 | この項目では、中国の歴史的地名である濠州について説明しています。オーストラリアの漢字表記のひとつである「濠州」については「オーストラリア」をご覧ください。 |
濠州（ごうしゅう）は、中国にかつて存在した州。隋代から元代にかけて、現在の安徽省滁州市北西部に設置された。
北斉により設置された西楚州を前身とする。
北周のとき、西楚州は鍾離郡・広安郡・陰陵郡・済陰郡・荊山郡の5郡を管轄していた。
582年（開皇2年）、隋により西楚州は濠州と改められた。607年（大業3年）に州が廃止されて郡が置かれると、濠州は鍾離郡と改称され、下部に4県を管轄した。隋代の行政区分に関しては下表を参照。
| 隋代の行政区画変遷 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 区分 | 開皇元年 | 区分 | 大業3年 | |||
| 州 | 濠州 | 郡 | 鍾離郡 | |||
| 郡 | 鍾離郡 | 広安郡 | 済陰郡 | 荊山郡 | 県 | 鍾離県定遠県 化明県塗山県 |
| 県 | 鍾離県 | 定遠県 | 昭義県 | 馬頭県 | ||
620年（武徳3年）、唐により鍾離郡は濠州と改められた。742年（天宝元年）、濠州は鍾離郡と改称された。758年（乾元元年）、鍾離郡は濠州の称にもどされた。濠州は淮南道に属し、鍾離・定遠・招義の3県を管轄した[1]。
宋のとき、濠州は淮南西路に属し、鍾離・定遠の2県を管轄した[2]。
1276年（至元13年）、濠州は元に降り、濠州安撫司が置かれた。1278年（至元15年）、濠州は臨濠府と改められた。1291年（至元28年）、臨濠府は濠州の称にもどされた。濠州は安豊路に属し、鍾離・定遠・懐遠の3県を管轄した[3]。1367年、朱元璋により濠州は臨濠府と改められた。
1369年（洪武2年）、明により臨濠府に中都が立てられ、留守司が置かれた。1373年（洪武6年）、臨濠府は中立府と改称された。1374年（洪武7年）、中立府は鳳陽府と改称された[4]。