立てで放送された[27]。24P製作。
小市演じる磯川警部が岡山県警から栄転し那須警察署長に就任して原作の橘署長の役割を果たす設定とし、『獄門島(2016年)』に始まるシリーズ全作に登場(声などのみの登場を含む)することになった。劇中には過去金田一が解決した事件として「本陣殺人事件」に言及がある。
有名な脚のシーンはロケ当日に湖面が凍結し(CGIではない)、原作描写に近い映像が奇跡的に達成された。湖で倒立した死体の脚は原作通りパジャマを着用している。これまでの映像化でたびたび行われた遺体の泥を手荒く洗う場面は、氷を割りながら遺体収容に向かう警官たちの姿に替えられた。斧も併せて発見されており、死体を湖に逆さに立てた理由は説明されない。死体発見は謎解きの後であり、手形が一致せず謎を深める展開にはならない。
佐清のマスクは1976年版映画以来の頭全体を覆うものという設定を踏襲している。家宝はそれ自体が斧琴菊の形ではなく、斧琴菊が彫刻されている(1977年版テレビドラマに近い設定)。宮川香琴は登場するが、登場する他の映像化と同様、青沼菊乃とは別人という設定になっている。
佐智殺害までの事件の流れは概ね原作どおりであるが、以下のような変更がある。
佐智殺害後、佐清は警察に静馬の名で告白文を送り廃屋に放火するが、告白文を見て駆けつけた警察に救出され[注釈 24]、火の手を見て猿蔵のボートで金田一と共に駆けつけた珠世が佐清だと確認する。佐清は病院に収容され、顔が判らなくなるようにして静馬として焼死しようとしたと語る。そのころ静馬は行方不明になる。
静馬が行方不明のまま、金田一と磯川が松子だけと真相を語ろうとするが、竹子夫婦と梅子夫婦も押しかけてくる。金田一はまず松子の犯行だけについて語り、そのあと佐清と珠世を呼び入れて佐清に事後工作について語らせる。事後工作は佐清と静馬が対等に協力して行ったという。ビルマ戦線で自分の作戦ミスで大勢の部下を失い静馬にも火傷を負わせた佐清は、その責任感から静馬に自分と入れ替わる権利があると考えたと語る。
静馬は母・菊乃を幼時のうちに失っていたことで犬神家への恨みを引き継いでおらず、犬神家に入り込んだ目的は復讐でも財産でもなく母親への思慕(戦地で佐清に見せてもらった親子写真を通じて知った(衝動的に惹かれてしまった)「松子から佐清へ注がれている純粋無垢な母性愛」への憧れ)だったという。
3姉妹が菊乃を襲撃した時、松子は静馬に火傷を負わせており、松子はその火傷を再度目撃することで静馬の正体に気付いてしまっていた。松子が煙草で服毒自殺するのとほぼ同時に静馬の死体が発見されたとの報告が入る。原作とは異なり、死の間際の松子が産まれてくる小夜子(と佐智)の子に財産の半分を分けて欲しいと珠世に頼むことはない。
金田一は一旦東京に戻るが、佐清からの事後処理に関する報告の手紙を受け取って再度現地へ向かい、収監中の佐清に疑問(「火事のとき佐清は告白文を郵送せず子供に使送させており、警察に助けさせるつもりだったのではないか?」「松子と静馬の各々の愛に付け込んで2人を操って邪魔者を始末させ、最も効果的な場面で正体を現して犬神家の全てを得ようとしたのではないか?[注釈 25]」)をぶつける[注釈 26]。しかし、佐清は「(金田一が)病気だ(考えすぎだ)」と言って疑問を否定して去る。
「劇団ヘロヘロQカムパニー」第34回公演で、金田一シリーズとしては『八つ墓村』『悪魔が来りて笛を吹く』『獄門島』に続く4作目。2017年4月22日~30日に全労済ホール/スペース・ゼロで上演された[38]。
新派130年にあたる2018年11月に、特別公演として大阪松竹座と新橋演舞場で上演[39][40]。大阪松竹座での公演は11月1日から10日[41]、新橋演舞場での公演は同年11月14日から11月25日まで行なわれた[42]。シナリオは原作に忠実で、琴の師匠が重要な鍵を握っており、映画版を見慣れた人も楽しめる内容になっていた。

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