| 「嵯峨野観光線」とは異なります。 |
| 基本情報 | |||
|---|---|---|---|
| 国 | |||
| 所在地 | 京都府 | ||
| 種類 | 普通鉄道(在来線・幹線) | ||
| 起点 | 京都駅 | ||
| 終点 | 園部駅 | ||
| 駅数 | 16駅 | ||
| 経由路線 | 山陰本線 | ||
| 路線記号 | |||
| 開業 | 1897年2月15日(山陰本線) 1988年3月13日(愛称使用開始) | ||
| 所有者 | 西日本旅客鉄道 | ||
| 運営者 | 西日本旅客鉄道 | ||
| 路線諸元 | |||
| 路線距離 | 34.2km | ||
| 軌間 | 1,067mm | ||
| 線路数 | 全線複線 | ||
| 電化方式 | 直流1,500V(架空電車線方式) | ||
| 最高速度 | 130km/h | ||
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嵯峨野線(さがのせん)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)山陰本線のうち、京都府京都市下京区の京都駅から同府南丹市の園部駅までの区間に付けられた愛称である。この愛称は1988年(昭和63年)3月13日から使用されており、本来の名称である山陰線とあわせて「嵯峨野山陰線」と案内されることもある。
JR西日本のアーバンネットワークの路線の一つである。起点の京都駅から京都市内を縦貫し、京都府中部(南丹)へと伸びている。ラインカラーは紫(■)であり、選定理由は「京の優雅さをイメージ」とされている。路線記号は E[1]。
観光地として人気のある嵯峨野・嵐山方面へのアクセスルートのひとつで、玄関口である嵯峨嵐山駅を中心に、春・秋の行楽シーズンに多くの利用がある。保津峡の保津川下りや[2]、保津川沿いの山陰本線(当路線)の旧線を活用した嵯峨野観光鉄道線(トロッコ嵯峨駅 -トロッコ亀岡駅)へのアクセス路線であり[3]、保津峡駅→馬堀駅間においては、保津川でのラフティング客の帰路の足として重宝されている。さらに沿線には多くの高校・大学を抱えているほか、近年は外国人観光客等の増加により年間を通して利用客は増加傾向にある。
嵐山方面へのアクセスの競合路線としては、京都市内では京福電気鉄道(嵐電)嵐山本線や阪急嵐山線などがある。当路線の嵯峨嵐山駅に対して、京福電気鉄道の嵐山駅の方が、天龍寺や渡月橋などの嵐山の主要な観光地へのアクセスに優れる[4]。阪急嵐山線の嵐山駅は桂川の対岸に位置していているものの、徒歩圏内である。一方で、当路線はこれらの競合路線の中で唯一、ターミナル駅である京都駅に直接乗り入れている。嵯峨野線区間全体の競争相手としては京阪京都交通(旧:京都交通[注 1])による国道9号を経由して京都市内(京都駅、阪急京都本線桂駅)と亀岡およびその以西とを結ぶ路線バスなどがある。
全区間が旅客営業規則上の大都市近郊区間の「大阪近郊区間」、およびIC乗車カード「ICOCA」エリアに、京都駅 - 亀岡駅間が電車特定区間に含まれている[5][6]。
全区間を近畿統括本部が管轄している。
| 停車場・施設・接続路線 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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京都駅では北西の専用ホームから発車している。京都駅を発車すると東海道本線(JR京都線)に沿って西進して一度単線となるが、大宮通をくぐった先から複線になる。ここまでが京都駅構内である。左手に梅小路運転区、右手には梅小路公園とすぐ横を走る京都鉄道博物館(元の梅小路蒸気機関車館)の「SLスチーム号」の線路を見ながら右に大きくカーブして高架区間に入り、かつて東海道本線の支線である山陰連絡線が分岐していた地点を過ぎるとまもなく梅小路京都西駅に着く。2019年(平成31年)に開業した同駅は、京都駅から距離のあった梅小路公園や京都鉄道博物館への最寄駅として観光客の利便性向上と京都駅の機能分散、地域活性化を図って設置された[7][8]。次の丹波口駅付近には京都市中央卸売市場第一市場や京都リサーチパークがある。京福電気鉄道(嵐電)嵐山本線、四条通(四条通の地下には阪急電鉄京都線が走っている)、三条通を越え、右手に立命館朱雀キャンパス、正面に大きな楕円形の屋根が見え始めると二条駅である。丹波口駅から二条駅までは千本通(平安京朱雀大路跡)にほぼ沿ってきたことになる。
二条駅を出ると、左にカーブして進路を再び西に変えると丸太町通に沿って、円町駅、さらに進むと三角屋根が目立つ花園駅に到着する。花園駅を出ると、一旦地上に下りて高架の天神川通(国道162号)をくぐると再び高架になるが、その高架も左手に東映太秦映画村を過ぎて嵐電北野線を越えると終わり、地上駅の太秦駅に到着する。この付近から高いビルが目立たなくなり高度を上げて進んでいくと、2面4線の嵯峨嵐山駅に到着する。嵯峨嵐山駅は嵯峨野線全線複線化工事により橋上駅となり、構内の配線も上下共に同一ホームで緩急接続ができるように改良された。
嵯峨嵐山駅のすぐ横には、かつての嵯峨野線旧線を転用した観光路線である嵯峨野観光鉄道嵯峨野観光線のトロッコ嵯峨駅があり、ここから分岐まで下り線に乗り入れている。この付近から住宅地も少なくなり雑木林の中を進むようになるが、嵯峨野観光線と分岐すると全長1,450 mの小倉山トンネルを進む。トンネルを抜けて嵯峨野観光線と保津川を渡る第一保津川橋梁を抜けると第一保津トンネルを通過し、第二保津川橋梁上に駅がある保津峡駅である。すぐに第二保津トンネルに入り、トンネルを抜けては保津川を渡ってを2回繰り返して地蔵トンネルを抜けると、右側から嵯峨野観光線が見え始めて並走しトロッコ亀岡駅を過ぎ、右にカーブをすると馬堀駅で、しばらく右側には田園風景(保津川の遊水地)、左側には住宅地が多く立ち並ぶ中を進むと亀岡駅に到着する。亀岡駅は嵯峨嵐山駅と同じく、嵯峨野線全線複線化に伴って橋上駅となった。亀岡駅北側はこれまで保津川の遊水地となっていた関係で田園風景が残されていたが、スタジアムや商業地・住宅地の開発が盛んに行われるようになった。
亀岡駅を出ると、左手には引き続き住宅地が広がり、右手には田園風景が広がる。前川を渡り始めるとこのあたりから右側にも住宅地が立ち並ぶようになり、マンション・アパート等が見え始めると緩やかな右カーブを進んで並河駅、そのまま直進を続けると千代川駅である。国道9号をくぐって、左にカーブを進むと国道9号と大堰川と並行する。亀岡市・南丹市市境でもある、この辺りから沿線に田園風景が広がる。八木駅を通過し、京都縦貫自動車道をくぐって山間を抜けると吉富駅で、そのまま北上を続けると嵯峨野線の終点、園部駅に到着する。
京都市と北近畿方面とを結ぶ特急のほか、快速・普通が運転されている。1996年(平成8年)3月15日までは急行も運転されていた。
日中は1時間あたり特急1本、快速1本、普通4本の運転である。日中の普通は2010年(平成22年)3月の複線化事業の完了により京都駅 - 亀岡駅間で20分間隔となったが、2017年(平成29年)3月に嵯峨嵐山駅発着の普通列車が設定されたことにより、京都駅 - 嵯峨嵐山駅間で15分間隔となった(保津峡駅・馬堀駅では30分の間隔が空く)後、2021年(令和3年)3月のダイヤ改正で嵯峨嵐山発着列車がなくなり20分間隔に戻った[9]。しかし、2024年(令和6年)3月のダイヤ改正で嵯峨嵐山駅発着の普通列車が再度設定されることになり、京都駅 - 嵯峨嵐山駅間で15分間隔に戻された[10]。
紅葉シーズンを中心に、京都駅 - 嵯峨嵐山駅間に臨時列車が運転されているほか、定期列車の増結も行われる。かつては、京都駅でスイッチバックまたは、丹波口駅から東海道本線の支線である山陰連絡線を利用して、大阪方面との間に臨時新快速が運転されていたことがあった(「大阪方面からの臨時列車」を参照)。近畿地方交通審議会では、山陰連絡線を活用して大阪方面との相互直通運転案を検討した[11]が、新駅設置の妨げになるとして山陰連絡線は2016年(平成28年)2月をもって廃止された。
2020年(令和2年)以降の新型コロナウイルス感染症流行の影響で観光需要を中心に旅客が減少し、JR西日本ではダイヤ改正で減便などの対応を行ったが、それが一定の収まりを見せた2023年(令和5年)からは需要が急回復して、減便したままのダイヤや、オール転換クロスシート車両では混雑が問題視されるようになり、JR西日本では日常的に増結や臨時列車運転などの対応に追われている[12][13][14][15][16][17][18]。
日本国有鉄道(国鉄)の時代は汽車ダイヤであり、長距離特急や長距離普通列車を中心に運行され、京都近郊の日常的な需要に対してはほとんど考慮されていなかった[注 2]。
| 種別\駅名 | 京都 | … | 嵯峨嵐山 | … | 亀岡 | … | 園部 | … | |||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 特急 | 1本 | →福知山方面 | |||||||||
| 快速 | 1本(亀岡以西各駅停車) | ||||||||||
| 普通 | 4本 | 3本 | |||||||||
朝から夜間にかけて1時間に1本運行されている。運転系統は以下の通りである。
嵯峨野線内は全列車、二条駅・亀岡駅・園部駅に停車する。「まいづる」は、京都駅 -綾部駅間を「きのさき」または「はしだて」と併結して運転されている。ただし、2023年(令和5年)秋以降、主に春 - 秋の行楽期間中に、一部列車が嵯峨嵐山駅に臨時停車することがある[14][15][16][17][18]。
京都駅 - 亀岡駅間で一部の駅を通過し、亀岡駅 - 園部駅間では普通列車を補完するため、各駅に停車する。基本的な運転区間は京都駅 - 園部駅間で、福知山行きが2本、福知山発が1本、胡麻発が平日に1本設定されている(いずれも園部駅以北は普通)[19]。日中時間帯は1時間に1本運行されており、園部駅で福知山駅(一部列車は豊岡駅・城崎温泉駅)発着の普通と接続している。朝夕には、嵯峨嵐山駅で普通と緩急接続を行う列車がある。
現在の快速は電車としては2代目(電化前、「嵯峨野線」の呼称もなかった時代にも気動車快速が存在したことがあった)で、1990年(平成2年)3月10日から2000年(平成12年)9月22日まではラッシュ時のみ京都駅 - 園部駅間に快速が運転されていた。当時の快速の途中停車駅は二条駅・嵯峨嵐山駅(1994年〈平成6年〉9月3日以前の名称は嵯峨駅)・亀岡駅で亀岡駅 - 園部駅間は無停車であり(1996年〈平成8年〉3月16日の改正で一部が八木駅にも停車)、八木駅に停車する一部の急行列車との間で千鳥停車が実施されていた。
また、国鉄時代も快速が運転されていたが、その時代は現在停車する吉富駅を通過し、現在通過する馬堀駅に停車していた。また、並河駅は普通の一部が通過するのに快速が停車するという逆転現象が起きていた[20]。
2025年(令和7年)3月15日より、平日朝時間帯の京都行き2本と平日夕方・夜時間帯の園部行き2本に有料座席「快速 うれしート」が設定された[21][22][23]。同年10月14日より、平日夕方・夜時間帯の園部行き2本にも追加で設定される[24]。
各駅に停車し、基本的に京都駅 - 嵯峨嵐山駅・亀岡駅・園部駅間で運転されている。日中時間帯は1時間に4本(京都駅 - 亀岡駅間3本、京都駅 - 嵯峨嵐山駅間1本)が運行されている。この時間帯に途中駅で快速に追い抜かれる列車は設定されていない。福知山発が1本設定されている(福知山行きはない)。車両の夜間滞泊は園部駅で行う。
2018年(平成30年)からは、近年増加する訪日外国人に対応するため、奈良線・嵯峨野線の普通・快速列車に車掌のタブレット端末による多言語車内自動放送が導入された。嵯峨野線では221系と223系5500番台で導入、日英中韓の4カ国語での放送が行われ、嵯峨野観光トロッコの案内にも対応している[25]。
1959年(昭和34年)に準急列車として京都駅 - 天橋立駅・東舞鶴駅/福知山駅間で「丹後」が運転を開始し、1966年(昭和41年)3月に急行列車に格上げされた。1972年(昭和47年)8月から臨時列車ではあるが、特急「あさしお」が京都駅 -鳥取駅間で運転を開始し、10月からは定期化され最長米子駅まで運転されたが、園部駅 - 福知山駅間および北近畿タンゴ鉄道福知山駅 -宮津駅 -天橋立駅間の電化に伴う1996年(平成8年)3月16日のダイヤ改正で「丹後」とともに廃止された。
2002年(平成14年)の紅葉のシーズンから、土曜・休日に「嵐山もみじ号」と称して神戸発嵯峨嵐山行きの臨時列車が設定された。223系8両編成が用いられ、途中、三ノ宮駅・芦屋駅・尼崎駅・大阪駅・新大阪駅のみに停車し、京都駅を経由せずに梅小路駅(現在の京都貨物駅)から山陰連絡線を経由するものであった。2003年(平成15年)度には復路の嵯峨嵐山発神戸行きも設定され、2004年(平成16年)の春には「嵐山わかば号」として、夏には「嵐山涼風号」として同様のルートで神戸駅 - 嵯峨嵐山駅間で運転された。
2004年度(平成16年度)からは京都駅を経由するようになり、神戸駅 - 京都駅間は臨時新快速として運転し、嵯峨野線内は定期普通の時刻で運転され、この形態は運転が終了する2006年度(平成18年度)まで続くことになった。嵯峨野線内を定期列車として運転していたため、往路は園部行き、復路は亀岡発として運転された。2005年度(平成17年度)は西明石駅発着、2006年度(平成18年度)は大阪駅発着となった。
2005年(平成17年)の桜のシーズンには「嵐山さくら号」が同様に運転されていた。
また1998年(平成10年)までは「嵯峨野・嵐山ホリデー号」2往復のうちの1往復は阪和線経由で和歌山駅発着の臨時快速列車として設定されていて、221系の4両編成(1997年〈平成9年〉からは6両編成)で運転され、指定席の設定もあった。停車駅は、阪和線内の快速停車駅(当時、三国ケ丘駅・紀伊駅・六十谷駅は通過)・新今宮駅・弁天町駅・西九条駅・新大阪駅・高槻駅・丹波口駅 - 園部駅間の各駅で、大阪駅・京都駅は経由しなかったが、嵯峨野線内も通過駅があった年や京都駅を経由した年もある[注 3]。
ほかにも、快速嵯峨野ホリデー号・レジャー号などが運転された。
かつては、大晦日深夜から元旦にかけて、京都駅 - 亀岡駅間で普通のみ約60分間隔で終夜運転が実施されていたことがあった[26]。
2008年(平成20年)8月11日から新型車両223系5500番台が運用を開始したが、吹田総合車両所福知山支所所属であり、園部駅以北ならびに舞鶴線・福知山線(篠山口駅以北)での運用が主体であるため、愛称制定以来最初から嵯峨野線向けとして吹田総合車両所京都支所(旧:京都総合運転所)に新製配置された新型車両は存在しない。
この節の加筆が望まれています。 |
ここでは1988年(昭和63年)3月13日にJR嵯峨野線と命名されて以降に使用されていた車両を記す。
| 複線化の経過 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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嵯峨野線で最も早く取り組まれた輸送改善事業は、国鉄時代に行われた京都駅 - 二条駅間の高架化(1976年〈昭和51年〉完成)である。この区間は七条通、五条通、四条通など幹線道路との交差が多く、京都府と京都市は戦前の1931年(昭和6年)から高架化に関する要望を行っていた。1969年(昭和44年)に建設省と運輸省が「都市における道路と鉄道の連続立体化に関する協定」を結び[41]、京都駅 - 二条駅間が高架化緊急改良区に指定された。京都府と京都市は、複線高架化を要望していたが、単線高架であれば国鉄の負担額が1割で済むところ、複線であれば4割になることから国鉄は難色を示し、結局複線分の用地買収費を上乗せした上で単線高架化することに決まった。1972年(昭和47年)5月に起工式が行われ、1976年(昭和51年)3月に完成した。これは、国の補助事業を利用した鉄道連続立体交差事業としては日本で最初の完成となった[42]。
その後、1979年(昭和54年)に京都駅 - 園部駅間の複線化、京都駅 -綾部駅間の電化が決定し、桂川(保津川)に沿って大きく迂回していた嵯峨駅(現在の嵯峨嵐山駅) -馬堀駅間の新線建設および複線化工事が着工された。また、1988年(昭和63年)10月には京都駅に山陰3・4番のりば(現在の32・33番のりば)が増設された[43]。嵯峨駅 - 馬堀駅間の新線はJR西日本発足後の1989年(平成元年)3月5日に開通した[44]。同時に太秦駅が開業し、単線区間であった並河駅と吉富駅に行き違い施設を設置したほか、一部の駅では一線スルー化が行われ、翌1990年(平成2年)3月には京都駅 - 園部駅間が電化された。しかし、国鉄再建法・国鉄分割民営化の影響等により、他の区間の複線化工事は延期された。
その後1996年(平成8年)に二条駅 - 花園駅間が高架化され、その地上線跡地を活用して2000年(平成12年)9月23日に同区間が複線化され、同時に円町駅が開業し、同日のダイヤ改正で朝ラッシュ時を中心に快速17本、普通14本を増発した[45]。また始終着駅である京都駅のホームも1997年(平成9年)の駅ビル開業に合わせて改良された。
2003年(平成15年)からは、京都駅 - 園部駅間の全線複線化および、周辺道路の混雑解消と安全確保のために花園駅 - 嵯峨嵐山駅間の高架化工事と、嵯峨嵐山駅・亀岡駅の改良工事も同時に行われた。工事の進捗に合わせて段階的に複線化が行われ、2008年(平成20年)12月14日に馬堀駅 - 亀岡駅間[46]、2009年(平成21年)3月14日に八木駅 - 園部駅間[47][48]、同年7月20日に京都駅 - 丹波口駅間[47]、同年9月6日には並河駅 - 八木駅間[47]、同年11月1日には亀岡駅 - 並河駅間[47][49]、2010年(平成22年)1月31日に丹波口駅 - 二条駅間[47]の工事が完了し、先行して供用された。複線化と同時に同年9月6日、および11月1日にそれぞれダイヤ修正が行われた。
全線複線化は当初の計画より1年遅れ、2010年(平成22年)3月7日に花園駅 - 嵯峨嵐山駅間[47]の複線化をもって完成した。これを受けて同年3月13日にダイヤ改正を実施し、ラッシュ時の快速を増発し、日中についても運転間隔が均等化された[38]。
また、花園駅 - 太秦駅間が2008年(平成20年)3月23日、太秦駅 - 嵯峨嵐山駅間が2008年(平成20年)5月25日に高架化され[50]、さらに同時に進められていた嵯峨嵐山駅および亀岡駅の橋上化と自由通路設置工事は、2008年(平成20年)春に完成し部分供用を開始した。嵯峨嵐山駅はその後2008年(平成20年)11月21日に全面完成した[51][52]。これにあわせて、2011年(平成23年)1月19日にATS-P(拠点P方式)の設置が完了した[53]。
なお、2003年(平成15年)以降に行われた輸送改善の事業費は233億円(JR96億円、京都府と沿線市町で各69億円)である。
一方、京都駅から大宮通の跨線橋付近までは単線のままとなっている。複線化に関しては大掛かりな用地買収を行うかまたは既存の配線を大幅に変更する必要性があり、実現の見通しは立っていない。また、運転本数が増えたことにより、特に角屋近くを通る京都駅 - 二条駅付近の高架区間において騒音問題が浮上しているが、まだ抜本的な解決策はない[54]。
京都駅付近の単線区間は特急「はるか」も通るが、2029年(令和11年)度の山科駅改良工事後は特急「はるか」は使用せず、京都駅の30番のりばも嵯峨野線への転用が予定されている[55]。

嵯峨野線区間は京都鉄道が1899年(明治32年)までに開通させたものである。
| 駅ナンバー [71] | 駅名 | 営業キロ | 快速 | 接続路線・備考 | 所在地 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 駅間 | 累計 | ||||||
| JR-E01 | 京都駅京 | - | 0.0 | ● | 西日本旅客鉄道: 東海旅客鉄道: 近畿日本鉄道:B京都線(B01) 京都市営地下鉄: | 京都市 | 下京区 |
| JR-E02 | 梅小路京都西駅京 | 1.7 | 1.7 | | | |||
| JR-E03 | 丹波口駅京 | 0.8 | 2.5 | | | |||
| JR-E04 | 二条駅京 | 1.7 | 4.2 | ● | 京都市営地下鉄: | 中京区 | |
| JR-E05 | 円町駅京 | 1.6 | 5.8 | ● | |||
| JR-E06 | 花園駅京 | 1.1 | 6.9 | | | 右京区 | ||
| JR-E07 | 太秦駅京 | 1.7 | 8.6 | | | 京福電気鉄道: | ||
| JR-E08 | 嵯峨嵐山駅京# | 1.7 | 10.3 | ● | 嵯峨野観光鉄道:嵯峨野観光線 ⇒トロッコ嵯峨駅 京福電気鉄道: | ||
| JR-E09 | 保津峡駅京 | 4.0 | 14.3 | | | 嵯峨野観光鉄道:嵯峨野観光線⇒トロッコ保津峡駅 | 亀岡市 | |
| JR-E10 | 馬堀駅 | 3.8 | 18.1 | | | 嵯峨野観光鉄道:嵯峨野観光線⇒トロッコ亀岡駅 | ||
| JR-E11 | 亀岡駅# | 2.1 | 20.2 | ● | |||
| JR-E12 | 並河駅 | 3.2 | 23.4 | ● | |||
| JR-E13 | 千代川駅 | 1.8 | 25.2 | ● | |||
| JR-E14 | 八木駅 | 3.0 | 28.2 | ● | 南丹市 | ||
| JR-E15 | 吉富駅 | 4.1 | 32.3 | ● | |||
| JR-E16 | 園部駅# | 1.9 | 34.2 | ● | 西日本旅客鉄道: | ||
かねてより京都駅 - 丹波口駅間にある七条通付近に新駅を設置する構想があったが、2014年(平成26年)5月に行われた京都商工会議所の要望などを受け、同年8月より正式に検討が開始された[7][72]。こののち、2015年(平成27年)2月2日に京都市とJR西日本との間で新駅設置事業に関する基本合意書が締結され、事業化が決定した[73]。2016年(平成28年)に着工し、2019年(平成31年)に開業する予定とした。
梅小路公園周辺には、2012年(平成24年)に京都水族館が、2016年(平成28年)に京都鉄道博物館がそれぞれ開業したものの、京都駅から約1 km離れていてアクセスが悪いことと、梅小路公園周辺の活性化を図るため、JR西日本と京都市が新駅設置で合意した。事業費は概算49億円としており、JR西日本が19億円、京都市が15億円、残る15億円は国の補助金を充当する。一日の平均乗降数を約7,000人と見込む[74][73][75][76]。
駅名については、京都市が公募した結果などをもとにしてJRが判断して決定することになり、京都市が2018年(平成30年)3月から4月にかけて実施した公募(応募総数1257件)では1位が「梅小路」、2位が「梅小路公園」であった[77]。2018年(平成30年)7月20日、駅名を梅小路京都西駅に決定したと発表[69][8]、2019年(平成31年)3月16日に開業した[68]。
| 路線 |
|
|---|---|
| 列車名・列車種別 | |
| 通称 | |
| 支社・管理部 |
| ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 路線 |
| ||||
| 車両基地・車両工場 |
| ||||
| 乗務員区所 |
| ||||
| 鉄道部 |
| ||||
| 運転指令所 |
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