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沢村栄治賞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
沢村栄治賞
賞の由来となった沢村栄治
スポーツ野球
選考会沢村賞選考委員会
種目野球
受賞対象その年にNPBで活躍した完投先発投手
愛称沢村賞
日本の旗日本
歴史
初回1947年
初回受賞別所昭
最多受賞3回
杉下茂
金田正一
村山実
斎藤雅樹
山本由伸
最新受賞山本由伸(2023年)
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最高出塁率
投手
最優秀防御率
最多勝利
最多奪三振
最高勝率
最多セーブ投手
最優秀中継ぎ投手
その他
最優秀選手
最優秀新人
沢村栄治賞
ベストナイン
ゴールデングラブ賞
カムバック賞

沢村栄治賞(さわむらえいじしょう)は、その年の日本プロ野球で最も活躍した完投先発投手を対象として贈られる特別賞の一つ。通称「沢村賞」。

読売新聞社は正式名称について創設当初から現在まで一貫して沢村賞としている[1][注釈 1]。一方でNPBの表彰名としては公式に沢村栄治賞としている[3]。1989年以降はNPB全体を対象とした公式の表彰に準ずる特別賞である。受賞者には金杯と副賞として賞金300万円が贈られる。

概要

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1947年読売新聞社戦前のプロ野球黎明期において豪速球投手として名を馳せた沢村栄治の栄誉と功績を称えて制定された。1956年にMLBで創設されたサイ・ヤング賞よりも歴史は古い。また、サイ・ヤング賞は全ての投手が選考対象であるが、沢村賞はその年に活躍した完投先発投手のみが選考対象である[4][5]

1950年からは2リーグ分裂に伴い、対象を読売新聞社がオーナーを務める読売ジャイアンツが所属するセ・リーグのみとした。

1981年までは読売新聞社が選考を東京運動記者クラブ部長会に委嘱していたが、同年の西本聖受賞を巡る経緯が物議を醸したことから翌1982年5月14日に同会は沢村賞選考を辞退し、同年からNPBの元先発投手のOB[注釈 2]を中心とした選考委員会方式に改められ、7項目の選考基準が設けられた[6][7]

1989年からパ・リーグにも選考対象が拡大。

現在は沢村賞選考委員会(先述)の審議により、7項目の選考基準や補足項目を元に毎年12球団の中から原則1名が選出される。ただし、最終的な判断は選考委員に委ねられており、選考基準項目や補足項目はあくまで参考に過ぎず[注釈 3][注釈 4][注釈 5]、項目外の完封や、選考委員の印象に残った先発投手としての記録達成なども加味される場合がある[10]。基本は話し合いで決められるが、それでも決まらない場合は多数決とする。ただ、稀なケースでは1名に絞り切れず2名選出したこともあった(1966年・2003年)ほか、「該当者なし」として選出しないこともある。なお、選考委員は原則5名である[11]

選考基準

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選考基準は以下の7項目だが、必ずしも7項目全てクリアしなければならないという規定はない。

  • 登板試合数 -25試合以上
  • 完投試合数 -10試合以上
  • 勝利数 -15勝以上
  • 勝率 -6割以上
  • 投球回数 -200イニング以上
  • 奪三振 -150個以上
  • 防御率 -2.50以下
    • 補足項目として「先発で登板した全試合に占める、投球回数7回で自責点3点以内」というQSに似た独自の基準を選考に含めることになった(2018年から)。

なお1981年までの読売新聞社が東京運動記者クラブ部長会に委嘱した選考会の選考基準としては「20勝以上勝ちと負けの差が10以上防御率2点台以下奪三振率優勝への貢献度」などが挙げられていた[12]

クオリティ・スタートの導入

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近年は投手の分業化が進んで完投試合数が減ってきており、これらの状況を踏まえて、選考委員からも完投試合数について、選考基準の見直しを示唆する声も出てきていた[13][注釈 6]。また、200投球回達成者がいないシーズンも近年は増えており、これらに対応するために2018年から新たに「沢村賞の基準で定めたクオリティ・スタート(QS)の達成率を含む」が補則項目として加えられた[16]。QSの基準は「先発で登板した全試合に占める、投球回数7回で自責点3点以内」という独自のものとなっている[16]。2024年に該当者なしになった際に選考委員長の堀内恒夫は「沢村賞はあくまで先発完投型投手に贈られるものであり、最優秀投手賞ではない。」と述べている。

歴代沢村賞受賞者

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  •  太字 は各基準項目のリーグ1位。
  • 1950年から1988年までセ・リーグのみ対象。1989年以降はセ・両リーグ対象(所属の      はセ・リーグ・      はパ・リーグ)。
  • 1981年までは東京運動記者クラブ部長会に委嘱した選考会が選考。1982年以降は元先発投手のOBを中心とした沢村賞選考委員会が選考。
  • 選考委員については太字が座長(1番左)、もしくは座長代理。★印は委任を含めた欠席者。
  •       は選考基準を満たしていない項目(1982年以降のみ)。
年度受賞者所属登板完投勝利勝率投球回奪三振防御率選考委員
1947へつしよ/別所昭(1)南海554730.612448.11911.861947年~1981年までは
東京運動記者クラブ部長会に委嘱した選考会が選考
1948なかお/中尾碩志巨人472527.6923431871.84
1949ふしもと/藤本英雄巨人392924.7742881371.94
1950さなた/真田重男松竹612839.765395.21913.05
1951すきした/杉下茂(1)名古屋581528.683290.11472.35
1952すきした/杉下茂(2)名古屋612532.696355.21602.33
1953おおとも/大友工巨人432227.818281.11731.85
1954すきした/杉下茂(3)中日632732.727395.12731.39
1955へつしよ/別所毅彦(2)巨人501723.7423121521.33
1956かねた/金田正一(1)国鉄682425.556367.13161.74
1957かねた/金田正一(2)国鉄612528.6363533061.63
1958かねた/金田正一(3)国鉄562231.689332.13111.30
1959むらやま/村山実(1)大阪541918.643295.12941.19
1960ほりもと/堀本律雄巨人692629.617364.22102.00
1961こんとう/権藤博中日693235.648429.13101.70
1962こやま/小山正明阪神472627.711352.22701.66
1963いとう/伊藤芳明巨人391819.704236.11661.90
1964はつきい/G.バッキー阪神462429.763353.12001.89
1965むらやま/村山実(2)阪神392625.658307.22051.96
1966むらやま/村山実(3)阪神382424.727290.12071.55
ほりうち/堀内恒夫(1)巨人331416.8891811171.39
1967おかわ/小川健太郎中日551629.707279.21782.51
1968えなつ/江夏豊阪神492625.6763294012.13
1969たかはし/高橋一三(1)巨人451922.8152562212.21
1970ひらまつ/平松政次大洋512325.568332.21821.95
1971該当者なし
1972ほりうち/堀内恒夫(2)巨人482626.7433122032.91
1973たかはし/高橋一三(2)巨人452423.639306.12382.21
1974ほしの/星野仙一中日49715.6251881372.87
1975そとこは/外木場義郎広島411720.6062871932.95
1976いけかや/池谷公二郎広島511820.571290.12073.26
1977こはやし/小林繁(1)巨人421118.692216.11552.92
1978まつおか/松岡弘ヤクルト431116.593199.11193.75
1979こはやし/小林繁(2)阪神371722.710273.22002.89
1980該当者なし
1981にしもと/西本聖巨人341418.600257.21262.58
1982きたへつふ/北別府学(1)広島361920.714267.11842.43別所杉下金田堀本村山
1983えんとう/遠藤一彦大洋361618.667238.11862.87別所、杉下、金田、堀本、村山
1984該当者なし別所、杉下、金田、堀本、村山
1985こまつ/小松辰雄中日331417.680210.11722.65別所、杉下、金田、堀本、村山
1986きたへつふ/北別府学(2)広島301718.8182301232.43別所、杉下、金田、堀本、村山
1987くわた/桑田真澄巨人281415.714207.21512.17別所、杉下、金田、堀本、村山★
1988おおの ゆたか/大野豊広島241413.6501851831.70別所、杉下、金田★、堀本、小山[注釈 7]
1989さいとう ま/斎藤雅樹(1)巨人302120.7412451821.62別所、杉下、金田、堀本、小山、稲尾米田[注釈 8]
1990のも/野茂英雄近鉄292118.6922352872.91別所、杉下、堀本、稲尾、米田[注釈 9]
1991ささおか/佐々岡真司広島331317.6542402132.44別所、杉下、稲尾、米田、堀内[注釈 10]
1992いしい/石井丈裕西武27815.833148.11231.94別所、杉下、稲尾、堀内★、山田[注釈 11]
1993いまなか/今中慎二中日311417.7082492472.20別所、杉下、稲尾、山田、平松[注釈 12]
1994やまもと ま/山本昌広中日291419.7042141483.49別所、稲尾、土橋[注釈 13]、平松★、星野[注釈 14]
1995さいとう ま/斎藤雅樹(2)巨人281618.6432131872.70別所、稲尾、土橋、平松、星野
1996さいとう ま/斎藤雅樹(3)巨人25816.8001871582.36別所、稲尾、土橋、平松、藤田[注釈 15]
1997にしくち/西口文也西武321015.750207.21923.12別所、稲尾、土橋、平松、藤田
1998かわさき/川崎憲次郎ヤクルト29917.630204.1943.04別所、稲尾、土橋、平松★、藤田
1999うえはら/上原浩治(1)巨人251220.833197.21792.09藤田★、稲尾、土橋、平松、堀内[注釈 16]
2000該当者なし藤田、稲尾、土橋、平松、堀内
2001まつさか/松坂大輔西武331215.500240.12143.60藤田、稲尾、土橋、平松、堀内
2002うえはら/上原浩治(2)巨人26817.7732041822.60藤田、稲尾、土橋、平松、堀内
2003いかわ/井川慶阪神29820.8002061792.80藤田、稲尾、土橋、平松、堀内
さいとう か/斉藤和巳(1)ダイエー26520.8701941602.83
2004かわかみ/川上憲伸中日27517.708192.11763.32藤田、稲尾、土橋、平松、斎藤雅[注釈 17]
2005すきうち/杉内俊哉ソフトバンク26818.818196.22182.11藤田、 稲尾、土橋、平松、斎藤雅
2006さいとう か/斉藤和巳(2)ソフトバンク26818.7832012051.75稲尾、土橋、平松ほか
2007たるひつしゆ/ダルビッシュ有日本ハム261215.750207.22101.82土橋、稲尾★、平松、堀内、大野豊
2008いわくま/岩隈久志楽天28521.840201.21591.87土橋、平松、堀内、大野豊、村田[注釈 18]
2009わくい/涌井秀章西武271116.727211.21992.30土橋、平松、堀内、大野豊、村田
2010まえた/前田健太(1)広島28615.652215.21742.21土橋★、平松、堀内、村田、北別府[注釈 19]
2011たなか ま/田中将大(1)楽天271419.792226.12411.27土橋、平松、堀内、村田、北別府
2012せつつ/攝津正ソフトバンク27317.773193.11531.91土橋、平松、堀内、村田、北別府
2013たなか ま/田中将大(2)楽天288241.002121831.27堀内★、平松、村田、北別府、工藤[注釈 20]
2014かねこ/金子千尋オリックス26416.7621911991.98堀内、平松、村田、北別府★、工藤
2015まえた/前田健太(2)広島29515.652206.11752.09堀内、平松、村田★、北別府、山田[注釈 21]
2016しよんそん/K・ジョンソン広島26315.682180.11412.15堀内、平松、村田、北別府、山田
2017すかの/菅野智之(1)巨人25617.773187.11711.59堀内、平松、村田、北別府、山田
2018すかの/菅野智之(2)巨人281015.6522022002.14堀内、平松、村田、北別府、山田
2019該当者なし堀内、平松、村田、北別府、山田
2020おおの ゆうたい/大野雄大[17]中日201011.647148.21481.82堀内、平松、村田、北別府★[注釈 22]、山田
2021やまもと よ/山本由伸(1)[18]オリックス26618.783193.22061.39堀内、平松、村田、北別府★、山田
2022やまもと よ/山本由伸(2)[19]オリックス26415.7501932051.68堀内、平松、北別府★、山田[注釈 23]
2023やまもと よ/山本由伸(3)[20]オリックス23216.7271641691.21堀内、平松、山田、工藤[注釈 24]
2024該当者なし堀内、平松、山田、工藤、斎藤雅[注釈 25]

沢村賞に関する主な記録 

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  • 2024年シーズン終了時点で複数回受賞者は15人(その内3回受賞者は5人)いる[21]
  • 2024年シーズン終了時点で外国人の受賞者は2人[22]
  • 2024年シーズン終了時点で、千葉ロッテマリーンズのみ受賞者なしである[23]

複数回受賞者

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  • 太字はNPB現役
投手回数年度
杉下茂
3
1951, 1952, 1954
金田正一1956, 1957, 1958
村山実1959, 1965, 1966
斎藤雅樹1989, 1995, 1996
山本由伸2021, 2022, 2023
別所毅彦
2
1947, 1955
堀内恒夫1966, 1972
高橋一三1969, 1973
小林繁1977, 1979
北別府学1982, 1986
上原浩治1999, 2002
斉藤和巳2003, 2006
前田健太2010, 2015
田中将大2011, 2013
菅野智之2017, 2018

チーム別受賞回数

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チーム回数
巨人20
中日(名古屋)11
広島9
阪神8
ソフトバンク(南海・ダイエー)5
ヤクルト(国鉄)5
西武4
オリックス4
楽天3
DeNA(大洋)2
日本ハム1
ロッテ0
その他2
該当者なし6

その他

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全項目を満たしていながら同賞を逃したケース(選考基準が設けられた1982年以降、およびパ・リーグ球団所属投手は1989年以降)

年度投手所属登板完投勝利勝率投球回奪三振防御率
1982江川卓巨人312419.613263.11962.36
2008ダルビッシュ有[注釈 26]日本ハム251016.800200.22081.88
2011ダルビッシュ有日本ハム281018.7502322761.44
2013金子千尋オリックス291015.652223.12002.01

1981年の記者投票について

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1980年に巨人の江川卓が34登板、18完投、投球回数261回1/3、16勝、勝率.571、防御率2.48、219奪三振の成績で、最多勝利最多奪三振を獲得するも記者投票で該当者なしにされた。

1981年、江川は31登板、20完投、投球回数240回1/3、20勝、勝率.769、防御率2.29、221奪三振の成績を残し、最多勝利、最優秀防御率、最多奪三振、最高勝率の先発投手タイトル[注釈 27]を全て独占した。

1981年の江川・西本の投手成績
江川卓西本聖
登板3134
完投2014
投球回数240回1/3257回2/3
勝利20勝18勝
勝率.769.600
防御率2.292.58
奪三振221126
選考会議の詳細

選考は1981年10月14日、有楽町の数寄屋橋にあるリトルトーキヨーの9階中華料理屋「ろん」にて、東京運動記者クラブに加盟する44社のうち31社の運動部長が参加。恒例で先ず数名の候補者が挙げられ、その中から小松(中日)が外され最後に西本と江川が残った。その後日刊スポーツの金井清一部長が「この賞には人格的な基準はあるのか」「今年だけの成績だけが対象なのか」といった質問が飛び、進行役が「これまで人格云々を加味した例はない。あくまで今年の成績が対象」と答えるものの、このあたりから次第に西本を推す声があがり始めた。朝日新聞社・田中康彦部長の「巨人の優勝は前半戦の快進撃で決まったと言っていい。開幕投手の重責を果たし独走態勢に入った時点の成績は西本が10勝2敗、江川は7勝3敗だった。江川の勝ち星は独走後にあげたものが多い。優勝への貢献度は西本の方が上」と発言すると、デイリースポーツ社・近藤敬部長が「数字で判断するのが客観的」と反論し江川を支持した。すると田中部長は「数字だけで決めるなら公式記録員に委嘱すればよく、こうした会を開く意味は無い」とあくまで西本支持を崩さず。しかし、近藤部長も「優勝への貢献度を評価するのはMVPではないのか? 沢村賞はあくまでも投手としての力量を評価するべきだ」と反論するなど議論が伯仲した[26]。最終的な投票結果は16票対13票、2白票で西本に決まった。

しかし、これがニュースで流れると各マスコミの電話が鳴り始め、「西本がダメだというんじゃない。むしろ西本の方が好きだが沢村賞はどう考えても江川だ」「江川は今でも大嫌いだが数字は数字として評価しなければ何を基準に決めるのかが曖昧になる。個人的な好き嫌いの感情で選ぶのは最悪」と当時はまだ多かったアンチ江川派からも結果に対する異議は多いなど、ほとんどが江川に同情的だったという。また現役選手でも日本ハムの江夏豊は「投手として最高の栄誉。数字・実力とも江川以外ありえんだろ。客観的事実を認めようとしない連中を許す事は出来ない。」、巨人の堀内恒夫も「沢村賞の権威がなくなっちゃうよ。日本シリーズの前だというのにバカなことをしてくれたものだ」と選考委員を痛烈に批判した[27]。この世論の強い反発を受けて各新聞社の運動部長は翌年の沢村賞の選考委員を辞退する事になり、その後、同1982年からOBを中心とした沢村賞選考委員会に改められた[6]

2022年3月に江川は槙原寛己YouTubeチャンネル「ミスターパーフェクト槙原」に出演し、当時を振り返って「かわいそうだったのは西本よ。『卓ちゃん、申し訳ない』って」と、当時、西本が詫びを入れにきたことを明かし「俺は、正しいのは、(投票を)2人に入れるべきだって言ってるわけよ。西本がとるなら、俺がとらないとおかしいって。その年だけ2人にしたらいいじゃん」と、沢村賞をダブル受賞すべきだったと主張した[28]

脚注

[編集]

注釈

[編集]
[脚注の使い方]
  1. ^一方で同じ読売選考のプロ野球正力松太郎賞はフルネームが正式名称である[2]
  2. ^セ・リーグ出身投手OBは、藤田元司を除き受賞経験者。
  3. ^1990年、斎藤雅と野茂の争いとなった際、「1試合平均奪三振数10.99、二ケタ奪三振試合数21のプロ野球新記録をマークした野茂が『沢村さんのイメージにもふさわしい投手』(別所座長)」[8]とされて野茂に決まったが、1992年や1994年は、奪三振の基準に遠く及ばなかった石井・山本昌が基準をより多く満たした投手を制して受賞している。
  4. ^1994年、稲尾「防御率で該当者がいないので、印象度で桑田」・星野「勝ち星を優先して山本昌」・土橋「奪三振で伊良部(秀輝=ロッテ)」・平松(委任状)「該当者なし。どうしてもというなら、桑田」と分かれ、最終的にその年は「勝ち星」か「奪三振」を優先しようということになり、最後は別所座長に一任され山本昌に決まった[9]
  5. ^2008年のダルビッシュ、2013年は金子が全項目を満たしたが、それぞれ岩隈久志、田中将大が7項目未達成で受賞している。
  6. ^1997年の選考にあたっては、一部の選考委員から「今季最高の投手は佐々木主浩横浜)ではないか。賞を先発完投の投手に限定するのはどうか」という意見が上がったが、「先発完投型だった沢村を記念する賞である」「投手をめぐる環境が変わっても、先発投手の重要性は不変である」との意見が大勢を占め、西口文也西武)が受賞した[14]。結局、佐々木は翌1998年に横浜の38年ぶりとなるリーグ優勝・日本一に貢献したが、同年の選考後の記者会見で「佐々木を推す声はなかったのか?」という質問に対し、選考委員座長・別所毅彦は「沢村賞はあくまで先発完投型の投手を表彰するもの」と述べたほか、選考委員・土橋正幸は「10年後に『佐々木賞』ができるでしょう」(=リリーフ投手は沢村賞とは別の形で表彰されるべきだ、という意味合い)と回答した[15]
  7. ^村山実の阪神監督就任に伴い交代。
  8. ^稲尾和久、米田哲也はパ・リーグにも選考対象が拡大したことに伴い起用。
  9. ^金田正一はロッテ監督、小山正明は西武投手コーチ就任に伴い退任。
  10. ^堀本律雄の大洋投手コーチ就任に伴い交代。
  11. ^米田哲也のオリックス投手コーチ就任に伴い交代。
  12. ^堀内恒夫の巨人投手コーチ就任に伴い交代。
  13. ^山田久志のオリックス投手コーチ就任に伴い交代。
  14. ^杉下茂の西武投手コーチ就任に伴い交代。
  15. ^星野仙一の中日監督就任に伴い交代。
  16. ^別所毅彦の死去に伴い復帰。
  17. ^堀内恒夫の巨人監督就任に伴い交代。
  18. ^稲尾和久の死去に伴い交代。
  19. ^大野豊の広島投手コーチ就任に伴い交代。
  20. ^土橋正幸の死去に伴い交代。
  21. ^工藤公康のソフトバンク監督就任に伴い復帰。
  22. ^2020年以降、白血病治療のため会議を欠席(2023年6月16日死去)。
  23. ^村田兆治は、2022年9月に暴行事件を起こして逮捕された責任を取って選考委員を辞退(同年11月11日、自宅の火災による一酸化炭素中毒で死去)。
  24. ^村田兆治の死去に伴い復帰(北別府学の死去に伴う後任は空席)。
  25. ^北別府学の後任として復帰。
  26. ^ダルビッシュ有はシーズン最終戦の10月1日楽天戦に中継ぎ登板し、200投球回と全7項目を達成した試合後「これで沢村賞はどうなんですか?やっぱり20勝の方が上ですか?待っときます」と、珍しく報道陣に逆取材したが[24]、シーズン終了後受賞せず「自分は08年に選考基準全部満たしたのですが21勝した岩隈さんが受賞しました。同時選出もという話もありましたが結果は岩隈さんだけで納得もしていました。ですがオフに入ってすぐの時に羽田空港のトイレで当時の選考委員だった某OBから『君は若い分、来年以降もとれるしから外したよ』と言われ当時22歳ながら失望したのを覚えています。本当に目指していたタイトルだったので凄く残念でした。翌年からは目指さなくなってしまいました」と沢村賞にこだわりはなくなったと述懐している[25]
  27. ^最多奪三振と最高勝率は1980・1981年当時タイトルではない。

出典

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  1. ^沢村賞について
  2. ^プロ野球正力松太郎賞について
  3. ^沢村栄治賞
  4. ^サイ・ヤング賞より歴史ある沢村賞。「該当者なし」でも規定は変えるな!Number Web 2019年10月25日
  5. ^歴代沢村賞”. SANSPO.COM. 産経デジタル. 2016年10月28日閲覧。
  6. ^ab『読売新聞』1982年10月21日17面「『沢村賞』きょう決定 選考委員に金田、村山氏ら」
  7. ^読売新聞』1982年5月15日17面「運動部長会が沢村賞の選考を辞退」
  8. ^1990年10月23日『読売新聞』朝刊
  9. ^『読売新聞』1994年10月25日朝刊
  10. ^中日・大野雄大、沢村賞の決め手は「完封、完投の数」巨人・菅野を推した村田兆治委員も「別格」と納得中日スポーツ 2020年11月23日
  11. ^今年の沢村賞は誰?選考委員の山田久志が内部事情を暴露
  12. ^1981年の巨人・江川卓と沢村賞選考の波紋>
  13. ^“沢村賞選考基準見直しも 分業化で完投数減、基準にQS案も”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2014年10月28日). http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2014/10/28/kiji/K20141028009183590.html 2016年10月28日閲覧。 
  14. ^読売新聞』1997年10月21日東京朝刊スポーツA面25頁「西武・西口が初の沢村賞 パ・リーグ投手部門「3冠」評価」(読売新聞東京本社
  15. ^『読売新聞』1998年10月21日東京朝刊スポーツA面23頁「ヤクルトの川崎、初の沢村賞/プロ野球」(読売新聞東京本社)
  16. ^ab“沢村賞 来年度からQSも参考に 選考規定の補足項目に”. Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2017年10月30日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2017/10/30/kiji/20171030s00001173269000c.html 2017年10月30日閲覧。 
  17. ^中日・大野雄大が沢村賞を初受賞! 圧巻の10完投、14勝の巨人・菅野を抑える”. Full-Count (2020年11月23日). 2021年9月28日閲覧。
  18. ^オリックス山本由伸が沢村賞を初受賞 堀内氏「比べようがないぐらい突出」”. 日刊スポーツ (2021年11月22日). 2021年11月23日閲覧。
  19. ^オリ・由伸 パ初2年連続 沢村賞「やりがい感じます」 選考基準7項目のうち5項目クリア”. スポニチ (2022年10月25日). 2022年12月13日閲覧。
  20. ^オリ・由伸 3年連続で沢村賞受賞 金田正一以来史上2人目 3度の選出も史上最多タイ”. スポニチ (2023年10月30日). 2023年10月30日閲覧。
  21. ^“真のエース”の証…?「沢村賞」を複数回受賞した投手たちBASEBALL KING 2018年10月29日
  22. ^元阪神エースのバッキー氏死去 日本通算100勝日刊スポーツ 2019年9月15日
  23. ^沢村賞を受賞したことがない唯一の球団は「ロッテ」 最多は巨人の16回 - livedoorNEWS 2015年10月27日
  24. ^ダル2年連続沢村賞ならず、5勝差で逃す - 野球ニュース”. nikkansports.com (2008年11月4日). 2022年8月28日閲覧。
  25. ^ダルビッシュ、沢村賞選考に一石投じる「菊池雄星選手沢村賞でいいんじゃないですか?」”. イザ! (2017年10月31日). 2022年8月25日閲覧。
  26. ^「沢村賞落選!MVPも?江川の『人格』を許さなかった運動部長16人の怒り」『週刊文春』、文藝春秋、1981年10月29日。 
  27. ^『週刊ベースボール』 1981年11月2日号
  28. ^江川卓に西本聖が「申し訳ない」詫びを入れた「沢村賞」を巡る不可解な騒動”. アサ芸プラス (2022年4月5日). 2022年8月25日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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1940年代
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2020年代
1947年制定。記述のない年は該当者なし。
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