島根県 (しまねけん)は、日本 の中国地方 (山陰地方 )にある県 。県庁所在地 および最大都市は松江市 。
本州 西部に位置し、山陰地方 の西側を占める。離島 の隠岐諸島 や竹島 [ 注釈 1] なども含む。
旧令制国 における出雲国 ・石見国 ・隠岐国 の3国に相当する。現在でも県内の地域分類として出雲地方 ・石見地方 ・隠岐地方の3区分が用いられることがある。
島根県の名称の由来は、県庁 の置かれた松江城 が、かつて旧島根郡 (嶋根郡)に属していたためとされる。「嶋根」の名は、古代 の『出雲国風土記 』において八束水臣津野命 (やつかみずおみつののみこと)が命名 したと伝えられる[ 1] 。
1871年 (明治 4年)7月の廃藩置県 の直後には旧松江藩 の領地に『松江県』が設置された。その4ヶ月後、同年11月に松江県は周辺の他県と合併して改称し、ここに『島根県』が成立 した[ 1] 。
この改称の理由については、「明治維新 において松江藩が倒幕 に消極的であったため」と伝えられている[ 1] 。
尚、松江城下町 (現在の松江市 )は松江城が立地する島根郡(大橋川 以北。橋北)だけでなく、意宇郡 (大橋川以南。橋南)にもまたがる。
国土地理院 の全国都道府県市区町村別面積調によると、島根県の面積は6707.79平方キロメートルである[ 2] 。北東方向から西南方向へかけて、細長い形に広がった県である。
国土地理院地理情報 によると島根県の東西南北それぞれの端は以下の位置で、東西の長さは155.45 km 、南北の長さは326.52kmである[ 注釈 2] 。
国立公園 国定公園 県立自然公園 清水月山県立自然公園 鬼の舌震県立自然公園 宍道湖北山県立自然公園 立久恵峡県立自然公園 竜頭八重滝県立自然公園 江川水系県立自然公園 断魚渓・観音滝県立自然公園 千丈渓県立自然公園 浜田海岸県立自然公園 蟠竜湖県立自然公園 青野山県立自然公園 県内全域が日本海側気候 であるが、日本海側気候の地域としては最西南端にあるため比較的温和な気候で沿岸部に豪雪地帯 はない。しかし年間を通じて湿度が高く、降雨回数も多い。曇り・雨の日が晴れの日より多い。
松江市 や出雲市 など東部の沿岸部は、西部に比べると冬期の平均気温が低いものの、松江市の1月平均気温は4.3℃ と、京都市 や太平洋 側の大都市である愛知県 名古屋市 とほとんど同じで、比較的温暖である。出雲市より松江市と東へいくほど雪が多いが、松江市の年降雪量は89cmと、鳥取県の米子市 の133cmと比べると少なくなっている。年に1,2回、15 cm - 30cm程度のまとまった積雪があるものの、最低気温が比較的高いこともあり数日で溶けることがほとんどで、根雪 となった年は非常に少ない(松江市の根雪は1961年以降で2011年/1984年/1977年/1963年の4回のみ)。しかしながら、大陸に近いために数年に一度の猛烈な寒気団 に覆われると、沿岸部でも日中の気温が氷点下 の真冬日 になることもある。夏は熱帯夜 も数日あるが、山陽地方 の沿岸部と比べると暑さは穏やかである。
浜田市 、大田市 、益田市 、江津市 など県西部の沿岸部においては冬期の気温は比較的高めで1月の平均気温は約5.0 - 6.0℃と東京都心 や大阪市 とほとんど同じで、温暖である。日本海側気候から九州型太平洋側気候への遷移地帯に属し、冬期の降水は雨が多く、積雪しても数センチメートル程度にとどまることが多く、大雪となることは少ない。梅雨 末期に梅雨前線 の影響で大雨となることがあり、過去にも山陰豪雨(1983年) や2013年の豪雨 で被害を受けた地域がある。夏は熱帯夜も数日あるが、山陽地方の沿岸部と比べると暑さは穏やかである。
内陸部は1月平均気温が0.0 - 3.0℃程と寒さが厳しく、飯南町 赤名(-13.5度、2012/2/19)、弥栄 (-16.3度、2012/2/19)、瑞穂 (-15.2度、2012/2/19)、六日市 (-13.4度、1981/2/28)などでは氷点下15℃程度まで冷え込んだことがある。[ 3] 西部の津和野町 と吉賀町 を除いて全域が豪雪地帯に指定されており、標高の高い地域では1m程度の積雪に達する年もある。夏の夜は涼しく、熱帯夜となることはほとんどない。
島根県各地の平年値(統計期間:1971年 - 2000年、出典:気象庁・気象統計情報 ) 平年値 (月単位) 隠岐 出雲・沿岸部 出雲・内陸部 隠岐の島町 西郷 隠岐の島町 西郷岬 海士 松江市 鹿島 松江 斐川 出雲 奥出雲町 横田 雲南市 掛合 飯南町 赤名平均 気温 (°C ) 最暖月 25.6 (8月) 25.8 (8月) 25.6 (8月) 26.3 (8月) 25.8 (8月) 24.0 (8月) 24.5 (8月) 23.4 (8月) 最寒月 3.9 (2月) 4.5 (2月) 4.4 (2月) 4.2 (1月) 4.5 (2月) 0.7 (2月) 2.3 (2月) 0.4 (1、2月) 降水量 (mm )最多月 211.6 (9月) 227.0 (7月) 218.0 (9月) 240.5 (7月) 236.2 (7月) 234.2 (7月) 257.1 (7月) 282.2 (7月) 最少月 110.4 (10月) 96.4 (2月) 104.7 (4月) 114.5 (4月) 96.3 (2月) 103.4 (4月) 120.7 (4月) 116.5 (10月) 平年値 (月単位) 石見・沿岸部 石見・内陸部 大田 浜田 益田 益田市 高津 川本 邑南町 瑞穂 浜田市 弥栄 津和野 吉賀 吉賀町 六日市 平均 気温 (°C ) 最暖月 26.5 (8月) 26.2 (8月) 26.8 (8月) 24.2 (8月) 23.9 (8月) 23.6 (8月) 25.7 (8月) 24.5 (8月) 最寒月 4.9 (1、2月) 5.8 (2月) 5.4 (1、2月) 2.7 (1月) 0.8 (1月) 1.5 (1月) 3.0 (1月) 1.9 (1月) 降水量 (mm )最多月 246.3 (7月) 257.7 (7月) 223.9 (6月) 260.2 (7月) 260.6 (7月) 340.0 (7月) 285.6 (7月) 337.4 (6月) 最少月 98.3 (2月) 90.9 (2月) 87.9 (2月) 112.5 (2月) 109.2 (11月) 130.4 (4月) 99.7 (12月) 76.8 (12月)
県下には8市・5郡・10町・1村がある。
島根県では、町 は川本町のみ「まち」で、それ以外は全て「ちょう」、村 は「むら」と読む。
旧出雲国 の区域(ただし出雲市の一部、飯南町の一部は旧石見国 )
松江圏域 出雲圏域 雲南圏域 旧石見国 の区域(ただし大田市の一部は旧出雲国 )
浜田圏域 益田圏域 大田圏域 旧隠岐国 の区域
隠岐圏域 昭和51年4月 平成23年1月 平成24年1月 出雲地方 松江市(旧制) 松江市(新制) 松江市 (平成23年8月1日 東出雲町を編入合併) 八束郡 鹿島町 島根町 美保関町 八雲村 玉湯町 宍道町 八束町 東出雲町 安来市(旧制) 安来市(新制) 安来市 能義郡 広瀬町 伯太町 仁多郡 横田町 奥出雲町 仁多町 出雲市(旧制) 出雲市(新制) 出雲市 (平成23年10月1日 斐川町を編入合併) 平田市 簸川郡 大社町 湖陵町 多伎町 佐田町 斐川町 大原郡 大東町 雲南市 加茂町 木次町 飯石郡 三刀屋町 掛合町 吉田村 頓原町 飯南町 赤来町 石見地方 大田市(旧制) 大田市(新制) 大田市 邇摩郡 温泉津町 仁摩町 江津市(旧制) 江津市(新制) 江津市 邑智郡 桜江町 邑智町 美郷町 大和村 石見町 邑南町 瑞穂町 羽須美村 川本町 浜田市(旧制) 浜田市(新制) 浜田市 那賀郡 旭町 金城町 三隅町 弥栄村 益田市(旧制) 益田市(新制) 益田市 美濃郡 美都町 匹見町 鹿足郡 津和野町(旧制) 津和野町(新制) 津和野町 日原町 六日市町 吉賀町 柿木村 隠岐地方 隠岐郡 西郷町 隠岐の島町 布施村 五箇村 都万村 西ノ島町 海士町 知夫村
※かつて八束町、美保関町は米子都市圏の一部を構成していた。 西の原からみた三瓶山 島根県下では、旧石器時代 の遺跡は松江市とその周辺および中国山地の中央部辺り(旧瑞穂町)とで15カ所ほど知られている。宍道湖 北岸の遺跡からは瑪瑙 製台形様石器[ 注釈 3] や瑪瑙 もしくは玉髄 製の台形様石器、石核、剥片、凝灰岩製石核などが出土している。 旧石器時代 約2万年前に姶良火山灰 (AT)が降る。また隠岐 産の黒曜石 が出回り始める。 縄文時代 の草創期(約1万3千-1万年前)や早期(約1万年前-6千年前)には、古中海湾沿岸部に縄文「集落 」が形成され、海面上昇で古宍道湖が出来、沿岸に縄文人 が進出してくる。続く前期(約6千年前-5千年前)には、アカホヤ火山灰 (AKh)が降る。古中海湾・古宍道湖湾の広がり最大となる。山陰各地にも縄文集落が現れ、貝塚 ができる。中期(約5千年前-4千年前)には瀬戸内地方 や九州 地方との交流進む。山間部にも交流拠点集落現れる。後期(約4千年前-3千年前)に入り、大きな縄文集落が作られる。このころに三瓶山の大平山の噴火 が起こる。噴出物の流失物で出雲平野の骨格できる。晩期(約3千前-2千数百年前)には、山陰西部で九州との交流活発になる。打製石器 の土掘り具(石斧 など)が盛んに使用されるようになる。県東部の出雲地方は、古代日本において最も文化の発達した地域の一つであった。特に弥生時代 においては、大量の青銅器 が出土した荒神谷遺跡 や加茂岩倉遺跡 や、大型の四隅突出型墳丘墓 (安来市 古代出雲王陵の丘、出雲市 西谷墳墓群 )があり早期に鉄器を有するなど、特徴的でかつ先進的な文化が山陰一帯に存在し、その中心的勢力が島根東部から鳥取県西部にかけて存在した。 古墳時代 には雲南市 加茂町の神原神社 古墳 から「卑弥呼 の鏡」と言われる景初 3年(239年 )銘のある三角縁神獣鏡 が出土している。6世紀半ばごろに山代二子塚古墳(松江市)という94メートルの大前方後方墳 が築かれる。少し遅れておよそ91メートルの今市大念寺古墳(出雲市)が築かれる。出雲の東西に拮抗する大古墳が築かれたが、7世紀初頭には二子塚のすぐ東隣に一辺45メートルの大型方墳 (山代方墳 )を築いている。前方後方墳から方墳に移行したは大和政権 の大王陵の変化と同じである。奈良時代 に記された『古事記 』『日本書紀 』『出雲国風土記 』に、出雲を舞台としたスサノオ や大国主 の神話 が語られるなど、朝廷においてもその存在は大きなものであった。また神話にその創建が語られている出雲大社 は、代々出雲国造 家がその祭祀を司り現在に至っている。松江城 (国の史跡・天守は国宝)出雲地方 石見地方 隠岐地方 隠岐は松江藩領であったが、一時的に石見銀山の代官 の支配下に置かれて幕府直轄領とされていた時期もある。 隠岐では幕末に島民らが松江藩の代官を追放して自治を行っていた時期がある(隠岐騒動 )。 1909年(明治 42年)竣工の島根県庁舎 1945年(昭和20年)の終戦 直後に発生した松江騒擾事件 で全焼した島根県庁舎 たたら製鉄が衰退し、木炭 産業に移行するとともに、鉄山師の一部は雲伯鉄鋼合資会社の設立などにより和式製鉄法の近代化を行い現在に至っている。一部、古来のたたら製鉄が再現され少量操業も行っている。 島根県の人口は、県民歌 『薄紫の山脈 』の歌詞に「九十万の県民の……」とある[ 13] ように、1950年代 には90万人を超えていた。1955年(昭和30年)には約93万人に達した[ 14] 。
しかし、以後は減少傾向が続き2014年 (平成 26年)には70万人を割った[ 15] 。翌2015年 (平成27年)の第20回国勢調査 では69万4,352人と記録された。
1920年 (大正 9年)の第1回国勢調査では71万4,712人であり、第1回調査に対する人口の増減率では全国の都道府県 で本県が最下位となっている[ 14] 。また第1回調査での人口を以後の調査で下回った、全国で最初の都道府県となった(太平洋戦争 による大規模な疎開 の発生によって第6回調査(昭和 22年)のみ一時的に急減した東京都 を除く)。
地域別に見ると、出雲地域は1950年代から2020年代にかけて50万人前後のほぼ横ばいで推移しているのに対し、石見地域と隠岐地域はそれぞれ38万人から18万人、4万人から2万人と半減しており、二大都市である松江市・出雲市への集積が進んでいる[ 16] 。
義務教育の児童、生徒数の減少は進行中であり、2025年度、県内の分校を含む小学校9校、中学校2校で新入生がゼロとなった[ 17] 。
日本の都道府県 人口としては、隣接する鳥取県 に次ぎ全国で2番目に少ない。また政令指定都市 の中で最少の静岡市 よりも少なく、政令指定都市以外では最大の人口の船橋市 よりも少ない。人口密度 は、西日本 では高知県 に次いで低い。
人口・面積・人口密度・可住地面積率・可住地面積・可住地人口密度はいずれも高知県のそれに近いが、高知県は高知市に県民のほぼ半分が居住する一極集中型の県なのに対し、島根県は松江市・出雲市に人口が集中している二極集中型の県である。
島根県の『県民ホットライン 』には、県民が考える人口減少の要因として「はっきり言って魅力がない」「働ける職場がない」「医療 ・福祉 が十分でない」「人間関係が保守的 で変化を拒む気風は煩わしいから嫌だと思われている」などの意見が2015年までに寄せられた[ 14] 。
県はそれらの意見に対し、解決策として「県内産業の振興と雇用の確保」「企業誘致の推進と観光振興」「売れる農林水産品づくり」「県外からのUターン ・Iターン 対策」の4つを提唱した[ 14] 。
2018年(平成30年)の合計特殊出生率 は1.74で、沖縄県 に次いで全国2位。自然増減率は-0.71%で全国41位、社会増減率は+0.01%の転入超過で全国14位だった。
島根県市町村人口増減率分布図(2005年度と2010年度国勢調査から算出)増加 0.0 - 2.49 %
減少 0.0 - 2.5 %
2.5 - 5.0 %
5.0 - 7.5 %
7.5 - 10.0 %
10.0 % 以上
5万人以上の都市雇用圏 (2015年国勢調査時点の10%都市圏)
島根県と全国の年齢別人口分布(2005年) 島根県の年齢・男女別人口分布(2005年) ■ 紫色 ― 島根県■ 緑色 ― 日本全国
■ 青色 ― 男性■ 赤色 ― 女性
島根県(に相当する地域)の人口の推移1970年 (昭和45年)773,575人
1975年 (昭和50年)768,886人
1980年 (昭和55年)784,795人
1985年 (昭和60年)794,629人
1990年 (平成2年)781,021人
1995年 (平成7年)771,441人
2000年 (平成12年)761,503人
2005年 (平成17年)742,223人
2010年 (平成22年)717,397人
2015年 (平成27年)694,352人
2020年 (令和2年)671,126人
総務省 統計局 国勢調査 より
現在、技術上の問題で一時的にグラフが表示されなくなっています。
1960年(昭和35年)時点では全国39位の人口規模であったが高度経済成長期の人口流失は非常に大きく、1975年には鳥取県に次ぐ人口の少ない県(46位)となり現在まで約半世紀に渡って人口順位に変動は見られない。現在においても人口流失は止まっていないが1960年代は年間15000人の社会減少となっていたが,近年は1500人前後に収まっており、人口減少こそ続いてはいるが自然動態が年々悪化している中で、総人口は高度経済成長期のような年間1万人を超えるような大幅な人口減少は見られない。全国においても中下位の人口増加率と健闘している。
表1. 国勢調査結果に基づく島根県の人口推移 実施年 人口(人) 増減人口(人) 人口増減率(%) 国内増減率(%) 増加率全国順位 注釈 1960年 888,886 - - - - 1965年 821,620 67,266 7.57 5.2047位 1970年 773,575 48,045 5.85 5.5446位 1975年 768,886 4,689 0.61 7.9246位 1980年 784,795 15,909 2.07 4.5742位 1985年 794,629 9,834 1.25 3.4037位 1990年 781,021 13,608 1.71 2.1242位 1995年 771,441 9,580 1.23 1.5847位 2000年 761,503 9,938 1.29 1.0844位 2005年 742,223 19,280 2.53 0.6644位 2010年 717,397 24,826 3.34 0.2341位 2015年 694,352 23,045 3.21 0.7535位 2020年 671,126 23,226 3.34 0.7532位 2025年 633,105 38,021 5.67 2.3335位
島根県・高知県の二県は人口規模,面積,人口密度,高齢化率も似ている。人口規模の近い高知県と比べて島根県の人口動態を考察する。1960年(昭和35年)時点では3.5万人程島根県が高知県の人口を上回っていたが、2005年(平成17年)時点では反対に高知県が約5.4万人島根県の人口を上回るまで差が広がった。ただ近年の高知県の人口増加率は全国45位前後で推移しているのに対して、島根県の人口増加率は30位前後で推移しており2025年5月現在の人口では1.2万人程まで高知県との人口差は縮小している。長年46位の人口順位が続く島根県だが、近い将来、高知県の人口を再び上回ると予測されている。
表2. 島根県・高知県の人口推移 実施年 島根県人口(人) 高知県人口(人) 島根県増加率 高知県増加率 注釈 1960年 888,886 854,595 - - 1975年 768,886 808,397 13.5 5.41990年 781,021 825,034 1.6 2.12005年 742,223 796,292 5.0 3.52020年 671,126 691,527 9.6 13.2
財政力指数 0.25373(令和4年 度)IVグループ(財政力指数0.4未満)3自治体中3位 平成16年 度以降の財政力指数は、都道府県の中で19年間ワースト1である[ 18] 。
衆議院 の小選挙区 が2。参議院 では、島根県選挙区 として全県で1区を構成していたが、2016年の第24回参議院議員通常選挙 より鳥取県選挙区 と合区され、鳥取県とともに1区を構成する合同選挙区 が創設された。
三瓶山裾野での放牧。 全国的な流れと同様に島根県においても農業の衰退が進んでおり、島根県の総農家数・耕地面積・農業生産額も年々低下している。農業生産額の割合では、米 が全生産額の33.3%で最も多く、野菜 が16.2%、乳用牛 が13.7%、肉用牛 が13.6%を占めている[ 19] 。特産品としては米(仁多米 、きぬむすめ など)、ブドウ 、西条柿 、牛肉 、メロン などがある。付加価値が高く、観光との相乗効果が見込める薬草 やハーブ の栽培にも力を入れている[ 20] 。
総農家数(2020年) - 27,186戸 耕地面積(2023年) - 35,800ha 農業生産額(2022年) - 646億円[ 21] 日本海 に面しているため漁業が盛んに行われており、総漁獲量(2011年)は15万3,000トン [ 22] で中国・四国地方 で最も漁獲量の多い県である。
2010年 の調査では、ベニズワイガニ の漁獲量が5,163トンで全国1位、ブリ 類の漁獲量が17,963トンと全国1位、アジ 類の漁獲量が33,432トンで全国2位を誇っている[ 23] 。また、宍道湖 などで採れるしじみ は、2014年(平成26年)には3622トンで4年ぶりに日本一の漁獲高となった[ 24] 。
漁業従事者数(2008年) - 3,689人[ 25] 漁業経営体数(2008年) - 2,343経営体[ 25] 漁業総船隻数(2008年) - 3,240隻[ 25] 総漁獲量(2022年) - 9万7,843トン[ 22] 総生産額(2011年) - 200億円[ 22] 島根県では、建設事業者数は4,657社で全事業者数の約12%、従業員数でも32,723人と全産業の従業員数の約11%を占めている[ 26] 。全国では、建設業の全産業に占める事業所数は9.7%・従業員数は6.9%[ 27] となっており全国と比べても島根県でも建設業が占める割合が大きくなっている。
特に公共工事の比率は66.94%と高知県に次いで全国2位[ 28] と高く建設業において公共事業が大きな役割を担っている。しかし近年の国や県・市町村の財政難などから公共事業は減少しており、建設業を取り巻く環境は厳しくなっている。
島根県の製造品出荷額等は9,840億円(2010年)[ 29] であり鉄鋼が1,578億円(2010年)[ 29] と最も高い割合を占めている。江戸時代 から明治時代 にかけてたたら製鉄 が栄え、古くからの鉄鋼技術を背景に島根県では鉄鋼 産業が盛んに行われておりプロテリアル (旧・日立金属)や東洋製鉄 、NTN鋳造 など鉄鋼関連の企業が多数集積している。この他、情報通信 機械 が1,565億円、電子部品 ・デバイス が1,295億円と続いている[ 29] 。
情報通信機械の分野では出雲市に本社を置く島根富士通 がノートパソコン の生産拠点を構えており、出雲市の本社工場では年間200万台のノートパソコンが生産されている。
製造業出荷額等は2010年の統計データでは、島根富士通や島根島津 ・出雲村田製作所 などが本社・工場を構える斐川町(当時)が2,634億円[ 29] と県内の市町村でトップとなっている。なお、斐川町は2011年 に出雲市 と合併しており、2010年時点の統計では、出雲市が3,818億円が製造業出荷額等でトップとなっている[ 29] 。
島根県の小売業の年間商品販売額は1999年 の約8,463億4,700万円、事業所数は1994年 の12,018事業所、従業員数は2002年 の50,546人をピークにそれぞれ年々減少傾向にある[ 30] 。2009年現在では、年間商品販売額は約7317億5,300万円事業所数は8,952事業所、従業員数は45,628人となっている[ 30] 。
百貨店 (日本百貨店協会 に加入している店舗)は存在しない[ 31] 。2024年1月14日まで一畑百貨店 松江店(松江市)が営業していたが、同日をもって閉店したことにより「百貨店ゼロの県」となった[ 32] [ 33] 。
大型スーパーでは、イオンモール などのイオン グループ複数社や、広島県 のイズミ などが島根県内で総合スーパー (GMS)やショッピングセンター などを展開している。出店が進む一方で、競争が激化し2000年代 にはマイカル (現:イオンリテール )の浜田サティ (現在のゆめマート浜田 )や出雲サティ、ジャスコ (現:イオンリテール)の浜田店(現在はトライアル が出店)や平田店(現在はショッピングセンターViVAが出店)などが閉店している。
地場スーパーには、みしまや 、ふくしま 、フーズマーケット ホック 、グッディー 、キヌヤ 、ラピタ といった店舗がある。
出雲市の稲佐の浜 の沖ノ御前 隠岐郡知夫村の知夫赤壁 島根県の観光入込客延べ数は、年間33,158千人(2015年 )[ 34] となっている。観光入込客延べ数変動の要因は尾道松江線 の全線開通や松江城 が国宝に指定されたこととなっている[ 34] 。
市町村別の上位では、出雲市 が12,495,489人と最も多く、次いで松江市 が 10,061,918人、浜田市 が 1,825,247人となっている[ 34] 。観光施設では、出雲大社 が607万6千人と最も多くの観光客を集めている[ 34] 。
県外からの観光客入り込み割合は、広島県が22.9%、近畿地方 が18.7%、関東地方 が13.1%となっている。中国地方 4県の合計では、県外観光客入込客数全体の5割近くを占める[ 34] 。
島根県の観光客による観光消費額は1,367億円(平成27年度)と推定されており、観光消費額が県内に及ぼす経済波及効果は1,634億億円と推定されている[ 34] 。
指定金融機関 指定代理金融機関 島根県警察 本部の管轄にある。2005年 (平成17年)4月1日 に再編が行われ、以下の12警察署が置かれている。
第八管区海上保安本部 の管轄にある。
境海上保安部(鳥取県境港市) 浜田海上保安部(島根県浜田市) 県内一帯で普通列車の本数は毎時1本以下となっており、県内における営業列車の運用は臨時列車を除きすべて当日中に終了する(=日付越えの運用は行われていない)。
現行の鉄道路線 廃止された鉄道路線 建設が凍結された鉄道路線(未成線 ) 島根県内を運行する路線バス事業者(リムジンバス、デマンドバス、自治体バスを除く)。
高速道路 一般道路 災害拠点病院 保育所 なお、島根県内に本部を置く私立大学・短期大学は存在しない[ 35] 。かつては島根中央女子短期大学 が存在した。他都道府県に本部を置く大学のキャンパスはある。
島根県は平地が少なく起伏に富んだ地形の地域が多い。そのため、テレビやラジオの受信環境は必ずしも安定しているとは言えない。そのため、共聴設備やケーブルテレビ経由での受信が必須となる地域も多い。また、朝鮮半島 に近いこともあって韓国などの電波との混信も少なくなかったが、地上デジタルテレビ放送 やケーブルテレビ網の整備、FM補完中継局 の開始とともに解消されつつある。
^ 竹島(韓国名:独島)は歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も明らかに日本固有の領土である が、2023年3月現在大韓民国 (韓国)が実効支配 している。 ^ ただし、この広袤(こうぼう)には現在、日本国政府の施政権 が及んでいない竹島 を含んでいる。 ^ 石核から不定形に剥離された剥片を素材として、鋭い縁辺を刃部として、その側辺の両側辺を加工を加え、台形または長方形状に仕上げた小型の剥片石器。柄を付けて刺突具または切削具として使用されたと推測される。後期旧石器時代初頭の打製石器。 ^ BSSは鳥取県米子市 が本社であるが、テレビ放送開始当初は東京・大阪・愛知などの大都市以外「1県1局」が原則であり、鳥取県は既にNKTが開局していた。これではこの原則を外れるのでやむを得ず島根県松江市 に本局を構えた。このためラジオは鳥取・島根2県広域ながら、テレビは島根県だけが対象という変則状態が続いたが、その後NKT、TSKを含めた3局で相互乗り入れが行われるようになり今日に至っている。また一時期はこの名残でテレビ朝日 系のワイドショー がBSSとNKT同時放送か、同じ番組を時差ネットで放送したこともあった。詳細は山陰放送#テレビ放送開始とエリア拡大 参照。 ^ テレビ東京系は松江市と安来市、後発局であることとエリア内での受信ができないことを理由に同意が得られない平田地区を除いた出雲市のみ、独立放送局 は松江市と安来市、出雲市の平田地区のみ視聴可能。 ウィキメディア・コモンズには、
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