
志賀高原(しがこうげん)は、上信越高原国立公園の一部である長野県下高井郡山ノ内町とその周辺一帯に広がる高原である[1]。
| 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 気温(℃) | -9.7 | -9.1 | -5.9 | 1.0 | 6.0 | 10.2 | 14.5 | 15.6 | 11.3 | 4.7 | -0.6 | -6.2 |
| 最高気温(℃) | -5.5 | -4.8 | -1.2 | 6.2 | 11.4 | 14.3 | 18.3 | 19.6 | 15.0 | 9.1 | 3.9 | -2.0 |
| 最低気温(℃) | -13.8 | -13.4 | -10.6 | -4.2 | 0.7 | 6.1 | 10.7 | 11.7 | 7.6 | 0.4 | -5.0 | -6.2 |
| 降水量(mm) | 75 | 78 | 106 | 143 | 170 | 245 | 271 | 288 | 276 | 190 | 97 | 79 |

志賀高原地域は、その中心に2035.7mの志賀山をはじめ、鉢山、笠ヶ岳、東館山等が近接し、南は横手山から白根山(志賀高原地域外)方面に連なり、北東は岩菅山及び本地域で最高峰である裏岩菅山、北方は焼額山からカヤの平を経て毛無山へと連なり、北北東には雑魚川を隔てて台倉山から遠見山の稜線が鳥甲山まで連なる起伏に富んだ地形である。
志賀高原の中核に位置する志賀山の噴出物等は下流の谷を埋め、その後の浸食を受けて幕岩等の急崖や潤満滝、鳴洞滝を形成している。火山活動の結果、形成されたカルデラでは凹凸が生じ、多数の池及び湿原が創生された。岩菅山の南東域では、魚野川が岩菅山南東側を開析して両岸が切り立ったV字峡谷が形成され、また、カヤの平は本地域では珍しい噴出物に起因した平坦な地形を呈している。
また、本地域は降雪量が多いことから、標高2000m前後の山地には降雪による地形が形成されている。例えば岩菅山稜線東側では積雪に起因するカール地形、鳥甲山東壁急斜面には雪崩で形成されるアバランチシュートが特徴的である。
志賀高原地域は、新第三紀中新世のグリーンタフと呼ばれる緑色凝灰岩類を基盤とし、その上位を新第三紀鮮新世の高井火山岩類が被覆している。さらに第四紀更新世前~中期の火山活動による噴出物が火山の形状を一部で残して被覆する。噴出物の多くは安山岩質から石英安山岩質まで変化に富む。また、魚野川流域のうち、低標高域は本地域の基盤をなす新第三紀中新世のグリーンタフと呼ばれる変質を受けた海底火山噴出物及び深海底堆積物が見られ、山体の高標高域は基盤岩を広く被覆する安山岩等の火山岩類である。
注目すべき地形・地質として、志賀山の噴火によって形成された渦巻き溶岩流のほか、溶岩が冷えて固まる際に生じる柱状節理があり、本地域西側を流下する角間川の浸食により露頭した急崖である幕岩のほか、岩菅山の山稜下部や、鳥甲山南東部の急崖である布岩や稜線の東側急斜面部に見られる。
志賀高原スキー場を取り囲む主な山は以下のとおり(国土地理院地形図に記載されているもの)。
| 山岳名称 | 標高(m) | 備考※ | |
|---|---|---|---|
| [1] | 2341 | ○ | 志賀高原地域の最高峰。山頂直下が長野冬季オリンピック滑降コースのスタート地点となる構想があった。 |
| [2] | 2307 | ○ | 三角点の標高は2305.0m。横手山スキー場は日本一標高の高いスキー場、横手山山頂ヒュッテには日本一標高の高い所で営業しているパン屋がある。 |
| [3] | 2295.3 | ○ | スキー場開発構想が白紙となり西側麓は貴重な原生林が残っている。 |
| [4] | 2230.7 | 岩菅山と切明を結ぶ稜線上に存する。 | |
| [5] | 2125.2 | ○ | 北西麓(標高900~2060m)に寺子屋スキー場が広がる。 |
| [6] | 2109 | ○ | |
| [7] | 2079.6 | ||
| [8] | 2075.9 | ○ | 志賀高原区域外の西麓(標高1490~1770m)に山田牧場が広がる。地元では一般的に「笠岳」と呼ばれている。 |
| [9] | 2041 | ○ | 代表的な火山砕屑丘地形のひとつ。 |
| [10] | 2040.5 | ||
| [11] | 2037.7 | 山頂付近は代表的なアバランチシュート地形の一つ。 | |
| [12] | 2035.7 | ○ | 志賀山の東400メートルの位置に裏志賀山(標高2037m)がある(地形図には不記載)。 |
| [13] | 2011 | ○ | 三角点の標高は1960.4m。南東麓(標高1550~2000m)に焼額山スキー場、北東麓(同1470~2005m)に奥志賀高原スキー場が広がる。 |
| [14] | 1994 | ○ | 南西麓に東館山スキー場、南東麓に寺子屋スキー場および北西麓に一の瀬ファミリースキー場等が広がる。 |
| [15] | 1936 | 志賀公園区域外の北西麓(標高930~1920m)に竜王スキーパークが広がる。地形図では三角点(小竜王山、標高1900.2m)を竜王山と記載している。 | |
| [16] | 1918.7 | ||
| [17] | 1852.9 | ||
| [18] | 1839.6 | ○ | |
| [19] | 1841 | ||
| [20] | 1810 | ||
| [21] | 1756.6 | ○ | 南麓に西館山スキー場が広がる。 |
| [22] | 1747.3 | ||
| [23] | 1662.1 | ||
| [24] | 1649.6 | 北麓(標高565~1645m)に広がる野沢温泉スキー場のうち上の平ゲレンデ以南が志賀高原地域に含まれる。 | |
| [25] | 1620.3 | 旧ごりん高原スキー場、アワラ湿原および三ヶ月湖などの一帯は志賀高原地域には含まれない。 | |
| [26] | 1576.9 | ||
| [27] | 1571.8 | ||
| [28] | 1565 | ||
| [29] | 1524 | ○ | |
※ ○は志賀高原スキー場を取り囲む山岳。

今から20万年前頃、志賀山などの火山活動により周囲の川が堰き止められ、志賀湖と呼ばれる湖ができた(堰止湖)。火山活動はなおも続き、湖がほぼ埋め尽くされた結果、現在の志賀高原の大部分が湿地帯になり、埋め残った所に沼や池がある。
池の水は農業用水として利用されるほか、中部電力の水力発電所(平穏第一・第二・第三発電所)に送水し、合計最大1万6700キロワットの電力を発生する。
志賀高原観光協協会が発行している「SHIGA KOEN TREKKING MAP」(2020年)記載のものは以下の通りである。
国土地理院が発行する地形図に記載される湖沼、滝のうち上記以外のものは以下の通りである。
四十八池湿原、田ノ原湿原、高天ヶ原・一ノ瀬湿原、焼額山湿原、北ドブ湿原(カヤの平)、一沼などが、「志賀高原周辺湿原群」として環境省から「生物多様性の観点から重要度の高い湿地(略称「重要湿地」)」に選定されている[8]。
志賀高原地域周辺では、火山及び気象、水象に関する特徴的な自然現象が見られる。本地域の南西部に位置する地獄谷温泉は角間川の河床から湧出し、北東境界付近に位置する切明温泉は魚野川と雑魚川の合流地点付近の河床から湧出する。また、渋の地獄谷噴泉は、国の天然記念物の指定を受けている。
本地域は標高が高く、厳冬期には気温が日中でも氷点下となるため、標高の高い場所に生育する主として落葉広葉樹の枝に霧氷が形成されやすい。樹氷については、厳冬期にオオシラビソに過冷却の水滴が当たることで形成されるが、本地域では横手山山頂付近で特に樹氷が観察される。また、湧水については、切り立った溶岩の急崖等から亀裂を介して起こるほか、溶岩端部等でも見られる。特に、潤満滝脇の湧水を導水する沓打名水公園内や大沼池入口付近の清水名水公園内等は、地元においても湧水を得られる場所としてよく知られ、湧き出た沢水などは志賀高原内の飲料水になっている。さらに、今も数多くの灌漑用水路が残り、麓の農業用水や山ノ内町全体の飲料水になるほど利用されている。
志賀高原地域周辺では、オコジョやツキノワグマ、カモシカといった哺乳類から、ヒガラ、ビンズイといった[4]森林性鳥類、河川や湖沼に生息する両生類・爬虫類や魚類・昆虫類等まで、複雑な山岳環境下に多種多様な生物の生息が見られる。特に、国内希少野生動植物種に指定されているイヌワシは、本地域内に複数個体の生息が確認されており、本地域の豊かな自然環境の指標であるといえる。また、雑魚川及び魚野川源流域に生息する在来イワナ個体群は、志賀高原漁業協同組合の長年の保全活動により、現在でも流域単位の遺伝的固有性を保持している。岩菅山の高山帯及び雪崩草地、魚野川源流域のブナ林内のギャップ等に成立する草地には、ベニヒカゲ等の高山性蝶類、オオゴマシジミ等の希少なシジミ類の生息域となっている。

四十八池湿原、田ノ原湿原、高天ヶ原・一ノ瀬湿原、焼額山湿原、北ドブ湿原(カヤノ平)、一沼などが、「志賀高原周辺湿原群」として環境省から「生物多様性の観点から重要度の高い湿地(略称「重要湿地」)」に選定されており、キイロマツモムシの南限生息地であり、エゾイトトンボ・ルリイトトンボ・モイワサナエ・カオジロトンボ・チャイロシマチビゲンゴロウなどの昆虫類が見られる[8]。これ以外に以下のような昆虫もいる。
志賀高原地域は、日本海に近く、標高が1000m以上の地域に位置することから、比較的低標高域のブナ、ナラ等を中心とした植生から、高標高域のオオシラビソやコメツガ等の針葉樹林、並びに広葉樹のダケカンバまで連続的な分布が見られる。また標高2000m付近の稜線等ではハイマツ帯が見られ、森林限界より高標高域では高山植物の群落が形成されている。
岩菅山南東の魚野川源流域には手つかずの状態で残されている広大なブナまたはオオシラビソ等の原生林が広がっているほか、岩菅山から裏岩菅山にかけての稜線部に見られるお花畑には、ハクサンコザクラ等の高山植物が見られ、貴重な景観要素を有している。岩菅山の東側斜面では、頻繁に発生する雪崩に起因する低木群落が見られ、高山帯と合わせてジョウシュウオニアザミ、ホソバコゴメグサ等の分布範囲の極めて狭い草本類の生育地となっている。
岩菅山の北西斜面の崖地には、本地域では珍しいイチョウシダ等の希少な石灰岩植物が見られ、多様性に富んだ植物相が認められる。
その他、本地域で特筆すべきものとして、志賀山周辺の地域における高層湿原が挙げられる。火山活動により無数の凹地が形成されたことで大小様々な池及び高層湿原が形成されており、いずれも貴重な湿性植物が育成している。特に、北ドブ湿原には分布が南限に当たるチシマウスバスミレ、オオバタチツボスミレの2種が生育しており、植物地理学上も極めて重要である。
東館山山頂には東館山高山植物園が設けられている。四十八池湿原、田ノ原湿原、高天ヶ原・一ノ瀬湿原、焼額山湿原、北ドブ湿原(カヤの平)、一沼などが、「志賀高原周辺湿原群」として環境省から「生物多様性の観点から重要度の高い湿地(略称「重要湿地」)」に選定されており、ミカヅキグサ-ミヤマイヌノハナヒゲ群落,ヌマガヤ(イネ科の多年草)群落などの湿原植生が見られる[8]。
これ以外に、アカモノ、イワカガミ、ウスユキソウ、ウメバチソウ、エンレイソウ、オオカメノキ、オオシラビソ、オオバミゾホオズキ、オガラバナ、オヤマリンドウ、キヌガサソウ、キンコウカ、コケモモ、ゴゼンタチバナ、コバイケイソウ、コマクサ、コミネカエデ、コメツガ、サンカヨウ、シラカンバ(白樺)、シラネアオイ、ゼンテイカ(ニッコウキスゲ)、ダケカンバ、タテヤマリンドウ、チシマザサ(根曲がり竹)、チングルマ、ツリバナ、ナナカマド、ノリウツギ、ヒオウギアヤメ、ヒカリゴケ、ヒメシャクナゲ、フタリシズカ、マタタビ、マツムシソウ、ミズキ、ミズバショウ、ムラサキヤシオツツジ、モウセンゴケ(食虫植物)、ヤナギ、ヤハズハンノキ、ユキザサ、レンゲツツジ、ワタスゲなどがある[11]。
火山地帯ならではの豊富な湧出量を持つ多数の温泉は江戸時代から知られ、近傍の松代藩出身である幕末の洋学者・佐久間象山もこの地域の温泉を賞揚した。
標高が高く自然環境に恵まれ、積雪量も多い条件から、スキーや登山、避暑などを中心とした近代的なリゾート開発の歴史も古い。早くも1920年代から地元住民・自治体と、1927年に湯田中駅まで鉄道を開通させた長野電鉄グループとのタイアップで、第二次世界大戦前から観光地としての開発が進められた。
総称して志賀高原スキー場と呼ばれている。戦前から開発が進められており、白馬エリアと並んで、日本屈指の一大スキー場地帯である。
当初こそ小規模ではあったが戦前から著名なスキーリゾートであり、戦時中を除いて日本でのスキーブームに伴う開発が進められてきた。1947年には当時この地域を軍関係者のリゾート地としたGHQの意向により、日本で最初のスキーリフトが掛けられた。

このうち、奥志賀、横手山(一部区域)、熊の湯(笠岳スキー場往復は除く)はスノーボード滑走禁止であったが、2015-2016シーズンより奥志賀、熊の湯でスノーボードが解禁された。
環境省が19の歩道を指定し、また、志賀高原観光協会が19のコースを紹介している。
志賀高原観光協会が紹介するトレッキングコースは以下の通りである。
遊歩道(初級/ファミリー向けコース)
探索歩道(中級/一般向けコース)
登山道(上級/健脚向けコース)

夏季を中心に営業するリフト(過去に営業していたものを含む)は以下のとおりである(スキーシーズンのみ営業の索道は除く)。
また、環境省は夏季の運輸施設として次の索道を指定(予定)している。
長野オリンピック開催時に、道路や鉄道が整備されたため、以前よりアクセスは容易になった。

座標:北緯36度42分20秒東経138度30分28秒 / 北緯36.70556度 東経138.50778度 /36.70556; 138.50778
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