渠州（きょしゅう）は、中国にかつて存在した州。南北朝時代から明初にかけて、現在の四川省達州市一帯に設置された。
537年（大同3年）、南朝梁により渠州が設置され、北宕渠郡・境陽郡を管轄した。559年（武成元年）、北周により北宕渠郡は流江郡と改称された。
隋初には、渠州は2郡4県を管轄した。583年（開皇3年）、渠州の属郡の流江郡と境陽郡は廃止された。同年に容州が廃止され、渠州に統合された。605年（大業元年）、隣州が廃止され、渠州に統合された。607年（大業3年）に州が廃止されて郡が置かれると、渠州は宕渠郡と改称され、下部に6県を管轄した[1]。隋代の行政区分に関しては下表を参照。
| 隋代の行政区画変遷 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 区分 | 開皇元年 | 区分 | 大業3年 | |||
| 州 | 渠州 | 隣州 | 容州 | 郡 | 宕渠郡 | |
| 郡 | 流江郡 | 境陽郡 | 隣山郡 | 容山郡 | 県 | 流江県賨城県宕渠県 咸安県隣水県墊江県 |
| 県 | 流江県 始安県 | 宕渠県 綏安県 | 隣水県 隣山県 | 魏安県 | ||
618年（武徳元年）、唐により宕渠郡は渠州と改められた。742年（天宝元年）、渠州は隣山郡と改称された。758年（乾元元年）、隣山郡は渠州と改称された。渠州は山南西道に属し、流江・隣水・隣山・渠江の4県を管轄した[2]。
北宋のとき、渠州は潼川府路に属し、流江・隣水・隣山の3県を管轄した。南宋のとき、大竹県が加増された[3]。
元のとき、渠州は順慶路に属し、流江・大竹の2県を管轄した[4]。
1376年（洪武9年）、明により渠州は渠県に降格した[5]。