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新交通システム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
曖昧さ回避この項目では、日本における広義の新交通システム(従来の鉄道とは異なる都市交通システム全般をさす概念)について説明しています。日本において狭義で「新交通システム」と呼ばれている交通システム(AGT)については「自動案内軌条式旅客輸送システム」をご覧ください。
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新交通システム(しんこうつうシステム)とは、日本の都市交通システムのうちで、

  • 広義には、新規の技術開発によって従来の鉄道とは異なる機能や特性をもつ交通手段(AGTモノレールリニアモーターカー等)及び既存の交通手段に改革を行うことで発展させた新しい交通システム(ライトレール、デマンドバス、ライド・アンドライド・システム等)の総称[1]
  • 狭義には Automated Guideway Transit (AGT,自動案内軌条式旅客輸送システム)のみを指す[1]

概念

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広義の「新交通システム」は新規の技術開発によって従来の交通機関とは異なる機能や特性をもつ交通手段や既存の交通手段に改革を行うことで発展させた新しい交通システムのことであり、これらは主に中量輸送を対象とする公共交通システムである[1]中量軌道輸送システムも参照)。

国土交通省では、「動輪にゴムタイヤを使用した案内軌条式鉄軌道 (AGT) や、ガイドウェイバスなど、従来の鉄道とは異なる新しい技術を用いた中量軌道輸送システム」とされている[2]が、あくまでさまざまな形態のものを包含する概念とされており、決まった定義はない。日本産業規格(JIS)では、懸垂式鉄道及び跨座式鉄道案内軌条式鉄道無軌条電車鋼索鉄道並びに浮上式鉄道を「特殊鉄道」として扱っている[3]

路線の一般道などとの立体交差・自動運転・無人運転のシステムが多く、このうち AGT とモノレールが現在最も普及している。多くの新交通システムは日本万国博覧会沖縄国際海洋博覧会神戸ポートアイランド博覧会国際科学技術博覧会バンクーバー国際交通博覧会'88さいたま博覧会横浜博覧会国際花と緑の博覧会2005年日本国際博覧会等の博覧会で試験的に運行されたり、博覧会に合わせて開業される路線もあり博覧会と新交通システムの関係は密接につながっている。博覧会での運行は実用化に向けた試金石でもありその後の実用化に少なからず影響を与える。現在、運行されている新交通システムの原型はその大半が以前に開催された博覧会で運行されたもので、博覧会での運行結果が芳しくなかったものは実用化に至らないことが多い。営業路線として実用化していないものに電波磁気誘導式のバスシステムIMTSがある。

分類

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1971年運輸省運輸技術審議会では、新交通システムは「連続輸送システム」「軌道輸送システム」「無軌道輸送システム」「複合輸送システム」の4つに分類された[4]。ここでは日本交通計画協会の新交通システムの分類を元に、「新交通システム」と呼称される場合があるものを一覧する。

連続輸送システム

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動く歩道(連続して動くベルトに乗車する)形式と動くベルトにカプセルを載せたカプセル形式が考えられていた[5]

動く歩道形式
  • スピーダウェイ
    開発:ダンロップ
カプセル形式

軌道輸送システム

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小形の車両を繋ぎ合わせた中量軌道システムと数人乗りの小型車両による個別軌道システムに分類される[5]。ただし、個別軌道システムはCVSが代表例(実用化試験)であるが、日本国内への本格的な導入は実現しなかった[5]。このほか、拠点間高速輸送システムがある[5]

車上動力

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自動案内軌条式旅客輸送システム (AGT:Automated Guideway Transit)
ゴムタイヤ車輪の小型軽量車両が自動運転により走行する案内軌条式鉄道で国内外でも普及している。先述のように狭義の「新交通システム」はAutomated Guideway Transit(AGT)のみを指す[1]

ゴムタイヤ式地下鉄
案内軌条に従って走行するゴムタイヤ車輪の地下鉄。案内軌条式鉄道の一種。
ゴムタイヤトラム
路面電車とトロリーバスの長所を併せ持つゴムタイヤ車輪の交通輸送機関。
磁気浮上式鉄道
磁力により車体を軌道から浮上させて推進する、いわゆる一般的な意味での「リニアモーターカー」のこと。
モノレール
1本の軌条により進路を誘導されて走る軌道系交通機関。
懸垂型

跨座型

鉄車輪式
索道都市索道
  • Zippar
    電動自走式の搬器を使用した索道。従来式の索道と違い、曲線や分岐を自由に設けられる。
    開発:Zip Infrastructure

地上動力

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空気浮上式鉄道
空気を利用して車体を軌道から浮上させて推進する交通輸送機関。
磁気浮上式鉄道
  • M-Bahn
    開発:AEG(独)、神戸製鋼所
モノレール懸垂型
  • スカイケーブル
    動力にロープ駆動(駅構内は地上リニアモーター)を利用し、車両自体には駆動装置が無い。レールで分類される場合は前述のIビーム式となる。
    開発:神戸製鋼所、三菱重工業、新潟鐵工所、清水建設、日本ケーブル
鋼索式鉄道(ケーブルカー
索道都市索道
ローラーコースター

無軌道輸送システム

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  • デマンドバス
    利用者の要求に対応して運行する形態のバス
  • バス・ラピッド・トランジット (BRT:Bus Rapid Transit)
    バスを利用した交通輸送機関。二連節バスを用いられる場合が多く、日本の多くの都市で導入が検討されている。
  • シティ・カーシステム
    乗り捨て形のシェアカー[8]。日本ではトヨタ自動車販売が「タウン・スパイダー」の名称で提案していた[8]

複合輸送システム

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複数の交通システムを合わせ持ったシステムで、「デュアル・モード・システム」とも呼ばれる[9]。ただし、カーフェリーピギーバック輸送はこの範疇には含まれない[9]

脚注

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[脚注の使い方]

注釈

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  1. ^元々はウェスティングハウス・エレクトリック社が開発したAGTの一種のシステムを指す名称であったが、海外ではこのシステムが当初は多く採用されたため、他のシステムを含めた AGT 全体のことを APM と呼称する。三菱重工業で製造された海外・空港向けの車両も APM として輸出している。
  2. ^フランス語発音: [val] ヴァル
  3. ^フランス語発音: [veikyl otɔmatik leʒe] ヴェイキュロトマティクレジェ。元々はこのシステムで最初に開業した路線 (:Villeneuve d'Ascq àLille) の頭字語とされていたが、同システムが他都市でも導入されたことから軽量自動車両を意味する頭字語へと改められた。

出典

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  1. ^abcd塚口ほか 2016, p. 104.
  2. ^『鉄道ファン』通巻637号、 95頁
  3. ^日本工業規格 特殊鉄道車両用語”. 日本工業規格. 2016年2月19日閲覧。
  4. ^井口雅一「実現した新交通システム-中量軌道システム-」『電氣學會雜誌』第102巻第1号、電気学会、1981年10月5日、6-9頁、doi:10.11526/ieejjournal1888.102.6 
  5. ^abcd電気車研究会『電気車の科学』1973年10月号「新交通システムの開発と導入について」pp.19 - 24 。
  6. ^1972年_014号「新しい交通機関としてのパラトランシステムについて(PDF) 」(インターネットアーカイブ)
  7. ^日立製作所『日立評論』1972年4月号日立ニュース「全く新しい交通方式"パラトランシステム"を共同開発(PDF)
  8. ^ab電気車研究会『電気車の科学』1973年10月号「タウン・スパイダーシステム」pp.68 - 71 。
  9. ^ab[自動車技術会「自動車技術」1972年11月号「デュアルモードシステムについて」pp.1279 - 1285。
  10. ^水間毅、松本陽「いろいろな都市交通システムの比較」『電気学会誌』第119巻第3号、電気学会、1997年11月5日、152-155頁、doi:10.1541/ieejjournal.119.152 

参考文献

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  • 塚口博司; 塚本直幸; 日野泰雄; 内田敬; 小川圭一; 波床正敏『交通システム』(2版)、2016年。ISBN 978-4274218668 
  • 渡辺史絵「ようこそAGTへ 新交通システムのすべて ~ 新交通の定義」『鉄道ファン』第54巻第5号(通巻637号)、交友社、2014年5月。 

外部リンク

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バス
路線バス
貸切バス
鉄道
シェア/レンタル
その他の路上交通
タクシー
自家用有償旅客運送
海運水運
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営業中
案内軌条式鉄道AGT
案内軌条式鉄道(ガイドウェイバス
磁気浮上式鉄道HSST
廃止
案内軌条式鉄道(AGT)
案内軌条式鉄道(ガイドウェイバス)
磁気浮上式鉄道(HSST)
磁気誘導式鉄道(IMTS
ロープ駆動式懸垂型交通システム
(スカイレール)
関連項目

鉄道事業法(旧地方鉄道法)・軌道法に拠る路線、及びそれらと同等の構造を有する空港内移動路線のみ。
印は施設内路線。印は鉄道事業法・軌道法に拠る期間限定路線。印は鉄道事業法・軌道法に拠らない空港内移動路線。

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