| 柔道一直線 | |
|---|---|
| ジャンル | 少年漫画 |
| 漫画 | |
| 原作・原案など | 梶原一騎 |
| 作画 | 永島慎二 →斎藤ゆずる |
| 出版社 | 少年画報社 |
| 掲載誌 | 週刊少年キング |
| 発表期間 | 1967年 -1971年 |
| 巻数 | 全13巻 |
| ドラマ | |
| 原作 | 梶原一騎、永島慎二、斎藤ゆずる |
| 制作 | 東映 |
| 放送局 | TBS |
| 放送期間 | 1969年6月22日 -1971年4月4日 |
| 話数 | 全92話 |
| テンプレート -ノート | |
『柔道一直線』(じゅうどういっちょくせん)は、原作:梶原一騎・作画:永島慎二・斎藤ゆずるによる日本の漫画作品、およびそれを原作としたテレビドラマ。
『週刊少年キング』(少年画報社)にて、1967年から1971年まで連載された。作画は当初、永島慎二が担当していたが、原作者の梶原一騎との漫画観の相違が原因で降板し、それ以降は斎藤ゆずるが作画を担当している。
連載時は未完のまま終了したが、後に「大完結編」として数回に分けて続きが掲載され、下記のような結末で終了した。この大完結編は当時に刊行された少年キングコミックスやサンケイ出版[注釈 1]版では収録されず、長い間幻のエピソードとなっていたが、1991年に出版された宝島社の『いきなり最終回』2巻に大完結編の最終話が改めて収録された[注釈 2]。さらに番外編として、車周作の若き日のエピソードが聖日出夫の作画で数本発表されている。これらの未単行本化エピソードは、後にネコ・パブリッシング版の単行本にすべて収録された。
作品の時代背景は1968年のメキシコシティオリンピックの前後に相当し、1972年のミュンヘンオリンピックを目指す日本勢を描いている。梶原が『巨人の星』『侍ジャイアンツ』『柔道讃歌』で親子を描いたのに対し、本作品では『あしたのジョー』と同様に師弟の絆を描いている。
この作品のブームにより、多くの少年が柔道を始めるきっかけともなった(後述)。柔道の知名度アップなどで当時の柔道界に果たした貢献度は大きいが、その反面「地獄車」など荒唐無稽な技が多く出てくるので、増田俊也は『七帝柔道記』の中で「この作品が世間に歪んだ柔道観を持たせてしまった」と指摘している。
主人公・一条直也の父親は1964年の東京オリンピックの柔道で敗れ、命を落とす。直也は車周作の指導のもと、「地獄車」、「海老車」などの技を駆使して外国人柔道家や日本のライバルたちと戦う。
最後は師匠・周作が直也に「地獄車からの脱皮」と新たな飛躍が必要と見て、敢えて敵の外国人柔道家に「地獄車攻略法」をさずける。直也は試合でも相手の誘いに乗らず、冷静に普通の投げ技で破り、最後は日本人のライバルを地獄車で下して優勝する。周作は負けを認め、直也の活躍がテレビ中継されている料理店で酒を飲みながら息を引き取る。
東映制作で、1969年6月22日から1971年4月4日までTBS系列で毎週日曜日19:00 - 19:30の「タケダアワー」枠にて放送された。高校編では原作とストーリーが大きく異なっている。一つの違いとして原作で地獄車は直也が使い手となりそれを右京が破るのだが、ドラマでは役割が逆になっている。
大ブームとなった「スポ根ドラマ」の端緒となった作品であり、アクションシーンの特殊効果は後に一部の同じスタッフで制作される『仮面ライダー』のアクションにつながることとなる[1]。主演の桜木健一は試合前のポーズとして、宮本武蔵の二刀流の構えや赤胴鈴之助の真空斬りの振りなどをアレンジして考え出したと話している[2]。そして後に『仮面ライダー』に仮面ライダー2号・一文字隼人役として出演することになった佐々木剛が「(変身ポーズとしてこの試合前のポーズを)真似していいかな」と言って来たという[2]。
54話でライバル・結城真吾役の近藤正臣がピアノの鍵盤の上に跳びあがって、足で「ねこふんじゃった」を演奏したシーンが有名で、そのインパクトの高さから後年の名珍場面集などで必ずと言っていいほど取り上げられることで知られる[1][注釈 6]。
前番組の『妖術武芸帳』が低視聴率により1クールで打ち切りが決定[4]したため、東映とTBSが半年で契約[4]しており、穴埋め企画として本作品が選ばれた[4][1]。アニメ制作会社の東京ムービーが映像化権を取得していたが、東映の渡邊亮徳が梶原を口説いたことで東映での映像化が実現した[5][6]。準備期間はわずか2カ月と限られていたため、脚本の佐々木守は呼ばれてすぐに脚本を書くように頼まれ、柔道のことを全く知らない佐々木は柔道の解説本とルールブックを手に旅館にカンヅメになり、翌日までに2話分を書くという逼迫したスケジュールであった[4][5]。
前述の事情から当初は1クールほどの放映予定[7]であったが、裏番組に人気番組だった『アタックNo.1』(フジ系)と『アップダウンクイズ』(当時NET系)があったにもかかわらず、それまでテレビを見ていなかった小学生 - 高校生の男子が本作品を見るようになったこともあり、平均視聴率は23%にまでになるほど人気が高かったため、放送期間は延長。2年間(92話)に渡って放映され、主演した桜木健一とヒロインを演じた吉沢京子の出世作になった[8]。番組の人気から柔道入門者が急増し、講道館から感謝状が贈られている[1]。
制作現場は常に赤字[9]で、東映の会社上層部からは問題視されており[9]、企画者の平山亨はたびたび上層部から叱咤されることがあった[9]。そんな折、平山は京都撮影所時代の同僚で、東映動画で演出を担当していた田宮武と雑談した際[10]、東映動画も当時は製作費は赤字[10]でも、関連商品の著作料で黒字になっているという話を聞き[10]、主人公をロボットにするアイディアを着想[11]。これが後の『がんばれ!!ロボコン』へと発展していく[12]。
番組当初のアクションは実際の柔道に即したものであったが地味なため、制作担当の内田有作によって『日本剣客伝』に参加していた大野剣友会が起用され、物理法則を無視した漫画的な演出となっていった[13]。大野剣友会にとっては本作品が初めての現代劇アクションであった[13]。
内田は労働組合の幹部と諍いを起こしたことから、本作品から組合所属の人間を排除している[14]。このことが後の『仮面ライダー』での東映生田スタジオの設立に繋がっており、生田スタジオには本作品に携わったスタッフが多く参加した[14]。
レコードは東芝レコード(後の東芝EMI、現:ユニバーサルミュージックジャパン)から発売。
| 話数 | 放映日 | サブタイトル | 脚本 | 監督 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 1969年 6月22日 | カッコいいぞ地獄車 | 佐々木守 | 小林恒夫 |
| 2 | 6月29日 | 地獄車の弟子 | 冨田義治 | |
| 3 | 7月6日 | 鬼車 悪魔車 涙車 | 折田至 | |
| 4 | 7月13日 | 直也まんじ車 | ||
| 5 | 7月27日 | 突風赤月車 | 雪室俊一 | 冨田義治 |
| 6 | 8月3日 | 驀進破れ車 | ||
| 7 | 8月10日 | 必殺二段車 | 佐々木守 | 小林恒夫 |
| 8 | 8月17日 | 鬼丸火焰車 | ||
| 9 | 8月24日 | 直也破門車 | 雪室俊一 | 冨田義治 |
| 10 | 8月31日 | 決闘竜虎車 | ||
| 11 | 9月7日 | 直也泣き虫波車 | 佐々木守 | 折田至 |
| 12 | 9月14日 | 裂風海老車 | ||
| 13 | 9月21日 | 鮮血車翻し | 冨田義治 | |
| 14 | 9月28日 | 剛道にぶち当れ | 上原正三 | |
| 15 | 10月5日 | 大豪寺をぶっとばせ! | 折田至 | |
| 16 | 10月12日 | 剣道の鬼をぶち破れ | 佐々木守 | |
| 17 | 10月19日 | 赤月旭を投げとばせ! | ||
| 18 | 10月26日 | 勝て!勝て!勝て! | 上原正三 | 奥中惇夫 |
| 19 | 11月2日 | 燃えろ!不死鳥 | ||
| 20 | 11月9日 | かんぬき相撲に勝て! | 高橋辰雄 | |
| 21 | 11月16日 | 赤マスクをはぎとれ! | 上原正三 | 折田至 |
| 22 | 11月23日 | クサリ棒を打ち破れ! | 高橋辰雄 | |
| 23 | 11月30日 | くたばれ!大豪寺 | 上原正三 | |
| 24 | 12月7日 | ジュードー・サタンをうて! | 佐々木守 上原正三 | 奥中惇夫 |
| 25 | 12月14日 | ジャガー投げに挑戦しろ! | ||
| 26 | 12月21日 | メガトン投げを破れ! | 山田稔 | |
| 27 | 12月28日 | 車周作、勝負しろ! | ||
| 28 | 1970年 1月4日 | 怪童!熊野太郎 | 佐々木守 細川すみ | 奥中惇夫 |
| 29 | 1月11日 | 逆転!二段投げ | ||
| 30 | 1月18日 | 必殺!空中二段投げ | 佐々木守 | |
| 31 | 1月25日 | 黒人ボクサー サミー・ジャガー | 佐々木守 上原正三 | 山田稔 |
| 32 | 2月1日 | 恐怖のブラックパンチ | ||
| 33 | 2月8日 | 決戦、すすきが原 | 奥中惇夫 | |
| 34 | 2月15日 | 第二柔道部の竜 | 佐々木守 | |
| 35 | 2月22日 | 二段投げ対岩石崩し | 冨田義治 | |
| 36 | 3月1日 | 男、涙の二段投げ | ||
| 37 | 3月8日 | 友情の片腕試合 | 奥中惇夫 | |
| 38 | 3月15日 | 大技恐山 | 上原正三 | |
| 39 | 3月22日 | 直也と竜と風祭 | 佐々木守 | |
| 40 | 3月29日 | さらば鬼車 | ||
| 41 | 4月5日 | 荒鷲よ、はばたけ!-高校とはなにか- | 上原正三 | 山田稔 |
| 42 | 4月12日 | 地獄をとびこえろ!-己れに勝つとはなにか- | ||
| 43 | 4月19日 | 必殺技フェニックス-敵に勝つとはなにか- | 奥中惇夫 | |
| 44 | 4月26日 | 右京、おれと勝負だ!-柔の道とはなにか- | ||
| 45 | 5月3日 | 火の鳥よ翼を燃やせ-師とはなにか- | 冨田義治 | |
| 46 | 5月10日 | 鬼の柔道-柔よく剛を制すとは- | ||
| 47 | 5月17日 | 一人荒野に立て-集中力とはなにか- | 奥中惇夫 | |
| 48 | 5月24日 | 竜虎の死斗-戦いとはなにか- | ||
| 49 | 5月31日 | 必殺馬上がえし!-心の友とはなにか- | 折田至 | |
| 50 | 6月7日 | 大豪寺虎男参上-初心にかえるとは- | ||
| 51 | 6月14日 | 行け!友よ-男らしさとはなにか- | 奥中惇夫 | |
| 52 | 6月21日 | さあ来い!大豪寺-カッコいいとはなにか- | ||
| 53 | 6月28日 | 恐怖の地獄車-勝負の道とはなにか- | ||
| 54 | 7月5日 | 桜丘黒帯ファイブ-チームワークとはなにか- | 佐々木守 | |
| 55 | 7月12日 | 車返し、柔道スワン-卑怯者とはなにか- | ||
| 56 | 7月26日 | 決斗・鷹羽高シャーク-責任とはなにか- | ||
| 57 | 8月2日 | 大技・陸奥のハリケーン-男と男の友情とはなにか- | 折田至 | |
| 58 | 8月9日 | 激突!泣くなミキッペ-男と女の友情とはなにか- | ||
| 59 | 8月16日 | 闘魂・柔道ダブルヘッダー-真の団結とはなにか- | 奥中惇夫 | |
| 60 | 8月23日 | 決戦、赤月へUターン-親子とはなにか- | ||
| 61 | 8月30日 | 必殺技・飛龍へキックオフ-師弟愛とはなにか- | 折田至 | |
| 62 | 9月6日 | 決戦前夜・柔道ジャンボリー-青春とはなにか- | ||
| 63 | 9月13日 | 勝負・黒帯ファイト-ライバルとはなにか- | 冨田義治 | |
| 64 | 9月20日 | 爆発!柔道メート-助けあいとはなにか- | ||
| 65 | 9月27日 | 地獄車、回転レシーブ-真の勝利とはなにか- | 奥中惇夫 | |
| 66 | 10月4日 | 大噴火投げにアタック-根性とはなにか- | ||
| 67 | 10月11日 | 真空投げハイジャンプ-敗者とはなにか- | ||
| 68 | 10月18日 | 鬼車と講道館-自信とはなにか- | ||
| 69 | 10月25日 | おれの柔道・君の柔道-男の別れとはなにか- | 折田至 | |
| 70 | 11月1日 | 鬼車一直線-男の道とはなにか- | ||
| 71 | 11月8日 | 柔道部除名?-孤独とはなにか- | 近藤一美 | |
| 72 | 11月15日 | 車周作おれと勝負!-まことの師弟とはなにか- | 上原正三 | 奥中惇夫 |
| 73 | 11月22日 | 地獄への道-己れの道とはなにか- | ||
| 74 | 11月29日 | 柔道部解散?-高校柔道部とはなにか- | ||
| 75 | 12月6日 | 戦いの今日-クラブ活動とはなにか- | 佐々木守 | 冨田義治 |
| 76 | 12月13日 | 必殺技・天地渦巻-闘う心とはなにか- | ||
| 77 | 12月20日 | 真空投げ宙返り-柔かい心とはなにか- | ||
| 78 | 12月27日 | 破れ!大噴火投げ-敵を知るとはなにか- | 上原正三 | 折田至 |
| 79 | 1971年 1月3日 | 開眼!真空二段投げ-闘志とはなにか- | ||
| 80 | 1月10日 | 必殺技・まんじ崩し-協同生活とはなにか- | 佐々木守 | 奥中惇夫 |
| 81 | 1月17日 | 真捨身山彦に勝て-忍耐とはなにか- | ||
| 82 | 1月24日 | 恐怖さそり落し-規則とはなにか- | 上原正三 佐々木守 | 田口勝彦 |
| 83 | 1月31日 | 逆転・ジャンボ投げ-人の和とはなにか- | 佐々木守 | |
| 84 | 2月7日 | 悲しき春の旅-男の涙とはなにか- | 奥中惇夫 | |
| 85 | 2月14日 | 桜丘NO.1-男の勝負とはなにか- | 上原正三 | 折田至 |
| 86 | 2月21日 | 決戦!吹雪峠-男の意地とはなにか- | 田口勝彦 | |
| 87 | 2月28日 | 一条君らしい一条君-闘志とはなにか- | 佐々木守 | |
| 88 | 3月7日 | 爆発!一直線投げ-まことの父とはなにか- | 上原正三 | 奥中惇夫 |
| 89 | 3月14日 | 全国選手権大会開かる-個人とはなにか- | 佐々木守 | |
| 90 | 3月21日 | 狼の目の涙…-男のさびしさとはなにか- | 近藤一美 | |
| 91 | 3月28日 | 君は勝ちぬけるか-大人になるとはなにか- | 奥中惇夫 | |
| 92 | 4月4日 | この長い柔の道-一直線とはなにか- |
この節の加筆が望まれています。 |
特記の無い限り全て放送時間は日曜 19:00 - 19:30、同時ネット。
タケダアワー#ネット局の節も参照。
| TBS系タケダアワー | ||
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| 前番組 | 番組名 | 次番組 |
柔道一直線 | ||
| 前身 |
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| 1950年代 |
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| 1960年代 |
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| 1970年代 |
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| 関連項目 |
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