| 新潮45 | |
|---|---|
| 刊行頻度 | 月刊 |
| 発売国 | |
| 言語 | 日本語 |
| 定価 | 880円 |
| 出版社 | 新潮社 |
| 編集長 | 若杉良作 |
| 雑誌名コード | 04937 |
| 刊行期間 | 1982年4月 - 2018年9月 |
| ウェブサイト | www |
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新潮45(しんちょうよんじゅうご)は、かつて新潮社が発行していた月刊誌。1982年に創刊され、2018年9月18日発売の10月号を以って休刊した(事実上の廃刊)[1]。
1982年4月に5月号で創刊。創刊時の誌名は『新潮45+』(しんちょうよんじゅうごプラス)で、当初は45歳以上の中高年以上を対象とし、生き甲斐と健康情報をテーマにし、文化人が寄稿していた[2][3]。創刊CMでも活字が大きくて老眼の中高年にも読みやすいことをアピールしていた[4]。
もともとは文芸畑出身の新田敞出版部長が企画して創刊されたものだったが[5]、売上低迷により廃刊が検討され、その際に重役齋藤十一の管轄となった[3][6]。編集長は斎藤門下で『週刊新潮』編集部出身の亀井龍夫が指名され、1985年5月号から誌名を『新潮45』に改め、「日記と伝記とノンフィクション雑誌」を特徴としてリニューアルされる。同時に約50ページの増ページとともに定価も450円から700円に値上げした[2]。さらに保守系、反リベラル路線にカラーを一新することで売上を伸ばした。“人間の生と死を探求する視点を継承しつつ、さらに「発見力」を高めたい読者に届ける新総合月刊誌”を称している。なお、初期は『死ぬための生き方』や、『生きるための死に方』(共に新潮文庫)などの、死生学を扱うことが多かった。その後は事件ものも扱うようになる。
ビートたけしが連載を持ち、それをまとめた単行本「だから私は嫌われる」などはベストセラーになった。
その後、編集長は石井昂から早川清を経て、2001年から2008年にかけて中瀬ゆかりが担当。中瀬編集長体制下では、30代から40代の女性読者を対象にして、犯罪、事件、芸能、スポーツ、セレブ等を題材にした巻頭特集「13の事件簿」を連載開始。さらに岩井志麻子、中村うさぎら人気の女性作家が性行為に関する連載を持つようになる[7][8]。事件とエロを二大柱にしたことで業界人からは「平成のカストリ誌」の異名を取る[9]。男性読者が離れて女性読者の割合が増えたというが、部数増の結果を残せなかった[7][8]。
2002年、同年から開始の新潮ドキュメント賞の発表誌となる[10]。
2008年11月号から宮本太一が新編集長に就任。月刊誌の休刊が相次ぐ中で好調の『文藝春秋』をライバル誌に見据え、新潮ジャーナリズム路線への回帰を打ち出す。そのリニューアルで女性を対象にしたセックス記事と事件簿シリーズは打ち切られた[7]。2011年6月号から編集長が三重博一に交代[11]。
2015年、ノンフィクションジャンルで唯一あった雑誌が休刊したことを受けて、8月号から「ノンフィクション全開宣言!!」をテーマに掲げて活動している[12]。
2016年9月号から編集長が若杉良作に交代[13]。編集長が若杉に交代して以降、雑誌のスタンスが以前より明確に「右寄り」になったことを、しばしば寄稿していた竹内洋や小田嶋隆が指摘している[14][15]。
2018年9月25日、新潮社は、同年10月号の特別企画の件を受け、編集体制の不備などを理由に休刊と、佐藤隆信社長と編集担当役員への2人の3カ月間の10%の減俸処分を発表。「新潮45」は2018年10月号(9月18日発売)を最後に事実上の廃刊となった[1]。休刊について「限りなく廃刊に近い休刊」であるとし、「部数低迷に直面し、試行錯誤の過程において編集上の無理が生じ、企画の厳密な吟味や十分な原稿チェックがおろそかになっていたことは否めない」などとした[16][17][18]。

2018年8月号「【特集】日本を不幸にする『朝日新聞』」で自民党衆議院議員の杉田水脈が「「LGBT」支援の度が過ぎる」を寄稿[38]。文中で杉田はLGBTはそれほど差別されていないのではないか、「LGBTのカップルのために税金を使うことに賛同が得られるものでしょうか。彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」と書き、LGBTの権利を拡張する動きに疑問を投げかけた[39]。この杉田の寄稿文は、与野党の政治家[40][41]やLGBTの当事者・識者[42]など様々な立場から批判を受けた[43]。
批判に対する回答として、2018年10月号に「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」と題する特別企画を掲載した。この企画には小川榮太郎や松浦大悟[44]ら、7人が杉田の主張を擁護する趣旨の文章を寄稿した[45]。月刊Hanadaによると若杉編集長は杉田論文に批判的な論者にも寄稿を求めたが、全員に断られたという[46]。論文の中で八幡和郎は、メディア・リンチともいうべきことが純然たる言論に対して行われたことは前代未聞とし、左翼の矛先が杉田に向かう所以と批判している[47]。
この特別企画に関して、作家の平野啓一郎が「どうしてあんな低劣な差別に加担するのか」と新潮社を非難するなど、再び批判の声が上がった[44]。また新潮社の文芸部が使用するTwitterの公式アカウントが、新潮社を批判する作家らのツイートをリツイートしたことから、新潮社内部からも本誌を非難する動きがあると報じられた[48]。
2018年9月21日、新潮社は反論記事を掲載した2018年10月号について「あまりに常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現が見受けられた」と、内容に問題があったことを認める佐藤隆信社長の談話を発表した[49]。その後、9月24日には本社の看板「Yonda?」に「あのヘイト本」と落書き、「あのヘイト本、Yonda?」にされる事件が発生、翌9月25日に休刊を発表している。休刊にあたって新潮社は、「部数低迷に直面し、試行錯誤の過程において編集上の無理が生じた」と説明している[16]。
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